住宅雑誌などのメディアで、しばしばこのような特集が組まれます。
30年など期間を区切って賃貸と購入にかかる費用を計算し、双方を比較して損得勘定をはかるものですが、
このよう なシミュレーションはほとんどのケースで、「賃貸・購入どちらとも言えない」という結果になっています。
そしてそのうえで、「しかし賃貸は、その後もずっ と家賃を払い続けなければいけない」→「だから買ったほうがお得」という論理展開が
一般的です。
ところがこの手のシミュレーションには、決定的に見逃してしまっている視点が2点あります。
買った後の「メンテナンス費用」と「建て替え費用」。これらは、シミュレーションの検討項目に入っていないのです。
この2つを考慮に入れると、実は圧倒的に「借りたほうが得」ということになってしまいます。経済合理性のみの観点では、
一部を除いたほとんどのケースで「借りたほうが得」なのです。
現在のマイホーム購入は建て替えを前提とすることが不可避、というのがその大きな理由です。
日本の住宅の寿命をご存知でしょうか?
住宅総合研究財団によれば、日本の住宅の寿命はわずか30年。
マイホーム購入者は30年や35年もの長い期間の住宅ローンを組むにも関わらず、
30年でまた建て替えを検討しなければならないということになります。例えば30歳でマイホームを購入した場合、
60歳で建て替えを検討しなければならないのです。
これでは、マイホームを「所有する」ということの意味自体、よくわからなくなってしまいませんか?
他先進国と比べてみても、日本の住宅は決して「資産」とは呼べず、あたかも「耐久消費財」のような扱いであることがわかります。
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(資料)(財)住宅総合研究財団「住宅の寿命分布に関する調査研究報告書」より作成
イギリスの住宅の耐用年数は141年、フランスは83年、ドイツは79年。あの消費大国アメリカですら、住宅の耐用年数は103年です。
例えばイギリスでは、住宅は3世代に渡って住み継がれるのが一般的なため、
自分の代が建て替えにあたってしまうと「アンラッキー」なのだそう。ということは、日本人は皆アンラッキーということになってしまいますね。