マイホームを購入した後に、「住みたくなくなった」「親と同居することになった」「転勤」「リストラ」「減給」など、
いわゆる「不測の事態」が起きたとき、マイホーム処分する方法は、「売る」か「貸す」かの選択肢しかありません。
ところが「売る」ことを考えて、X年後の売却価格(資産価格)を想定するのはプロでも困難。

そこでおススメしたいのが、「貸す」ことを考えたリスクヘッジ
「マイホームを人に貸して“賃料”を受け取ることで住宅ローンや各種費用をまかなう」という方法です。
賃料は、売却価格に比べて下方硬直性が高い(状況の変化による変動が少ない)ため、ある程度の想定が可能です。
ここで、「いざというときにマンションを人に貸してリスクヘッジする計算式」をご紹介します。1.賃料の想定
不測の事態が生じて、人に貸す場合、いくらで貸せるのか。
ここではまず「想定賃料」を出してみます。

上記の方法で推測した賃料を足した上で、
0.475をかけて下さい。
計算式にすると、“(A+B)×0.475=”となります。
この計算式の意味は
「2つの数字を足して」
「2で割って(平均を出して)」
「5%割り引く(95%がけにする)」
ということです。
「5%割り引く」の意味は、実は賃料というのはあくまでも「貸主側のオファー賃料」であり、
そのままの数字で貸し出されるということはほとんどないからです。
割り引き率は物件や地域によって調整が必要ですが、ここでは5%と仮定しています。
| A.賃貸情報から推測した賃料 | 円 |
| B.不動産業者から推測した賃料 | 円 |
| (A+B)×0.475= | 円 |
2.コストの算出
マイホームを人に貸している間には、様々なコストがかかります。
このコストを割り出してみましょう。
下表にコストをどんどん入れていきます
これはマンションの場合です。毎月の「管理費」「修繕積立金」の額を記載してください。ところで「修繕積立金」は、
5年後や10年後にUPする計画になっていたり、10年後に一時金が発生する計画になっていることがあります。
マンションの「長期修繕計画」を確認のうえ、それらを勘案した数字を入れましょう。
※一戸建ての場合
一戸建ては「管理費」はかかりませんが、建物の点検・メンテナンスの費用は必ずかかります。
一般的にその費用は「建物価格の1%程度」を毎年積み立てているとよいでしょう。4LDK・30坪程度の大きさなら
月額1万円程度は積み立てておきたいものです。
よって一戸建ての場合には、下表D・Eの欄に1万円程度を見込んでおきましょう。
毎年かかるコストですが、月あたりにならして(年額を12で割って)記載しましょう。
注意したいのは、新築住宅を購入した場合には、「固定資産税の軽減措置がはたらいていること」です。
マンションは6年目から、一戸建ては4年目から軽減措置が切れ、固定資産税がUPします
| 1.住宅ローン | 円 |
| 2.管理費 | 円 |
| 3.修繕積立金 | 円 |
| 4.固定資産税 | 円 |
| 合計(1+2+3+4) | 円 |
※賃貸管理を業者に任せる場合
家賃の収集をはじめとする賃貸管理業務を業者に依頼する場合にはコストがかかります。
料金は依頼の内容によって異なりますが、0.5万円程度見込んでおけばよいでしょう。
3.判定
「想定賃料」-「コスト」 プラス? or マイナス?
上記の作業で出た「想定賃料」から「コストの合計」を引いてください。
| 「プラスの場合」 人に貸した場合、お金を受け取ることになります。 「マイナスの場合」 不測の事態が生じたときに、マイホームを人に貸すと、マイナスになります(費用の持ち出しになります)。 |
この状況を改善する方法は大きく2つ。
(1)頭金の額をもっと増やして(住宅ローンの額を減らして)毎月のローン額を減らす
(2)購入価格を下げて住宅ローンの額を減らし、毎月のローン額を減らす
ところで、ここで出た数字がマイナスになった場合でも、そのことそのものが悪いということではまったくありません。大切なのは、
不測の事態が生じた際に、マイホームを人に貸した場合には、このようなことになるのだな」
ということを、把握しておくということです。
最後に。
プロがこのような想定を実際に行う場合には、賃料の下落率(上昇率)を織り込むことで、一定程度の「時間軸の視点」を採り入れます。
賃料は、一般的には経年と共に数%ずつ下落していきます。
下落率は地域特性や物件種別を勘案して決定します。
また、X年後の住宅ローン残高を勘案しながら最適な住宅ローン商品の選択や設定方法を検討します。