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大下達哉の 「ドーシタ大下」
好き勝手に書いている日記です。技術系のネタが多くなるかも。 気楽にお付き合い下さい。 1977.3生まれ へび年 B型 うお座
最新の日記は、t-ohshita.comをご覧下さい!
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眠い目をこすりつつ、朝1番の新幹線に乗って、ガーラ湯沢へ。ガーラ湯沢までは都内からわずか1時間ほど。
改札を出ると、そこはすぐにスキー場のインフォメーションカウンターです。
リフト1日券などのチケットを交換し、更衣室でスキーウェアに着替え、早速ゴンドラに乗車。
雪不足が心配でしたが、前日の雪で周囲は一面銀世界。
今年の4月上旬に、オーストリアのNassfeldで滑って(2004年7月10日の日記参照)以来のスキーです。ゴンドラの中で雪を見ていると胸が高鳴ります。
ゲレンデに降り立つと、雪はたっぷり。しかし、吹雪いていて、寒い!
午前中は少し晴れ間が見えましたが、午後からはずっと吹雪き。見る見るうちに、ゲレンデに雪が積もるのが分かります。
寒い中でも大丈夫なよう、帽子+ゴーグル+ネックウォーマーでバッチリ(それでも寒いけど)
このスキー場で嬉しいのが、モーグルコースがあること。私が滑るのはコブばかりなので嬉しいです。(ここ最近はモーグルコースのあるスキー場が増えましたね。)
吹雪の中、地元の方と思われるモーグラーがたくさんコースに集まっています。新潟だけあって、さすがにみんな上手い。
私が、良かったのは10本くらい滑ったうちの1本だけでした。。。(あとは暴走気味が多かった)
朝8時くらいから滑り始め、途中何度か休憩をはさみながら、ナイターまで滑り通し。コースの脇を見ると、今日1日で積もった雪がたっぷり。少しコースを外れ気味に滑り、新雪を味わいます。
ナイターの頃になると滑る人も少なくなるので、新雪のやわらかい雪の上を、ちょっとスピードを出して一気にリフト乗り場まで滑ります。
う〜ん、気持ちいい!これがあるから、やっぱりスキーはやめられない。
スキーの後は温泉に入り、最終の新幹線で帰宅。帰りも1時間ほどで着いてしまうので、寝ていたらあっという間。
大きなケガもなく、スキーと温泉を堪能した1日でした。
年内の業務は今日で終わり。
朝から大掃除+席替え、そして年内最後の品質チェックで、建物の金物の取り付けチェックへ。
修正個所はいくつかありましたが、いずれも小さなもの。新年早々には、しっかり直っていることでしょう。
最初にこの現場にお伺いした時は、少しピリピリムードで、どうなるかと思いましたが、今はとても穏やか。
人がやることだから、全て完璧というのは難しく、施工で多少のミスや忘れがあっても特別なことではないと思っています。問題はそのミスをすぐに直すかどうか。この現場では、すぐに直してくれます。
お互い、建築に関わる者。やっぱりいい物を作りたいですよね。
明日から新年4日までさくら事務所は休みですが、その間には、いくつか読む本あり、ビデオもあり、年始早々に締め切りの原稿やメルマガもあり。スキーも行きたいな。やることたくさん!
とりあえず、今年はまだ3日もあるので、それを満喫します!
(とりあえずスキー行きたいな〜)
各種の業界では、業界をリードし、商品やサービスに信頼がおける企業があるものです。ちょっと他より価格は高いが、ここなら大丈夫!という企業です。
そのような企業は、ツウなら知っているとか、一般には知られていないが業界では有名というところが多いかも知れません。(例えば、パソコンモニタのナナオや、携帯電話の蝶番を作っている、ストロベリーコーポレーションなど)
住宅・建設業界にも、ハウスメーカーや大手ゼネコンと言われる大きな会社があります。
マンションや住宅関係の雑誌を見ていると、「施工は○○建設だから安心!」などと載っている場合がありますが、さくら事務所に居て各社の状況を見たり聞いたりしていると、そうとは言えないようです。
大手ハウスメーカーや、大手ゼネコンの施工と言っても、実際に建物を作っているのは、地元の小さな建設会社や工務店がほとんど。大手メーカーが直接大工さんを雇って正社員にし、建物を作るということはありません。
大手ハウスメーカーの冠をつけた建物で、その会社の社内検査に通っているにも関わらず、大きな問題が起きてしまったことも実際にありました。
逆に、地場に徹している小さな会社ですが、建物や職人さんがしっかりしていることもあります。
建設会社やメーカーによって、仕様や設計思想は違います。
しかし、最終的に作られる建物の出来は、現場の職人さんの意識や、こだわり、やる気、プライドによって変わります。その上にある社名やブランドは、ほとんどの場合、建物の仕上がりとは関係ありません。
工業製品ではない建物・家づくりは、最終的には現場の状況次第です。会社名ではなく、実際に建物を作っている人のこだわりやプライドで、住まいが評価されたらいいですね。
普段、移動の時などにはできるだけ建物を見るようにしています。
何を見ているかというと、建物の「劣化」具合。
人と不動産のより幸福な関係を築くための条件の1つに、建物の寿命を長くすることが入ると思います。
建物の寿命を長くするためには、○○工法を使う や、材質に○○を使う、だけではダメで、もっと細かい部分からの配慮が欠かせません。その配慮のヒントを求めるため、建物の「劣化」具合をできるだけ見ています。
この日記をご覧になっている方も、建物を「劣化」という面から見てみてはいかがでしょうか。
いつもと違った角度から建物を見ることで、何か見えてくることがあるかも知れませんよ。
今日は、神尾さんが講師を務める某デベロッパーの勉強会へ。
勉強会では、参加者の方からたくさんの質問や意見が飛び交いました。マンションに対する思い入れや、やる気が伝わってきます。
約2時間半の勉強会は、休むことなく続きました。しかし、その2時間半はあっという間に終了。感覚的には1時間くらいのようです。
終了後は、パソコンなどをまとめて、事務所に戻ります。
地下の立体駐車場に戻って問題が発生。勉強会を見事に終えた講師は、勉強会で力を出し切ったのか、入庫番号を忘れてしまっていたのです。
入庫番号だけならまだしも、車のナンバーまで・・・。
警備員さんは既に帰ってしまったようで、駐車場にはいませんでした。
入庫番号が分からないまま操作盤を押して、違った車が出てくること実に3回。デベロッパーの方の協力をいただき、4回目にしてようやく車が出てきました。
ご協力いただいたデベロッパーの方、ご迷惑をおかけしてすいませんでした!
(今後このようなことがないよう、講師の車のナンバーは、自分の携帯にメモしておきました。)
『昔は、金物なんて取り付けてなかった。』
品質チェックで木造の現場に行ったとき、たまに耳にする言葉です。
確かに、昔は木造住宅に金物を使う数も位置も少なかった。このようなことを言う建築関係者は、
「(昔は入れなくても良かったのだから)別にちゃんと入れなくてもいい」
と、心の底で思っているのではないでしょうか。
しかし、昔の木造住宅に金物が少なかった理由は別のところにあります。答えは、「これまで、木造の研究が行われてこなかったから」です。
一般の人は、「日本は木造住宅も多いし、日本中の大学に建築学科があるのにナゼ!?」と思うかも知れません。
しかし、実際には日本の大学の建築学科で、木造を専門とする研究室は非常に少ないのです。(鉄骨や、鉄筋コンクリート造は多い)
昭和34年(1959年)の日本建築学会で、「防火・台風水害のための木造禁止」が決議されました。
当時、都市の防火対策、相次いだ台風の被害、鉄筋コンクリート建物の増加などの社会背景により、建築の総本山である日本建築学会が、木造の研究を行わないとしたのです。
このため、日本において木造の研究に空白期ができてしまいました。
建築学会で木造が不要とされてしまったら、木造の研究を行ったとしても、発表する場がありません。そのため、大学や公共の研究機関では、木造建物の研究は行われなくなってしまいました。
木造を研究する人がいないのですから、木造の耐震性能も上がりません。研究が行われないので、金物をどこにいくつ入れたら良いのかということは、分からなかったのです。
1980年頃、枠組壁工法の研究が始まっています。
この研究の中には、構造に関するものも含まれていたので、当然のように、枠組壁工法(ツーバイフォー)の耐震性能は高まりました。今日でも、ツーバイフォーは地震に強いと言われますが、これは今から20年程度前から研究が行われていたため とも言えます。
1995年 1月17日に起きた阪神淡路大震災では、死者6,432人、家屋倒壊 約25万棟という甚大な被害を受けました。
木造の家屋は他の構造よりも被害が多く、倒壊によって多数の死者が出ました。
しかしこの時、関西以西に大学の研究室などで、木造を専門としている研究者は居なかったとされています。
下に、木質構造分野に投稿された、日本建築学会の論文数の推移を示します。
| 木質構造分野における、建築学会投稿件数の推移 |
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| 日本建築学会 大会学術講演梗概集(1968-2002)木質構造分野より作成。 |
阪神淡路大震災の翌年から、木造の分野において、研究が急激に増えていることが分かります。建築の世界で構造を研究している人であれば、あれだけの大きな被害を受けたのは何故なのか、研究しようと思うのが普通でしょう。
その為、阪神淡路大震災を転機として、各分野の研究者が木造の研究を行うようになりました。これは、ほんの数年前の出来事です。
研究者が急激に増えたため、阪神淡路大震災までは年間80件に満たなかった研究数は、2000年には、200件を超えました。(ただし、2000年の日本建築学会への全投稿数は、約5700件ですから、それでも全体の3.5%にしか過ぎません。)
ちなみに、私は学生時代に木造の伝統構法の構造について研究していましたが、最も参考になった研究は昭和16年のものでした。(そのくらい、研究が少なかったのです)
阪神淡路大震災以後の約10年、木造の研究はこれまでの遅れを取り戻すかのように、急激に進みました。
実大振動実験のように、費用、手間、研究能力、人員が必要、で大掛かりな研究も数多く行われました。
その結果、建物にねばり強さを持たせるため、金物が必要であることがわかりました。その為、今から4年前に木造の金物の規定が厳しくなり、金物の数が増えました。
これは、増えたというより、「必要だったけど、研究されていなかったため、必要なことが分からなかった」というのが正しいのかも知れません。
研究が進んだ結果今日では、構造計算が難しいお寺や社寺建築などの伝統構法の解析まで出来るようになりました。
これは、10年前には想像も出来なかったことです。
その解析のレベルも高く、一般的な木造住宅で行われる「壁倍率」の計算よりずっと高度な、「限界耐力計算」というものとなっています。
これからは、海外ではたくさん建てられている、木造の大規模建築物が日本でも増えるでしょう。(国内の大規模木造建築の例:樹海ドーム、オーストリアでの大規模木造建築の例:2004年6月27日の日記)
木造で、4階建て以上の建物が建てられることは、将来的に何も不思議ではありません。
最近は木造の研究者や、木造を専攻する学生も増えつつあるので、10年後に木造の技術がどのくらい進化しているのか、楽しみです。
自宅に帰ると、メール便が届いていました。
中身は、先週の日曜日に金沢で行われた、新潟県中越地震速報会の冊子(関連情報へのリンク)が、学生時代の先輩から送られてきました(ありがとうございます!)
どのような建物が被害を受けやすかったのか、じっくりと読みこみたいと思います。
普段は、住まいの快適性に関することをよく書いていますが、その前に絶対に必要なものは、「安全」
住まいがどんなに快適であっても、それが「安全」でなければ意味がありません。
クロスの汚れやシワは、安全とは関係ありませんが、構造体の施工ミス、施工不良は住む人の安全に関わってきます。
建物は安全でなければならないと思うから、品質チェックのサービスでも、構造体のチェックは非常に重要視しています。
安全性が確保されたら、次はその状態をできるだけ長く保つために、耐久性を考えなければなりません。
耐久性を考えていくと、構造体の伸び縮みや結露による劣化、温度管理出来ない部分をなくすために、建物の温熱環境・快適さが重要に。
建物が快適になると、快適さに費やすエネルギをいかに減らせるかという、環境への配慮が重要に。
他にも考えることがたくさんありますが、それぞれがリンクしているのが、建物作りの難しいところであり、面白いところなのではないでしょうか。
ある現場監督さんの言葉。
その当時、同時に15棟ほど受け持っている現場監督さんでした。
施工中の現場のチェックに伺う、品質チェックでは、打ち合わせから引渡しまでの間、だいたい十数回お伺いします。工事を担当される監督さんなら、現場に20回前後行かれるのが理想でしょう。
そんな訳で、1日1件現場を回るとすると、同時に受け持つ棟数によって、何回現場に行く事が出来るか、簡単に計算してみます。
同時受け持ち棟数と訪問可能回数の関係![]() |
| 仮定条件:着工〜完成まで4ケ月(120日)。1日に1件訪問、1ケ月=30日とする。 |
同時に受け持つ棟数が、5〜6棟であれば、1日1件としても20回程度見れるので、じっくりと現場を見れそうです。月当たりの休日数はあまり関係ないようです。
受け持ち棟数が10棟を超えると、訪問可能回数も10回程度に。
受け持ち棟数が15棟になると、6回しか訪問できません。この状態で全ての受け持ち棟において、20回訪問しようとすると、1日3件以上見なくてはなりません。
現場監督さんは、現場でのチェックのほかに、業者さんの手配やお客さんへの連絡などの事務仕事もしなくてはいけないため、棟数が多いと大変です。
しかし会社側から見ると、同じ15棟を作るなら、現場監督さん3人よりも1人の方が人件費が削減できるため、利幅が増えます。
家づくりにおいて、施工業者さんを選ぶ時には、その会社の業績や実績を調べると思います。
会社の概要書や決算書には「現場監督が同時に何棟受け持っているか」の数字は出てきませんが、良い施工の為には要チェックです。
イギリスの建築批評家、レイナー・バンハムの言葉。
バターを切る時には、それに適した大きさのバターナイフを使うのが普通で、斧のような大きいものは使いません。
最近寒くなってきましたが、住まいの暖房はだいたい20℃前後。しかし、灯油やガスストーブを使った場合、熱源の温度は数百℃になります。熱源の高さでいうと、これはバターナイフではなく、斧と言えるかもしれません。
そこで利用価値の高いのが、太陽熱温水器。屋根の上に載せて温水を作る装置です。1980年代によく用いられましたが、最近はあまり耳にしません。太陽光発電の方がよく耳にします。
太陽光発電は太陽のエネルギの10%程度しか電気になりません。それに対し、太陽熱温水器の効率は50〜60%前後。太陽光発電よりずっと高効率なのです。
太陽熱温水器は、設備費用が比較的安いため、費用対効果が高いとされます。構造もシンプルで、いわゆる(良い意味で)枯れた技術なので、性能や耐久性にもこれまでの経験があります。
一般的な商品で、夏は70℃、冬でも40℃の温水が作れます。高性能のものを選ぶと、冬でも50℃程度になります。(いずれも太平洋側、快晴の場合)
これを夏はお風呂に、冬は暖房に使えば、CO2の発生はなく、とってもクリーン。先の「バターを斧で切ってはいけない」で言うと、バターナイフに相当する熱源でしょう。
このように、建築地によっては、十分検討する価値のあるものです。
マンションの屋上は大抵何も使っていないので、ここに太陽熱温水器や太陽光発電装置を置いたら、住んでいる方に大きなメリットになる可能性があります。
マンションでも、外断熱で建物の省エネルギーを進めれば、建物の暖房の多くを太陽によってまかなえるかも知れません。(日射のエネルギは、水を温めることに使われるので、最上階の方にとっては、夏の暑さ対策にもなります。)
マンションの宣伝に有名人を使っても、その効果はマンションが完売するまで。20年経ったら誰も覚えていないでしょう。
有名人を使うことによる広告宣伝費を、太陽熱温水器のようなものに先行投資してくれたら、そこを買って、住まわれる方には長期に渡ってメリットがあります。
太陽熱温水器。
省エネルギーや地球温暖化が各所で言われる今、そのクリーンさと実用性の高さから、再び見直されても良いものであると思います。
先日書いた、基礎の特殊な打ち方というのは、基礎の1回打ち、基礎の一発仕上げなどと呼ばれる工法です。
今日は、その "基礎の1回打ち" での、工事でした。
最近、戸建て住宅の基礎形状は、底面にコンクリートを打った、「ベタ基礎」が多くなっています。
一般的にベタ基礎は、最初に底面を打ち、その次に立ち上がり部分を打つという、2段階の手順で行います。図に示すと、以下のような感じです。
| 1回目 | 2回目 |
|---|---|
![]() 最初に底面を打ちます。 |
![]() 底面が固まった数日後、立ち上がり部分を打ちます。 |
基礎の1回打ちでは、以下のように底面〜立ち上がり部分までを1回で施工します。
| 1回で底面〜立ち上がり完了 | 施工風景 |
|---|---|
![]() 底面から、立ち上がりの全ての部分を、同じ日に1回で施工するため、打ち継ぎが出来ません。 |
![]() |
基礎の1回打ちのメリットには、以下のような点があります。
・工期が短くなる。
・打ち継ぎ部分からの、水や空気の浸入がない。
・打ち継ぎがないため、基礎の強度が高まる。
デメリットは、精度が出しにくく、施工に技術が必要なことです。
| ちなみに今日使ったコンクリート強度は 30N/mm2と高く、スランプはスランプ試験による実測値で約16cmでした。 施工者側に技術が求められる工法ですが、現在一戸建てをご検討中の方は、業者さんに 基礎の1回打ち ができるかどうかを、聞いてみてはいかがでしょうか。 |
![]() スランプ試験風景 |
日本建築学会(建築関係で最も影響力を持つ団体、会員数 約 38,000人)に入っていると、毎月「建築雑誌」という学会誌が送られてきます。
建築雑誌の12月号の特集は、「建築基準法 −最低基準の意味」でした。
学会誌らしく、いろいろ細かく掘り下げて書いてあります。
建築基準法、第1章総則、第1条には、以下のような記述があります。
| この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。 |
たまに、マンションや家のカタログなどに、「建築基準法に基づき・・」とある場合がありますが、建築基準法はあくまで最低の基準であり、「推奨基準」ではありません。守って当然の基準です。
しかしながら、現実的には違法建築は数多くあり、建築後に「確認申請通り建てました」という証(検査済証)を取らない物件も少なくありません。また、確認済証を取った後に、違法改造をするパターンも良く見られます。
建築雑誌の特集の中に、以下のような記述がありました。
|
その通りだと思います。建築基準法は、「ザル法」などと言われますが、やはり、真面目に法律を守って建てる建築主が馬鹿を見るようではいけません。
今後は、設計の自由度を阻害しない範囲で、違反建築に対する罰則規定などは強化しても良いと思います。
今日は品質チェックで、基礎の配筋を確認に。
現場に行くと、一目で基礎の幅が広いことが分かる。基礎の幅は150mm。
「現場での誤差を考え、コンクリートのかぶり厚を確保するために、基礎幅を余裕を持った 150mmにしています」とのこと。いいですね〜
現場監督さんと一緒に配筋チェックをしていると、設計の方も加わり、3人で配筋の確認に。そういえば、設計の方が配筋の確認にみえたのは、初めてかも知れません。
鉄筋コンクリートの建物を多く手がけられている業者さんだけあって、配筋や型枠、金物の支持方法がしっかりしていました。
小さな指摘事項は少しありましたが、いずれも簡単に直るものばかり。その場ですぐに問題点を直して、一安心です。
こちらの現場、基礎のコンクリートの打ち方がちょっと特殊で、メリットは多いものの、業者さんの腕が問われる工法。
来週のコンクリート打設が楽しみです。
このような事を、住んでいる方から言われ、困っているという現場監督の方から、対処方法を求められました。
このような場合、そのすき間を埋めて対処したとしても、全体として良くなりません。建物全体の気密性能が低いため、部分修繕にしかならないからです。
今、日本の工務店や設計者・施工者を「気密性能への考え」という面で分類すると、大きく2つに分かれます。
| A:新しい家づくり型 | B:これまでの家づくり型 |
|---|---|
| 自分達の作る「家全体の余分なすき間の大きさ」が分かる。 余分なすき間は、徹底的に無くすよう、努力している。気密性能試験は必ず行う。 (性能の最低ラインを決めて、それ以下の性能では引き渡さない所もある。) |
自分達の作っている家に、どれだけのすき間があるかなんて、分からない。 知ろうとも思わない。 |
割合で言うと、A:Bは、10%:90%という所ではないでしょうか。Bの考え方の工務店の方がずっと多いのが現実です。
一般的に、Aの工務店は『技術肌』、『性能重視』、『建築が好き』な所が多くなっています。
逆にBの工務店は、『売り上げ重視』、『営業力重視』、『デザイン重視』という感じではないでしょうか。
この2つの工務店で建ててもらい、入居後すぐに、壁や窓に結露が出たとします。このような場合、考えられる返事はそれぞれ次のような感じだと思います。
| A | B |
|---|---|
| えっ!?本当ですか! どこかに施工のミスがあるかも知れないので、出来るだけ早く確認しにお伺いします。 |
お宅の「住まい方」が悪いんですよ。結露が出るなんて普通ですよ。 お宅の、「住まい方」を変えて下さい。 |
この、AとBの住まいに対する意識の差、知識の差は歴然としている事が多いです。
同様に、それぞれの工務店を選ばれる方の、住まいに対する意識の差も大きいのが現実です。
勉強して、Aの工務店と同じレベルで話が出来るようになった方は、Bの工務店の家作りには、全く興味が無くなります。(例えば、見るべき所が本質的な所に変わってきます。)
住まいの寿命に関しても、Aの工務店が造る住まいの方が長寿命な仕様になっていることがほとんどです。
この2つの工務店の違いを見分けるためには、住まいに関する勉強をすることが欠かせません。
購入者が勉強して、求めるものが高くなれば、必然的に住まいの性能は上がります。
メールマガジンをはじめることになりました。
メールマガジンの名称は、
「どうなる?!ニッポン建物事情」
外断熱はもちろん、建物を長持ちさせる方法、夏涼しく、冬あたたかい住まいを造る方法などを書いていきたいと思っています。
登録は以下のフォームからできます↓ (メルマガはまぐまぐより送信されます)
メルマガで取り上げて欲しい内容などありましたら、メールでご連絡ください。
先日の日経新聞より。
減税は別の話として、「対象となる住宅が1981年の耐震基準を満たしていること」という条件は良いと思います。
以前の日記に書きましたように、1981年を境に耐震基準は大きく変わっています。今回のような緩和措置は、中古住宅流通の活性化になりますし、厳しい耐震性能に対応した住宅が増えることは良いことだと思います。
最近はリフォーム番組の影響のためか、住宅のリフォームが盛んなようです。
壁で地震に耐える木造住宅では、むやみに壁を取り外すことは出来ませんが、業者さんによってはそのようなことを考えないでリフォームすることもあるようです。
内部のリフォームの際は、耐震補強をする良い機会だと思いますので、構造に詳しい業者さんにご依頼されるのが良いのではないでしょうか。
耐震診断をご自分でやってみたいという時は、右の耐震診断(Amazonに移動します)という本がオススメ。ちょっと専門的ですが、本のサイズがコンパクトですので、実際の建物と比較しながらチェックしてはどうでしょうか。
先日、新潟に行ってきました。震災の被害調査のためです。
当初は、震災直後に被害調査に行った学生時代の研究室に同行しようと考えていましたが、日程の関係で難しく、12月に入ってから神尾さんと2人で被害の調査に行きました。
今回の震災で被害が大きかったのは、
川口町の田麦山、武道窪、和南津地域
旧堀之内町の新道島
の、計4地域だとされています。
このうち、田麦山、武道窪の2ヶ所を見てきました。
いずれの地域も被害が大きく、田麦山地域では大規模な修繕なしに住むことが出来るのは、2割も無いのではないでしょうか。
建物の多くは倒壊、またはかなり大きな被害を受けています。
今回は、震災後約1ヵ月経過した時点での調査です。これまでの1ヵ月の間に取り壊された建物に関しては被害の確認が出来ませんが、更地になっている所がいくつかあったことから、倒壊した建物はもっと多かったことでしょう。
各所を見て回っている時にも、あちこちで建物が取り壊されています。被害が大きいため、取り壊しが避けられない建物です。
建物が大きく傾いて危険なものは右の写真のように重機で取り壊されます。
重機によって取り壊されていく家の様子を見届ける家主の方の気持ちを考えると心が痛みます。
![]() [参考写真] 芸予地震で見た広島地方の伝統建築。 柱幅が150mmある事も珍しくなく、外から見える梁に、虹梁と呼ばれる大きな梁を使うのが特徴 土壁が用いられることも多い |
倒壊に至った建物の多くは古い建物ですが、築浅のものもありました。 新聞やテレビでは、豪雪地域に建てられるため、建物の被害が・・・などといわれていますが、思っていたより柱の太さや梁の太さは大きくありませんでした。 材料の大きさだけで見ると、学生時代に芸予地震の被害調査で行った(雪の降らない)広島の伝統建築の方がずっと上です。 |
| 倒壊した建物には、柱と土台を留め付けるホールダウン金物というものが取り付けられていませんでした。 最も、昔の建物にはホールダウン金物などの金物を取り付ける義務が無かったので、建築後に耐震補強をしていない限り、古い建物には金物自体がありません。 このような場合、柱のほぞ部分には、「込み栓」という引き抜き対策の棒を入れるのですが、そのようなものもありませんでした。これでは、力がかかったときに簡単に柱から外れてしまいます。 この地域の昔ながらの建物は、上からの荷重には対応しているものの、左右の揺れによる引き抜き力への対策は甘かったといえます。 | 倒壊した建物の土台部分込み栓がありません [込み栓模式図] |
| 今回の調査で一番驚いたのが、写真に示した、築1年に満たない建物での、ホールダウン金物の破断 建物の平面計画で、この部分に力が加わることは予想できますが、これまでにホールダウン金物の破断は見たことが無かっただけに衝撃的でした。 このホールダウンの破断は、今後学会や専門誌等で議論される出来事でしょう。 |
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| 最後に、被害が少なかった建物を2つ。 | |
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いずれも被害が大きかった地域に建っている建物です。周辺には倒壊した建物がいくつもあります。
サッシの落下や、室内のクロスの被害などはあったそうですが、大きな修繕なく住むことが出来そうです。
実はこの2つ、地元の同じ工務店が建てた建物。右側の家主の方いわく、この工務店は人気があり、順番待ちで建ててもらったそうです。数年前から高気密高断熱をやりはじめ、この高い基礎も工務店が直接施工するとのこと。
家主の方のお話を聞いていると、かなり勉強されている方のようでした。
・瓦は荷重が増えるので、金属屋根にした
・金属屋根の中でも、寿命が長いステンレスを採用した
・ステンレスと一般的な金属屋根の差額は30〜40万だが、
足場のコストを考えると、ステンレスの方が長期的に見て安い
・耐震のため、大きな部屋を作らないよう、あえて部屋を区切った
など、地震のことをあらかじめ考えてみえたようです。
強くて長持ちする建物を作るためには、施主側の勉強と、それに応えられる業者さん選びがとても重要という思いを強くしました。
デザインや内装、仕上げ材がどれほど良くても、その建物が直せないほど地震で壊れてしまったのでは、どうしようもありません。
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