お問合せはお早めに
最近、連続している品質チェックの事前打ち合わせ。
ご相談にみえるのは、施工業者さんを決めている段階の方、業者さんが決まって間取りを決めている段階の方、来週から着工の方いろいろです。
しかし、「来週から着工なのですが・・・。」という場合、他のお申し込み状況によっては厳しい場合が多々あります。
特にこれからの時期は、年度末引渡し物件の着工が重なるタイミングとなりますのでなおさらです。
契約前など、できるだけ早い段階の方が、こちらもアドバイスをしやすくなります。
品質チェックをご検討の方は、できるだけ早いタイミングでお問合せください。
お風呂も実際に入って定期点検?
朝1番に品質チェックの内覧会へ。
基礎の配筋検査でここに来たのが7月18日だと思うと、凄く早い。基礎の養生期間が短い訳ではなく、途中にお盆休みもあったのに。
内覧会が終わった後は高速を南下し、引渡しが終わって入居済みの丸ごとパックご依頼者のお宅へ。完成のお祝いにお招き頂いたのです。
引渡しのときはまだ出来ていなかったテラス(しかも、自作)が完成し、ご自身で植えられたという芝生は本当に奇麗になっていました。
新居に入ると、現場監督さんと設計士の方、営業の方もみえました。どうもお久しぶりです。
現場監督さんと設計士の方は、定期点検も兼ねて(?)お風呂に入ったのだとか。体で感じる定期点検ですね。(ちょっとうらやましい)
テラスの上のテーブルでは、工事中の思い出話も。
もうすぐ工事から1年だと思うと早いですね。
楽しかった時間はあっという間に過ぎ、帰る頃には外は真っ暗。
最後にみんなで挑戦した(ご依頼者のお父さん自作の)射的で、練習の成果が出ず、全然当てられなかったのが残念でした。
Aさん、どうもありがとうございました!
設備を減らせるという設計力
先日の気密性能試験の物件は、全館空調付き。
そのための空調設備(エアコン)は、34坪でたったの3.2kW! といっても分からない方の方が多いでしょうから簡単な説明を
電気屋さんに行くと、エアコンは能力別に 2.2kW、2.8kW、3.2kW、3.6kW、4.0kWなどという表示がされているはずです。
一般的な建物の場合、2.8kWは8〜10畳くらいの広さが適当。3.2kWだと、12畳前後でしょうか。
新築でエアコンを入れる場合、
「ここは、8畳ですから、2.8kWくらいですね。風は、部屋の長辺の向きに」
などと説明されるかも知れません。
建売の場合、エアコンのスリーブも空いておらず、
「あとはご自由に(ご勝手に?)」
というケースが多いですが。
ある程度性能が出ている建物にも関わらず、「エアコンの能力を面積だけで決める」というケースが多いような気がします。
しかし、建物の性能が高ければ、当然ながらエアコンは小さくても済むはず。
実際、省エネ性能が高い建物では、エアコンの能力を、2〜3倍に見積もることも珍しくありません。(つまり、8畳用のエアコンを、16畳、24畳の広さで使う)
最初に戻りますが、省エネ性能が非常に優れた今回のケースでは、34坪でたったの3.2kWの設備しか入っていないのです。普通の家であれば12畳用のエアコンで、家全体を冷暖房するという計画です。
大手のハウスメーカーでも全館空調を取り入れているシリーズがありますが、そのほとんどは能力が大型。
同じ34坪程度だとしても、3馬力(10KW程度)、4馬力(12KW程度)の大型のエアコンを入れることは珍しくありません。室内機も室外機も大きくなります。
冷房、冷暴、冷忘でいうと、冷暴でしょう。
ちなみに、3LDKの一戸建てで3室にそれぞれ2.8kWの壁掛けエアコンを、リビングに4.0kWの壁掛けエアコンを入れた場合でも、合計は12.4kWになります。
10kWを超える全館空調と、その3分の1に満たない、3.2kWの全館空調。
当然ながら、初期の導入費、月々のランニングコスト、基本料金でも大きな差がつきます。
この物件はQ値1.3〜1.4程度だと思いますが、3.2kWでも冬季には能力が余ります。室内での発熱を考えると、外気が氷点下でもせいぜい70%程度の出力でしょう。ちなみに、最大出力だとしても、電気代は1時間当たりたったの3円ほど。
それでも、3.2KWを入れているのは、潜熱(水蒸気に含まれている熱)の影響が大きい冷房期で能力を決めているということと、あまりエアコンの能力が小さい場合には、電力会社が動力の契約を結んでくれないためだとか。つまり、電気の契約上、これがミニマム。
全館空調にすることで、配管のルートや置き場所に困る室外機はわずか1台。
デメリットとしては、全館空調用のエアコンは、一般的な壁掛けエアコンと比べてCOP(効率)が低いこと。
壁掛けエアコンがCOP4〜5なのに対して、全館空調用のものは、COPが3レベル。ここが良くなるともっとランニングコストが安くなります。(動力契約の場合、従量制と比べて1kW単位での電気代は約半額ですが)
設計というと、構造やデザイン、間取りに目がいきますが、設備の設計というのも重要な仕事。
しかしながら、ほとんどの設計者は、この部分は無視あるいは無頓着な状態。
建物の性能を上げて設備を減らすためには、断熱だけでなく日射や空気の特性、設備選定のための専門知識、設計力が必要です。
設計一筋○○年という人でも、省エネ住宅の分野を自ら学んでいない人には、とても難しい分野です。(10kのグラスウールを使うのが普通だと思っている人には到底無理。)
建物の性能が低いまま、大きな設備を入れて全館空調を実現したとしても、月々の基本料やランニングコストで使わなくなってしまう物件もあるのではないでしょうか。
100万円の余裕資金があるとしたら、設備にかけるよりもサッシや断熱材にかけた方が、絶対にトクです。エアコンのような設備はせいぜい10年前後、しかしサッシや断熱材の寿命は、それよりもずっと長いですからね。
気密性能試験
品質チェックで、気密性能試験の立会いへ。
気密性能試験は関東では、一部の業者さんしか行っていないため、約2年ぶりの立会い。
気密性能試験とは、建物の余分なすき間の程度を測る試験。
高性能住宅を作るには欠かせない試験です。
試験は、写真のような装置を窓あるいは玄関に取り付けてファンを回し、室内の空気を外に出していきます。
そうすると、外と家の中に圧力の差が生じて、住宅に風が当たっているような状態になり、すき間から空気が出て行きます。
家の中から出て行った空気の量(=入ってくる空気の量)や圧力差の関係から、家の余分なすき間が測れるという仕組みです。
この気密の程度は、C値[cm2/m2](相当隙間面積)で示され、数字が小さいほど、家の中に余分なすき間がないことになります。
ちなみに、次世代省エネ基準では、北海道のような寒い地域は、2.0cm2/m2以下、その他の地域は5.0cm2/m2以下です。
一般的には、
古い木造住宅の場合、10.0cm2/m2前後
面材を張っていない最近の木造住宅の場合、5.0cm2/m2前後、
面材を張った場合や2×4の場合、2.0 〜 3.0cm2/m2前後、
鉄筋コンクリートのマンションの場合、1.0 〜 2.0cm2/m2前後でしょうか。
書くと長くなるので省略しますが、C値が低いほど省エネになり、24時間計画換気も設計通り動くようになります。
この物件の目標は、C値 1.0cm2/m2以下。
大工さんをはじめ、施工業者さん、設計事務所の方などが建物の中に入ったあと、ファンを高速で回し、圧力差 80Pa(=8.16kgf/m2)という大きな力でテスト。
50Paの圧力差で風速25メートルくらいの風に相当するため、80Paというのはかなりの強風に相当します。
そもそも、気密性能が低い住宅では、50Pa以上の圧力差をつけるのは困難です。そのため、日本の気密性能試験では、圧力差が10Pa(風速5m程度の風に相当)という緩いものになっていますが、海外では50Paでの計測が基本です。それだけ、日本の家はすき間だらけだということです。
 |
| 「すき間はどこだ〜」と探している様子 |
80Paという大きな圧力差をかけた場合、小さなすき間があるとそこから空気が勢い良く入ってきます。
今回のウィークポイントは小屋裏でした。納まりが難しい箇所にすき間がありました。
すぐにすき間を塞ぐ処理を行い、ご依頼者立会いのもと、本試験が行われます。
試験といっても、最近の装置は自動ですので、結果が出てくるまで待っているだけですが・・・。
結果が機械から印刷され、気密性能試験の結果を見ると、C値は0.4cm2/m2! う〜ん、素晴らしい。
サッシの調整がまだ終わっていない段階でしたので、サッシの調整を行えば、0.3cm2/m2台までよくなるでしょう。これは、大手ハウスメーカーの住宅よりも数倍高い性能。
今回の物件の実質延べ床面積(建築基準法上の延べ床面積とは若干異なる)は、約135m2なので、家全体の余分なすき間は 56cm2ほど。
56cm2は、名刺よりもちょっと大きいほどの広さです。
C値 = 2.0cm2/m2の場合には、B6サイズよりも少し大きい広さ
C値 = 5.0cm2/m2の場合、A4サイズとほぼ同じ広さに相当します。
窓を全て締め切った状態で、名刺サイズのすき間しか空いていない家と、A4サイズのすき間が空いている家。どちらが冷暖房費が安くなるかは、感覚的にも分かると思います。
「高気密とは、なってしまうものではなく、施工者が作り上げるもの」
この意識を変えることが、省エネ住宅・高性能住宅を学んで作る際の最初のハードルであり、重要なポイントです。
気密性能の高さは、施工者の技術・知識レベルに比例するかも知れません。
今回の施工は小さな会社ですが、高性能な住宅を求める方を市場とした場合、この高い性能と技術で十分競争できると思います。
大手ハウスメーカーは一定の水準の性能は確保できますが、より高いレベルを求めようとすると、品質管理や仕様の統一、施工業者の育成、費用対効果などの面で難しい点があるからです。
中小の工務店・設計事務所は値下げ競争に走るのではなく、性能競争に進むのが得策であると考えています。
長くなりましたが、良い試験結果が出た後の施工業者さん、大工さん、設計事務所の方のほっとした顔が印象的な1日でした。
朝1で埼玉へ、品質チェックの外構是正の立会いへ。
外構屋さんが境界杭を見逃し、駐車場のポールが道路側に越境してしまったためです。
正しい境界線上に墨を出し(線を引くこと)、現在のポールを撤去。
撤去と文字で書けば1行で終わりますが、実際にはコンクリートカッターを使って切るので時間がかかります。コンクリートが固まる前の是正であれば簡単ですが、固まった後の是正は面倒ですね。
ちなみに、コンクリートが固まる詳しいメカニズムについては未だわからないことがたくさんあるそうです。何だか不思議な話です。
その後は埼玉を横断して、茨城県の現場へ。一般道を走っていると、一戸建てセミナーに使えそうな建物があったので、車を停めていくつか撮影。
埼玉を東西に移動するのは大変。外環の周辺ならまだしも、その北側だと時間がかかります。
到着した現場は、土台敷きの最中でした。構法は、ツーバイシックス。そのため、土台が太い。
現場には大工さん2名と現場監督さん。大工さんは、親子だそうです。しかも、息子さんではなく娘さん。フレーマー(ツーバイの骨組みを担当する大工さん)で女性は珍しい。
土台の基礎パッキンを確認すると、いくつか不足していたので追加します。
どの現場でも、うっかり忘れたりすることはあること。不足していても怒ることはありません。しっかりと是正して頂ければ、それで良いのです。
基礎パッキンの確認後は、搬入されている材料の確認。
金物も釘もOK。ちなみにツーバイの釘(CN釘)は写真のように長さで色分けされています。
50mmは緑色、65mmは黄色、75mmは青色、90mmは赤色です。
このルールはメーカーが異なっても共通化されているため、色を見るだけで簡単に長さが確認できます。
在来工法で使われている釘には、このようなルールが厳密に適用されていません。そのため、釘が間違っていることもあります。(構造部分に、造作用の細い釘を使ってしまったり)
在来工法用の釘で長さ別に色が付いている、カラーN釘というものもあります。
しかしながら、カラーN釘の色と長さのルールはツーバイと異なっており、50mmは黒色、65mmはオレンジ色、75mmは黄緑色、90mmは紫色です。ややこしいですね。
同じ長さで比べると、ツーバイ用のCN釘の方が、在来用のN釘よりも一回り太いため、在来工法の現場でツーバイのCN釘を使うのは問題ありませんが、逆はNGです。最も、ツーバイのフレーマーが在来の釘を使うことは通常ありません。
(参考:釘の種類・2006年 2月18日の日記)
材質はツーバイのCN釘も在来のN釘も同じ。
ツーバイのCN釘の方が太いことや、最近の大工さんが持っている釘打ち機は、N釘、CN釘どちらでも対応できるものが多いことから、「いっそのこと、トラブルや欠陥を防ぐために、N釘を廃止して、CN釘だけに統一したらどうか?」と思うのは私だけでしょうか。
土台敷きの現場を後にして、次の現場へ。
内覧会を数日後に控えた現場です。内覧会に先立ち、コンセントや照明の位置をチェック。
監督さんは近くの他の現場で、お客さんと打ち合わせをされていたため、それが終わるのを待って疑問点を確認。コンセントの間違いなどがあったためです。
確認が終わった頃には、外は真っ暗。おつかれさまでした。
いろいろな現場を見ている強み
千葉で、品質チェックのご依頼者と、施工業者さんの事務所で打ち合わせ。
営業の方から、設計者・現場担当者まで勢ぞろい。構造部分や大きな仕様、現場のチェックについての打ち合わせです。
サッシや断熱の仕様について確認を行っていたとき、他の会社での部材の納め方や標準仕様についてお話すると、施工業者さんがとても興味を持たれた様子。
なかなか他の会社の状況がわからないため、関心があるということでした。
「業界で20年勤めている」という方でも、それが1社だけの場合、その会社の仕様や特定の工法には詳しくても、他社の仕様や施工方法について疎いというのはよくあること。
私たちの強みは、いろいろな現場を見ていることです。
品質チェックの場合、一戸建てでも10回前後は現場に足を運びます。規模が大きいときには、その倍以上足を運ぶこともあります。
世の中には工事中の第三者チェックを行っている会社がいくつかありますが、これほど現場に足を運ぶところは少ないのではないでしょうか。
工法については、在来工法は当然ながら、継手を金物に変えた金物工法、ツーバイフォー工法、ツーバイシックス工法、軽量鉄骨造、鉄骨プレハブ造、木質パネル工法、鉄筋コンクリート造など、多くの工法を何もない状態から完成まで見ています。
断熱についても同じで、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、ウレタン、炭化コルクなどの充填断熱や、木造の外張り断熱、鉄筋コンクリート造の外断熱、充填断熱+外張り断熱など、様々な工法を見ています。
考えてみると、このような立場で現場を見ている人というのはこれまでかなり少ないと思います。
建物が好きな人にはとても面白い仕事。私にとっても、品質チェックというサービスは、半分仕事、半分趣味かも知れません!?
LED(発光ダイオード)
夕方から吉祥寺で、品質チェックのご依頼者と一緒に、業者さんと工事着工前の打ち合わせ。
第三者によるチェックが初めてということで、最初は緊張されていましたが、後半では納得された様子。私たちは決して粗探しをするためにチェックをしている訳ではありません。
今回は建築条件付ですが、建築条件付というと自由に設計を変えられるというものの、仕様はほとんど決まっており、あまり変えられないことが多いのが現状。
しかし、こちらの業者さんは非常に良く対応して頂いています。
サッシの仕様も断熱の仕様も、標準とは大きく違う方法への変更をお願いしていますが、非常に前向きに検討されており、好印象です。
打ち合わせは1時間ほどで終わり。
帰りにサンロード商店街を通っていくと、アーケード上部の照明が奇麗でした。
カラフルに色が変わるその照明はLED(発光ダイオード)によるもの。光の3原色である、赤・緑・青を組み合わせることで、1677万色の発色が可能です。
ちなみに、ここで使われている商品は、カラーキネティクスという会社のもの。
何年か前のジャパンホームショーでこの会社のブースを見て、その多くの色数やなめらかな色変化、多彩な表現パターンに衝撃を受けた想い出があります。
都内の信号は、電球のものからどんどんLEDに代わってきています。駅の案内板にも、LEDが使われているものが多いですね。高い省エネ性から、住まいの中の照明にもLEDはこれからどんどん使われていくのでしょう。
熱容量が大きい = 省エネ?
先日、ご依頼者との打ち合わせであった話。
検討されているのは鉄筋コンクリート造の一戸建て。
カタログを見ると、"おやっ?"と思う箇所が。
「熱容量がXX,XXXkcal/℃と段違いに大きいから冷暖房も効率が良く、省エネルギー」
さて、どこに問題があるのでしょう?
ちなみに熱容量とは、熱をためておくことができる大きさのことです。
熱容量と省エネの関係は、穴の空いた容器に例えられることが多いので、イラストで示してみます。
ここに2つの建物があります。
容器の大きさが熱容量です。左が熱容量の小さな建物、右側が熱容量の大きな建物です。
建物からは熱が逃げていきますが、それは容器に空いた穴で例えることができます。
断熱性能が良いほど、穴は小さくなります。逆に、断熱性能が悪いと穴は大きくなります。
冬の時期に暖房をする時のことを考えてください。
いくら部屋を暖めようとしても、熱源がなければあたためることがありません。熱源を蛇口から出るお湯で示します。穴から出ていくお湯と同じ量のお湯を加えないと、建物の温度は一定に保てません。
このとき、何かの原因で蛇口からのお湯が出なくなった(ストーブが止まった)とします。
熱容量が小さいと、ためておくことの出来るお湯の量(熱の量)が小さいので、建物が冷える速度は速くなります。
一見省エネに見えるかも知れません。
しかし、次のケースはどうでしょうか。
旅行などで建物を長期不在にして、建物の熱が逃げてしまった(容器のお湯が全て抜けた状態)状態です。
熱源の大きさ(蛇口から出てくるお湯の量)と、容器に空いている穴の大きさ(容器から出て行くお湯の量)が同じ場合、熱容量の小さな建物の方がすぐにあたたまります。逆に、熱容量が大きいと、建物がなかなか温まりません。
もうお分かりでしょう。
熱容量が大きいことは、温度の急激な変化をやわらげる効果はありますが、省エネにはならないのです。
省エネにするためには、容器の穴を小さくする(= 建物から逃げる熱を少なくする)必要があり、熱容量を大きくしても、エネルギーの消費は減らないということです。
ですから、このカタログのキャッチフレーズの表記は、あまり説得力がありません。
そこで、省エネに関係する容器の穴の大きさ(=断熱の仕様)が気になって見てみると、厚みも仕様も書かれていませんでした。残念。
(そこには触れないでくれ〜と、カタログの行間に読み取れるような・・・。)
理想としては、建物を十分な厚みの断熱材で囲いんで、容器に空いている穴の大きさを出来るだけ小さくし、熱容量はできるだけ大きくすることです。鉄筋コンクリート造の建物の場合、これは外断熱工法を意味します。このとき、日射を遮る対策も忘れずに(暑い時期にオーバーヒートしてしまいます。)
間違いだらけの木材知識
今月発売中の建築知識という専門雑誌に、「間違いだらけの木材知識」というコラムが載っていました。専門雑誌なので、一般的にはあまり読まれないことや、内容が分かりやすかったのでご紹介します。
ちなみに、このコラムの著者は木の専門家です。
ムク材のガセ編
1:心材は辺材より強い。
これは、心材の方が腐朽菌やシロアリに対して強いことを意味しているのであって、強度に関しては当てはまらない。 逆に、針葉樹の中小径材などでは、強度の低い未成熟部分や節が含まれる確率が高くなり、心材の方が弱いことも多い。
2:目が詰まっているから強い
見栄えがよくて市場で高く評価される、つまり「目が詰まっているからよい」のであり、単純に強度が高いとは限らない。極端に年輪幅の狭い針葉樹や広葉樹の「ぬか目」では強度が低くなる場合もある。
3:節が多いから弱い
定性的には間違っていないが、限られた試験体数の試験では、目切れや比重など、ほかの因子が影響して、逆の傾向を示すこともある。いずれにせよ、年輪幅や節の量の因子と、実際に使われる大きさの材の強度との間には強い相関はない。
4:板目板が木表側に反る理由
「木表側の水分が多いので収縮しやすいから」とか、「辺材のほうが心材よりも収縮しやすいから」とか、「木表の比重が高いから」といった説明がなされているが、どれも間違いである。 正解は「木材の収縮率が接線報告と半径方向で2倍も違うから」である。
|
集成材のガセ編
1:調湿機能がない
集成材の体積の大部分はムクの「木材」であり、水分を吸放湿する能力は、そのまま受け継がれている。したがって、この表現は明らかに誤りである。もちろん、造作用集成材に厚く塗装すれば、この表現のようになるが、それはムク材も同じである。
2:狂わない
これは不正確な表現である。 先に述べたように集成材は吸放湿するので、当然、膨潤収縮が生じる。ただ、ラミナはきちんと乾燥されており、接着層がその動きを阻止しようとするので、狂いにくいだけの話である。
3:すぐに剥がれる
過酷な環境での使用を想定していない造作用の集成材を屋外や水周りに使えば、剥がれが生じるのは当然である。しかし、構造用集成材であれば、そう簡単には剥がれない。 ⇒大下追記(集成材には、使用環境1と2の区分があり、直接外気にさらされたり、常時湿度が高い環境となる場合には、より耐久性の高い、使用環境1のものを使う必要があります。)
4:ムク材の1.5倍も強い
これは10年くらい昔の話で、現在ではこんな簡単な関係は成立しない。 なぜなら、同じ樹種でもいろいろな強度の構造用集成材があるし、製材でも機械等級区分されたものでは、ヤング率によって強度基準が異なるからである。さらに、造作用集成材にはそもそも強度の規定がなく、「強い」も「弱い」もない。
5:リサイクルできない
いわゆるネガティブキャンペーンでよく使われる表現だが、集成材でもパーティクルのようなエレメントに分解してやれば、現在の技術でも十分にリサイクルが可能である。
|
もっと詳しく知りたい方は、同じ著者が書かれている、ウッドエンジニアリング入門がお薦めです。
ポンプ屋さん
朝から品質チェックの配筋検査へ。
上端筋(基礎の立ち上がりで最も上にある鉄筋)の直径が16mmと太いので、バシッと真っ直ぐに見えて奇麗。配筋そのものが丁寧だったので、指摘事項はほとんどありませんでした。
わずかな指摘事項を直した後、午後からコンクリートを流すことに。
昼食を終えて現場に戻ってくると、コンクリートを圧送するポンプ車が到着し、準備をしていました。
その後、予定より40分ほど遅れてコンクリートの打設開始。
作業を見ていると、ポンプ車を操作するオペレーターの方の仕事が丁寧です。余分なコンクリートが鉄筋に付着しないよう、注意して作業をされているのが分かります。
予定よりコンクリートが少しだけ足りないのが分かり、コンクリートを追加発注。
ミキサー車が来るまでの間、時間があったのでポンプ車のオペレーターの方に、「丁寧に仕事をされていましたね」とお伝えすると、
「鉄筋が汚れるのが嫌なんですよ」とのこと。
納得。こういうお仕事は、細かいことに気がつく方の方が向いているのでしょう。
この時のポンプ車は少し古めのものでした。
古めのポンプ車が現場に来たときに聞いているのが、関東七都県市の排ガス規制。古い車はこの規制に通らず、多くは1〜2年のうちに買い替えになるためです。
聞いてみると、このポンプ車も排ガス規制のために、あと2年も使えないそうです。新車を買うためにカタログを見ている段階だと話していました。
ちなみにお値段は、同じサイズのタイプで1600万円。
新しく買うポンプ車は一回り大きなものにするため、2000万円を超える値段に。(参考:ポンプ車の販売価格 (財)全国コンクリート圧送事業団体連合会)
「新しいポンプ車は、古いポンプ車と何が違うのですか?」と尋ねると、「ホッパ(コンクリートを投入する場所)を開くと、安全のためにアジテータ(攪拌羽根)が止まることが違います。他はほとんど同じ。」ということです。
「ホッパを清掃している時の人身事故って多いんですよ。ネックレスを付けていて、それが引っかかって巻き込まれるとか。」とおっしゃっていたので、後からインターネットで調べみると、なるほど、確かに出てきます。
(北海道コンクリート圧送協同組合 不安全作業(ヒヤリハット)と事故事例)
今度から、これまで以上に現場での立会いは気をつけねば。
最後のミキサー車が到着し、コンクリートの流し込みは無事終わり。
ポンプ車のホースの中には、余ったコンクリートが残っています。これらは、ホースを清掃しつつ最後のミキサー車に戻して、コンクリート工場で処理してもらうのが普通です。
作業の手順は以下の通り。
 |
|
 |
| 1.ホースの先端に専用の金具をしっかり留め付けたあと、ホースをミキサー車の中に入れます。 |
|
2.ホッパと呼ばれるコンクリートを入れる部分を、水とブラシを使って清掃します。ちなみに水は、ポンプ車に溜めているものを使うのが一般的です。洗った水は、少しずつポンプで送っていきます。 |
| |
 |
|
 |
| 3.ある程度清掃が終わったあと、30cm角程度の専用スポンジを投入します。このスポンジが、ホースの中を清掃する役割を果たすのです。 |
|
4.ポンプでホースの中をスポンジが流れていき、余ったコンクリートや洗浄に使った水は全てミキサー車の中へ。 最後に、ホース先端部分で止まったスポンジを回収して、清掃完了です。 |
コンクリートの打設が終わったあとは、高速道路に乗って約90km北上し、茨城県へ。高速道路は比較的空いており、1時間半ほどしかかかりませんでした。
到着した現場では内装下地の確認を。現場には大工さん、電気屋さん、クロス屋さんが作業しています。工事も終盤。途中から現場監督さんも到着し、いろいろな確認を。
帰りにもう1件、基礎の完了確認を行います。
この現場では、床面の納め方が特殊になる部分があるのですが、当初の設計では無断熱になってしまう箇所があったため、基礎断熱に変更して頂きました。その固定状況を見ると、うーん、バッチリじゃないですか。思っていたよりもずっと良い施工です。
基礎の仕上がりもとても奇麗。立ち上がりのコンクリートがツルッ!としており、気泡もわずか。勉強熱心な基礎屋さん、ありがとう。
基礎の周りには、土台を敷く時に土を運んで基礎を汚さないために、ビニールシートが敷いてあります。とても良い配慮です。
(参考:私の2006年 5月12日の日記)
 |
 |
 |
基礎断熱。 固定状況はとても良好。触ってもびくともしません。 |
コンクリートの仕上がり状況。表面がツルッ!としています。 |
基礎の周りのビニールシート。作業中の泥汚れが少なくなります。施工者の配慮が感じられます。 |
ちなみに、ツルッ!とした奇麗な表面の基礎コンクリートが出来るときには、ある共通作業があります。
それは、右の写真のような、細いドリルのようなもの(名称がわかりません)を使った、型枠近くの攪拌。
コンクリートが少し固まってきた段階で、細いドリルのようなもので型枠近くを攪拌することで、コンクリートの仕上がりがとても良くなるのです。仕上がりの違いは一目瞭然。この現場でも、この作業が行われていました。
大手ハウスメーカーの基礎工事では、この作業が行われることがほとんどですが、一般的に見ると少数の作業だと思います。
ドリルは大抵の業者さんが持っているでしょうから、必要なのは取り付ける金物のみ。それほど時間がかかる作業ではないものの、仕上がりがとても良くなるので、他の業者さんもどんどん見習って欲しいですね。
「建物の仕上がりの良し悪しは、そこに関わる人の建物に対する愛情とこだわりだよなぁ」としみじみ思った1日でした。
本屋
品質チェックの打ち合わせが終わったあと、夕食を兼ねてOAZOの丸善へ。
本屋は好きで時間があると立ち寄りますが、ここは久しぶり。
本はAmazonで買うことがほとんですが、本屋に来るとインターネットの検索では引っかからない本も見ることができるのがメリット。
いつものように建築系のコーナーに行って、新刊本をチェック。
何冊か手にとってパラパラと見てみましたがあまり面白そうなものは無し。
それにしても、建築の分野だけでも次から次へと本が出てきますね。
何冊か軽く読んで、内容をチェックしていたら、あっという間に閉店時間。
結局買ったのはスキー雑誌だけだったり。
紙面の広告を見てみると、今年の板は幅が広いタイプが多い。カービングスキーが出てから、スキー板は大きく進化していますが、それ以後も少しずつ進化しているので、今私が持っている板と比べると、かなり違うのでしょう。
紙面の中では、坂本豪大さんのページがあったのが印象的。私と同い年で、ワールドカップ初出場で初優勝したことがある、モーグル元日本代表選手です。
10年前(もうそんなに昔!?)の世界選手権の際、スキーウェアにサインしてもらいました。(もう消えかかってるけど)
最近は北米で活動されているとか。まだまだ頑張って欲しいです。
まだ、冷房を使っている季節ですが、スキー雑誌を読んだせいで、気分はすっかり冬山なのでした。
あちゃ〜
朝1で神奈川の南に移動して、建物調査(インスペクション)へ。
調査物件は、築20年超の在来工法の既存一戸建て。購入前の調査です。
物件における一番の問題は耐震性。
事前に図面をもらっており、平面・立面図を見てみましたが、建物の幅4間(7.28m)のところに、掃き出しの開口2つのトータルが3間(5.46m)ではかなり厳しいです。実に開口率75%。
ツーバイフォーの開口率制限でも、75%はギリギリ。図面を見ると、残りの1間のスペースに筋かいなどの耐力壁が無いので、リフォームの際、耐震補強は必須でしょう。
建物を調査すると、筋かいが2つ割ではなく、3つ割であることが分かりました。事前に行った耐震診断では、2つ割を前提にしていたので、さらに診断結果が厳しくなります。
2つ割、3つ割というのは、筋かいの厚みの違いを示しており、現在一般的に使われているのは、厚み45mmの2つ割筋かいです。3つ割だと、厚みは30mmになります。
今回の調査は耐震補強を前提としているので、問題は劣化の程度。
調査の結果、床下部分や床の修繕にも費用がかかることが分かりました。
建物調査の後、既に引渡しが終わっている、過去の品質チェックのご依頼者のところに寄ることに。
何事もなく住まれているかと思いきや、ちょっとしたトラブルが。
それは、エアコンのスリーブ穴。
話によると、筋かいを欠き込んでしまったかも知れないということ。
この物件では、エアコンスリーブの穴あけは、引渡し後に空けることになっていました。施工業者さんが、工事中の穴あけに応じてくれなかったためです。
図面を元に筋かいの方向を確認し、床の位置からスリーブの位置を検討してみると、確かに少しかかっている可能性があります。ご依頼者はスリーブ工事の時、図面を業者さんに見せて安全な方を指示したのですが、固くて工事できないという理由で、逆側に空けたそうです。
エアコンを購入したのは、誰でも聞いたことがある大手の家電量販店。工事を行ったのはその委託業者ですが、購入元である家電量販店のアフターサービスに連絡するように伝えました。
建物の施工業者さんが敬遠することも多いのですが、やはりエアコンスリーブは、工事中に空けるのが間違いありません。
参考:エアコンスリーブの先行設置のススメ (2005年1月22日の日記です)
仕様が変わりました。
会社に居ると、あるパワービルダー(年間1000棟規模の建売住宅を供給する大きな業者さんのこと)の取締役の方から電話が。
「大下さんに頂いたアドバイスに従って、今月から全ての物件で建物の外側にダイライト(面材)を張ることにしました。
自分たちの作っている建物がどれほどの耐震性能を持っているのか知りたいので、振動実験を行いたいのですが、教えていただけませんか」
ということでした。
最初、何のことかと思いましたが、すぐに思い出しました。
今年の1月に取材を行い、2月に発売された日経トレンディでのことです。
この雑誌では、基礎のコンクリートを流す前のチェックを特集として取り上げ、私はその調査のためにいくつかの業者さんを回ったのです。
調査の時は、業者さんによって対応は様々でした。多くはその現場を担当する現場監督+営業担当者という感じでしたが、こちらの業者さんは取締役の方を含め、6〜7名の方が現場にみえました。
最初はかなり驚いたのですが、話しているうちに「良いものを提供したい」という意識が伝わってきました。
それが特に分かったのは、雑誌の取材の目的である配筋検査の後。
「奥に上棟が終わった物件があるのですが、何か悪いところが無いか、見て頂けないですか?」
という話になったのです。
私はすぐに引き受け、その現場を見ることにしました。
上棟後の現場を見て、すぐに気がついたのが筋かい。建物の強度を筋かいだけで確保していましたが、建物の外側に筋かいがダブル(たすき掛け)に入ってる箇所が多くありました。
このようにすると、断熱材を上手く入れるのが困難になるので、それを伝えました。
その対策として、構造用合板やダイライトのような面材を使って建物の外周の強度を確保して、ダブルの筋かいは出きるだけ控える方が良いと言ったのです。
面材を外側に張ると、雑壁と呼ばれる部分の強度が上がるため、意図しなくても必然的に耐震性が増すというメリットがあります。
イラストで示してみましょう。
右のように、サッシが入っている軸組があったとします。これは特に珍しい構成ではなく、ごくごく一般的なつくりです。
この軸組に、筋かいを入れたものと、面材を張ったものを考えます。筋かいは、窓の上と下の部分には普通は入れません。
ちなみに、サッシの上にある壁を垂れ壁、サッシの下にある壁を腰壁といい、これらをまとめて「雑壁(ざつかべ)」といいます。
面材は、サッシがあったとしても、垂れ壁、腰壁それぞれに張るのが普通です。
耐震面で考えると、筋かいだけの工法の場合には、窓の上と下の部分は耐震性にあまり関係がありません。室内に石こうボードを張ると少し強度が出ますが、筋かいや構造用合板などの面材と比べると、耐震性への寄与は小さなものです。
しかし、面材を窓の上と下(雑壁)に張っていると、その部分も耐震性が高くなる要素となります。
雑壁によって耐震性が上がることを、「雑壁効果」といいます。住宅性能評価の耐震等級の評価においては、これらの雑壁は「準耐力壁」と言い、耐震性が高まる部材として、キチンと計算します。
面材を建物の外側に張ることは、この雑壁効果を高める点で、非常に効果があるのです。
ここでもう1つ覚えておくことがあります。
地震の力を100とした場合、建築基準法で定められている筋かいや構造用合板の量というのは、その3分の2だけを負担するという考え方で決まっています。残りの3分の1は雑壁に期待しているのです。
これは木造だけの考え方で、鉄筋コンクリート造や鉄骨造ではこのような考え方はしません。
これは、筋かいや構造用合板を建築基準法ギリギリに入れた物件で、大きなサッシやドアなど、雑壁が少ない設計にした場合には、耐震性が不足する可能性があるということです。このような場合には、筋かいや構造用合板の量を、基準法の1.5倍確保する必要があります。
逆に言うと、雑壁の強さを強くすると、建築基準法が期待する以上の耐震性が得られます。
この辺りは長くなりますので、詳しく知りたい方は以下のサイトをご覧下さい。
木構造建築研究所 田原 「雑壁はどれほど効果があるか」
面材を使って、筋交いを省いた場合には、雑壁効果によって耐震性が高くなるだけでなく、断熱材が入れやすくなるというメリットも見逃せません。
話を最初に戻します。
耐震性を知るためには、実大の振動実験が最も分かりやすいといえます。建物の重さが軽い木造住宅は、振動実験に有利です。
しかし、問題はその費用。装置や試験体、人件費に多額の費用がかかります。
一般的な相場を知るために一度電話を切り、普段日常的に振動実験を行っている先輩に電話。
その回答はというと、やっぱり高い。聞いた金額は震動台を借りる費用のみ。試験体やその運搬費などは別ですので、さらに高額です。
電話を折り返して金額を伝えると、驚かれていたものの、予想していた程度の額だったようです。費用がクリアなら、あとは人材。
振動実験や計測方法や解析には専門知識やノウハウが必要ですので、専門家が欠かせません。社内に研究所は持っていないようですので、どこかの大学の研究室などと手を組む必要があるでしょう。
振動実験を行うまでには、いくつかのハードルがあると思いますが、陰ながら応援しています。
クールアイランド
夜の番組で、クールアイランドが取り上げられていました。
ヒートアイランドは、都市部にできる温度が高いエリアのことで、よく聞くことがあるかも知れません。クールアイランドはその逆で、都市部にできる温度が低いエリアです。
番組では、新宿御苑が取り上げられていました。
新宿御苑は日中も周りの環境よりも気温が低く、夜には放射冷却の作用によってさらに温度が冷えるそうです。その冷気は高さ30m、御苑の周囲100m近くまで達するということでした。
芝生や林で冷やされた空気を使って建物を冷やすという話が、最近読んだ「自分のためのエコロジー」にも取り上げられていたこともあり、興味深く番組を見ました。
ちなみにこの書籍、温度や湿度だけでなく、輻射熱や気流など、体感温度に関することがわかりやすく書かれており、そのような話がニガテな方におすすめです。
番組の後半では、東京駅の八重洲通り側にある鉄道会館ビル(大丸東京店が入っているところ)を取り壊して、通りの両側にツインタワーにすることで、東京湾の海風が東京駅の上を抜けて皇居に向かい、皇居の冷気を周囲に広げやすくなるということが紹介されていました。
ツインタワーが出来て、鉄道会館ビルの跡地に新しい(低層の)建物ができるのは2011年。どんな効果が実際に得られるのか、気になるところです。
ヒートポンプ
1つ前の週間 東洋経済に、ヒートポンプの記事が載っていました。
ヒートポンプとは、エアコンや冷蔵庫に広く使われている技術で、画期的な省エネ効果を得られます。一般的な機械というのは、100%の効率を超えることは絶対にありませんが、ヒートポンプだけは別です。最近のエアコンでは、効率が600%を越えています。
最近では、エアコンだけでなく、給湯器(エコキュート)や乾燥機能付き洗濯機にも採用されています。
ヒートポンプは、その概念を理解するのが、最初少し難しいかも知れません。私も最初はそうでした。
エアコンの場合でも、「空気の熱を使って部屋を暖める」や、「100円の電気代で600円分のあたたかさが得られる」と言っても、ピンとこないでしょう。
ヒートポンプが、どのような技術でどのようなメリットがあるのか、わかりやすい動画が載っているサイトがありましたのでご紹介します。
(財)ヒートポンプ・蓄熱センター ヒートポンプWEB講座
http://www.hptcj.or.jp/chikunetu_be/kouza/
書籍でヒートポンプを学びたい方のために、最近私が読んだ本を紹介します。
1つは、「省エネ・温暖化対策の処方箋」
一般の方にもわかりやすく書かれていると思います。現在の日本の置かれている状況や、ヒートポンプ技術を使うことで、どれほどCO2が削減でき、地球温暖化防止に役立てられるかが書いてあります。
しかし、本書の中で非常に気になった箇所が1点。
次世代省エネルギー基準の部分ですが、「(次世代省エネ基準の)基準値のレベルは高くなり、欧米並みの水準に達しています」という箇所。
しかし、日本の省エネ基準は欧米より甘い水準であるのが実情です。
欧米並みの水準といえるのは、北海道地域の基準だけ。他の地域は、欧米の基準を上回っています。
(著者の専門分野だけに、この事は間違いなく分かっているはずですが・・・。)
熱損失係数による各国の基準値の比較
 |
建築技術 2006年 8月号 「世界の省エネルギー基準の概況」を元に作成 |
もう1つの本は、「図解 ヒートポンプ」
この本は先の本より専門的ですが、イラストが多いので分かりやすいと思います。建築関係者におすすめです。
この本の中で驚いたのが、地域冷暖房のページ。ヒートポンプを使った幕張新都心ハイテク・ビジネス地区や、晴海アイランド地区では、総合エネルギー効率が100を超えているということ。
下水の熱や河川の熱を使っていることもあり、効率がとても良いようです。
本の中には、以前私が日記に書いた家庭用燃料電池にも触れられています。効率面において家庭用燃料電池は、既にエコキュートに負けているということ。
家庭用燃料電池は、電気の出力が1kW(10アンペア)しかないことや、エコキュートは今後さらなる高効率化が予想されることから、前途多難でしょう。
長くなりましたが、ヒートポンプ は省エネの切り札ですから、最低限、言葉だけでも覚えておくと良いでしょう。