今年もまた暑い夏がやってきます。
快適な夏を過ごすためにエアコンが欠かせませんが、実は自宅内で熱中症になる人が多いことはご存知でしょうか?
総務省消防庁の調査によると、熱中症で救急搬送された人のうち発生場所で最も多いのが「住居」で、全体の40%程度を占めているとのことです。
このデータからもわかるように、在宅時に適切な暑さ対策をしないと、熱中症の危険性が高まってしまいます。
家庭ごとに暑さ対策をしていると思われますが、なかには節約を優先して暑い部屋のなかで過ごしている人もいるのではないでしょうか。
熱中症は命に関わる病気です。
しっかりと対策をして、暑い夏を乗り切りましょう。
今回は、夏のエアコンを効果的に節約するコツについて、ご紹介したいと思います。
目次
屋内の対策について
まずは屋内でできる対策についてご紹介いたします。
おもな対策とは以下の通りです。
- フィルターを掃除する
- 設定温度を上げる
- スイッチの入り切り回数を減らす
- 扇風機と併用する
●フィルターを掃除する

エアコンは、一旦室内の空気を吸い込んで熱だけを取り出して外部に排出します。
そのため室内機は室内のほこりやゴミ、あるいはカビなどが徐々に蓄積されます。
これらが蓄積され過ぎると、エアコンには大きな負荷がかかりエネルギー効率の悪化を招く原因になるのです。
環境省によると、月に1回フィルターを掃除するだけで夏の冷房時には4%、冬の暖房時には6%の光熱費を削減できるとの試算があります。
●設定温度を上げる
屋内と屋外で温度差が大きいほど、エアコンへの負荷は大きくなり、消費電力も多くなってしまします。
一旦室内が涼しくなったら、設定温度を少し高くしておくだけで節電効果は高まります。
環境省が推進する「クールビズ」による取り組みでは、夏の室内温度の目安を28℃としているため、まずはこの28℃を意識してみてはいかがでしょうか。
ちなみに設定温度を1℃上げるだけで10%程度の節電効果があるともいわれています。
●スイッチの入り切り回数を減らす
エアコンは、立ち上げ時に最も電力を消費します。
室温が安定した状態のときと比較するとおよそ20倍程度の電力が必要になるといわれています。
つまり、節電効果を狙って頻繁にスイッチを入り切りすることは逆効果だということです。
とはいえ使わないときもつけっ放しにしておくと電気代は高額になることがあります。
使わない時間が1時間程度であれば、エアコンのスイッチを切らずにつけっ放しにしておくほうがよいでしょう。
●扇風機と併用する

エアコンと扇風機を併用すると、節電効果を高めることが可能です。
というのも、温かい空気は上昇し逆に冷たい空気は下降するためで、室内の温度はかなりムラのある状態になります。
要するに、エアコンは設定温度を安定させるためムダな電力を消費する可能性があるということです。
扇風機を使って空気を循環させると、室内は温度ムラのない安定した空間をつくり、同時に節電にもつながります。
ちなみに扇風機の消費電力は非常に少なく、エアコンの1/10程度で使用できます。
屋外の対策について

続いては屋外でできる対策についてご紹介いたします。
おもな対策とは以下の通りです。
- 室外機周辺の温度を下げる
- 室外機を掃除する
- 日光を遮る
●室外機周辺の温度を下げる
エアコンの室外機は、室内機から運ばれてきた熱を外部へ排出します。
しかし、室外機自体の温度が上がってしまうと、熱交換により多くのエネルギーが必要になります。
つまり電気代が高くなるということです。
室外機の周辺は、直射日光が当たらない日陰に設置するか、日よけカバーをするなど温度低下を図るとよいでしょう。
●室外機を掃除する
エアコンの室外機は外部に設置するため、汚れやすい環境にあります。
汚れが蓄積すると熱交換など動作に負荷がかかり、そうなると電力の消費量も多くなってしまいます。
室外機は、1年に1回はチェックして、汚れが見られる場合は掃除機で吸い取るなど丁寧に掃除をしましょう。
カバーを取り外して掃除する場合などは、プロの業者に依頼するのもよいでしょう。
●日光を遮る
室内に日光が入り込むと、室内温度を上昇させる原因になります。
温度上昇はエアコンの消費電力を増加させます。
すだれやカーテンなどを活用しながら、できるだけ日陰をつくるようにしましょう。
リフォームで対策
そしてリフォームで行う対策についてご紹介いたします。
おもな対策とは以下の通りです。
- インナーサッシの設置
- 遮熱塗装
●インナーサッシの設置

まずは、室内の窓に「インナーサッシ」を新設して空調効率を高める方法です。
冬は家の中の熱が外に逃げてしまうと暖房効率が低下します。夏は家の外の熱が中に伝わってしまうと冷房効率が低下します。
そこで、簡単な工事でお手軽に導入できるのが「インナーサッシ」です。
現状の窓の内側にもうひとつ新しい窓を設置するだけで、効果的に室内の断熱性能を高めます。
リフォーム費用も一か所当たり10万円前後ででき、断熱効果も非常に高いので、大がかりな断熱リフォームをするよりも経済的といえるでしょう。
●遮熱塗装
屋根や外壁などに遮熱塗装をして、室内温度の上昇を抑制する方法です。
太陽の熱は、建物の屋根や外壁に到達すると、一部は反射しますが、残りは吸収したり、あるいは透過したりして建物内に入り込みます。
遮熱塗装をすると、反射率を高め表面温度の上昇を抑えることができるようになります。
施工範囲や住環境にもよりますが、室内温度は2~3℃の抑制効果があるともいわれており、これが実現できるとかなりの節約効果が期待できるでしょう。
ただし遮熱塗装は、断熱効果が期待できません。
つまり冬に室内を暖房している場合、外部へ逃げていく熱を抑える効果はないということになります。
まとめ
夏のエアコンは、対策を講じることで節約が可能です。
対策の多くはエアコンへの負荷を軽減することで節約効果を期待するものですが、これらの方法は同時にエアコンの寿命を守ることにもつながります。
また、冬の暖房効果も同時に検討するなら、インナーサッシの設置がおすすめです。
住環境や生活スタイルに適した暑さ対策を検討してみてください。