新しい生活様式のひとつ『在宅勤務』集中できる仕事部屋を作るTips!

  • Update: 2020-08-12
新しい生活様式のひとつ『在宅勤務』集中できる仕事部屋を作るTips!

新型コロナ感染拡大により厚生労働省が公表した「新しい生活様式の実践例」。
その中には「働き方の新しいスタイル」としてテレワーク勤務が挙げられていました。
ある調査によると「在宅勤務」をきっかけに住宅購入やリフォームを検討した人の割合は30代~50代の共働きの男女で約44%いたそうです。
住宅購入やリフォームなどがすぐに行えるご家庭もあれば、なかなかそうは行かない方もいらっしゃるでしょう。ウイズコロナで突然在宅勤務の必要に迫られ、ご家族も在宅中の勤務に困ってしまった方も多いのではないでしょうか。
そこで、建築士として働きながら、さくら事務所ではプロホームインスペクターとしても活躍する住まいの専門家たちに「集中できる仕事部屋を作る」ための様々な工夫を聞きました。簡単にできることから、リフォームをする際の注意点まで、幅広く聞きましたので、何かのヒントになれば幸いです。

模様替えでつくる「仕事部屋」


あるホームインスペクターの自宅は旧公団の団地。
中古を購入時にフルリノベーションをしたと言います。
事務所を借りるまでの間の数年間は自宅ですべての作業をしていました。
現在は、自宅の近くに事務所の分室として個人の作業用の部屋を借りています。
その分室は、賃貸物件なので退出時に修復が必要になることは何もできません。
そこで、使用する家具については気に入ったものを購入。
海外の有名なメーカーの家具でも、中古なら比較的状態の良いものがお手頃な価格で流通しているので「宝探し感覚」で見つけるのが楽しみにもなっていると話します。
電話中や、オンライン会議の時以外は、ラジオや音楽も気軽に楽しめます。
そこにもこだわって、良い音が聞ける環境にしました。
ご家族とお住まいの方は、カーテンやロールスクリーンを簡易的な間仕切りとして上手に使用すれば快適なワークスペースをつくり出すこともできるかもしれません。
工夫やアイデアを楽しめたら良いですね。

増築による「仕事部屋」

また、あるホームインスペクターは、15年程前に増築した空間を仕事部屋として活用。仕事の来客もあるので、自宅玄関とは分けた来客動線にしています。来客用の入り口扉を事務所のサイン看板も含めて、自分で材料を取り寄せながらセルフビルド。特に「木材」にはこだわりがあるので、いつかアプローチや事務所の床面もリニューアルして、小さなショールームにしたいと計画中です。
ただ、そんな「仕事部屋」を作る楽しさも感じているホームインスペクターも、職住近接や増築の難しさを実感する時があると話します。
職住近接は、水回りの使い勝手や家族のコミュニケーションを考えると良いのですが、やはり動線を分けていても子ども達や家族の出入りは自由なので、集中を削がれることもあります。鍵をつけたりすれば良いのかもしれませんが、そこまでのことでも無い気がしています。
増築に関しては、接合部の雨漏り対策や、耐震補強のことなど建物全体でしっかりと技術検証を行う必要があり、古屋をリフォームなどで「仕事部屋」として活用する場合、コスト面や機能面だけでなく、建物の劣化しやすいウイークポイントを把握しておくことや、その部分をメンテナンスできる状態に設えておくことも大切でしょう。

「仕事部屋」をリフォームで新たにつくる時の注意点


大手リフォーム会社に約12年間勤務し、さくら事務所の中でも特に戸建やマンションの施工・リフォームの経験を活かしたアドバイスを得意とするホームインスペクターは、リフォームで「仕事部屋」をつくる際に注意すべきポイントを教えてくれました。

①本当はその壁抜いてはダメ!?「物理的に可能」「計算上はOK」に注意!

例えば一般的なマンション(高層マンション以外)で、鉄筋コンクリート(RC)造の工法には「ラーメン構造」と「壁式構造」があります。それぞれの特徴は…

  • ラーメン構造:
    太い柱と梁でつくったフレームで建物を支える工法。その柱と梁のフレームで耐力を出すので、間仕切りの壁が抜きやすく、リフォーム・リノベーションの自由度が高いと言われています。
  • 壁式構造:
    壁で建物の荷重を支える工法。太い柱や梁がない(または少ない)ため、室内がすっきりして家具などの配置がしやすいのがメリットです。しかし、壁にコンクリートの部分などがあり、そこは抜くことができず、リフォーム・リノベーションの自由度は低いと言えます。主に4階建以下の低層マンションに多く見られる工法です。
    また、木造戸建の場合、多くは在来工法か2×4(ツーバイフォー)のどちらかで建てられていますが、リフォームをする場合、それぞれ特長が違いますので、こちらも注意が必要です。

リフォーム業者に「この壁や柱を抜くのは物理的には可能です」「計算上はOKですよ」などと言われたとしても、経年上は不安があります。例えば、梁のたわみや歪み。また柱と梁に囲まれた正方形の部分は音がよく響く性質がありますので、柱を抜いたら、上の階の音が気になり出すなど音トラブルの可能性も出てきます。壁を抜く時は、特に慎重に確認した方が良いですね。

②仕事の必需品!LAN問題

リノベーションにより、小さな空間を仕事部屋としてつくり出した時、いざ仕事をしようと思ったら「ネットがつながらない」。こんな問題にぶつかることもあります。無線LAN使用の場合、その辺りのことも工事業者に前もって相談しておかないと、ネット環境の不具合が起こり得ます。泣く泣く有線のLANに変えたら、限られた空間の中で、配線がジャマになることも。人によっては、最もよく使用する仕事道具だと思われますので、前もって確認しましょう。

③盛夏暑さ対策は絶対!

年々暑さが厳しくなっている昨今、ますますの暑さ対策も必要です。まず、いくら動線やレイアウト的に仕事部屋として良い空間を見つけたとしても「直射日光がしっかり入ってくる空間」や「窓がない空間」「間仕切ることによってエアコンが遮られる空間」は暑さ対策的には「ちょっと待った!」です。ここもしっかりリフォーム前に相談が必要ですが、エアコンが簡単に取り付けられない場所もあるので、夏の暑さや、冬の寒さ対策もお忘れなく!

④照明にもこだわって「目」を疲れさせないように

「照明はデスクライトがあればいいや」なんて思っていませんか?
実は、デスクライトのような手元だけを照らすような「部分照明」だけでは目が疲れてしまいます。部屋の天井から部屋全体を照らす「全体照明」とのバランスが大切。できれば全体照明と可動式のスタンドやブラケットライトなどを組み合わせるのがベストです。


住まいの専門家に聞いた「仕事部屋Tips」ご参考にしていただけそうでしょうか。
在宅勤務は、今後も長く続くであろう「新しい生活様式」です。
ご自身で使用することはもちろん、先々ご家族の世代が変わっても使い続けることができる「仕事部屋」をつくるなら、ぜひ専門家にご相談ください!