新築一戸建て住宅を購入するときは、誰もが期待とともに不安を感じるものです。
しかし、一生付き合うことになるマイホームだけに、決して失敗のないよう進めなくてはなりません。
新築一戸建て住宅の購入を成功させるためには、チェックするべき部分を見落とさないことが重要になります。
また、通常であれば目にすることのない部分についてもしっかり確認することで、不具合や欠陥を抱えた住宅の購入も回避できるでしょう。
そこで今回は、新築一戸建て住宅を購入する際の注意点について、おもに引渡しまでの手順やチェックしておきたいポイントなどを解説いたします。
新築一戸建て住宅購入の手順
新築一戸建て住宅の購入を成功させるには、まず大きな流れを把握しておくことが重要です。
新築一戸建て住宅購入のおもな手順は、以下の通りです。
- ①物件見学
- ②申し込み
- ③契約
- ④内覧会
- ⑤引き渡し
- ⑥入居
条件に合う物件を調査し、まずは「物件見学」を行います。
希望する物件が見つかったら、購入を前提とする意思表示を意味する「申し込み」を行います。
その後、諸々の手続きを終えたら、いよいよ「契約」の締結です。
そして「内覧会」では、物件の品質をしっかりとチェックし、問題があれば是正を求めることが重要になります。
一通りの手続きが終了したら、いよいよ「引き渡し」です。鍵を受け取った後はいつでも引っ越しが可能となり、「入居」とともに新しい生活のスタートとなります。
新築一戸建て建売住宅の引き渡しまでの注意点

新築一戸建て住宅を購入する際、契約後、あるいは引き渡し後に問題が発覚しないよう、十分に注意しなくてはなりません。
失敗を回避するためにも、「やるべきことをやる」ということが重要なポイントとなります。
新築一戸建て建売住宅の引き渡しまでの注意点について、以下に解説いたします。
購入費用の項目を確認しておく
新築一戸建て建売住宅を購入する場合、購入費用について、どこまで含むのか、その内容をしっかりと確認しておく必要があります。
なぜなら、当然に含まれていると思っていた設置物が、実はオプションであったり、別途工事が必要であったりすることがあるためです。
そのため、後から設置する必要がある場合は、想定していない費用がかかってしまう可能性があります。
購入費用の項目については、何が含まれ、そして今後何に費用がかかるのか、契約前に必ず明確にしておきましょう。
住宅が未完成の状態で全額を支払わない
新築一戸建て建売住宅を購入する際、未完成の状態で全額を支払わないことが重要になります。
なぜなら、完成前に全額を支払ってしまうと、その後の対応がおろそかになるケースがあるためです。
未完成の状態で支払いをしてしまった場合、仮にその会社が倒産するとそのお金が戻ってくることは期待できません。
また、場合によっては未完成の状態で引き渡しを求められるケースなどもありますが、トラブルに発展する可能性を考慮すると、応じるべきではないでしょう。
未完成や不具合がある場合は、すべて完成したことを確認し、引き渡しと同時に最終の清算を行うことが重要です。
内覧(最終チェック)時は徹底的に不備の確認をする
新築一戸建て建売住宅を購入する際、内覧会では、キズや汚れなど、不備の有無を徹底的に確認しておくことが重要になります。
なぜなら、基本的に引き渡し後に生じた補修などの費用は有償となることが一般的であり、内覧会で見落としたものであっても認められない可能性があるためです。
そのため、事前に細かくチェックし、適正な状態で引き渡してもらえるよう依頼する必要があります。
なお、内覧時のチェックポイントについては、この記事の後半部分で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
素人では分からない欠損部分はホームインスペクションに依頼する
内覧会など、引き渡しまでに十分な検査が行えるとはいえ、一般の人にとっては、どの程度の品質であれば問題ないといえるのか判断が難しいかもしれません。
また、目視で確認できない部分の不具合は、非常に多いにもかかわらず、気付かないまま引き渡しが行われることも少なくありません。
そのため、素人では判断しにくい不具合、また見えない部分に生じている欠損などをチェックするには、売主と利害関係のない立場で実施する「ホームインスペクション」がおすすめです。
さくら事務所の集計データによると、一戸建て住宅の新築工事のなんと8割程度に施工不良が生じていることが明らかになっています。
これを放置したまま工事を進めると、工事中の施工不良が引き金となって、引き渡し後に時限爆弾のように大きな不具合となって発生する可能性があります。
場合によっては、建物の寿命に影響する事態にもつながるため、「ホームインスペクション」を利用することで、施工の段階で危険の芽を摘んでおくことが重要です。
とくに近年では、建設業界も深刻な人手不足にあり、その影響から、施工管理者はきめ細かな対応ができない環境にあります。
そのため、検査では不具合があったとしても見落としが起こりやすく、是正されないまま工事が進んでしまうというわけです。
基礎の配筋のように隠れてしまう場所や、床下、屋根裏など、通常では人目に触れないような場所での不具合も、「ホームインスペクション」を実施しておくと不測の事態を避けることが可能となります。
これから物件と契約する方やこれから入居を予定している方で、「ホームインスペクション」の実施を検討している場合は、お気軽にさくら事務所までご相談ください。
・まだ物件契約をしていない方はこちらから
・すでに契約をしてしまったけど、入居前に住宅診断をしておきたい方はこちらから
新築一戸建て建売住宅の物件選びのチェックポイント

新築一戸建て建売住宅を購入する際、まずは物件選びが重要になります。
物件選びには、いくつかのチェックポイントがあり、それらを考慮して決定することで失敗を避けられます。
新築一戸建て建売住宅の物件選びのおもなチェックポイントとは以下の通りです。
間取りと部屋数
物件選びの際には、まず間取りと部屋数をチェックすることが重要になります。というのも、これから家族と長く暮らしていく住まいであることから、長期的な快適性を担保しておく必要があるためです。
時間の経過とともに、家族構成の増減やライフスタイルの変化は、必ず生じます。
子供や親、ペットなどを含め、将来的な変化を予測したうえで、間取りや部屋数の検討をしておくことが重要なポイントです。
アクセス
物件選びの際には、日常生活で利用する場所へのアクセスをチェックすることが重要になります。
例えば、毎日の通勤や通学で利用する最寄り駅や、買い物で利用するスーパーマーケットなど、自宅からのアクセスについて、許容できる範囲にあることをチェックします。
地域の治安と周辺施設
物件選びの際には、これから生活を送る地域の治安と周辺施設をチェックすることが重要になります。
家族が安心して暮らしていくには、その地域の治安が確保されることがポイントとなる要素です。
実際に周辺を散策することで、地域の安心と安全を確認します。
また、病院や銀行、郵便局、コンビニなど、生活圏内に無いと困る施設についても、チェックしておくとよいでしょう。
地盤・自然災害の可能性
物件選びの際には、その場所の地盤や自然災害を受ける可能性についてチェックすることが重要になります。
「地震に強い家」を決める要素のひとつに、地盤の強さがあります。
というのも、軟弱な地盤の上に建てられた住宅は、地震発生時には揺れが増幅して伝わることから、被害が拡大する傾向にあるためです。
、建物の耐震性能を高めるだけでなく、地盤の強さや自然災害の可能性など、どのような土地であるのかという点にも注目しておかなければ十分とはいえません。
土地について調査するには、いくつかの方法があります。例えば、自治体が作成している「ハザードマップ」を確認すること、国土交通省の機関である国土地理院が作成している「国土地理院地図」で土地の歴史を確認することなどです。
別件選びは、建物だけでなく、地盤についても十分に考慮することが重要なポイントとなります。
新築一戸建て住宅購入の内覧時のチェックポイント

新築一戸建て住宅を購入する際、引き渡し前に行う内覧会でのチェックが非常に重要です。
買主の立場で行う検査としては、基本的に最終となるため、不具合や欠陥を抱えたまま受け取ることのないよう慎重に臨みましょう。
内覧会でのおもなチェックポイントについて、以下に解説いたします。
仮設の照明器具は設置されるか
内覧時には、照明器具が設置されていることが重要になります。一般的に、ダウンライト以外の照明器具は買主が取り付けることになるため、引き渡し前のタイミングでは照明がつかない可能性があります。
室内が薄暗い状態では、表面のキズや汚れ、その他品質など、状況を確認することが難しく、十分なチェックはできません。
内覧会の当日が晴天であっても、日当たりの悪い部屋は薄暗くなり、また季節によっては日没が早い場合もあるため見えづらくなる恐れがあります。
必ず事前に担当者へ連絡し、簡易取り付けができるような仮設の照明器具を各部屋に取り付けてもらえるよう依頼しておきましょう。
点検口の有無
内覧時には、点検口の有無についてチェックを行います。点検口とは、床下や天井裏などの点検や不具合発生時に侵入するために設置されているもので、建物のメンテナンスを実施していくうえで必要となります。
しかし、建物の構造上、点検口が設置されていないケースもあり、その場合は設置されていない理由を確認しておくとよいでしょう。
また、内覧時は、点検口から床下や天井裏などに漏水や雨漏り、シロアリなどを確認することも重要なポイントとなります。床下や天井裏の四方を点検口からカメラで撮影しておけば、後でパソコンなどを使って拡大することも可能です。
なお、点検口の開閉には、ドライバーや脚立など道具が必要となることもあるため、当日に開けてもらえるようあらかじめ依頼しておきましょう。
図面との整合チェック
内覧時には、設置物が図面と整合しているかチェックを行います。契約時に受け取った図面と、実際に設置されているものを比べ、間違いはないか、あるいは漏れはないかなど確認する必要があります。
おもにチェックしておきたいポイントは以下の通りです。
- 建具の開閉方向
- 壁や窓、収納などの位置
- 照明器具の位置と数
- コンセントやスイッチの位置と数
屋外(外周り)のチェック
内覧時には、屋外の仕上がり品質についてチェックを行います。建物外回りの不具合は、雨漏りなどにつながる恐れがあるため、しっかりと確認する必要があります。
ただし、屋根や高所については、上がって確認するのは危険がともなうため、下から、あるいはベランダなどから見える範囲で行うとよいでしょう。
屋外のおもにチェックしておきたいポイントは以下の通りです。
- 外壁や基礎表面のひび割れや欠けなどの有無
- 塗装の剥がれやコーキングの切れなどの有無
- 外構工事の未完成部分の有無
- 土地の境界標の有無
- 隣地所有者と共有物の有無
- 越境物の有無
室内のチェック
内覧時には、室内の仕上がり品質についてチェックを行います。
室内の不具合は、キズや汚れ、設置物の固定状況といった表面に現れるものはもちろんのこと、床下など、通常目にすることのない隠れた部分も確認することが重要です。
なぜなら、建物のコンディションが現れやすい部分であること、また隠れた部分の不具合や欠陥が一定の時間を経て大きな問題となって表面化する場合があることなどがその理由です。
とはいえ、床下全体をチェックするのは難しいため、点検口からライトを当てて見える範囲で行うとよいでしょう。
室内のおもにチェックしておきたいポイントは以下の通りです。
- 床や壁、その他仕上げ材のキズや汚れの有無
- 建具や家具の動作不良の有無
- 設備の動作不良の有無
- 歩行中の床鳴りの有無
- 設置物のガタツキの有無
- 床下の漏水の有無
- 床下のゴミの有無
天井裏(屋根裏/小屋裏)のチェック
内覧時には、屋根裏や小屋裏の状況についてチェックを行います。
天井点検口から屋根裏や小屋裏をのぞき込み、ライトを当てて見える範囲についてのみ確認します。
実際に上がって動き回ると、天井が抜けてしまう可能性もあるため、そこまでの無理はしないほうがよいでしょう。
天井裏のおもにチェックしておきたいポイントは以下の通りです。
- 野地板や梁の雨染みの有無
- 断熱材の剥がれやズレなど欠損の有無
- ダクト(配管)の換気扇などへの接続状況
新築一戸建て住宅を購入する際は信頼できるホームインスペクターに依頼しよう

新築一戸建て住宅を購入する際は、暮らし始めて問題が発覚することのないよう、引き渡しまでに十分な確認を行うことが重要なポイントです。
というのも、一戸建て住宅の新築工事の8割程度に施工不良が生じていることが、さくら事務所が蓄積してきた集計データによって明らかになっているためです。
これら施工不良は、適切な検査が行われないと、そのまま工事が進み、不具合や欠陥を抱えた状態で引き渡しが行われる可能性があります。
そして、その不具合や欠陥は、時限爆弾のように時間を経過して突然表面化することがある点では十分に注意しておく必要があります。
とはいえ、一般の人が、新築工事の8割程度にも及ぶ施工不良を的確に見つけ出すことは、当然ですが簡単ではありません。
そのため、手遅れにならない、できるだけ早いタイミングで住宅診断のプロであるホームインスペクターへ依頼することをおすすめいたします。
これから物件と契約する方やこれから入居を予定している方で、ホームインスペクションの実施を検討している場合は、お気軽にさくら事務所までご相談ください。
・まだ物件契約をしていない方はこちらから
・すでに契約をしてしまったけど、入居前に住宅診断をしておきたい方はこちらから