Culture

【理念に込めた想い】まもなく変わる社会のゲームルール。大変革を迎えても必要とされる企業とは?

さくら事務所グループ創業者・会長の長嶋修が、さくら事務所の理念「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」と、「五方良し」(五方:ご依頼者様・自分・会社・業界・社会)に込めた想いを語ります。


AI、ロボット…これから訪れる大変化の時代に必要なこととは

さくら事務所、そこから派生したらくだ不動産をはじめ、いろいろとやってきたわけですが、「そもそもなぜやっているのか」ということからお話をさせていただければと思います。

さくら事務所は1999年の3月に創業して、この理念をとっても大事にしてきました。なぜこの理念を大事にしているのかというと、実は、これから訪れる大変化の時代を睨んでのことなんです。これはあとづけで言っているわけじゃなくて、昔からそう思っていたんです。

いま、ChatGPTなどAIが進展することによって、多くの人たちの仕事が、悪く言えば「奪われる」、よく言えば「なくなる」、そんな便利な世の中になろうとしてますよね。例えば我々の仕事で言うと、少なくとも新築の世界はいち早く無人化が起きそうです。リフォームやリノベーションの世界が無人化する時代はもうちょっと時間かかると思いますけどね。

あとは設計。簡単なものだったら、それこそ簡単に設計ができてしまう。それも、何十通りも。そういう状況になるわけですね。そして、そんな状況になった時に、私たちの仕事って一体何なの?っていうことなんです。

これから、私たちの業界や仕事に限らず、ありとあらゆるものの定義、意味合い、そこからもたらせるされる効果みたいなものが、おそらく、ことごとく変わっていくでしょう。そのような時にも必要とされる仕事、必要とされる会社でありたいということで、この理念、それから「五方良し」というものを作ったわけなんです。

例えば、これからロボットやAIがものすごく進展していくと、多くの人が仕事をしなくてよくなりますね。いわゆるベーシックインカム的なもの、いまの生活保護の仕組みのもっと手厚いものが普及すれば、ほとんどの人は仕事しなくてよくなります。

こういう話をすると、「じゃあ財政はどうするんだ」みたいな話になりがちですけども、そういった、財政がどうしたとか金融がどうしたみたいな話は、現在のゲームのルールがそういう風になっているというだけで、そこを起点として話や論理を組み立てることには全然意味がないんですよ。いまの財政がどうしたとか、アメリカのドルが基軸通貨になっているこの体制、それらを含めたまるごとが大きく変わるという話なので。そういう意味では、世の中で言われているような、「これからの社会は大変だ」みたいな方向には基本的にはならないと思っています。以前よりは良い世の中になっていくと。かつてローマの時代は奴隷がいろんな仕事をしていました。産業革命以降は多くの人の仕事が奪われた形になりましたが、結果的に便利な世の中になりましたよね。

近年で言うと、30年前、25年前ぐらい前かな、駅には切符を切る駅員さんがいましたよね。エレベーターガール、エレベーターボーイといった職業もありましたが、いまはほとんど見ません。多くの仕事がそうなっていくわけですよ。ですから、同じようにコンビニやスーパーマーケットは無人になるでしょうし、一時が万事、そういう感じになっていくんですね。

じゃあその時に必要なことは何か。どうしても大事になるのは哲学です。「なぜそういう仕事をやっているのか」「なぜそれが大事なのか」という話です。ロボットやAIが代替できる仕事なのであれば、それはロボットやAIにやってもらえばいいわけで。その状況にあっても、人としてあるいは組織として必要とされるのはどういうことなのかということが、やっぱり経営理念ということになると思うんですね。

ここで言う経営理念とは、その会社、あるいはその中で働く人、一人ひとりが仕事をする上での哲学みたいなことです。さくら事務所で言えば、「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」です。

1行目に「人と不動産の」とあります。現在はこの形でやっていますが、ここから先、未来においては人と不動産だけに限定しなくてもいいのかもしれませんね。「より幸せな関係を追求」という2行目は、つまり改善改善で終わりがないという意味です。3行目以降、「豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」は、持続可能性とか永続性があるということで、私たちが働いている時代だけのことを考えているわけじゃないということ。50年後、100年後、あるいはそれ以上も見据えてのことです。AIに勝つためにはこのぐらいの理念を掲げないとダメだと考えて、この理念を作ったわけです。

ご依頼者様、自分、会社、業界、
そして社会全体が良くなる「五方良し」

そしてもう一つは、この「五方良し」ですね。

依頼者っていうのは、一般的にお客様です。そのお客様ももちろん良くないといけないし、それを提供する会社もうまくいってないといけないですね。適切に売り上げが上がる、利益が上がるみたいなこと。あるいは自分自身、私たち一人ひとりも、その仕事をする喜びを感じることができるということ。

「鶴の恩返し」みたいに、労働力と時間を提供することで、自分が疲弊することでお金をもらうみたいな仕事は、それこそAIにやってもらえばいいわけで。そんな仕事はこれからの未来、必要ないわけですよという意味です。さらに、自分や会社だけが独りよがりでやっていてもしょうがないので、業界全体が良くならないといけないですね。そんな感じで、ひいては社会全体が良くなっていくということです。

当然、ここで言っている「社会全体が良くなる、良くする」というのは、AIやロボットに代替できない領域でやろうというような話です。「262の法則」や「15:70:15の法則」は私たちの業界にも当てはまるし、世の中全体にも当てはまるんですよ。不動産、都市計画の世界でいま多くの人たちが仕事をしていますけど、ほとんどの仕事はたぶんなくなります。そして、10〜15%ぐらいの人たちが相変わらず仕事をし続け、むしろ強烈に求められという感じになるんだと思うんですよね。同じことがあらゆる業界でフラクタルに起きていく。

そうしたことを睨みつつ、もちろん私たちは毎月毎日の売上がありますからね、そういったことにもミートさせつつということで、日々の変化にも対応しないといけないし、5年後、10年後、100年後まで続くような企業にもしないといけない。そういった想いで、20何年前だったかな、この理念を作りました。五方良しを作ったのはもう少し後のことですけどね。

近年、特に2020年以降ということで言うと、コロナの騒動、あるいはウクライナ紛争など、ものすごく社会が激動期、激変期に突入しましたよね。これね、この程度じゃ済みませんから。

そんなことを言うとみんなビビっちゃうかもしれないですけど、いまが2023年の4月でしょ。これが2024年、2025年、2026年となるにつれて、もっといろんなことが起きます。これは別に脅しているわけではなくて、社会の変化が著しいみたいな、そういう捉え方をしていただければ結構です。でも、さくら事務所にとっては、この大きい社会の変革は、むしろ望むところというか、そういう状況を見据えてこれまでいろんな形を作ってきたので、「やっとこういう時代が来ましたか」みたいな感じなんですよ。

ということですので、世の中はなんか大変だとか言う人はたくさんいますけど、私たちはそういう状況の中で、巻き込まれることはないと思います。巻き込まれないどころか、そのような一見、混沌とした状況、世の中において、「これからこういう世の中になるんですよ」とか、「こういう風に考えて行動したらいいんですよ」とリードをしていく、世の中の灯台のような位置付け、役割を担っていくという、そんな感じで考えているんですね。

まとめますと、これから数年間、混沌とした世の中がやってきます。しかし、冬が過ぎた後は必ず春が来ますから。2030年ぐらいにはもう新しい形ですっかりまとまって春を迎えるみたいな感じになると思うんですよ。その時、その状況を見据えてこれから私たちは世の中、社会をリードしつつ、未来のその次の春ってどういう形なんだよということ示せるようにする。ここ数年間は少なくともそういう役割を果たしていきたいという風に思っています。そのための理念と五方良しです。いま一度この理念と五方良しを胸に刻んでいただいて、この通りに進んでいきたいなというふうに思います。以上です。ありがとうございました。

さくら事務所では、一緒に人と不動産のより幸せな関係を追求する仲間を募集しています!

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