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【インタビュー|坂 瑞樹】
リフォーム会社で営業成績1位の建築士がホームインスペクターになったきっかけ

さくら事務所には数多くのホームホームインスペクター(建築士)が所属し、日々ご依頼者様のもとへお伺いしています。その現場では単純作業とはいかない、人と人とのやりとりが発生するもの。ホームインスペクターが目指していくべき「理想像」を具体的に描きやすいように、ご依頼者様のアンケート結果等を踏まえて、特に素晴らしい評価が目立った方を「月間MVP」として表彰。その担当者が日々心がけていることなどを全員で共有しています。


坂 瑞樹

一級建築士
既存住宅状況調査技術者
福祉住環境コーディネーター2級

大手リフォーム会社、大手ハウスメーカーにてにて営業・設計・施工管理に従事した後、建築士事務所を設立。
営業や現場管理の経験を活かし、依頼者としっかりコミュニケーションを取りながら相手の気持ちや要望を踏まえたアドバイスを得意としている。


実際のアンケートではどんな評価をいただいたのかご紹介します(抜粋)

・自分ではわからない建物の状態をしっかり見ていただき、その住宅の良い部分・悪い部分を知る事ができて非常に満足しています。

・現在の状態、今後どういった状態になっていくのかを教えていただき、未来の住宅の状態も想像する事が出来ました。

・疑問に思った事をすぐその場で聞けるような雰囲気にしていただき、坂さんが担当で本当に良かった!と思いました。

坂 瑞樹インタビュー

「不具合を指摘するだけじゃない」というポイントに関して、そこについて何か工夫している事はありますか?

いい所はしっかり褒めるという事は意識してやっていますね。
やはり契約前にホームインスペクションを依頼して下さる方でも、その物件に対して住みたいなという想いがあると思うので、不具合を見つけてその不具合だけ伝えるというやり方だと、ちょっと嫌な気持ちが残ってしまったり、新しい生活にわくわく感が生まれないと自分自身感じるんですよね。

なので、大工さんがしっかりと施工している部分や、電気屋さんがスイッチの位置とか考えられてると思いますよなど、色々気付いた事は伝えるようにしています。

未来の住宅の状態も想像する事が出来たというコメントは新鮮な表現だなと思ったんですが、そこについて坂さんは意識されているんでしょうか?

意識というか、もともとリフォームの営業と設計と施工管理を10年くらいやっていたので、建物がどういう風に劣化していくか、何年後にどういうリフォームが必要でどのくらいのお金がかかるのかという事について経験上言えるので
今こういう状態で、外壁などは2~3年以内に塗装考えた方が良いですね、など中古の物件の場合はメンテナンスサイクルについてもお話するようにしていますね。

ご依頼者様も初めてのインスペクション・初めての住宅購入で緊張しているので、まずは世間話も含めてお話しています

気にしている事は依頼者によって違うと思うんですが、そこを探るために工夫していることや、毎回聞く質問とかありますか?

事前の電話連絡の際に、気になっている事があるかどうかなどは必ずお聞きして、当日お会いした時にも改めて聞きます。

あとは、調査中も依頼者がご自分でよく見ているところがあれば声をかけたりしています。

「聞きやすい雰囲気」というコメントも見られました。今も坂さんを話をしていて、確かに話しやすいなという雰囲気を感じるんですが…それは意識してやっているのか自然体なのか、過去に何かきっかけなどあったのでしょうか。

今は特に意識はしていないですね。
前の職業が営業も入っていたといいう事もあると思いますが、私も初めて当日にご依頼者様と会いますし、ご依頼者様も初めてのインスペクション、初めての住宅購入という方も多いのでお互い緊張していると思います。
なので、まずはこちらから最初は世間話も含めて積極的に話かけるようにしています。

”建築士”ってどうしても固いイメージ持っている方もいらっしゃると思うので、僕みたいなおちゃらけた建築士もいるよなんて話したりしています。

「話しやすい雰囲気づくり」のポイントは接点を作ること

「話しやすい雰囲気づくり」と一言で言うのは難しいと思うのですが、坂さん的に何かポイントを1つ挙げるとしたらどういうことがあるか教えていただけますか?

僕たちが調査している時に、ご依頼者様は別で採寸したりとか、色々見たりされているのでそれに対してリアクションするというか、たとえば採寸をお手伝いしながら「カップボード何センチまで入りますね」とか「コンセントがここだから電子レンジはこの辺ですかね」みたいな他愛もないコミュニケーションというか接点を作ることで、だんだんご依頼者様も話しやすくなるんじゃないかなと思います。

接点を作るって大事なポイントですね。どれだけ雰囲気が良くても話したことない人だと緊張しますし、接点を重ねていく事で結果的に近くなっていくという事ですね。

ダメダメだった営業時代、「主役はお客様」と思うようにしたら4年連続1位に

坂さんはリフォーム会社時代、4年連続契約数が1位だったとお聞きしたのですが…その時の経験・知見がホームインスペクションに活かされている部分はありますか

実は契約数1位になる1年前はダメダメで、一つガラっと意識を変えたことがありまして、それは「主役はお客様」と思うようにしたんです。
設計のプランを提案するときに、自分が考えたものだから自分の想いをべらべら喋っちゃって「どうですか!」みたいな感じで、あまりお客様の反応を見ていなかったんですよね。

実際に暮らすのはお客様で、一番楽しみにしているのもお客様ですし、なのでお客様が楽しみになるようなふるまいだったり、話し方、喋りやすい雰囲気を出せるようにしよう!とガラっと意識を変えてから4年連続1位を達成できたのでそこは大きかったなと思います。

ですので、ホームインスペクションに関しても引き続き「主役はご依頼者様」と考えるようにしています。

どうしても当日作業している僕たちが目立ってしまいがちなんですが、暮らすのは依頼者ですし、インスペクション終わった後に「依頼してよかった」「不安が軽減した」と思ってもらえるように、僕も楽しみながらやってるんですけど、最後は依頼者が楽しく終われるようにという事は意識しているので、そういった部分が今回のアンケートに繋がったんじゃないかなと思います。

意識を変えるというお話ですが、意識を変えるだけだとなかなかお客様に伝わらないと思うんですけど、実際に坂さんが取り組まれたことを具体的に教えてもらってもいいですか?

リフォームで言うと、図面と見積もり持って提案するんですけど、既存図と計画図を見せても伝わらない事があるので、既存図に「ここの壁は残します」「ここは取ります」など一言入れたりしていました。
このプラスアルファで付け加える事がとても評判が良くて、少し手間は増えるんですけど、そのひと手間でお客様が喜んでくれるという事を体感出来たんですよね。

インスペクションの現場で一工夫というかプラスアルファで付け加えている事ってありますか?

最後、報告するときに結果だけ伝えるのではなく、たとえば中古住宅の場合だと劣化があった箇所について、今すぐ直した方がいいのか、数年様子を見てもいいのか、美観上の問題だけなので気になるなら直すという感じで良いのか、3パターンくらいに分けて話をしたりしています。
あとは、どういう補修方法があって一般的な期間や費用の目安といった情報もプラスアルファになるのかなと思ってお話しています。

険悪な雰囲気の仲介さんでも最後には仲良くなって「勉強になって良かったです」と言ってもらえたりすることもある

コンディションも様々な中古住宅の調査で、つい調査に集中してしまったりというシチュエーションもあると思うんですが、しっかり検査をすることと依頼者とコミュニケーションを取ることのバランスに関して心がけている事ってありますか?

「自分がされて嬉しい事は全部やろう」と思って生きているつもりなので、見落としないようしっかり見なきゃという事ももちろんありますけども、例えば途中途中でコミュニケーション取りながらというのは、僕だったらきっと嬉しいなと思っているので、バランスというか大変な部分は多いんですが、僕がご依頼者でも絶対そうしてもらえたら嬉しいと思う事は対応したいと思っています。

同席している仲介さんが険悪な雰囲気だったり厳しい態度の時など、そんな空気の時ってどうされていますか?

実際に何回かそういった雰囲気の方にもお会いしたことがありますね。仲介の方も巻き込んで調査をするというか、最初は敵対する雰囲気でも話かけたり状況報告をしているうちに、最後には仲良くなって「勉強になって良かったです!」と言ってもらえたりすることも割と多いです。

コンディションが特に悪い建物の時に伝え方工夫している事はありますか?
そういう物件の時は依頼者も修繕やリフォームをはじめから考えている方も多いので、まずは最初にご計画を聞いたうえで、調査した結果、表面上悪くても構造躯体はしっかりしていたりすることもありますし、躯体がシロアリに食べられている家も見たことがあるんですけど、しっかり直してあげれば安心して住めるようになりますという伝え方をしていますね。

あとは漠然と「木造って大丈夫ですか」と聞かれたりすることも多いです。そんな時に僕がいつも言っているのが「法隆寺って築千四百年なんですよ!」という話をします。法隆寺と住宅の造り方は全然違いますけど、木造もしっかりメンテナンスしてあげれば問題ないですし、住まい方にもよるので大切に住んであげてくださいね、という話をしています。

安心して住むにはやはり第三者のホームインスペクターが必要だとずっと感じていた

最後に、坂さんがホームインスペクターになられたきっかけと、実際にやってみてやりがいや面白さがどういうところか教えてください

自分のリフォームの経験が活かせるかなと思ったことと、安心して住むにはやはり第三者のホームインスペクターが必要だとずっと感じていたことがきっかけです。

ホームインスペクターは単純にやってて楽しいです!
これから新しい生活をされるご依頼者様に「安心しました」「頼んでよかった」と言ってもらえることがやりがいになっている。
すごく楽しく勉強させてもらいながらやらせていただいております。

ありがとうございます。これからもよろしくお願いします!

さくら事務所ではホームインスペクターの研修制度を設けており、研修後でも事例を共有出来たりベテランのホームインスペクターにいつでも質問出来る仕組みを用意しています。

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