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インスペクションでISO9001認証とは

さくら事務所では2014年9月に品質マネジメントの国際規格ISO9001:2008」の認証を取得しています。その後、2017年9月にISO9001:2015の認証取得をしています。目的は、ホームインスペクションにおいて高いサービス品質を安定的にご提供することです。


『ISO9001』は、サービスの品質保証と顧客満⾜及び改善を含む組織の管理まで踏込んだ品質マネジメントシステムの要求事項を規定した国際規格。

 

でも、インスペクションって製品を作らないし、何の品質に対してなの?と思う方もいらっしゃるでしょう。そうなんです、ISO9001は、工場とか建築現場とかモノを作って顧客に提供することを事業としている企業が取得するのが一般的です。では、さくら事務所が取得したISO9001、モノは作らないけれど何の「品質を大事にしたい」のかを少しご紹介します。

ISO認証を取得するまで

ISO9001の認証を取得するには、厳しい審査があります。
・どのようにご希望のサービスを間違なく実施できるようにしているか
・全ての担当者が同じ業務内容を実施するためにどんな取り組みを行っているか
・品質向上のため、どのように改善点を把握し対応しているか

このような審査員の質問に対し、さくら事務所の組織体制や運営方法、取り組みを細かく説明し審査を受けました。認証取得に際しては、豊富な実績や調査データを裏付けとした品質追求の姿勢を評価いただいた様です。

 

しかし実際には、モノを作っていない事業の審査です。あまり例の無い事業の審査に審査員の方にもご苦労おかけしましたし、さくら事務所のISO担当メンバーも準備するのは簡単ではありませんでした。

さくら事務所において品質を守りたいもの

モノを作らないさくら事務所ですが、では何を対象としているのでしょう。
ISOの品質方針がこちら↓
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「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を理念に本気で追いかけ、依頼者からの信頼を得続けるために以下の通りの行動方針のもと、完全に中立で公平な立場に立ったホームインスペクションを提供し続けるために、品質に関わるあらゆる業務プロセスにおいて継続的な改善を図る。
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ホームインスペクションサービスをご依頼者に提供するには、業務プロセス毎に関わる「人」や「仕組」が必要です。さくら事務所では、下記の業務プロセスに関わる「人」や「仕組」の品質を大事に考えており、その部分においてISO9001の認証を取得しました。

・経営プロセス
・支援プロセス
・サービス運用プロセス
・設計・開発プロセス
・外部連携プロセス
・サービス提供プロセス
・パフォーマンス評価・改善プロセス

 

例えば、サービス運用プロセスの中には、ホームインスペクションサービスの要求事項という項目があり、「ご依頼者とのコミュニケーションにおいてISO基準を満たしているか」が審査されます。日々、サービスを提供する中でご依頼者から様々なご意見を頂く機会があります。そのご意見に対して、社内への情報共有はどうだったのか?どう対応したのか?結果はどうなったのか?今後の対策はどうなのか?など細かく分析していきます。

また、支援プロセスでは、必要な資源の明確化・提供という項目があり、インスペクターの方々への研修制度についてもチェック対象としています。

 

各業務プロセスには、6~10のチェック項目があり、これらをサービス提供に関わるメンバーが「人」や「仕組」の品質向上という観点で、日々業務にあたっています。ISOという指標があるからこそ意識できることも多くあります。

ISOは認証取得だけでは終わらない

ISO9001の認証を取得すると、毎年、内部監査(社内)と定期審査(外部)を行う必要があります。業務プロセス毎にISO規準に則って業務が行われているのか細かくチェックされます。そのため、日々の業務がISO規準に適合してなければ認証は取り消されてしまいますから、認証取得したからっといってそれだけで終わりではないのです。むしろ、取得してからが品質向上に向けての本番なのです。

 

ホームインスペクションという事業でISO9001を取得している事業者は未だ多くはありません。認証取得するのも、毎年行われる内部監査、定期検査を継続することも、ハードルが低くはないからです。

 

しかし、さくら事務所は、ISO9001という指標を活用して、品質の良いサービスを安定的にご依頼者に提供し続けたいという想いがあります。建築士のインスペクターの皆さんにもISO規準に則った研修制度を利用して、「人」の品質向上を目指して欲しいと考えています。

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