Culture

さくら事務所の 「マインドフルフレックス」な働き方(Case 4 人生=さくら事務所な番頭メンバー)

Case 4 人生=さくら事務所な番頭メンバー


辻 優子(47歳)

■主な仕事内容
さくら事務所の社内の仕組みがうまく回るように立ち回るバックオフィス全般の仕事人。採用活動を中心に、グループ内や各チーム間の調整や危機管理対応など社内横断的に対応している。

[DATA]
2005年5月さくら事務所へ参画。現在47歳。
家族構成は、単身赴任や地方出張が多く月に1度か2度帰ってくる夫と、子どもが2人、そして犬が1匹。


【インタビュー】
あの日「マインドフルフレックス」がはじまった

マインドフルフレックスの仕事面でのメリットはなんですか?

会社のマインドフルフレックスで、私の場合は子どもができたからといって、自分がやりたい仕事を辞めない選択ができたところが大きいです。まわりの友だちは自分が希望する子育てと仕事が両立しづらくなり、仕事を辞めている場合も多いんですよね。特に、子どもが小学校に入った後が多い印象です。自分自身は仕事がしたかったのに、組織側の理解や柔軟性が足りずに仕事を辞める選択があるのはもったいない。

 

プライベートで大きな変化が生じると、同じ会社で長い年数働き続けるのはまだまだ簡単な世の中ではなく、ほかの会社だったら仕事側をパワーダウンさせるか辞めることになっていたかもしれません。誤解を恐れず言えば、イイトコ取りをさせてもらえない限り、オンかオフか、何かを「捨てる」選択になってしまいがち。

 

子ども2人の面倒を主に見る立場を選び、それでいながら子どもを持つ前と変わらぬ向上心で責任とやりがいのある同じポジションをずっと続けるのは、かなりハードルが高いように見えると思います。だから、子どものケアを選ぶと、仕事側を縮小したり辞めたりする方が多いのかなと。

 

でも私の場合は、仕事かプライベートのどちらかではなく、子どもとの時間や思い出も、仕事も大切にする人生全部のイイトコ取りをしたかった。子育て世代は、ちょうど仕事を頑張りたい時期と重なることが多いので、仕事も人生もマインドフルフレックスはシームレスなんです。全部自分のことだから切れ目がない。

 

さくら事務所のマインドフルフレックスは、時間的な働きやすさ=プライベートについて感じるメリットよりも、仕事面でのメリットを感じることが多い。そもそも会社が誰かと誰かの働き方を比較せず、個人ごとの成果を重視するから、自分と他者との比較のためではなく、自分が持つ仕事に集中しやすいんですよ。

マインドフルフレックスがはじまったきっかけ

当社のマインドフルフレックスをフル活用し始めたのは、2010年頃の私からだと思っているんですよ。第1号(笑)。今はしっかり明言されたスタイルですが、現代表の大西の方針のもと自然と始まったものです。

 

以前のさくら事務所は個人事業主の集まりみたいな感じで、時間こそ自由ではありましたが、仕事の目標も実施もバラバラで、会社組織であるメリットが薄かった。その後、社員から役員に昇格した現代表の大西が経営に参画し、メンバーは会社の大切な資産で、パフォーマンスを最大に引き出すにはどうしたらいいかを経営課題として着目しはじめました。

 

そして2010年頃、私は突然の縁により犬を飼うこととなって、早く家に帰らなきゃいけなくなったり、さらに翌年に子どもが生まれたりで、従来通りには次第にフルコミットできない条件が増えてきました。

 

当時、子育て中のメンバーはいましたが、自分が出産して時間に制限がかかり始めたメンバーは私が初めて。会社がメンバーを大切にしてくれることがわかればわかるほど、私の中では「みんなはすごく仕事をやっているのに、私はできていない」という葛藤がありました。

 

それが募り、経営側になった大西に「貢献できていない」と相談をしたときが、今のマインドフルフレックスの元にある考え方が初めて言語化されたときじゃないかと思っています。

 

驚いたことに「何がいけないの?」「それは、つっじーにとって大切なプロジェクトなんでしょ?」と大西から言われました。

 

「例えば、もし私が他に何かのプロジェクトに携わり始め、さくら事務所の仕事が週3日に減ったら、会社に貢献してないのかな?」「それがプライベートじゃダメなの?どれも大切だよね」と大西に言われて、ハッとしたことは今も忘れられません。

仕事以外も、私を構成する大切なもの

話しが戻りますが、もともと犬の仕事をしようかどうか迷うほど、私の人生の夢は犬を飼うことでした。あるとき好きな犬種の赤ちゃんを知人から譲ってもらえる話が出て悩みました。なぜかと言えば、当時、今のようにIT環境が充実しておらず家でできる仕事はごくわずか。あまりにさくら事務所の仕事が好きすぎて会社に1日中いるような人間だったものですから、犬を飼う=仕事時間が減ってしまうと考えたからです。

 

「仕事>プライベート」な時間の使い方だった私にとって、プライベート側の変化で仕事に影響が出ることが心配でした。また、犬を飼いたいとなったタイミングでは、まだこの制度のような働き方の実例もなくて。でも、この機会を逃したら犬を飼わないのではないかと思い、帰りの電車の中で仕事をしたり、家でこなしたりとで仕事を両立してみようと考え、念願の犬を飼い始めました。その両立生活が割と順調に進んだタイミングで子どもが誕生。

 

もし仮に犬や子どもと仕事の選択をするタイミングで、大西みたいな人が社長じゃなくて、働く時間や日数などを「やる気」として扱われたり、誰かと誰かを比較されたりしていたら、大好きなさくら事務所であっても仕事は続けられなかったかもしれません。さくら事務所は何時間、何日働いたかより、どう成果を出せるのか、継続してそれをやり続けたいという実態を重視してくれる。私自身がその覚悟を持って行動する限り、人と違うことへの遠慮は必要ありませんでした。

 

ちなみに、小学校にはPTA活動がありますが、「有給休暇や半休を取らないといけないから」「もう有給が残っていなくて休めない」と働く保護者には敬遠されがちです。でも私はPTA活動も諦めたくなかった。実はめちゃめちゃPTAのボランティアに行ってたんですよ。

仕事を少し抜けて、1時間半ちょっとPTA活動に出たりしてたし、ある年はある委員会の責任者を引き受け、PTAの慣例・意識改革みたいなこともやりました。実は最初は積極的ではなかったけど、やり始めたら、学校・子どもたちの役に立てて、なんて社会的に有意義なんだろうと思って。

 

マインドフルフレックスはあなたの「仕事の喜び」を守る手段

仕事以外のことをあれこれやりたいと思ったとき、会社が「仕事にすべてを捧げられない人は、ここにはいられない」という文化や仕組みにしていたら、仕事か大事にしたいコトのいずれかを諦めてしまうことがあるでしょう。あとは、仮に自由な時間の使い方を制度が許しても、本当にその文化が浸透していなければ、仕事しながら負い目を感じてしまったり。

 

実は後者を理由に仕事や会社を変えたり、働くことを辞めてしまうケースが多いのかもしれないと思ってます。今フルフレックスの制度の会社はすごく増えてるけど、実際にそれを活用するための「理由の自由度」は、低いケースもありそうです。個人としてやりたいことがあるけど、当然仕事が重要なことはわかっている。誰かから何か言われたわけではないのに、自分を追い詰めてしまって、苦しくて辞めてしまうみたいな。

 

でも、さくら事務所は、仕事以外に大事にしたいことの理由を制限しない。大事にしたいことは趣味であっても何でもいいと考えています。もちろんチーム運営するうえで必要な勤務ルールはありますが、チームの動きを妨げず、個人個人が担当するミッション・領域で成果を出すことに集中できるのであれば、堂々と、働き方をカスタムしてほしい。

 

制度はあるだけではなく誰かが体現しないといけないから、私がやろうと思って、業務を持続しながら、小学校のイベント・活動も犬のケアも胸を張ってやりました。仕事以外の「大切にしたいこと」は人によっていろいろ違う。大切な仕事を続けるために、他の大切なことを両立するためのマインドフルフレックスは、さくら事務所の当たり前です。

何か優劣を付けないためにも、マインドフルフレックスはある

自由度の高さばかり注目されがちですが、仕事ですからミッションや達成目標はシビアにあります。むしろ、それらをしっかり個人ごとが認識し、責任をもって会社と対話しようとする姿勢は不可欠です。例えば会社からタスクやミッションをプラスできないかって話があるとき、普通に考えると「今以上に抱えてしまうと、負担が大きくて、出来ない」と諦めモードの話になりがちですが、ここは提案型であってほしい。 

 

やりたいことの両方を完全には叶えられないかもしれないとき、何かを仕方なく諦めたり我慢するんじゃなくて「この仕事を整理すると受けられそうだ」「今回はこういう仕事の進め方をしたいが、どうか?」など、「どうやったらできるか」のマインドで、会社に提案してもらえると、とても嬉しい。

 

仕事に割く時間量は、成果と切り離せない部分もたしかにあります。ただ、繰り返しますが、時間で「貢献」を図る文化はありません。意欲、何よりも成果(貢献)を出すことにモチベーションを持ってくれていれば、仕事以外の部分で変化があったとき、マインドフルであるための働き方についても、誰かとの優劣を感じなくていい。それを実現し続けるためにも、一人でどん詰まりで追い込まれてから結論ありきで相談するのではなくて、遠慮なく「こうしたい」と提案型で教えてほしいんです。

 

マインドフルフレックスはもちろん制度上の「働きやすさ」ですが、マインドフルネス自体、人との優劣ではないところがポイントなんだと思います。その人の世界観の中で、その人が幸せなことが大切です。仕事に夢中になりたい人が、仕事も仕事以外も、両方欲張りに取り組める仕組みがマインドフルフレックス。制度のベースは、「仕事がしたい」「成長したい」「前進したい!」というメンバーの想いを大切にすることですから、皆、安心してさくら事務所の仕事にのめり込んで欲しいですね。

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