Culture

さくら事務所25周年 お花見イベント「さくら、咲く」開催!

2024年3月31日(日)、東京都渋谷区の金王八幡宮で、さくら事務所の25周年を祝うイベント「さくら、咲く」を開催しました。その様子をレポートします。


長嶋 修

さくら事務所創業者、現会長

業界の第一人者として不動産購入のノウハウにとどまらず、業界・政策提言にも言及するなど精力的に活動。「第三者性を堅持した不動産コンサルタント」の第一人者としての地位を築く。2022年6月現在、登録者数6.46万人のYouTubeチャンネル(長嶋修の「日本と世界の未来を読む」)を運営。不動産投資・政治・経済・金融全般についての情報発信をするYouTuberとしても活動中。最新刊に『バブル再び ——日経平均株価が4万円を超える日』(2022年、小学館)。

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大西 倫加

さくら事務所/らくだ不動産 代表取締役社長

マーケティング会社を経て、2003年さくら事務所参画。広報室を立ち上げ、マーケティングPR全般を行う。2011年にさくら事務所取締役、2013年1月に代表取締役社長に就任。2018年4月にらくだ不動産を創立。だいち災害リスク研究所副所長。次世代まちづくりスクール教頭。執筆協力・出版や講演多数。

山本 直彌

さくら事務所/らくだ不動産 副社長執行役員・不動産エージェント

マンション・ビル管理、不動産仲介の経験を経て、マンション管理コンサルタント・不動産エージェントの業務に従事。これまでに500件以上の不動産仲介を経験。

田村 啓

さくら事務所 執行役員

大手リフォーム会社での勤務経験を経て、さくら事務所に参画。建築の専門的な分野から、生活にまつわるお役立ち情報、防災の分野まで幅広い知見を持つ。多くのメディアや講演、YouTubeで広く情報発信を行い、NHKドラマ『正直不動産』ではインスペクション部分を監修。

友田 雄俊

さくら事務所 執行役員

大手リフォーム会社にて、木造戸建て住宅リフォームの営業・設計・工事監理に従事。外壁塗装などのメンテナンス工事から、フルリノベーションまで幅広く手掛ける。その後、株式会社さくら事務所に参画し、2024年4月、執行役員に就任。


桜の下で25周年をお祝い!

イベントには29人のご依頼者様が参加。よく晴れた3月31日午後、さくら事務所グループのメンバーとともに桜の下でお花見を楽しみました。桜の名所としても知られる金王八幡宮。ちょうど同じ日に境内では「金王桜まつり」が開催されていて、多くの人で賑わう中、参加者は思い思いに桜を愛で、のんびりとした時間を過ごしていました。

美しく咲く桜にうっとりしたあとは、同じく渋谷区内のイベントスペースに移動し、パーティの始まりです。パーティの冒頭では、今回のイベントのために特別に注文したケーキが登場。その出来映えに会場は大盛り上がり! さくら事務所の25周年をイメージした桜のイラストが映える苺のケーキを参加者全員でいただきました。

そして、メインイベントの質疑応答がスタート。事前に参加者から集めたさまざまな質問に対して、長嶋をはじめとするさくら事務所のメンバーが答えていきます。その中の一部をご紹介しましょう!

大喜びの長嶋(写真左)と大西(写真右)。みんなでおいしくいただきました!

Q:自宅の購入と投資用不動産の購入、どちらを先にするべきですか?

【長嶋】
まず、自宅と投資用不動産は、同じ土台に載るものではありません。マイホームを買う際には夢と経済合理性の2点が大きな要素になりますよね。一方、投資物件は経済合理性のみ。夢はありません。ですので、本来であればこの2つを単純に比較するのはそもそも無理なんです。

それでもあえて比べるのであれば、夢の部分をばっさり斬り捨てて、経済合理性、つまり資産性の観点だけで考えていかなくてはいけません。

マイホームの場合、買わない場合は家賃を毎月払います。2年に1回、契約の更新があります。買う場合は住宅ローンを組み、金利分は多く払うものの、元金を返済していくことになりますよね。それが10年後、20年後、30年後にどうなるかをシミュレーションすることをお勧めします。

この時にブレが生じやすい変数が、「X年後の資産価値」ですね。これは正直、正しく予測するのが難しいです。ただ、私がよく言っている「15:70:15の法則」に当てはめてみた時に、その物件が上位15%に入るのであれば、まず価値は下がらないと思っていいでしょう。少し雑な考え方ですが。

しかし、机上の空論と言いますか、こんなふうには計算はうまくいかないんですよね。どんな物件が目の前に現れるかで決まると言ったほうがいいのかな。自分で住みたい物件があればその物件を自宅用に買うし、投資に適した物件が見つかればそれを買う……ということになるんだと思います。やっぱり、物件との出会いはご縁です。日々の行いが大事ですね。誰が言ってるんだって話ですが(笑)。

「物件との出会いはご縁です」と語る長嶋

Q:新築マンションの価格が高騰していますが、この状況はいつまで続きますか?

【山本】
基本的には、今後もしばらく値上がりが続くことは間違いありません。原因のひとつとして考えられるのが、2024年に入って建築業界でもかなり労働基準が厳しくなった点です。昔と違い、特に大手の会社では、建築現場の仕事は土日祝日にきちんと休むようになりました。そうすると、以前と比べると工期が伸びますよね。工期が伸びたからといって職人さんの給料が減るかというとそんなことはありませんから、そのぶんは物件の価格に転嫁されるというわけです。

【田村】
それに関連して戸建てのリフォームについて言うと、リフォーム価格がコロナ前と比べて1.5倍になっているケースがあります。 場合によっては2倍ですね。建築・土木業界では技術革新が進んでいて、ロボットに任せられる作業が増えています。その一方、リノベーションやリフォームは図面も施工の内容も一軒一軒バラバラですし、まだまだ機械に任せられる状況ではなく、腕の立つ職人さんが必要です。技術レベルの高い職人さんは業界内で不足していますから、どうしても人件費が嵩んでしまうというわけです。これはマンションの大規模修繕についても同じことが言えます。

【長嶋】
日本には、富裕層向けの物件がものすごく少ないんですよね。ここ数年で東京、大阪などで一部、販売されていますが。これからそうした物件は増えていくと思いますよ。価格が10億円、100億円のものもありますから、これらが平均価格を押し上げる要因になるということは考えられますね。

今後、新築マンションは基本的にすべて富裕層向けのものになると思います。お金をすごく持っている人が買う、みたいな。新築を買うのが主流派であるという考え方があるのは、先進国では日本くらいなんです。欧米諸国ではリノベーションしながら古い住宅を大切にする文化が醸成されているのですが、日本でも最近はそうした考え方が広まりつつありますよね。昨今ではリノベーション費用とマンション費用を一本化して住宅ローンを組むこともできるようになりました。リノベーション文化が日本に根づき始めたということでしょう。

「リフォーム、リノベーションの人件費が高騰しています」(田村)

Q:自宅の床下の様子が気になるのですが、チェックを自分で行う場合、どうすればいいですか?

【友田】
床下の空間はとても狭く、潜ってチェックをしている最中に金具を引っかけてしまったり、頭をぶつけてしまったりと、大変危険を伴いますので、基本的にはご自身でのチェックはおすすめしません。私たちのようなプロに依頼していただくのがベストだと思います。

それを踏まえて、もしご自身でチェックされるのであれば、十分に気をつけていただいた上でなさってください。頻度としては、数年に1回で結構です。また、特に地震など、建物に大きな力が加わった時に何らかの変化が起こる可能性がありますので、地震が落ち着いてしばらく経ってから床下に潜るようにするといいでしょう。基礎のコンクリートのひび割れ、断熱材の剥落などの異常が見つかった場合はすぐに修繕を依頼してください。

あとは水回りですね。キッチンや洗面所には点検口がありますので、年に1回くらい、蓋を開けて中を覗く程度で十分です。給排水管からの水漏れがないかを確認します。

「無茶はせず、いつでも私たちを頼ってくださいね」と友田

Q:長嶋さんがよく口にする「グレートリセット」というキーワード。具体的にどのようなことが起こるのでしょう?

【長嶋】
何でしょうね、グレートなリセットって(笑)。簡単に言えば、社会のあらゆる構造が思い切り転換するということ。それに従って私たち多くの人の価値観も転換します。これを私は「グレートリセット」と呼んでいます。

たとえば金融。国際決済銀行があって、その下に各国の中央銀行があって、さらにその下に民間の銀行があって。こうした体制は根本的に変わっていくと思います。最終的には国ごとの通貨もなくなっていくでしょう。グローバルなひとつの通貨でやり取りをすることになります。そうすると、為替の問題もなくなりますよね。金利もそうです。そもそも金利って必要ですか? グレートリセットによって、そうした、当たり前だと思っていることが根底からひっくり返るんです。

2030年、いや、それよりも前に、グレートリセットは起こるでしょう。混沌を経て、新しいスタイル、新しい価値観の社会が始まります。目の前の現実にも視点を合わせておきながら、片脚だけ、新しい価値観の社会に突っ込んでおく。そうしたスタンスが、いまの態度としてはちょうどいいんじゃないかと思っています。私個人としては、片脚だけというよりも、もうちょっと突っ込みながら、現在とのバランスを取っているつもりです(笑)。

Q:グレートリセットのお話を踏まえて、30歳からどのように生きていけばいいか、教えてください

【長嶋】
30代でがんばれない人は、その後もがんばれません。40歳になるまでの10年間、もしくはそれ以上、毎日1%の積み重ねをやるかどうか。それで40代、50代以降がどうなるか決まります。当たり前のようなことを言っていますが、日々の積み重ねなんです。1%の努力を続けることができるかどうかが大事。

30代に限った話ではなく、10代、20代でも同じことが言えますが、なんでもいいから、がむしゃらにやってみるといいですよ。それが正しいか間違っているかはどっちでもいいんです。あとから間違いだということに気がついたら、「がむしゃらに間違った」という経験がその後の人生の糧になりますから。

私自身がどうだったかと言うと……特に30代の前半は、ほとんど覚えてないんですよね(笑)。というのも、務めていた会社を辞めてさくら事務所を立ち上げたのが31歳の頃で、その後3年くらい、まったく仕事がうまくいかなくて。仕事がうまく回るまでやるしかないと思って、手当たり次第、できることをすべてその日にやり切る、そんな毎日を過ごしていました。睡眠時間は、1日2時間くらい。ストレスで激太りもしました。のちに仕事が回るようになって、だんだん元に戻りましたが。

【大西】
私が長嶋さんに初めてお会いしたのがその頃ですよね。ちょうどさくら事務所の仕事がうまく行き始めて、社員数が増えて、という頃。

【長嶋】
そうですね、仲間を増やした時代。最初はうまくいったんですが、だんだんうまくいかなくなって。一人で悩んだり、仕事がうまくいってうれしくなったり、また悩んだり……みたいな繰り返し。やっている当時は大変でしたけど、いま振り返ると、いろんな意味で無茶してよかったなと思いますね。

【大西】
当時の長嶋さんは、『巨人の星』の星飛雄馬みたいな感じでしたから(笑)。一人だけ大リーグ養成ギブスを着けて自分を追い込んでる、みたいな。周りの社員にも、なんでもっとしっかり仕事してくれないんだと厳しく当たり散らかしてましたよね。講演に呼んでいただいた時も、いまみたいにソフトな語り口ではなくて、挑発するようなことを言って相手を怒らせておいて、「やっぱりあいつはわかってない」とか。

【長嶋】
やり方を間違えてましたよね。私の場合はちょっと遅くて、40代の中盤になってから、そういうのが時間と労力の無駄だと気づくようになりました(笑)。でも30代の日々をそうやってがむしゃらに過ごしたので、いまの自分があるんだと思います。

【大西】
ブレーキが壊れたポルシェ、みたいな……。公道を時速300kmで走って事故を起こしまくったり、そんな毎日でしたね。長嶋さんの30代は、控えめに言ってひどかった(笑)。

【長嶋】
だから、その頃のことはあんまり覚えてないんだってば(笑)。

長く苦楽をともにした二人
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