People

「ベストな提案ができるようになった」さくら事務所で見つけたマンション管理の新たな選択肢

一口に「マンション管理」と言っても、抱える課題は建物によって大きく異なります。そんな管理組合の悩みに対し、それぞれの立場で寄り添っているのがマンション管理士の山本直彌と、業務委託のコンサルタントである鬼塚竜司です。これまでのキャリアでは悩みを抱えることもあったという二人に、マンション管理に対する思いや“独立”の選択肢について聞きました。


山本 直彌

さくら事務所副社長執行役員、マンション管理コンサルタント。大手マンション管理会社での業務経験6年、大手不動産仲介会社での業務経験9年、その他PM・BMマネジメント経験3年。マンション管理フロント業務として50棟以上(5,000戸以上)の管理業務実務、不動産仲介取引件数は累計500組以上。

鬼塚 竜司

新築工事にてマンションや複合施設の給排水および空調設備の工事管理を経験後、マンション管理会社の修繕工事部門にて、工事企画及び工事管理を14年間経験(管理職含む)。大規模修繕80棟以上、給排水管更生更新30棟以上、窓サッシ改修工事等補助金対応工事10棟以上、機械式駐車場入替、インターホン改修工事など、マンション全般の工事を経験。長期修繕計画の作成500回以上。マンション管理コンサルタントとして独立後、2021年6月株式会社さくら事務所へ業務委託契約のパートナーとして参画。


「もっと管理組合のために」の思いから選択した“独立”

――まずはお二人が普段どのような仕事をしているかについて教えてください。

鬼塚:主な仕事は、マンションの修繕工事に関する管理組合へのアドバイスです。たとえば大規模工事における施工会社の選定や工事の仕様の決定、仕様書に沿った工事の準備などですね。

山本:私は、マンション管理の領域でお問い合わせいただいた案件に対して担当コンサルタントをアサインしたり、各案件に対する提案内容をコンサルタントと一緒に考えていったりと、マネジメントを中心に担当しています。ただときには私自身が現場の最前線に出て、管理組合へのコンサルティングを行うこともあります。理事会の運営などソフトな領域から、修繕工事などのハードの領域まで、幅広く受け持っています。

――お二人はこれまで、どんなキャリアを歩んでこられて、いまはどのような資格をお持ちなのでしょうか。

鬼塚:私は大学卒業後、いわゆるサブコンと呼ばれる設備工事の会社に就職しました。そして4年ほど給排水設備や空調関係の工事の管理を担当した後、マンション管理会社の修繕工事部門に転職。工事を受注して完了し、管理組合に引き渡す仕事を14年ほど担いました。築浅から築古までさまざまなマンションに携わらせていただきましたが、2021年に独立して会社を立ち上げました。
持っている資格としては、1級建築施工管理技士、1級管工事施工管理技士、一級建築士、管理業務主任者です。
山本:私のキャリアはビル管理からスタートしました。設備や清掃、警備などについての基礎知識を学び、PMの立場でマンション管理に携わるように。それからマンション管理会社に転職してフロント業務を経験し、管理組合の抱える課題の解消に向けたサポートを行ってきました。その後、大手不動産仲介会社に移り、今度は建物の流通部分を担うことになりました。そんな経験を経て、マンション管理事業も不動産仲介事業も展開するさくら事務所グループにやってきたという流れです。

持っている資格としてはマンション管理士や管理業務主任者、宅地建物取引士やマンション維持修繕技術者のほか、ビルクリーニング技能士や2級ファイナンシャル・プランニング技能士もあります。鬼塚さんと同じマンション管理に携わりながら、同じ資格が「管理業務主任者」だけなのも面白いですね。

――山本:まだマンション管理業界では、独立を選択される方が少ない印象があります。そんな中で鬼塚さんがあえて独立を選ばれたのはなぜでしょうか。

鬼塚:会社員時代、「これは本当に管理組合にとってベストな提案なのだろうか」と思うことがよくありました。自社の利益を追求する営利企業として、たとえ自社の製品がその管理組合にとってベストな商品ではないことがわかっていたとしても、どうしても売らなければいけない場面などもあり、モヤモヤが大きくなっていったんです。

「もっと管理組合のためになる提案を行いたい」と思い、最初は転職も考えました。けれど会社員である以上、やることはどこの会社でもほとんど同じなんですよね。会社員のままでは私が本当にやりたいこと、提供したいことは実現できないと思い、「そうであれば自分でやるしかない」と腹を括りました。

山本:非常によくわかります。私はフロントでしたが、管理会社に所属するサラリーマンには変わりありません。自分が「こうしたい」と思ったところで、上長から却下されるなどして実現できなかったことが私にもあります。それは管理会社に所属している方であれば、多かれ少なかれみなさん経験していることだと思います。

管理会社にいると受注がゴールになりがちですが、管理組合のニーズや困りごとは、その管理組合ごとに違います。たとえ同じ「大規模修繕工事」であっても、非常に高いレベルで悩んでいる組合もあれば、「そもそも修繕工事をどうやって進めていけばいいかわからない」と悩む組合もあるんですよね。ですから本当は一律に「こうすればいい」というものはないのですが、会社としては「前回はこうだったから次もこうしよう」といった判断をしがちです。

私は独立ではなくさくら事務所にジョインする道を選びましたが、いまは管理組合にしっかりヒアリングしてディスカッションしたうえで「何がベストなのか」を追求し、提案することができています。これはさくら事務所だからだと思いますね。

第三者の立場だからこそ、最適なアドバイスができる

――さくら事務所のコンサルティングは他社と比較して違うと感じられますか?

鬼塚:「管理組合の最適な選択に向けたアドバイスができるかどうか」の面で、大きな違いがあると思います。たとえばさくら事務所には、「これを売らなくちゃいけない」といった縛りがありません。第三者性をかなり重視しているので、管理組合と同じ目線に立って「この管理組合にとって何が最適なのか」を考え、提案することができます。
自分自身としても、管理会社や施工会社の立ち位置をよく理解したうえで、中立な立場で管理組合のメリットだけを考えて仕事ができるので、かなりやりやすいですね。さくら事務所と業務委託契約を結んだのも、事務所が掲げる中立さや第三者性について惹かれたからですが、その看板に偽りはありませんでした。

山本:さくら事務所は、依頼された仕事をお受けしないことすらあります。それは、その管理組合が「さくら事務所ではない会社とお付き合いしたほうが良いケース」だからです。もちろん受注してしまえば私たちの利益にはなりますが、「あの会社のほうがいいのにな」ということが最初からわかっているのであれば、無理に受注するより別の会社をお勧めしたほうが、依頼者が幸せになれますよね。

個人としては、いまも昔も管理組合に対する姿勢は変わりません。ずっと「管理組合のためにベストを尽くしたい」と思い、実際にそうしてきた自負はあります。たださくら事務所にジョインしたことで、組織としてさらに大きな視点からベストな提案をできるようになったと感じています。

――いまはどんな瞬間に、やりがいを感じられるのでしょうか。

鬼塚:管理組合としても、「管理会社はこんなことを言っているけれど、本当なのだろうか」といった懸念を抱えるケースは結構あるんです。たとえば管理会社は、基本的に12年周期で長期修繕計画を策定し、管理組合さんに対して計画通りに工事を行うよう提案します。それは予防保全の観点からすれば当然の話だと言えます。

一方で管理組合の立場からしてみると、「お金もないし、まだ問題も起きそうにない。本当に工事をしなくちゃいけないのか」との不満を抱くこともあります。そんなときに私の方から、「管理会社はこのような理由でこの提案をしているんですよ」と丁寧にお伝えすることで、納得していただけることがあるのです。これは管理会社の社員としての立場では無理でした。自分が介在することで物事がスムーズに進むようになったときは、すごく嬉しいですね。

山本:確かに、どうしても管理会社のほうが管理組合よりも保守的になりがちですよね。ただたとえば漏水が発生してしまった“後”だと対処も大変ですし、その間住民は住めなくなってしまいますから、やはりマンション管理においては保守的に考えることが必要です。

とはいえ保守的すぎると、金銭的な負担は大きくなります。そこで「この工事にはいくらかかる。やらなければこんなリスクがあり、最悪の場合これくらいの費用がかかる」「今回は工事をやらない選択もある」といった、それぞれの管理組合にとってベストな提案をしていくことがやっぱり必要になるのだと思います。

独立の不安を打ち消した思考法

――独立することに関して、不安はなかったのでしょうか。

鬼塚:まったくなかったと言えば嘘になります。そこで私は、独立する前に不安に思っていることをすべて書き出して、「自分は何に不安を感じていて、どうすればその不安を解消できるのか」を整理するところから始めました。

自分が不安に感じていたのは結局、「お金」の部分でした。そこで、「いまは貯金がこれくらいある。月々の生活にはこれくらいのお金がかかる」と計算することで、「2年間はたとえ無収入だったとしても何とかやっていける。そこまではやりたいようにやってみよう」と気持ちを切り替えることができました。

――最初から明確にやっていけるだけの見込みを立てていたわけではないんですね。

鬼塚:そうですね。本当はやっていける目途が立ってから独立するのが理想なのかもしれません。ですが会社のお客さんを持っていくわけにもいきませんし、完璧な状態を目指していれば独立はなかなか難しいと思います。私は独立したらどういう仕事をするか、どうすれば収入が得られるかといった簡単なプランだけを組み立てて思い切って独立しました。ただそうして独立したところ、早い段階で管理会社時代にお世話になった方からお声がけをいただき、お仕事を頂くことができました。

山本:鬼塚さんがサラリーマン時代に、スキルとともに信頼を培ってこられた結果ですね。この「信頼」こそが結局、すごく重要な役割を果たします。

鬼塚:そうですね。働いているときにはあまり意識していない部分でもありましたが、辞めるときには協力会社を含むいろいろな立場の方からお声がけや激励をいただきました。本当にありがたかったですね。

――独立の選択肢を選ぶとき、鬼塚さん同様「お金」に不安を覚える方が多いと思います。正直なところ、現在金銭面ではいかがでしょうか。

鬼塚:私は法人を立ち上げたので、毎月役員報酬として自分自身に支払う金額を決め、その通りに支払っています。その額面のお金だけで言えば、管理会社に勤めていたころのほうが高かったことは事実です。ただ会社にはお金が蓄積されていきますし、会社員時代と違って経費もあるので、実際に回しているお金はそう変わりません。使っているお金はそう変わらないのにやりがいは格段にアップしているわけですから、本当に独立してよかったなと思っています。

また、いまはさくら事務所から安定的にお仕事をご紹介いただいていて、その仕事が7割ぐらいを占めています。この「安定的に仕事がある」というのが非常にありがたいのです。独立を決めたときは、ここまで安定するとは思っていませんでした。独立して初めて、こんなに大手のマンション管理会社以外に需要があると知りました。たぶん管理会社に勤めている人はこの需要にあまり気付いていないと思います。

山本:確かに、ニーズはまだまだあると思います。ただ鬼塚さんに仕事が絶えないのは、鬼塚さんご自身の手腕と人柄があってこそでもあると思います。さくら事務所のご依頼の中でも、鬼塚さんへの指名をリピートされるケースは非常に多いんです。

収入の部分で心配している方に対しては、私は「心配しなくてもいい」と言いたいですね。というのも鬼塚さんのように、ちゃんとこれまで管理組合との信頼関係を築き上げてきた方であれば、独立してもちゃんと依頼が来て、リピートが生まれて新たな顧客を紹介していただいて…といったサイクルが生まれてくるからです。もちろん最初は頑張る必要がありますが、キャリアを積み重ねるだけ信頼が積み重なっていき、安定につながります。

独立は自分自身も幸せになる選択肢

――鬼塚さんは普段、どのような一日を送っているのでしょうか。

鬼塚:最近は朝5時に起きて、30分ぐらいランニングをしてから筋トレをするようにしています。時間があるときは、そこから1時間ぐらい思考の時間を設けてようやく朝ご飯。それから仕事を始めます。

私は朝のほうが仕事がはかどるタイプなので、少し忙しいときには朝4時に起きて昼まで集中して仕事をして、昼からゆっくりするといった日もあります。決まったルーティンを送るというよりは、自分のフィーリングを大事にして、そのときどきの状態に合わせた生活を送っています。かなり自由度の高い生活です。

――独立後、どれくらいで仕事がうまく回るようになったのでしょうか。

鬼塚:独立して1か月くらいのタイミングでさくら事務所と契約を結び、1年後には一人では回しきれないくらいのお仕事をいただけるようになりました。最初は電話相談や建物診断を依頼してくれた管理組合が、次に施工管理会社の選定や大規模修繕工事の見直し、機械駐車場の改修工事といった仕事をお願いして下さるケースも多いですね。

山本:鬼塚さんの場合、ご依頼された内容が自分の専門領域じゃなくても、その分野を専門としている人につなぐことができるので、それがまた信頼につながっていると感じています。

鬼塚:さくら事務所にはいろんなメンバーがいるので、わからないことがあればすぐに聞いたり、あるいは別の専門家につなげたりことができます。これは管理組合にとって望ましい環境であることはもちろん、私自身にとっても一人で独立して自分の会社を立ち上げた身でありながら、チームの力を実感できるかなりありがたい環境です。

山本:さくら事務所には私のように管理会社でのフロント経験者もいれば、鬼塚さんのように技術営業や建築の知識を持った方もいます。そのほかマンション管理を直接経験していないデベロッパーやゼネコン出身の方も活躍していますし、ホームインスペクションや住宅診断士のみなさんに力を貸してもらうこともできます。

それぞれの持っているスキルが合わさることで、さくら事務所全体として管理組合に対してバリューを発揮できていると感じています。さくら事務所はメンバーのバックボーンが多彩で、点ではなく面でカバーできることも、魅力の一つだと思います。ここに正社員か業務委託かはまったく関係ありません。

――鬼塚さんは「会社員」という安定した立場を捨てたわけですが、会社員に戻りたいと思うことはないのでしょうか。

鬼塚:一切ありません。独立してから、「仕事どう?」と聞かれることも増えましたが、自信を持って「楽しいよ」と答えています。「管理組合に対して価値あるものを提供できている」とのやりがいも満足感も、会社員時代とは全然違います。この道を進んで本当によかったし、幸せだと感じています。

――最後に、いま管理会社でモヤモヤを抱えている方、独立を考えている方にメッセージをお願いします。

鬼塚:管理会社時代には、「どうせこれはできない」と諦めていた部分がありました。けれどいまは、「管理組合のためにできることはないか」を諦めずに考えることができます。それはすごく価値あることだと思いますし、すごく楽しいです。

「仕事なんだから多少のことは我慢しなきゃいけない」と言う人もいます。ですが、人生は1回きり。楽しいことをやって生きていくことができれば、どう考えてもそれが一番いいですよね。どうすれば楽しく幸せに仕事ができて、かつお金もしっかり入ってくるのかを考えて設計していくことが重要だと思います。その結論が「会社員では難しい」ということになれば、ぜひ「独立」という選択肢も検討してみてほしいと思います。いざやってみれば、案外なんとかなるものですよ!

山本:さくら事務所は、管理組合にベストなバリューを提供するとともに、かかわってくれるメンバーもイキイキと仕事ができる環境を大事にしています。この部分を追求していくことが、最終的に、私たちが大切にしている精神である「五方よし」の達成につながっていくと考えているからです。
またそれぞれの領域でプロフェッショナルとして活躍しているメンバーが多いので、成長のスピードが速く、自己実現が叶いやすい環境にあると自信を持って言えます。独立したいけれど不安がある方、また独立まで考えていなかったけれど悩みを抱えている方がいらっしゃいましたら、私や鬼塚さんも相談に乗ります。ぜひまずは相談してください!

▼インタビュー動画はこちら

さくら事務所で活躍するメンバーはどんな資格を持っている?前職はなにをしていた?採用のお知らせ【前編】

管理会社から独立ができる?管理組合にとって第三者という立ち位置のさくら事務所の働き方とは/採用のお知らせ【後編】

さくら事務所 採用情報
私たちは不動産領域の「仕掛け人」。
一緒に、ワクワク楽しく、新たな「価値」を創造しませんか?

▶採用情報はこちら

▶採用応募・お問い合わせフォームはこちら

▶独立前に相談されたい方はカジュアル面談へ
カジュアル面談とは:情報交換、関わり方などのご相談も兼ねて、面接ではなく、まずはカジュアルにお話する事が目的です。

記事をシェア
xでシェアする facebookでシェアする
一覧へもどる