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「USA仲介エージェントの「売り方」最前線&日本不動産市場のこれから」セミナーレポート

更新日:2020/06/26


2月12日(火)に、さくら事務所主催「USA仲介エージェントの「売り方」最前線&日本不動産市場のこれから」と題したセミナーが行われました。今回はその様子をお伝えします。

セミナーは2部構成で、第1部はさくら事務所の創業者・会長の長嶋修が「海外の不動産市場動向と日本の不動産市場の予測について」、第2部ではホームインスペクター(住宅診断士)の田村啓が「契約後の手離れを格段に良くする3つの方法について」ホームインスペクション(住宅診断)の活用方法を踏まえて語りました。

USA仲介エージェントの「売り方」最前線&日本不動産市場のこれから
~インスペクションワールド2019 inサンディエゴ最新レポート~(長嶋修)

–海外不動産市場の状況と日本が受ける影響


ずはじめにスクリーンに映し出されたのは、世界の都市のマンションの価格水準比較(2018年春時点)のグラフ。ここでの東京のランキングは7位。欧米やアジアの主要都市を下回っています。

「世界のステータスは国ごとに動いてるともいえるが、金融の中心はやっぱりシティ(ロンドン)なので、ここが動くと世界的に大変動をもたらすことになります。(長嶋)」

2017年の後半頃から、不動産価格に異変が起きています。世界的に見ても下降が予測され、日本経済もこの影響を受けて、景気が悪い話が続くだろうと長嶋は予想しました。

次に出てきたのが、UBSの不動産バブル指数を表すグラフ。日本は15位。ランキング上位の各国はいずれも不動産価格が下落しています。

「特に危険なのは中国です。中国不動産企業は、社債発行して資金調達をしている。中国は空き家が5,000万戸もあり、1年あたり新築を1,000万戸供給しているので、5年分が在庫になってしまっているという状況。(長嶋)」

EUを離脱したイギリス、オーストラリアのシドニー・メルボルン、アメリカにおいても下落の兆候があります。アメリカは、誰もが知っているようなニューヨークなどの都市では未だに価格が上昇し続けていますが、これらもいずれ下がるでしょう。では東京はどうなるのでしょうか?

「(価格が)あがったといっても15位(UBSグローバル不動産バブル指数)なので、収縮率は小さいとしても、影響はある程度受けるでしょう。」と、長嶋は予測しました。

–日本の不動産市場のトレンド予測

長嶋は、仮に今の株価水準が続くと、これまでのトレンドに当てはめた場合10%~15%中古マンションの成約価格は下がると予想しています。しかし、「不動産売買の場合、景気が悪くなれば取引が鈍るもののなくなるわけではない。」という前向きなコメントも残しました。

新築マンションは契約率50%を切りましたが、これには大手不動産ディベロッパーが供給戸数1位を維持するために年末に大量に分譲した背景もあります。今後、新築マンションの供給戸数は減る一方、中古マンションは50万戸ほどあるといわれており、流通量が拡大するのと同時に、不動産業界の市場も4倍~5倍に膨れる可能性があります。しかし、すべての中古が流通するわけではなく、良い物件のみが取引され、そうでない物件は残っていくでしょう。

–インスペクションワールド2019の視察レポート

インスペクションワールド2019の様子

アメリカでもっとも大きい組織であるアメリカホームインスペクターズ協会(ASHI)には約8,700人のインスペクター(住宅診断士)が所属しています。これと比較して、日本ホームインスペクターズ協会(JSHI)の会員数は約1,700人です。

インスペクションワールドでは、全米から1,000人ほどの関係者が集まり、開催者側は各々ブースを出展し、自社の取り組みについてアピールをしています。また、このイベントでは総会も行い、会計報告や理事就任発表なども行います。
アメリカでは、インスペクター(住宅診断士)の評価サイトがあり、そのサイト経由でホームインスペクション(住宅診断)の依頼がきます。トラブル防止のため宅建業者によるホームインスペクター(住宅診断士)の紹介が一切禁止されている州もあるそうです。ここで長嶋は「日本もいずれそうなります。」と宣言しました。

続いて、現地で実際に中古住宅のホームインスペクション(住宅診断)を行った時の動画がスクリーンに流されました。調査物件の屋根に、大きな雨染みが見つかりました。ここでのホームインスペクター(住宅診断士)の説明の仕方にもコツがあると長嶋は言います。

「(雨染みの)原因や修理方法を伝えるのは当然のこと。もし前提として10年くらいで取り壊してしまうのなら、10年持つか持たないかといったというアドバイスの仕方を行う。このように依頼者側の立場や目的に沿ってアドバイスを行う事が中古住宅の取引では大切。(長嶋)」

–築年数を無視した建物評価がはじまる

建物の専門家が見たときに、事実上の建物耐用年数を判断する評価が始まり、状態のいい住宅が金利の優遇を受ける等といった制度が実現するでしょう。不動産取引もこれを踏まえて行った方が良いと長嶋は来場者に語りかけました。

「とはいえ、やっぱり大切なのは立地。立地も良く、状態の良いものが高い評価をうけることになります。(長嶋)」

–住宅選びにおいて重要視されていること

「駅からの距離や都心からの距離が大事にされていますが、もう一つ大事なのはどの自治体を選ぶかです。(長嶋)」

子育てにやさしい政策を行った流山市は人口が増え、税収も増えたため予算が大幅に増え豊かになりました。こういった政策を行っている自治体とそうでない自治体では、今後差が開いていくでしょう。

最後に長嶋は、「これから不動産市場は、日本も世界も全体としてシュリンク(縮小傾向)です。経済はデフレ・円高の状況になると私は予測します。しかし、不動産においては建物の価値が維持される方向にはたらけばどこまでも資産化ができるでしょう。」とまとめました。

契約後の手離れを格段に良くする3つの方法
~引っ越し後のトラブルはインスペクションで防げ~(田村啓)

【ポイント1】買主様主体であること


契約後のトラブルを防ぐためには、まず、買主主体で住宅診断を行う事が非常に大切です。さくら事務所で依頼を受けた住宅診断の8割が買主からのもので、残りの2割が不動産業者様等からのものです。

多くの仲介業者の方が、ホームインスペクション(住宅診断)を行う事によって、重大な不具合が発覚し、取引が不成立になるという心配をされていると思います。しかし、さくら事務所が中古の一戸建て・マンションのホームインスペクション(住宅診断)を行った方対象にアンケートをとった結果、90%以上のが購入へと進んでいることがわかりました。

ホームインスペクション(住宅診断)を行ったことで取引が不成立になったケースはごく稀であり、ホームインスペクション(住宅診断)を行う事によって、仲介業者様への信頼感をより強くもつ方もいます。

「すごく重要なことは、買主さんが自分の目で見て判断して、納得したか。これが契約後のトラブルにつながるかどうかの分かれ目になります。(田村)」

【ポイント2】現場に立ち会ってもらうこと

宅建業法の改正に基づき、契約時に宅建士から状況調査の有無についての説明が義務付けられましたが、その場にホームインスペクター(住宅診断士)は同席しません。建物状況調査の報告書を基にお客様に物件の劣化状況を説明するのは難しく、添付資料だけでお客様に理解してもらうのは困難と田村は言います。

「現地で立ち会って、実際の劣化状況を目で見ることがすごく大事。不具合箇所の写真だけ見ると、お客様は不安になってしまいますが、実際に現地で色々な角度で複合的に見ることで、劣化の程度や危険度を正確にお伝えすることができます。(田村)」

調査担当が行った説明やアドバイスについて、ホームインスペクション(住宅診断)を行ったご依頼様を対象にアンケートをとったところ、97.2%が「とてもわかりやすかった・わかりやすかった」と回答しました。

「報告書1枚だけでは、調査結果に過度にご心配される方もいる。調査時間は3~5時間かかるので、終始立ち会うことは難しいかもしれませんが、調査後に口頭で調査結果を説明するときだけでもいいから立ち会ってほしい。これが引き渡し後のトラブルを防ぐために非常に有効です。(田村)」

【ポイント3】建物のことはインスペクター(住宅診断士)に投げる


ホームインスペクター(住宅診断士)は建築士でもあり、建物全般のことに精通しているだけでなくそれぞれ得意分野を持っています。例えば、「リノベーション」に詳しい者や、「施工現場」の経験に富んでいる者など。全員の共通点としては、「どんな風に伝えたらお客様が納得してくれるのか」を各々自分の中で考えて工夫していることです。

「私が意識していることは総合的にみてどうなのかを判断して、伝えることです。部分的に悪いところがあると、どうしても買主様はそこばかりに目が行ってしまう。そういう時は、建物全体としての総合的な評価をお伝えするようにしています。逆に、総合的に状態の良くない物件でも、優れているところを見つけて伝えるように工夫しています。(田村)」

ただ物件を調査するだけではなく、調査結果の伝え方や、お客様とのコミュニケーションのとり方も大切にすることが、一流のホームインスペクター(住宅診断士)には不可欠だといえるでしょう。

–さくら事務所のホームインスペクション(住宅診断)をするまでの3STEP

  1. お客様への説明…コツは建物の傾き・水漏れ/雨漏り・シロアリ
  2. HPから申込み…建物状況調査やフラット35、瑕疵保険や耐震診断も対応可
  3. 調査当日に結果報告…重説用の「結果の概要」を当日発行

さくら事務所のホームインスペクション(住宅診断)は、売主様はもちろん、スピードが最優先の買主様にも対応できるようなサービス設計をしています。即日・翌日の調査もご相談いただけます。契約に必要な書類も調査当日に発行するので、調査翌日のご契約でも大丈夫。

ご来場頂いた仲介業者様の中は、「今までホームインスペクション(住宅診断)のことがよくわからず苦手意識がありましたが、今回のセミナーでよく理解できました。今度からお客様に尋ねられた時、上手く答えることができそうです。」と仰る方もいました。

FUDO Bizでは、今後も最新情報をメルマガでお届けしたり、役立つセミナーを開催し、コンテンツの充実化を目指していきます。
今後ともよろしくお願いいたします。

もっと個別でホームインスペクション(住宅診断)をお知りになりたい方は、個別で出張説明会なども開催しています。
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