さくら事務所には仲介業者様から「ホームインスペクション(住宅診断)って一体どのように進めるの?」「具体的にどんなメリットがあるの?」といった声が多く寄せられていました。
そこでホームインスペクションを活用している企業様に実情やメリット、印象深いエピソードなどをインタビュー。
第一弾は株式会社しあわせな家・山田篤社長にお話をうかがいました。
株式会社しあわせの家 代表取締役 山田 篤様
「ホームインスペクションの最大のメリットは、戸建の傾きを確認できること。
もし瑕疵が見つかっても解決に向けることで、いい空気で契約できますね。」
後から瑕疵がわかると買主様だけでなく、業者側もリスクを負います。
——しあわせな家さんではもう10年くらいさくら事務所のホームインスペクションを導入いただいています。
お客様にはどのようにインスペクションをご案内されているのでしょうか。
山田社長:うちでは一戸建ての買主様にインスペクションを活用していただいています。
最初にお客様とお話する時にお渡しするパンフレットでご説明する一連の流れの中に、最初からインスペクションを入れていて、お客様からは自然なフローとして認知されるようにしています。
——こういったアプローチをしてくださっている企業様はとても有難いです!昨今のお客様にはホームインスペクションはどれくらい認知されていますか?
山田社長:半々くらいですね。うちに問合せされるお客様は事前にかなり情報収集される方が多いので、高めだと思います。
——仲介業者様の本音として「ホームインスペクションを入れると、せっかく買う気になっているお客様を逃してしまうのでは…」といった不安もあるかもしれません。そうした中でホームインスペクションのメリットはなんでしょうか?
山田社長:そういったケースも確かにないとは言えないですが、うちでは志を持って長年ホームインスペクションを入れているんです。中古の戸建住宅では傾きが1000分の6以上だと瑕疵の可能性が高いので、その傾きがないことは確認しておかないと恐いですね。後から傾きがわかったら、いろいろ大変で買主様だけでなく、業者側もリスクを負います。戸建の最大のリスクである「傾き」を確認してから買いましょうという話ですね。うちでは仲介手数料にホームインスペクションの費用を入れていますし「傾いていた時の床補修が高額」「健康被害にもつながりかねない」など、傾きのリスクは買主様にもご納得いただきやすいです。
——ホームインスペクションを導入する際に大変だったことはありますか?
山田社長:相手方(売主側)の仲介を説得するのは大変だったこともありますね。「なぜこれをやらなきゃいけないのか?」ということを理解して頂くのが大変でした。特に売り出してすぐの物件は難しいです。向こうも「売りたい」という強い意志がありますよね。以前は大変なケースもありましたが、最近はそこまで抵抗を示されることはなくなりましたね。
中古戸建の大きな瑕疵は、雨漏り、シロアリ、そして1000分の6傾き。
——ホームインスペクションで見つけられる瑕疵で「傾き」のほかに重要視されていることはありますか?
山田社長:「傾き」に加えて「雨漏り」「シロアリ」。この三つですね。ただ雨漏りもシロアリも、インスペクターが目で見えるところでは確認できるけれど「絶対にない」とは言い切れないんです。なのでやはり「傾き」が一番大きいでしょうね。
——実際に大きな傾きがあった事例を教えてください。
山田社長:はい。1000分の6傾いていたのですが、買われたお客様もいらっしゃいました。とてもその家を気に入っていらっしゃって「どうしてもここに住みたい」と、床の補修工事をして住まわれたのです。ご承知の上で買ってくださるのは、後から発覚するよりも、売主様にも私たちにも助かる話です。
——山田社長がホームインスペクションをご活用されるようになったきっかけは?
山田社長:実際に傾いた一戸建てに遭遇したことがきっかけです。大手ハウスメーカー施工の中古戸建で1000分の6以上ありました。「ちょっと傾いているかも…怪しいな。でも大手施工だから大丈夫だろう」と当時は思っていたのですが、引き渡してからリノベーションする際に傾きが発覚して、これは仲介の責任ではないかと大騒ぎになりました。費用負担も痛かったですし、何よりもあの時のようなお客様の悲しい顔をもう見たくないというのが大きいです。
——ホームインスペクションで売主様、買主様、仲介業者様…皆がハッピーになることはできるでしょうか。
山田社長:皆がハッピーになることはなかなか難しいかもしれません。物件に瑕疵が見つかって売主さんがハッピーかといえば…そうとは言えないですよね。買ってくれたとしても何となく申し訳ないな…という気持ちになるかもしれないですし。ですが、取引が問題なくフェアにできるという点では、とても有益なものだと思いますよ。また大きく見ればホームインスペクションを入れると喜んでもらえることの方が圧倒的に多いです。安心していただけるし、瑕疵が見つかっても前向きに解決して行くことで、いい空気で契約ができるのでそこで人間関係もぐっと近づきますね。
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編集後記
今回のインタビューで山田社長が「売主の立場になった時に、買主がインスペクションをやるのかやらないかわからないと、契約直前にいきなりインスペクションと言われる可能性があって心配」という事をおっしゃっていたのが印象的でした。
契約直前にインスペクションして話がひっくり返るとたまったもんじゃないですからね…。
改正宅建業法のインスペクションは媒介契約時にインスペクションを説明することになっていますが、買主様の場合、さくら事務所では買付申込の際にインスペクションの案内をされることをおすすめしています。
直接買主さまにインスペクション内容を説明することもできるので、その際はお気軽にご相談ください。
インタビュアー:さくら事務所 ホームインスペクター 田村 啓
プロホームインスペクターが訪問してご説明させていただきます
「ホームインスペクション(住宅診断)」の内容やホームインスペクションの活用方法など、ホームインスペクターが貴社へ赴き、ご説明させていただきますので、お気軽にお問合せください。
電話番号:050-1745-3309
担 当:FUDO Biz運営事務局 田村 啓(ホームインスペクター)