FACTORS4
マンション資産性レポート

最上級の「納得」は最上級の「分析」から

資産性という漠然とした概念を定量データから導き出された重要ファクターで再定義。
マンションの真の資産性を徹底分析し、さくら事務所が誇る、
各分野のエキスパートたちが、あなたの納得のいくマンション選びをサポートします。

資産性の概念が覆るCONCEPTUAL CHANGE

国が定めるマンション管理適正評価制度により、管理の見える化が進む現在。

マンションの資産性を立地や売値の観点のみで評価する時代が終わります。

マンション管理士・宅地建物取引士・一級建築士など、様々な専門分野の知識・経験・ノウハウが集結したさくら事務所だからこそ、より本質的な資産性に気付き、またそれを可視化することが可能となりました。

FACTORS4-マンション資産性レポートは、マンションの本質的な資産性を分析・数値化し、完全なる第三者目線から評価
「大切な住まいだからこそ、各分野のプロの目から見てもらいたい」というあなたのためのレポーティングサービスです。

マンションの資産性を評価するレポート」+「専門家による電話コンサルティング」により、あなたが購入を検討するマンションの本当の資産性を分析します。

4つのFACTORと
3つのFACTで評価
4FACTOR 3FACT

FACTORS4-マンション資産性レポートでは、
マンションの資産性を「4つの要素(FACTOR)」に分解して分析。

<新築マンションの場合>

4つのFACTORと3つのFACTで評価
FACTOR1:
相場価格
査定額や価格変動幅などのプライシングについて評価
FACTOR2:
持続可能性
建物仕様に合わせた、適切な管理費や修繕積立金の設定について評価
FACTOR3:
居住快適性
建物仕様から居住空間としての快適性を評価
FACTOR4:
流通可能性
立地だけでない、複合的な視点での選ばれやすさに関するポテンシャルを評価

新築マンションの場合は、これらのFACTORを「立地条件・建物仕様・管理力」という「3つの事実(FACT)」と掛け合わせることで、そのマンションの将来的な資産性を数値化して評価します。

<中古マンションの場合>

4つのFACTORと3つのFACTで評価
FACTOR1:
立地
エリア区分・駅区分・エリアの将来性・災害リスク等について評価
FACTOR2:
建物仕様
対象住戸の位置・間取り、共用部の構造・セキュリティ・付帯施設等について評価
FACTOR3:
管理状況
建物仕様に合わせた、適切な管理費や修繕積立金・組合運営状況等について評価
FACTOR4:
相場妥当性
過去の取引事例・現在の市況から売却可能性が高い価格帯から見た価格妥当性について評価

中古マンションの場合は、4つのFACTORに分解して分析することで、そのマンションの現在の資産性を数値化して評価します。

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    レポートサンプルREPORT SAMPLE

    ※こちらは新築マンション版のサンプルとなります

    3つのポイント3POINT

    • 『業界No.1』の信頼
      01

      『業界実績No.1』の信頼

      国内初の『個人向け不動産コンサルティングサービス』を開始したさくら事務所がサービス開発。業界実績No.1であるホームインスペクションだけではなく、耐震・災害リスクアドバイスなど、住まいの総合コンサルティングサービスを提供。

    • 各分野のプロが知見を結集
      02

      各分野のプロが知見を結集

      「管理力」も踏まえたマンション資産性を、複合的な視点で評価するのは容易ではありません。「マンション管理士 × 宅地建物取引士 × 一級建築士」が在籍する当社だからこそ、本来の資産性を算出できます。

    • 資産性を高め続ける「変革サポート」
      03

      資産性を高め続ける「変革サポート」

      立地条件は自ら変えていくことが出来ませんが、建物仕様の一部変更や、管理組合として運営を適正な状態に変えていくことで資産性を高めていくことは可能であり、そのサポートをいたします。

    SPECIAL INTERVIEW

    『正不動産』原案・夏原武と監修・不動産コンサルタント長嶋修の初対談!
    マンション激戦時代に問う、マンションの「真」の価値とは?

    コミカルな切り口で不動産業界の闇を描いたストーリーが大きな話題となった、NHK大ヒットドラマ『正直不動産』の原作・原案である夏原武氏と、その原作・ドラマの一部監修を担当した当社創業者・不動産コンサルタント長嶋修の2人が、「FACTORS4ーマンション資産性レポート」のスタートを記念して、2022年6月某日、不動産業界の知られざる裏側から、原作の内容と絡めたマンションの資産性に関する見解について語り尽くしました。

    『正直不動産』原案・夏原武と監修・不動産コンサルタント長嶋修の初対談!

    漫画『正不動産』とは

    時には嘘もいとわないセールストークで営業成績No.1の座を欲しいものにしていた登坂不動産の営業マン・永瀬財地が、あることをきっかけに本当のことしか言えない人間に…。まさに「正直さ」だけを武器に働かなくてはならなくなった永瀬が不動産業界で奮闘する姿を描いた作品です。※大谷アキラ・夏原武・水野光博/小学館「ビッグコミック」連載中

    • 不動産コンサルタント
      長嶋修
      不動産コンサルタント 長嶋修

      建物の持続可能性が、ひいてはその建物の資産性に結びつくんだと思ってください。残り30年で全くダメになってしまう建物なのか、100年続きそうな建物なのかで全然違います。

    • 「正直不動産」原案
      夏原武先生
      「正直不動産」原案 夏原武先

      「部屋」を買うって考えるとそこしか頭になくなっちゃうんだけど、マンションの中の一部分を共有するんだという意識を持って選ぶと、失敗は少ないんじゃないかなと思います。

    FACT × FACTOR連載コンテンツ

    マンションの資産性に関するFACT(事実)について、重要と考えられる
    FACTOR(要素)を見抜き、当社コンサルタントが徹底解説。

    みなさまにそのポイントをわかりやすくお届けします。

    第4回:中古マンション・レクセルガーデン北綾瀬のFACT第4回:中古マンション・レクセルガーデン北綾瀬のFACT
    FACT × FACTOR
    VOL.04

    第4回:中古マンション・レクセルガーデン北綾瀬のFACT

    2023.09.18 公開

    今回のFACT

    2023年7月某日、地価上昇率トップであり、マンションが多く建つ北綾瀬にて、FACTORS4でレポーティングした際、ほぼ同条件の他のマンションと比べて特別高評価だった中古マンション「レクセルガーデン北綾瀬」に私たちは取材に出向いた。マンションの外構・共用部・専有部までをも見せてもらい、中古マンションを購入する前に見ておくべきポイントをインスペクター・不動産エージェントの両観点から解説、その様子を撮影させてもらった。(ポイントをまとめたチェックリストはページ上部からダウンロードできるのでぜひご活用いただきたい)さらに、レポートで25点中24点と評価された「管理状況」について、現理事長である後藤謙治さんに、現在の良好な管理状況に至るまでの道のりや工夫についても貴重な話を聞くことができた。今回は、その一部始終を同行して見聞きした、不動産ジャーナリストの亀梨奈美氏に中古マンションの管理と資産性について解説してもらった。

    不動産ジャーナリスト:亀梨奈美から見るFACTOR

    不動産ジャーナリスト:亀梨奈美

    マンションの“二つの老い”が進行する中、「長期修繕計画作成ガイドライン」の見直しや「マンション管理計画認定制度」の開始などをうけ、マンションの管理への注目と重要性が高まっています。中古マンションの資産価値を考えるうえで「マンションの管理状況」は切っても切り離せません。加えて、管理状況は、居住快適性にも直結する重要な要素です。

    とはいえ、購入を検討しているマンション、あるいは居住しているマンションの管理状況が良いのか悪いのか、修繕積立金が十分なのか不足しているのかといったことを判断するのは難しいものです。管理計画認定制度は、管理の適正化とともにマンション管理を「見える化」するために創設された制度ですが、いまだ認定件数は少なく、認知度自体も決して高いといえる状況ではありません。また、管理組合さえ、管理状況が適正であるかどうかを把握できていないということも少なくありません。そんな中、どうやってマンションの管理状態を把握すればいいのか。このニーズを満たすのが、マンション資産性レポート「FACTORS4」です。

    動画でも述べられているように、同レポートで「管理運営状況」が25点満点中24点だったレクセルガーデン北綾瀬の最も大きな評価ポイントは、30年以上の長期修繕計画が立てられており、修繕積立金の設定がしっかりしていること。「計画を立てることくらい簡単」と思うかもしれませんが、マンションのさまざまな決定事項の1つ1つに合意形成が必要であることから、積立金が不足しているからといって、住人の方々から集める費用を増額したり積み立て方法を変えたりすることは容易でありません。平成30年度の国土交通省の調査によれば、長期修繕計画を作成していないマンションは7.0%。計画があっても、計画期間25年以上の長期修繕計画に基づいて修繕積立金を設定しているマンションの割合は約半数に留まります。さらに「修繕積立金が足りているのか足りていないのか不明」というマンションは3割以上と、決して少なくありません。

    レクセルガーデン北綾瀬も、最初から健全な管理や十分な積立ができていたわけではなく、1度目の大規模修繕の前には積立金が不足していたようです。結果的に足りない金額は修繕積立金の値上げでカバーしたそうですが、この過程で同マンションは支出を徹底的に見直し、第三者の専門家を招いて住人に説明する機会を設けたといいます。適切に修繕計画が立てられていて、十分な金額が積み立てられているという状態は、このような管理組合の努力の賜物であり、健全なコミュニティが形成されているという証拠でもあります。健全なコミュニティが形成されていれば、老朽化や自然災害などに対しても適切に備えることができます。これが、マンションの資産価値と居住快適性の維持に直結するのです。

    マンションの管理状況は、立地や建物の構造などと異なり、見た目で判断できるものではありません。また、長期修繕計画やそのために必要な費用は、国交省などが定める基準はあっても、現状とこれまでの修繕歴などによっても変わってくるものです。そして、いずれも改善の余地があるファクト。だからこそ、マンションの購入を検討している人に加え、マンションの所有者も「現状を知る」重要性は高いものと考えられます。

    当然ながら、中古マンションの価値は「管理」だけで決まるものではありません。管理状況に加え立地、建物仕様、相場妥当性という4つのFACTORを客観的かつ専門的な視点で可視化することで、物件の真価とともに、コストパフォーマンスや競争力、持続可能性を見定めることができます。

    【第3回】地価上昇率TOPエリアの中古マンション2物件のFACT【第3回】地価上昇率TOPエリアの中古マンション2物件のFACT
    FACT × FACTOR
    VOL.03

    【第3回】地価上昇率TOPエリアの中古マンション2物件のFACT

    2023.06.30 公開

    今回のFACT

    【第3回】地価上昇率TOPエリアの中古マンション2物件のFACT
    【基本情報】
    マンションA 某一室 マンションB 某一室
    所在地 東京都足立区東綾瀬 東京都足立区綾瀬
    交通情報 JR常磐線・東京メトロ千代田線「綾瀬」駅 徒歩9分 JR常磐線・東京メトロ千代田線「綾瀬」駅 徒歩10分
    構造・規模 鉄筋コンクリート造地上10階建 鉄筋コンクリート造地上10階建
    築年月 2013年5月 2015年11月
    総戸数 45戸 28戸
    間取り 3LDK 3LDK
    専有面積 75.97㎡(約22.98坪) 72.72㎡(約21.99坪)
    売出価格
    ※2023年6月時点
    5,680万円 4,680万円
    坪単価 約247万円/坪 約213万円/坪
    管理費 16,300円(約215円/㎡) 16,400円(約226円/㎡)
    修繕積立金 12,050円(約159円/㎡) 12,490円(約172円/㎡)
    【基本情報】
    マンションA 某一室
    所在地 東京都足立区東綾瀬
    交通情報 JR常磐線・東京メトロ千代田線「綾瀬」駅 徒歩9分
    構造・規模 鉄筋コンクリート造地上10階建
    築年月 2013年5月
    総戸数 45戸
    間取り 3LDK
    専有面積 75.97㎡(約22.98坪)
    売出価格
    ※2023年6月時点
    5,680万円
    坪単価 約247万円/坪
    管理費 16,300円(約215円/㎡)
    修繕積立金 12,050円(約159円/㎡)
    マンションB 某一室
    所在地 東京都足立区綾瀬
    交通情報 JR常磐線・東京メトロ千代田線「綾瀬」駅 徒歩10分
    構造・規模 鉄筋コンクリート造地上10階建
    築年月 2015年11月
    総戸数 28戸
    間取り 3LDK
    専有面積 72.72㎡(約21.99坪)
    売出価格
    ※2023年6月時点
    4,680万円
    坪単価 約213万円/坪
    管理費 16,400円(約226円/㎡)
    修繕積立金 12,490円(約172円/㎡)

    2023年3月に発表された地価公示において、都内で地価上昇率首位となった、足立区綾瀬の中古マンション2物件を「FACTORS4―マンション資産性レポート」を使って比較したところ、その資産性スコアに大きな差があることがわかった。ここではその分析結果を元にした、専門家のコメントの一部を紹介する。なお、2物件は駅距離・築年数・間取りにおいて近い条件の物件を選定している。

    マンション管理士・宅地建物取引士・一級建築士から見るFACTOR

    マンションA 某一室

    • 同エリア内において、相対的資産性評価は中+評価のマンション。
    • 相場妥当性としては、マンション内および近隣の成約住戸との比較で妥当性が認められる価格のため、購入検討価値は高い物件となる。また、災害リスクが高い立地であることがネックであるものの、本マンションは大手不動産分譲であること、桜並木ビューの南東角住戸であることから、マーケットからみた競合優位性は高いものと思われる。
    • 建物仕様としては、共用部分は過剰な共用施設はなく、専有部分については一定水準を持った設備が備えられており、天井高が高いことなどの利点もあるため、流通可能性は比較的高い
    • 新築時の分譲価格比率で見た際、値上がりしている点を考慮すると、同一エリア内における流通可能性は高いマンションと推測される。

    マンションB 某一室

    • 同エリア内において、相対的資産性評価は中程度のマンション。
    • 相場妥当性としては、マンション内の類似条件の部屋との比較で約5%程度高いため、妥当性の認められる価格(見込査定価格)の水準を目指した価格交渉を行うことを検討した方が良いと思われる。また、災害リスクの高い立地であることや、本マンションの住戸のほとんどが売出開始から成約まで3か月以上経過していることから、マーケットからみた本マンションの競合優位性は比較的低い。
    • 建物仕様は全体的に簡素ですが、建物仕様が豪華な近隣のマンションと価格差があるため、流通可能性という観点から見て大きなリスクにはならない。
    • 今後の資産性の維持向上においては、管理組合運営による「管理力」の向上がポイントとなるので、積極的に管理組合運営に参画し、長期修繕計画の見直しなどに取り組むことが大事になってくる。
    【第2回】HARUMI FLAG×パークタワー勝どきミッド 話題のマンションのFACT【第2回】HARUMI FLAG×パークタワー勝どきミッド 話題のマンションのFACT
    FACT × FACTOR
    VOL.02

    【第2回】HARUMI FLAG×パークタワー勝どきミッド 話題のマンションのFACT

    2022.08.26 公開

    今回のFACT

    【第2回】HARUMI FLAG×パークタワー勝どきミッド 話題のマンションのFACT
    【基本情報】
    HARUMI FLAG E棟15階 某一室 パークタワー勝どきミッド 24階 某一室
    所在地 東京都中央区晴海五丁目502番(地番) 東京都中央区勝どき四丁目1501番 他(地番)
    交通情報 都営大江戸線「勝どき」駅 徒歩16分 都営大江戸線「勝どき」駅 徒歩1分(駅直結)
    構造・規模 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)
    地上18階建・地下1階建
    鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)
    地上45階建・地下2階建
    入居時期 2024年3月下旬(予定) 2024年4月下旬(予定)
    総戸数 174戸 1121戸
    間取り 3LDK 3LDK
    専有面積 90.49 ㎡(約27.37坪) 91.87 ㎡(約27.79坪)
    売主 三井不動産レジデンシャル株式会社 他 三井不動産レジデンシャル株式会社 他
    施工 株式会社長谷工コーポレーション 清水建設株式会社
    販売価格 9,120 万円 12,130 万円
    坪単価 333.2 万円/坪 436.4 万円/坪
    【基本情報】
    HARUMI FLAG E棟15階 某一室
    所在地 東京都中央区晴海五丁目502番(地番)
    交通情報 都営大江戸線「勝どき」駅 徒歩16分
    構造・規模 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)
    地上18階建・地下1階建
    入居時期 2024年3月下旬(予定)
    総戸数 174戸
    間取り 3LDK
    専有面積 90.49 ㎡(約27.37坪)
    売主 三井不動産レジデンシャル株式会社 他
    施工 株式会社長谷工コーポレーション
    販売価格 9,120 万円
    坪単価 333.2 万円/坪
    パークタワー勝どきミッド 24階 某一室
    所在地 東京都中央区勝どき四丁目1501番 他(地番)
    交通情報 都営大江戸線「勝どき」駅 徒歩1分(駅直結)
    構造・規模 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)
    地上45階建・地下2階建
    入居時期 2024年4月下旬(予定)
    総戸数 1121戸
    間取り 3LDK
    専有面積 91.87 ㎡(約27.79坪)
    売主 三井不動産レジデンシャル株式会社 他
    施工 清水建設株式会社
    販売価格 12,130 万円
    坪単価 436.4 万円/坪

    東京オリンピックで選手村として使用された建物を居住用として転用したHARUMI FLAGのうちのE棟の一室と、駅直結型で交通の便がよく、豪華な共用部も特徴的なパークタワー勝どきミッドの一室を今回、「FACTORS4―マンション資産性レポート」を使って分析した。ここではその分析結果を元にした専門家のコメントの一部を紹介する。

    マンション管理士・宅地建物取引士・一級建築士から見るFACTOR

    ■HARUMI FLAG E棟15階 某一室

    • 個室部分は全て5帖以上が確保されており、整形で間取りの可変性は高いが、水回りは配管の関係上で位置変更が難しいため、住戸全体的な間取り変更の自由度は高くない
    • バルコニーは奥行2mのゆとりある設計且つここ最近で減っているスロップシンクがついており、住戸隣接のトランクルームがあるなどの仕様から希少価値が高い
    • 海風の影響により、給湯器など屋外の設備は塩害で錆が生じやすい
    • キッチン動線は2wayと使い勝手が良さそうな反面、それにより背面収納が少なくなっているため、結果的に収納家具を置くなどして動線が活かせなくなる可能性あり
    • 整形の個室部分は間取りの可変性が高いが、水回りは配管の関係上位置変更が難しい

    中央区晴海というエリアであることを踏まえると、新築時点でのコスパに優れたマンション。最寄り駅から16分という点は確かにマイナスも、専用BRTでの輸送環境でカバーされている。

    近隣のタワーマンションと比べ、建物全体仕様の簡素さはあるものの、将来的な流通時には晴海フラッグ内の別住戸と比較される可能性が高いと思われ、意識すべきは街区内での優位性になる。

    一つの街として資産形成される可能性が高く、他のマンションが競合とされにくい。それゆえ、住戸配置や間取り、眺望などの専有部条件が流通可能性を大きく左右する。修繕積立金の設定額は不足しているため、管理組合として早期に見直し、持続可能性を高めることも重要。

     

    ■パークタワー勝どきミッド 24階 某一室

    • ワイドスパン住戸且つPSは間取りに支障が出にくい配置であるため、間取りの可変性が高い
    • 水回りは完全独立でホールを介し各個室へアクセスできる配置のため、来客時の使い勝手が高い
    • LDKの下がり天井部分は広範囲だが、ダウンライトが設置できずシーリングライトに限られてしまう。また、隅部に柱がないことで負荷が掛かりやすく、内装に不具合が生じやすい可能性あり
    • 水平に連続するサッシはLow-Eペアガラスと基本的性能は高いが、北側住戸で日射を取得しにくく全居室外部に面しているため、寒気の影響を著しく受けやすい点で居住快適性にマイナス
    • 約5.0 帖のキッチンや1620 サイズのユニットバスは、一般的な分譲マンションよりも広く、設備仕様にゆとりがある点で競合優位性が高い

    勝どき駅直結というアドバンテージは非常に強く、資産性の維持向上へのポテンシャルは明らかに高い。同エリアでの中古取引事例と比較しても相場感は大きく外れていないものの、この立地条件的に価格設定はやや高めであり、購入者層は一定限られる。

    複合用途で共用施設も非常に充実しており居住快適性は文句なしだが、その分ランニングコストは掛かりやすく、修繕積立金も国交省基準から不足している点は課題。

    近隣にも駅直結型の競合マンションはありますが、90㎡超大型住戸の希少性は高く、同マンション内での住み替えニーズも期待できる点で流通可能性は高いと言えるだろう。一方で大規模タワーマンションであることに加え、充実した共用施設の中には収益性が高くないものあり、資産としての持続には、通常よりも高額な維持費を賄える財務基盤形成が必要不可欠である。

    【第1回】管理費・積立金のFACTとマンション管理士から見る FACTOR【第1回】管理費・積立金のFACTとマンション管理士から見る FACTOR
    FACT × FACTOR
    VOL.01

    【第1回】管理費・積立金のFACTとマンション管理士から見る FACTOR

    2022.06.06 公開

    今回のFACT

    【第1回】管理費・積立金のFACTとマンション管理士から見る FACTOR

    2020年から都心を中心に、新築マンションの価格が加速度的に高騰している。さらに2022年4月からマンションの管理評価制度(管理計画認定制度・マンション管理適正評価制度)が開始された影響から、マンション管理に注目が集まっている背景もあり、マンションの管理費や修繕積立金の金額も上がり始めているようだ。

    さらには竣工されたばかりの新築マンションにいたっては、当初から管理費や修繕積立金の金額がこれまでよりも高く設定されることも増えてきた。

    2022年3月、さくら事務所が東京都心部の9区(千代田区・中央区・港区・渋谷区・新宿区・目黒区・品川区・世田谷区・江東区)で大手マンションデベロッパー7社(三井不動産レジデンシャル・三菱地所レジデンス・野村不動産・東急不動産・大京・東京建物・住友不動産)が分譲した新築マンションの、毎月の管理費と修繕積立金を集計したところ、2022年分譲の平均管理費は17年に比べて17%上昇。修繕積立金にいたっては平均49%も上昇していることが明らかとなった。

    マンション管理コンサルタント:土屋輝之(マンション管理士)から見るFACTOR

    マンション管理コンサルタント:土屋輝之(マンション管理士)

    ここ数年に亘り、マンション管理会社から委託費用の値上げの要請を受ける管理組合からの相談が増加する傾向が続いています。ほとんどの管理組合では、管理会社からの要請を受け入れ委託契約が継続されていますが、値上げの要請が受け入れ難いという理由から、管理会社と交渉を繰り返すものの、双方が折り合う条件を見出すことができずにもの別れとなり、急遽、新たな委託先となる管理会社を探すことになるという管理組合が後を絶ちません。

    実は、リーマンショック後の2010年頃までは、管理会社が先を競って提案が行われ、管理組合としては従前よりも委託費用が安くなり、業務内容も手厚くするなどの結果となることも珍しくありませんでした。今ではこのような結果を求めることは、管理人さんの成り手不足などの理由から夢物語となり、新たな委託先を決定することができず、居住者は「マンション管理難民」となってしまうリスクすらあります。このような状況を知らずに、管理会社変更に踏み切ることはないように願いたいものです。

    こういった背景から、新築マンションの管理費が販売価格同様に高騰している理由については頷くことができますが、昨今の石油や電気料金などの急激な高騰が問題となっている状況を考えると、更なる高騰が待ち受けているという印象を拭うことはできません。

    データにあるように、修繕積立金も管理費同様に高騰の傾向があります。これまでも多くのマンションで修繕積立金が足りないという問題が新聞や雑誌などの報道で取り沙汰されていましたが、消費税が8%に増税される前年の2013年夏ごろに、大規模修繕工事の駆け込み需要の増大や、東京オリンピックの誘致決定などに端を発し、修繕費用が高騰して以降、高値安定が続き現在に至りますが、10年前との比較では概ね30%程度は値上がりしています。また、国土交通省の長期修繕計画ガイドラインが2021年に13年振りに見直しされましたが、改正前は修繕積立金月額平均は196円、改正後には約47.9%アップの290円となったことから、東京都心部の9区に限ったことでなく、全国的な現象であることがわかります。

    念のために申し上げますが、改正後の平均月額を超えているから安心と考えるのは早計です。マンションの形状や立地、総戸数などの条件によっては大幅に不足する可能性があり、比較的規模の小さなマンションや、20階を超える超高層マンションなどは特に注意を要するとお考えいただきたく思います。