マイホームを「廃墟」にしないために、
今やるべきこと
100年マンション 資産になる住まいの育てかた 長嶋 修
マンション管理

管理が良好なマンションを訪れて長嶋修が徹底取材!
「100年続く長寿マンション」を育てる指南書
日経プレミアシリーズより9/12発売!

良好マンションを徹底取材
長寿マンションへの指南書
日経プレミアより発売!

不動産コンサルタントの長嶋修による最新著作「100年マンション 資産になる住まいの育てかた」では、日本の遠くない未来に起こる「都市部に“廃墟マンション”があふれる」危機への解決策「マンション長寿命化の道」を提言しています。

100年、200年という長寿のマンションが当たり前に取引され、価格が上昇する例もある欧米とは異なり、日本のマンションはもっと寿命が短いという認識が一般的。そのために日本では資産としてマンションを買うこと、マンションをずっと所有し続けることへの不安を覚える人も少なくありません。

「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」「白金タワー」など、管理が良好なマンションを実際に訪れて徹底取材を重ね、マンションを「100年続く資産になる住まい」へと育てるためには、資産価値だけでなく管理組合運営にも目を向けるべきと提言。マンションを所有している人、これから購入予定の人、マンションに関心を持つ人すべてに向けた「長寿マンション」を育てるための指南書です。

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100年マンション
資産になる住まいの育てかた

長嶋 修

2018年9月12日 発売!

第1章マンションの未来年表を書く
第2章マンションは長寿命化するしかない
第3章100年マンション 先進事例に学ぶ
第4章ずっと資産になるマンションを創るために必要な16の提言

価格:850円
新書:232ページ
出版社:日本経済新聞出版社(日経プレミアシリーズ)

amazonにて販売中

中身を少しお読みいただけます

目 次

第1章 マンションの未来年表を書く
第2章 マンションは長寿命化するしかない
第3章 100年マンション 先進事例に学ぶ
第4章 ずっと資産になるマンションを創るために必要な16の提言

↓↓ 第三章の一部を無料でお読みいただけます ↓↓

第三章

100年マンション 先進事例に学ぶ(一部抜粋)

第三章の一部を無料でお読みいただけます

※ボタンクリックで第三章が表示されます

マンションの価値は住人が創る

神奈川県川崎市の「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」は、全707戸、推定2500名が居住する、高さ約200メートルの超高層タワーマンションです(写真6)。

管理組合は理事14名と監事2名。役員の選出には立候補と輪番を併用し、任期は2年。理事を断る場合には「理事会協力金」として管理費の50 %(任期分)を徴収するといった体制をとっています。

管理組合について理事の志村仁さんは、「〝推定人口2500人の街〞を束ねる管理組合の最も大事な使命は、ゆるぎない財務基盤(カネ)です。目指すのは、なるべく住民負担を増やさずに自動的に稼げるマンション。次にハードの維持管理(モノ)、その上で防災や交流(ヒト)が実現できる」と話します。

ミッドスカイタワーは超高層タワーマンションとしては珍しく、管理費が平米238円、修繕積立金が216円とリーズナブルな設定です。しかし、当初の財政状態はすさまじいものでした。一般会計は6%の赤字。そのままでは、早ければ4年目に管理費の値上げを余儀なくされる状況でした。さらに修繕積立金は10年後に3倍、20年後に5倍になるといった長期修繕計画でした。これでは、住宅ローンを払い終えても、将来にわたる管理費や修繕積立金の支払いは膨らむ一方でした。

このことに気づいた住民有志は、財政の根本的な見直しを決意します。

まずは管理費一般会計の赤字の解消を目指し、2年目、3年目に大幅な経費削減を進めます。東日本大震災直後には大節電を断行したほか、管理会社などとの長期にわたる折衝の末、委託管理費や外注契約費を節減。これにより年間3500万円の支出削減を達成し、これまで赤字だった一般会計収支を黒字化します。管理費の値上げをせずに、徹底的な固定費削減とムダ使いの抑制に努めました。

「建物は買った瞬間に負に向かうもの」と理事長の松尾恵司さんは言います。2年のアフターサービスが切れる前に、さくら事務所に依頼して、地下ピットやエレベーターシャフト外壁など立ち入り困難な箇所を中心に徹底的なインスペクション(建物調査)を実施しました。

このインスペクションには約400万円かかりましたが、調査結果をもとに売り主と交渉した結果、なんと総額1億3000万円相当の無償修繕を実現します。保証が切れる前に、アフターサービス、瑕疵担保修繕を活用することができました。

続いて収入増です。ミッドスカイタワーには「有人カフェラウンジ」「すべての階にセキュリティーゲート」など豪華な施設設備があります。需要の高い設備、施設の料金を高めに設定し直す一方で、不人気のものは低めに変更するなどして総収入の増加に努めました。こうした取り組みによって、一般会計は10%の黒字に改善できました。「与えられた環境に満足しない、足りないものは自分で作る、言い値で納得しない、業界常識を鵜呑みにしない。これがパークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワーの鉄則です」と志村さん。

3年目には、玄関ロビーにデジタルサイネージ(電子看板)を設置。東日本大震災の教訓から、人の集まるロビーに大画面のディスプレーが必要と判断しました。日常は公示用のデジタルサイネージとして使用します。震災などの停電時には小型発電機によって作動します。

5年目にはトランクルームを増設。初期設定のトランクルームでは足りないとの住民要望に応え、3年かけてマーケティング調査・設計・業者選定を組合主導で行い、通常の40 %程度のコストで収め、4年程度で工事費を回収できる状態にしました。

また外構部植栽の全面改良に着手しました。武蔵小杉駅の駅前開発が完了したことを受け、周辺環境にフィットさせるのが狙いです。マンションの植栽は一度植えたら放置というのが一般的なのですが、常時適切に手入れが行われるフルメンテナンス契約に切り替えました。

12年目、24年目などに定期的に必要とされる大規模修繕については、時期が来たら自動的に設備や機器を取り換える修繕のあり方はおかしいと、日常修理と大規模修繕を分けない、「状態監視型」を目指しました。たとえば3000万円と見積もられていたポンプ機械の入れ替え費用は、精査するとパーツ交換の80万円で足りました。

さらに先を見据え、4年目に長期修繕計画の大改定を行いました。ミッドスカイタワーのような超高層タワーマンションは、分速200メートルの高速エレベーター、高さ200メートルの水圧ポンプなどが備えられていますが、こうした特注の最新設備を将来更新する場合、20〜30年ごとに数十億円のコストがかかります。

タワーマンションは一棟一棟、ゼネコンがその時点で持つ最新の工法を駆使して造られています。資材や設備は特注で汎用品が使えないことも多く、ただでさえコストがかさむ傾向にあります。

そこで、すべての設備や施設のライフサイクルコストを洗い出し、これらを十分に補うことができるコストを算出、それを毎月・毎年積み立てていくといった手法をとりました。月額約7000円だった修繕積立金は約1万7000円へと引き上げられました。元の計画では修繕積立金は5年ごとに値上がりし、築20年で月3万円近くになる計画でした。そもそも計画期間も30年しかありませんでした。

「50年安心計画」を立案

そこで、ミッドスカイタワーでは計画期間を50年とし、期間中は大災害や超インフレでも起こらない限り、修繕積立金が変わらない「50年安心計画」を立てています。目先の負担額は上がりますが、長期的な視野と計画を踏まえた案に対し、住民から大きな反対の声はありませんでした。

また、機械式駐車場は、保守点検、臨時修理、定期修繕など維持管理に莫大な金がかかります。駐車場収入はすべて修繕積立金に回っているわけではなく、一般会計(管理費)に充当されているという問題がありました。これでは将来、駐車場の稼働率が低下した場合、駐車場単体での収支が合わなくなるはずです。17年の稼働率実績は84%でしたが、66%を切ると、単体で赤字になることがわかりました。

そこで、駐車場収支を他会計から分離し、単体での収支を「見える化」し、理事会や総会で収支バランスを情報共有することで、財政の実態を把握できるようにしました。駐車場の稼働率を上げるために一部は外部貸しも実施しています。

ゲストルームなどその他施設の収支改善策としては、稼働率の低い施設の料金を下げる一方で、稼働率が高い施設料金を上げました。その結果、かつて50万円程度だった諸施設からの収入は180万円程度へ改善しています。

プライマリーバランスで経営状況を把握

志村さんは「管理組合のプライマリーバランス分析が必要です」と話します。プライマリーバランスとは「基礎的収入と基礎的支出の差額」を指し、国や自治体などの財政収支分析に使われる手法です。これと同様の考え方を、管理組合運営に採用します(図表25)。

重版決定!「100年マンション」記念特別セミナー開催
10/14(日) 100年マンションの育てかた【実践編】
~管理良好マンションはどう生まれたか~

本書でも先進事例として紹介した管理良好マンション「イニシア千住曙町」の管理組合法人でその辣腕を振るう代表理事 應田(おうた)治彦氏と当社マンション管理コンサルタントの土屋輝之が、管理良好マンションとして数々のメディアで取り上げられるまでに導いたこれまでの組合運営の道のりとその勝因、裏側までをお話します。

また、今まさに同マンションでも取り組んでいる長期修繕計画の見直しについてこれまで400以上のマンションのコンサルティングを行ってきた土屋がその重要性とその後のマンションにもたらす大きなメリットを解説。

2部では本書の著者長嶋修が、管理力によって二極化されるマンションの未来について、今のマンションを取り巻く現状とともに、本書で触れられなかった裏話も交えてお話します。

【当日のスケジュール】

第1部 特別対談 「管理良好マンションはどう生まれたか?」
/ さくら事務所マンション管理コンサルタント × 「イニシア千住曙町」副理事長 應田治彦氏

第2部 「マンションの未来と管理組合を取り巻く現状」
/ さくら事務所創業者会長 長嶋修

第3部 100年マンションパッケージプラン発表
/ さくら事務所代表 大西倫加

【日時】

10月14日(日) 11:00~12:30(10:45受付開始)

【会場】

AP渋谷道玄坂渋東シネタワー
※渋谷駅徒歩1分 渋谷駅2番出口直結

【参加要件】

「100年マンション」をご購入頂いた方(1組2名様まで) ※当日会場でもお求めいただけます

※本セミナーの申し込みは終了いたしました。
著者紹介 長嶋 修

長嶋 修(ながしま おさむ)

1967年(昭和42年)東京都墨田区生まれ。
広告代理店を経て、1994年(平成6年)ポラスグループ(中央住宅)入社。営業、企画、開発を経験後、1997年から営業支店長として幅広い不動産売買業務全般に携わる。

日々の不動産取引現場において『生活者にとって本当に安心できる不動産取引』『業界人が誇りをもてる仕事』『日本の不動産市場のあるべき姿』を模索するうちに、『第三者性を堅持した不動産のプロフェッショナル』が取引現場に必要であることを確信。

1999年、『人と不動産のより幸せな関係』を追求するために、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立する。 以降、様々な活動を通じて『“第三者性を堅持した不動産コンサルタント』第一人者としての地位を築く。

マイホーム購入・不動産投資など、不動産購入ノウハウにとどまらず、業界・政策提言や社会問題全般にも言及するなど、精力的に活動している。著書・マスコミ掲載やテレビ出演、セミナー・講演等実績多数。

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100年マンション
資産になる住まいの育てかた

長嶋 修

2018年9月12日 発売!

第1章マンションの未来年表を書く
第2章マンションは長寿命化するしかない
第3章100年マンション 先進事例に学ぶ
第4章ずっと資産になるマンションを創るために必要な16の提言

価格:850円
新書:232ページ
出版社:日本経済新聞出版社(日経プレミアシリーズ)

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