【2026年度住宅購入・リフォーム補助金まとめ】対象・補助額・注意点を完全ガイド

不動産価格や建築費の高騰が著しい昨今ですが、省エネ性能が高い住宅や省エネ改修については手厚い補助金制度が整備されています。2026年度も、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの一環として、補助金制度の継続が決定しました。

目次

住宅省エネ2026キャンペーン(3省連携補助金)

「住宅省エネ2026キャンペーン」は、以下3つの事業に加え、賃貸集合住宅の省エネ化支援事業を含む計4つの事業の総称です。国土交通省・経済産業省・環境省の3省連携により、新築住宅の省エネ化や既存住宅(中古住宅)の省エネリフォームを支援します。

省エネキャンペーンは当初、2023年からの3箇年計画としてスタートしたため、2026年の継続に注目が集まっていましたが、依然として2050年カーボンニュートラルの実現に向けた家庭部門の省エネ強化は重要課題であることから、後継の事業の継続が決定しました。

みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)

「みらいエコ住宅2026事業」とは、「GX志向型住宅の新築」「子育て世帯等を対象とする長期優良住宅・ZEH水準住宅の新築」「住宅の省エネリフォーム等」を支援する事業です。

※GX志向型住宅:ZEH基準の水準を大きく上回る省エネ性能を有する脱炭素志向型の住宅
※長期優良住宅:長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅
※ZEH水準住宅:住宅の性能を高めて省エネ化し、快適な生活と環境負荷軽減の両立をめざした住宅

補助対象および補助額

■住宅の新築(注文住宅・分譲住宅・賃貸住宅)

対象世帯対象住宅補助額( )は1~4地域
すべての世帯GX志向型住宅110万円/戸 (125万円/戸)
子育て世帯または若者夫婦世帯長期優良住宅75万円/戸 (80万円/戸)
古家の除却を行う場合95万円/戸 (100万円/戸)
ZEH水準住宅35万円/戸 (40万円/戸)
古家の除却を行う場合55万円/戸 (60万円/戸)

■既存住宅のリフォーム

対象住宅改修工事補助上限額
平成4年基準を満たさないもの平成28年基準相当に達する改修100万円/戸
平成11年基準相当に達する改修50万円/戸
平成11年基準を満たさないもの平成28年基準相当に達する改修80万円/戸
平成11年基準相当に達する改修40万円/戸

■既存住宅の補助対象工事

必須工事開口部・外壁・屋根・天井または床の断熱改修・エコ住宅設備の設置の組み合わせ
附帯工事子育て対応改修・バリアフリー改修

詳細は、国土交通省「みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)の概要」をご覧ください。

先進的窓リノベ2026事業

「先進的窓リノベ2026事業」は、断熱性能の高い窓の導入を支援し、住宅の脱炭素化と高い生活の質の実現に貢献するとともに、先進的な断熱窓の導入加速により価格低減による産業競争力強化・経済成長と温室効果ガスの排出削減の実現を目的とした事業です。

補助対象および補助額

高い断熱性能を持つ窓への改修に関する費用の一部を定額補助(上限100万円)。内窓設置・外窓交換・ガラス交換などが対象工事に含まれます。

先進的窓リノベ2026事業
出典:環境省「先進的窓リノベ2026事業の概要

詳細は、環境省「先進的窓リノベ2026事業の概要」をご覧ください。

給湯省エネ2026事業

「給湯省エネ2026事業」は、消費者等による高効率給湯器の導入を促進する取り組みに係る設備の導入に要する経費の一部を補助する事業です。

補助対象および補助額

補助額は定額で性能に応じて補助額が加算されます。いずれの要件にも該当しない場合は、基本要件の補助額となります。なお、補助上限台数は「戸建住宅:いずれか2台まで」「共同住宅等:いずれか1台まで」です。

■ヒートポンプ給湯機

基本要件を満たした場合の補助7万円/台
加算要件を満たした場合の補助額10万円/台
基本要件の機種と比べて、5%以上CO2排出量が少ないもので、2025年度の目標基準値(JIS C 9220 年間給湯保温効率又は年間給湯効率(寒冷地含む))+0.2以上の性能値を有するもの

■ハイブリッド給湯機

基本要件を満たした場合の補助10万円/台
加算要件を満たした場合の補助額12万円/台
基本要件の機種と比べて、5%以上CO2排出量が少ないもので、一般社団法人日本ガス石油機器工業会の規格(JGKAS A705)に基づく年間給湯効率が116.2%以上のものであること

■家庭用燃料電池

基本要件を満たした場合の補助額17万円/台

高効率給湯器の導入と併せた蓄熱暖房機または電気温水器の撤去

蓄熱暖房機の撤去4万円/台(上限2台まで)
電気温水器の撤去2万円/台(高効率給湯器導入により補助を受ける台数まで)
※エコキュートの撤去は加算対象となりませんので、ご注意ください。
※蓄熱暖房機等の撤去により、ご契約の電気料金メニューが変更となる可能性があります。

詳細は、経済産業省「給湯省エネ2026事業について」をご覧ください。

2026年度補助金活用における注意点

補助金制度は、補助対象などの要件を満たしていれば自動で適用されるものではありません。また、申請方法や予算によっては交付されない可能性があるため注意が必要です。

申請方法

住宅省エネ2026キャンペーンは、登録事業者による施工・工事が対象であり、申請するのも施工業者です。事前に事業者登録している業者に依頼しなければ補助金は交付されません。また、ひとつの事業者が月ごとに交付申請できる上限が決まっている事業もあるためご注意ください。例年通りであれば、登録事業者は住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトに掲出されます。

過去には、ハウスメーカーや工務店が補助金の申請に必要な住宅性能評価を忘れてしまった、あるいは申請のタイミングに間に合わなかったという事例もありました。補助金の適用要件および申請方法は複雑で、要件さえ満たしていれば良いというものではないことから、都度、進捗の報告を受けるようにすることが大切です。

予算上限

住宅省エネ2026キャンペーンの各事業には、それぞれ予算が設けられています。申請が予算上限に達すれば、申請期間であっても受付が終了します。過去には、申告期限の数ヶ月前に受付が終了した事業も見られました。予算に対する補助金申請額の割合(概算値)は、例年通りであれば各事業の公式サイトに掲出されます。

併用

原則として、事業主体・補助対象が重複する補助制度の併用はできません。住宅省エネ2026キャンペーンの各事業はいずれも国が主体とする事業であるため、補助対象が重複する場合は併用不可です。

ただし、国と都道府県・市区町村など事業の主体が異なる制度については、国費が充当されるものを除いて併用できます。

住宅の省エネ化における注意点

2025年4月から原則すべての新築住宅に省エネ基準適合が義務化され、2030年までに省エネ基準はZEH水準へと引き上げられる予定です。また、ZEHは2025年に再定義され、2027年4月からより高い断熱性能や一次エネルギー消費量削減率が求められる新基準での認証がスタートする見通しです。

断熱 不具合指摘率

補助金の手厚さからも国が住宅の省エネ化推進に注力していることは明らかですが、快適で健康的な暮らしを送るうえでも住まいの省エネ化は欠かせない要素となっています。

一方で、さくら事務所が実施する新築住宅のホームインスペクションでは、省エネや断熱に関連する不具合やトラブルが発覚することも少なくありません。2024年にさくら事務所が行った265件の新築注文住宅の工事中ホームインスペクションにおける断熱に関する不具合指摘率は、実に60.5%に及びました。

断熱材 欠損
断熱材 欠損

近年、住まいの省エネに関わる法改正や基準の改定などが進んでいますが「施工品質」に関する基準等は整備されていません。施工後の公的な検査や性能に関する定量的な確認などは行われていないのが現状です。その結果、設計段階では基準を満たしていても、施工時のミスや見落とし等によって本来、充填されるべき部分に断熱材が入っていなかったり、断熱材に隙間が生じていたりするケースが散見されます。

また、住まいの断熱性能が高まるほど室内外の温度差は大きくなり、壁内結露が発生しやすくなりますが、防湿や気密についても明確な基準が整備されていません。実際、近年、弊社に寄せられるカビや結露に関するお問い合わせは増加傾向にあります。防湿フィルムと一体となっている断熱材を使用する場合は、断熱材の隙間や欠損などがカビや結露につながり、構造躯体の劣化や耐久性の低下を招くおそれがあります。

サーモグラフィー 断熱

工事後もサーモグラフィーカメラを用いた検査や床下・屋根裏に潜った検査などによって、断熱材の欠損等が見つかることもあります。近年、住まいの省エネや断熱に対する意識が高まっているからか、弊社ではこうしたオプション検査をご依頼いただく機会も増えています。

まとめ

2026年度も、省エネ性能の高い住宅や省エネ改修への補助金制度は非常に充実しています。補助金の交付を受ける場合は、適用要件や申請方法、予算消化率、併用可否などに留意しましょう。また、省エネ性能や断熱性能が高い住宅の普及が促進されている一方で、防湿や気密、そして施工に関する明確な基準は整備されていません。そのため、設計上の性能を満たしていても、施工状況によっては本来期待される性能や耐久性が十分に発揮されない可能性があります。新築やリフォームを行う際は、制度面だけでなく、施工品質の確認や第三者によるチェックもあわせて検討することが大切です。

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執筆者

友田雄俊のアバター 友田雄俊 さくら事務所 執行役員 CCO

大手リフォーム会社にて、木造戸建て住宅リフォームの営業・設計・工事監理に従事。外壁塗装などのメンテナンス工事から、フルリノベーションまで幅広く手掛ける。その後、株式会社さくら事務所に参画。

二級建築士/既存住宅状況調査技術者(日本建築士会連合会)/フラット35適合証明技術者/木造住宅耐震診断・耐震改修技術者/赤外線建物診断技能師/日本ホームインスペクターズ協会 公認ホームインスペクター(JSHI認定ホームインスペクター)

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