新築でも中古でも、住宅購入の際に、利害関係のない第三者に建物状況を診断してもらう「ホームインスペクション(住宅診断)」が一般の方にも浸透し始めています。
では、いざホームインスペクションを依頼する場合、どんな会社にお願いしたらいいのか?「ホームインスペクション会社の選び方」について、6つのポイントをご紹介いたします。
ポイント1:実績はどうか?
中古住宅といっても、構造や経年による建物の状態は千差万別。保有資格などを唯一の判断材料とせず、経験や実績を重視することが大切。これまでにどのような建物を、何件くらい診断してきた会社なのか、率直にたずねてみましょう。
木造、2×4、RC(鉄筋コンクリート)造など、建物の工法には様々な種類があります。専門性の高い建物の世界では、すべての工法に精通しているインスペクターは稀といえます。インスペクションを依頼する建物の工法に詳しいかどうか、確認しましょう。
ポイント2:コミュニケーション能力はどうか?
ホームインスペクション(住宅診断・住宅検査)のあとは、不動産仲介業者さんや売主さんと、引渡し後の保証やアフターサービスなどでお付き合いが続きます。高圧的な態度をとらず、誠実に信頼関係を築きたいもの。取引の関係者と良好なコミュニケーションをとることも、ホームインスペクター(住宅診断士)の重要なスキルです。
ポイント3:わかりやすく説明してくれるか?
プロなら専門知識が豊富であることは当然。ただし、どんなに高度な調査をしても、あなたがその中身を理解できないのでは意味がありません。例えば問題が発見された場合、それはどの程度のものか、なぜそれが問題なのか、どう対処すればいいのかなどについて、専門用語を使わずにわかりやすく説明してしてくれるでしょうか。
ポイント4:「瑕疵(かし)保険」はホームインスペクションではない
入居後の万が一を防ぐための「瑕疵(かし)保険」は、ホームインスペクションではありません。瑕疵保険の調査は、あくまで保険をかけるためのもの。あなたに建物について何かアドバイスがあるわけではないほか、保険がかかっているから建物が長持ちするわけではありません。
ポイント5:「お手盛りインスペクション」に注意
例えば「リフォーム会社が自ら行うホームインスペクション」。もともと、リフォームやリノベーションを行う前には、事前に建物について下調べをします。リフォーム前の「事前調査」を切り離して「ホームインスペクション」と呼ぶ場合は、ユーザーを誤認させる恐れがあります。第三者が調べる場合は別です。
「不動産会社自ら行うホームインスペクション」の場合、建物に何か課題が見つかったとき、その事実を報告しないなど、その内容がお手盛りになっていないか注意が必要です。リフォーム会社・不動産会社とホームインスペクターが癒着していたら大変です。きちんとした報告がなされる可能性が低くなります。
ホームインスペクションの依頼者を紹介されたら不動産会社に紹介料を支払うなどしている場合もあります。
無料で行うホームインスペクションの場合、その後に耐震補強を勧められるといったケースも。耐震補強工事のための無料診断ですね。 無料でホームインスペクション(住宅診断)を行い、必ずリフォームや耐震工事の提案がついてくるといったケースが報告されていますが「お手盛ではないか?」と疑われます。
同様に、不動産業者からすすめられたホームインスペクターも、癒着がないか、言う事言わないことを使い分けたりしないか確認を。
大切なのは「取引に利害関係のないホームインスペクターを、自分で選ぶこと」です。
ポイント6:「格安インスペクション」にも留意を
あまりに安すぎるホームインスペクションも問題です。やはりリフォームなどの仕事を取りたいか、能力に自信がないかのどちらかという可能性があります。ホームインスペクションで業を成立させるだけの、相応の料金設定であることが、その健全さを測るひとつに指標になると言っていいでしょう。