Q
ホルムアルデヒドの値は夏の高温時などでは、指針値を超える可能性もあるのでしょうか?
- A
ホルムアルデヒドという物質は、木質系建材(例:木製ドア、フローリング、物入れの棚板など)を製造する過程で使用される接着剤等がもととなり発散されます。 ご質問のように、一般に、気温が高い条件下では発散量が増えやすいと言われています。これはご家庭で瞬間接着剤を使って物をくっつけたり、女性がマニキュアを塗って乾かすときと同じようなイメージです。ですから、気温が高い時期には、室内の空気をなるべく外に出し、新鮮な外気を取り入れるために、より頻繁に換気を行われることをお勧めします。
平成15年に改正された現在の建築基準法では、JIS規格の特定の等級の建材を使用することと、24時間換気システムを適切に設置することを義務付けしています。ですから、室内の化学物質濃度に対する「規制」は存在しません。厚生労働省はホルムアルデヒド濃度の指針値(ガイドライン)として0.08ppm という数値を出していますが、これはあくまでも「目安」とされていて、適切な建材使用と換気計画のもとでも、実際には高温かつ換気が不足した環境下では、指針値を超えてしまう可能性は否定できません。
ちなみに建材からの発散は、環境によって異なりますが、数年掛かるとも言われています。経年すれば濃度が下がると思いきや、建材から発散したホルムアルデヒドが室内に滞留してしまっていることもありますので、年数に関わらず、常に換気は必要であるとお考えください。
また、前述のように夏場の濃度が高くなりやすいということに加え、冬場も暖房を使用し、外気を取り入れる給気口を塞いでしまう方もいらっしゃることから、冬場も実は濃度が高くなってしまうことがあります。ですから、「入居後いつまで」ということに関わらず、通年で壁の給気口を開け、24時間換気扇を動かしておくことと、できるだけ窓を開けて換気することが大切です。