さくら事務所のホームインスペクター(住宅診断士)は毎月かなりの物件に伺いますが、その経験から、住宅の工事について最も「もったいない」と思うことがあります。それは、とりもなおさず【断熱】です。
断熱材はわかりやすくいうと洋服と同じ。建物をすっぽりと包みこむようにおおわれていることが前提です。そうでないと、そこから室内から熱が逃げるどころか、室内外の熱交換が集中的に行われるため、結露が発生した建物を腐らせる原因ともなります。
ところがこの断熱材工事。わりとつい最近まで、大工の手間賃にも入っていない、いわば【ついでの工事】だったのです。ゆえに、しっかりした工事とか、断熱の意味などほとんど理解されないまま工事を行われてきましたし、今も多くの現場で同様のことが起きているのが実情です。
省エネ・エコがこれだけ叫ばれる昨今でも、いまだにこのようなリテラシーが残るのがこの業界です。
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築 5年の木造住宅。床下からのぞくと断熱材が落ちてしまっています。この部分から室内の熱が逃げる(冷気が入る)などで、光熱費はもちろん、住んでいての快 適さも失われてしまいます。断熱材をしっかりと入れなおすだけの簡単なリカバーですが、こういうことは非常に大事なのです。このまま長年放置していれば結 露、腐り、シロアリなどの発生原因となります。
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新築木造住宅の小屋裏(屋根裏部分)。ごらんのとおり、断熱材が入っていない部分があります。これだって直すのは簡単ですが、皆さんがこれから買おうとしている物件、お持ちの物件は大丈夫ですか。もし把握していなければすぐにでも点検してみてください。