最近の新築マンションでは標準仕様になっている24時間換気ですが、中古マンションではまだ完備されていない物件も。
また、換気を十分にするために大切な給気口と排気口について、普段なかなか居住者が点検しない場所でもあるために新築当初の施工の不具合が見落とされていたり、汚れがひどくなっていたりしているせいで、換気性能が発揮されていないケースもあります。
特に給気口のフィルターが目詰まりを起こすと、常時換気(24時間換気)を運転していても、十分な換気が行えず、結露やカビ発生の原因になってしまうこともあるのです。
そこで今回はホームインスペクター(住宅診断士)が発見した事例をもとに『中古マンションの換気』を左右するポイントをご紹介します!
新築マンションでも換気扇のチェックは重要です。
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給気口をチェックする
吸気口は外の空気を取り込んでいるため、排気ガスやほこりなどで以外と汚れるもの。実はフィルターをこまめに掃除するべきなのですが、あまり手を入れられていないケースが多く見受けられます。
こちらの建物では、リビングと洋室外壁に設けられた給気口について、内部フィルターが排気ガスや粉塵で目詰り状態であることがわかりました。このような状態の場合は、ご入居の前に内部フィルターのメンテナンスが簡単な機種に新規交換をおすすめしています。
(↑給気口内部のフィルターが埃の層で目詰まりした状態)
なおフィルターが目詰まり状態になると給気口の能力を失いますので、1ヶ月に1度程度フィルター清掃を行うことを心がけると良いでしょう。
排気を調べる
きちんと排気が出来ているかを確認するには、ティッシュを用います。ティッシュを近づけたところ吸い込まれていることから、レンジフードは動作し換気をしていることが確認できます。ただ、こちらのレンジフードは16年前の新築時からのものであると思われるので、状態を考慮すると新しいものへの交換の時期が近いといえます。交換をする際には、24時間換気の対応品を選択されることをおすすめします。
キッチンのレンジフードとすぐ右にある丸い給気口は、位置が近すぎて狭い範囲で空気が循環してしまうショートサーキットと呼ばれる現象を起こしやすい位置関係でした。このような場合は、レンジ右の給気口を塞いで、居間の給気口から新鮮空気を取り入れるように心がけると良いでしょう。
バルコニー側に不具合があった場合
こちらは、バルコニーをチェックした際に、給気口ベンドキャップに錆が生じているのを撮影したものです。バルコニーの取り付け金物は共用部分になりますので、管理組合での補修になります。
一般的に、長期修繕計画の中で錆塗装は5、6年に一度の割合で行われることが多いです。時期的にそのタイミングにありますが、個人のバルコニー内はチェックされないケースもありますので、ご自身で管理組合にご報告なさるとよいでしょう。