浴室などの水まわりで発生しやすい床下の水漏れや不具合を放置すると、湿気で室内のカビが増えたり、下の階への漏水を引き起こす懸念があります。
また、リフォーム・リノベーション完成後に漏水が発覚すると、貼り直した新品のクロスやフローリングをはがし補修を行った上でもう一度やり直しをしなければいけないというケースもあるので、事前にしっかりとチェックしておきたいポイントの一つ。
そこで今回は不具合事例をもとにチェックしたいポイントをご紹介します。
浴室天井裏 ケース1
水 場廻りの換気系統は、浴室とトイレには各々の単独扇が設置されていますが、天井裏で2系統の塩ビダクトが1つに合流して外部に排気されています。このよう な配管の場合、浴室側を動かさずトイレのみ稼動すると、トイレの臭気が浴室に逆流する可能性がありますので、2つの換気扇は常に同時に稼働させる等の工夫 が必要です。
浴室天井裏 ケース2
天井点検口からの確認で、換気扇とダクトの接続部分から若干の空気漏れが見られます。テープを貼り増すなどして、補修しておくことをお勧めします。現状では周辺に湿気による劣化は見られませんでした。
浴室天井裏 ケース3
換 気ファンに接続されたダクト管は勾配不良でした。現状のまま使用を続けると、吸引した浴室内の湿気のこもった気体がダクト内で液化し、ダクト管底部に水が 溜まり最終的には錆腐食によりダクト管に穴があいてしまいます。ファン本体接続部が最下部になるようにダクト管の勾配を確保する必要があります。
浴室シャワー
建築当時から使用していると思われますが、パッキンの劣化による、水漏れが生じています。修繕、あるいは交換が望ましい状態です。
浴室壁パネル
ユニットバスの壁パネルが腐食し表面材が一部剥がれている状態でした。
【ポイント】
将来的に水漏れ等に繋がる可能性もありますので、ユニットバスはそろそろ更新を行うのが望ましい時期に来ていると考えられます。
まとめ ~ホームインスペクターのひとことアドバイス~
中古マンションの住戸内に関しては、初期施工時の不具合の可能性や経年劣化を踏まえ、漏水の可能性のある給排水系統など住宅設備の総点検が大切です。
水まわりは経年による劣化はもちろん、新築当時からの施工不良などの影響で周辺の部材にも影響がでているケースもありますので注意してチェックしておきましょう。