皆さまこんにちは。フロントデスクの九澤です。
今回は「瑕疵保険つき中古住宅保証」名づけて「まんがいち」の検査に同行してきました。
…と、いいましても、「瑕疵保険って何?」という方が大半ではないかと思いますので、ちょっとだけ解説を。
住宅を買うとき、売主が宅地建物業者さんであれば、瑕疵担保責任は2年間負うことが義務付けられています。
し かし、個人どうしの売買の時は、売主さんが瑕疵担保責任を負う期間が とても短かったり、もし期間中に雨漏りなどの隠れた瑕疵を発見したとしても、 個人の方に費用負担を求めることが難しいケースも多く、 それこそ「まんがいち」の時には、買主さんが自分の負担で いろいろ補修しなければならないことがありました。
そんなとき、補修費用を1000万円まで、引渡しから5年間に渡って保証するのが「瑕疵保険つき中古住宅保証、まんがいち」です。
ちなみに、売主が宅地建物業者さんの場合は、この制度は利用できませんので、あらかじめご承知おきを。
業界人でもまだあまり仕組みがわかっていない人が少なくない中、決して華々しく宣伝をしている訳でもないこのサービスをお申込み下さる皆さんは、相当な勉強家というか、情報通というか…すごいです。
さて、この「まんがいち」、お申込みの前に、依頼者の方にいくつか確認していただく事項があります。
- S.56年6月1日以降に建築確認を受けた建物で、確認済証などの書面があること
- 平面図があること
- 検査時点で引渡し前であること
- 床下と屋根裏の点検口があって中を確認できること
- 基礎の鉄筋ピッチが確認できること
です。
これらを満たさない場合、お申込み自体をしていただくことができませんのでご検討中の方はよくご確認を。
さて、前準備はこれくらいにして、いよいよ検査がはじまります。
今回の担当はさくら事務所のガタイがいいホームインスペクター2名でお伺いさせていただきました。(通常は1名でお伺いします)
現在さくら事務所で行っている検査では、さくら事務所と一緒に保険の引き受けをする保険法人の担当者と、さくら事務所のホームインスペクターが同時に検査を行います。
同じチェックリストをもとに、外壁や屋根、基礎の鉄筋、室内の状況、床下、屋根裏などを見て回り、保証の対象となる
- 構造耐力上主要な部分
- 雨水の浸入を防止する部分
について、問題がないかどうかを確認していきます。
特に外壁のひび割れやシーリング材の劣化などはよく指摘にあがる部分だそうです。こういったものはすぐに大きな問題にならなくても、そこから水がしみこんでいずれは雨漏りの原因になったり、家を傷める原因になるので、
早めに補修をしておいた方がよいようです。
検査が終われば、最後に結果を照らし合わせ、適合・不適合の判定をその場で行います。
今回は現状で適合とはならず、いくつかの要補修項目がありました。
これらをお引渡しまでに修繕していただき、再度補修確認を行ったうえで、保険の申込みが可能になります。
ただ、お引渡し前に売主さんの家を補修させてもらう、というのはちょっとお願いしづらかったり、最悪その工事のために引渡しを延ばしてもらわないといけなくなったり、なかなめんどうなものであります。
このあたり、フラット35や耐震基準の適合証明書などと同じ課題を抱えております。
売 主さんの側で、あらかじめ検査を受けていただき、「瑕疵保険つき物件」として売り出すような流れができれば、双方にとっていいのですけど、費用負担の問題 もあり、やはり買主さん側の希望で検査を行う場合、引渡し後の補修でも保険を引き受けていただける仕組みであれば、もっと利用しやすくなるでしょうね。