建 物は人間の体と同じ。建ててからまったく点検もメンテナンスも行わない建物と、定期的で適切な点検とメンテナンスを行う建物では、寿命が2倍以上も違いま す。例えばRC(鉄筋コンクリート)の建物の場合、平均的な寿命はおよそ50年といわれていますが、大切に気を使えば100年はもちます。50年で取り壊 すのと100年以上もつのとでは、メンテナンスコストを踏まえれば単純計算はできませんが、投資効果にはおのずと大きな開きが出ます。
とりわけ中古物件の場合には【現時点でのコンディション】を確認することが大切です。同じ年齢の中年が、人それぞれ健康状態が様々であるのと同じで、建物のコンディションも千差万別。劣化具合や修繕費などをおおまかにつかんでおくことが重要なのです。
今回さくら事務所のホームインスペクターがお伺いしたのはまだ築2年弱のRCマンション。
廊下にある排水溝↓↓↓
よく見るとクラック(ひび割れ)が発生していますね。これは、直ちに問題とあるレベルではありませんが、まめに補修をしておくことをおススメします。材料は、ホームセンターなどで安価に売られています。
同じ物件の地下駐車場部分↓↓↓
な にやら赤黒い、どろどろとした液体がコンクリートから流れ出ています。これは、コンクリートの中にある鉄筋が錆びて、その「錆び汁」が漏れ出ているもので す。このようになっているのは、何らかの原因でコンクリートの中に水が入っているためであり、これだけの量の錆び汁が出ているということは、かなりの広範 囲であることが予想できます。
このケースではこの部分を補修するだけでは足りず、まずは直ちに原因を探り、その原因について対処しなければ なりません。可能性としては雨漏りや上下水道配管からの流出などが考えられますが、この物件の場合は「地下水」でした。地下水を止めるなどという大掛かり な工事には莫大な費用と期間がかかります。売主が施行業者に是正を依頼し、納得のいく地下水対策と建物の補修を行うこととなりました。