さくら事務所ではホームインスペクション(住宅診断)を行っており、これまで数え切れないほどの物件を診断してきました。
多くの物件に見られるのは「建物のケア」をきちんとしていないのだなぁ…ということ。ちょっと意識を向けるだけで数倍も長持ちするというのに、建物に対する関心や知識のなさが建物寿命を大幅に縮めてしまっていることが多いのです。
建物は人間の体と同じ。時間が経過すればそれなりに劣化します。この劣化を早期に見つけて処置を講じておけば、比較的安価なコスト、かんたんな工事で済むのですが、放置していたために取り返しのつかないことになっているケースがたくさんあります。
まだ築年数の浅い木造物件↓↓↓
さくら事務所がホームインスペクション(住宅診断)に訪れると…。
なんと、床下いっぱいに、水がたまっていたのです!入居者は文字通り、水の上で暮らしていたのです。
上の画像はは、すでに水を抜いたあとですが、木造の土台部分にはすでにカビがびっしり!一部ではすでに腐食が始まっています。これは相当の費用がかかる、大掛かりな工事が必要です。なぜこんなことになってしまったのか。原因を探ると、すぐにわかりました。
ユ ニットバス配水管の接続が甘く、そこから少しずつ、本当に少しずつ排水が漏れ出していたのです。床下がこのような状態(カビや腐り)になるまでには、数年 はかかります。少なくとも年に一回、床下を点検しておくだけで、大規模な工事が必要になるこのような事態は防げたはずです。
こちらはまだ取り返しのつく事例↓↓↓
木造物件1階・2階の間の部分を、点検口からのぞいたところ。ユニットバスの排気が漏れていたために湿気が充満し、断熱材にカビが生え始めています。これも、数年間放置しておくと、木部にカビが生え、やがて腐ってしまい…と、恐ろしい状態になってしまいます。
建 物は、雨や排水などの「水」にめっぽう弱いものです。木は腐食してボロボロと崩れますし、鉄は錆びて膨張するため、コンクリートを壊す「爆裂(ばくれつ) 現象」を引き起こします。雨漏りを防止する部分や配水管は、何十年もそのままで大丈夫ということは基本的にありません。
定期的な点検、人間 の体で言えば「健康診断」を定期的に行うことが大切です。問題が見つかれば早期治療が可能なのです。虫歯や病気のように、発見と治療が遅れると大変なこと になるのと同じなのです。「水」の問題は主に見えない部分、つまり「床下」や「天井裏」の状態を確認することが大切です。
建物を長持ちさせるポイントはたくさんありますが、ほとんどの事例が「水」にまつわる問題。言い換えれば、ここを意識しておけばそのほかの部位はいくらでもリカバーがききます。定期的に健康診断を行って、早めの対処をすることで、建物寿命は格段に延ばせます。