今回の事例は、神奈川県にある築17年の木造物件です。価格的にはずいぶんと割安感があるとのことで、この物件に買い付け申し込みを入れたAさんとともに現地を訪れたさくら事務所のホームインスペクター(住宅診断士)が建物を調べてみると・・・。
建物の経年劣化は、年数相応という感じですが、外壁は特に劣化が進行しており、塗装工事か外壁補修(サイディングなど)が必要な状態です。まずいのは外壁面から室内に漏水していること。
これはおそらく外壁補修で漏水の発生を抑えることが可能だと判断しました。
北側を中心に小屋裏の雨漏りが確認されました。1階屋根(洗面所上部)にも雨漏りの痕跡が。1階屋根は屋根を剥がして下地からの施工を必要とし、2階の屋根も劣化が進行しています。
屋 根も相当に劣化していることに加えて、施工不良による漏水の発生が確認出来ることから、葺き替えを含めた検討を必要だと思います。部分的な補修対応などを 講じても、数年で同様の現象が発生する懸念があり、得策ではありません。現在の屋根をそのままで、上部から被せるような「ガルバニウム鋼鈑」の屋根材によ り施工すると安価で抑えることが可能だと考えられます。
ご承知のとおり、木材はいつも湿潤状態しておくと腐食を発生させ、また、結露発生の原因にもなりますの。雨漏りや給排水管などの漏水についてはできるかぎりの早期対応をお勧めします。