中古一戸建てホームインスペクション現場事例 ~床下の水漏れ・不具合

  • Update: 2014-02-28
中古一戸建てホームインスペクション現場事例 ~床下の水漏れ・不具合

中古一戸建てホームインスペクション(住宅診断)の現場でホームインスペクターが指摘・アドバイスをした床下の水漏れ・不具合事例をご紹介いたします。

一戸建ての床下に侵入調査をすると、点検口からは見えない範囲のシロアリ被害や水漏れ、構造の不具合の有無がわかります。そして、普段なかなかチェックできない部分の水漏れや不具合は日常生活を送る中では気づきにくく放置されているケースも。

そのままにしておくと土台の腐食などで耐震性に影響がでたり、シロアリ発生などの懸念もあるため購入前に一度チェックしておきたいポイントの一つです。


リビング下

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リビングの下部で断熱材の落下が多く見受けられました。断熱の性能が確保できませんので、リフォームを行う際は断熱材の再取付を行うと良いでしょう。


浴室下

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廊下側から浴室と廊下の間の壁の基礎土台を見た様子です。土台及び基礎に水染みの跡が見受けられ、触診を行ったところ濡れている状態でした。空家になって時間が経過している状態ですので、浴室の壁や床の下地に浸み込んだ水が溜まっている可能性が考えられます。

【ポイント!

お風呂周りの水漏れは、在来浴室(タイル張りのお風呂)で起きる事がほとんど。ユニットバスの場合はリスクはかなり低いでしょう。築20年以上のタイル張りのお風呂は水漏れしているケースが多いため要注意です。


洗濯機排水

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洗濯機置き場の排水管廻りに漏水と思われる跡が見受けられました。横引き管が逆勾配となっているため、排水管の内部で詰まりを起こし、大量に水を流した際等に配管の上部付近にてあふれている可能性が考えられます。


洗面室

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洗面室の下部に断熱材が落下している箇所が確認されました。リフォームの際は補修を行うと良いでしょう。


基礎に穴があいている!?

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基礎に設けられた人通口は、下端に鉄筋が露出しており、全て工事完了後に後から空けられたものと推測されます。リビングとダイニングの間の人通口部分では土台を基礎に固定するためのアンカーボルトについても露出が確認されました。

【ポイント!
構造的にはモルタルで埋め戻す事が望ましいのですが、将来の床下のメンテナンスのため人通口はそのままに、鉄筋等に錆止め等の塗装のみを行う等の方法もご検討されると良いでしょう。

写真のケースは問題ありませんが、後から開けた基礎の穴(人通口)は基本的に構造として良くありません。特に上部が耐力壁である場合は建物の構造に大きく影響する場合もあるので建物の構造や状態にあわせて補修をしましょう。


まとめ ~ホームインスペクターのひとことアドバイス~

基礎のひびなどからコンクリート内部への水の進入を放置してしまうと、鉄筋の錆を進行させコンクリートの劣化を早める原因となります。長期的な耐力や補修範囲、工事金額が重要となりますので専門会社に相談することをお勧めします。

また、断熱材は省エネや結露などに影響しますのできちんと施工されているかチェックし、リフォームと合わせ適切な補修をするとより快適な住まいになるでしょう。