マンションのバルコニーは、基本的には共用部分とされています。バルコニーを使う部屋の居住者に専用使用権が与えられており、特別に共用部分であるバルコニーでも自分専用として使用できるのです。
バルコニーが共用部分になっている理由としては、主に火災などの災害時に脱出ルートや消火・救出用の場所として使用されることや居住者が好きなようにリフォームやカスタマイズを行ってしまうとマンションの外観に影響があるといったことが挙げられます。
中古マンションの場合は、ホームインスペクション(住宅診断)をしてみると、大規模修繕のタイミングで補修してもらいたいような不具合事例があることも。
そこで、バルコニーの劣化状況やコンディションを把握しておきたいポイントをご紹介いたします!
ルーフバルコニー 手摺
手 摺の一部にぐらつきが見られました。手前に引くと、支柱の根元部分が浮き上がっていましたので、おそらくアンカーボルトが緩んでいるものと思われます。す ぐ外側が建物外壁にあたり、手摺が外れることで転落の危険もあります。できるだけ早急に修繕がなされることが望ましいでしょう。
バルコニー床
バルコニー床に、エアコン排水の水溜りが生じていました。この部分が少し窪んだ状態になっている(勾配不良)ため、排水口までスムーズに流れず溜まったものと思われます。
次回の長期修繕計画時、床長尺シートの貼り替えが行なわれるタイミングで、床の水勾配の補修がなされるとよいでしょう。
バルコニー 手摺
バ ルコニー手摺に、若干ひび割れが見られました。ひび割れ幅は0.4㎜程度で、構造耐力上すぐに影響を及ぼすレベルではありませんが、放置しておくと割れ部 分から水分が浸透し、コンクリートの劣化を早めてしまいますので、大規模修繕のタイミングで適切な補修が望ましいでしょう。
バルコニー 給気口
給気口ベンドキャップに錆が生じていました。ベルコニーの取り付け金物は共用部分になりますので、管理組合での補修になります。
一般的に、長期修繕計画の中で錆塗装は5、6年に一度の割合で行われることが多いです。時期的にそのタイミングにありますが、個人のバルコニー内はチェックされないケースもありますので、自ら管理組合にご報告されておくとよいでしょう。
まとめ ~ホームインスペクターのひとことアドバイス~
バルコニーに不具合が見られてた場合は、劣化状況やコンディションを把握しておき、次の大規模修繕時に補修がなされるのが望ましいでしょう。 購入検討時には今後の修繕計画をチェックしておくことををお勧めします。