中古一戸建てホームインスペクション同行記vol.2 室内チェックのコツ

  • Update: 2016-02-04
中古一戸建てホームインスペクション同行記vol.2 室内チェックのコツ

前回に引き続き、ホームインスペクター(住宅診断士)柴尾さんの中古一戸建てホームインスペクション(住宅診断)同行記。今回はいよいよ室内のチェックです!

まずはキッチンから。
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水栓がしっかりとりついているかを確認し、シンク下の給排水をチェック。
水漏れがないか、そもそもちゃんと接続されているか(!)確認します。
(新築の内覧会ではごくまれに付け忘れている物件もあるそうです・・・。)

ティッシュペーパーでキッチン換気扇の動作チェック

お次はレンジフード。
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ティッシュペーパーを1枚取り出し、レンジフードのスイッチを入れたら、ふわっと浮かせます。
吸い込み口にぴたっと張り付けば、きちんと空気を吸い込んでいる証拠です。
(写真はまぎらわしいのですが、抑えてるわけではありません!見やすく指をさしてます。)

吸い込みが悪くティッシュが落ちてきてしまうときに考えられるのが、内部でダクトの接続に隙間ができているなど接続不良のケース。吸い込まれた蒸気がその隙間から漏れてしまうと、湿気が構造部材を傷めることになります。

オートレーザーで水平垂直を確認

次はオートレーザーという機械を使い、床や壁の水平、垂直を図ります。
この機械、水平じゃない場所においても水平線をレーザーで出す不思議な機械なのです。
(どういう仕組みなんでしょう・・・。)
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床の水平については、品確法という法律で3/1000が「これを超えたら瑕疵(かし)があるかもしれないよ」という目安にされています。
つまり1メートル離れた場所で3ミリまでの高さの違いなら気にしなくてもいいですよ、ということ。
工事はもちろん人間の作業なので、完璧に水平!ということはありません。
ただ、少しの傾きなら施工誤差とういことも十分に考えられますが、
一方向にむかってずーっと傾いているようなら、建物の不具合だけでなく地盤そのものが沈下している可能性もありますので要注意です。

窓や扉は実際に動かしてみる

次は窓や扉などの建て付けをチェック。
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皆さん内覧会や物件見学の際は、遠慮して窓も扉もそろそろーっと開け閉めしたりしていますが、
普段使っているときと同じようにパタパタしてみましょう。
また、半端に開けた状態で止めたはずの建具がすーっと自動的に閉まってしまったりしたら、
建て付けがおかしいか建物自体が傾いているかもしれません。

水回りは「水漏れ」を要チェック!

次は水回り。
まずはお風呂からいきましょう。
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シャワーで水を出したらシャワーヘッドの首のあたりから水漏れ発見。
シャワーヘッドも壁に固定されておらず、ぶらんぶらんな状態でした。
ちょっとかっこいいシャワーヘッドって結構いいお値段しますもんね、修繕費用が発生するポイントが早期に発見できました。
中古戸建物件の場合、購入後のリフォームをご予定の方も多いのですが、現状もきちんと確認してご報告します。
1つ1つは大きな金額じゃなくても、積もり積もって大きな金額になります。

こちら天井に大きなヒビが入っていました!
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ユニットバスに交換するのであれば気にならない箇所ですが、建物の構造がひびの原因の可能性もあります。
リフォームするようであれば、既存の浴室を解体してもらう際に、業者さんに天井の構造部分の写真を撮ってもらったらいいのでは?なんてアドバイスするそうです。

洗面所はキッチン同様、水栓器具がしっかり固定されているか、キッチン下の給排水管を確認します。次に、シンクに水を貯め、シンクに水漏れがないかをチェックします。

これで水回りは完了。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
同行して思ったのは、「なんとなく見学していては気がつかなかったのでは?」ということ。
事前にチェックするポイントを押さえ、意識して望むことで物件見学で得られる情報はこんなにも違うのですね。

せっかくの物件見学、事前に準備して望みましょう。契約するにあたっては、最終的な判断材料としてホームインスペクター(住宅診断士)に依頼するのもいいでしょう。