はじめに
日本各地で道路の陥没に関する報道が相次いでいます。調布市や吉祥寺の例は大深度地下工事や隣地工事の影響がある可能性も考えられますが、地盤の陥没はどのようにして起こるのでしょうか。 あまり知られていませんが、大きな地震の後には陥没が多く起こる事が報告されています。また、地震の際には液状化現象によって陥没が起こることがあります。液状化は「人が死なない災害」と言われますが、戸建て住宅のみならず、マンションでも大きな被害を受けることがありますが、ハザードマップの整備が進んでいない、リスク把握が難しいという実態があります。 ここでは、地震で起こることが懸念される陥没と液状化という、身近にある地盤に起こる災害について触れてみます。地震が起こる仕組み
地震は、「プレート境界」が原因で起こる海溝型地震と呼ばれる地震(東日本太平洋地震や、懸念される南海トラフ巨大地震など)、内陸の「活断層」が原因で起こる直下型地震と呼ばれる地震(熊本地震や、懸念される都心南部直下地震など)の二つがあります。 海溝型地震は震源は遠いことが多いですが、大きな津波と長い時間の巨大な揺れが懸念されます。活断層で起こる直下型地震は、海溝型地震より規模は小さいことが一般ですが、内陸直下の浅いところで起こるので、大きな揺れによる被害が都市部など人の住むところで発生しやすいという特徴があります。
地震による被害の事例
地震によって発生する被害には、地震の揺れそのものによる被害のほか、津波、地震による土砂災害、液状化、そして陥没があります。 地震の揺れによって最も懸念されるのは住宅の倒壊です。住宅の耐震性が低いと倒壊に繋がりますので、既存住宅であれば耐震診断や耐震改修、新築住宅であれば耐震性を確保した住宅づくりが望ましいです。 次に、家の中であれば家具や家電の倒壊、落下に注意が必要です。建物の中では、ものが落ちてくる、倒れてくる、移動してくることで住む人に被害を与えます。高いところに不安定なものを置かない、テレビなどは固定する、背の高い家具は固定する、寝室に倒れたりするものを置かないなどの対策が必要です。 屋外であればブロック塀や墓石などの倒壊、転倒などの被害に注意が必要です。都市部では、上からの窓ガラスや外壁タイル、看板などの落下なども懸念されます。屋内からいきなり外に飛び出してしまうと、落下物による被害を受けてしまうおそれがあります。 震源が海底の大きな地震では、津波が発生することがあります。沿岸域や大きな川の河口近くにお住いの方は、津波ハザードマップなどを見て津波避難所を確認し、津波警報等が発令された際には速やかな避難が必要です。高台のほか、津波避難ビルに指定されている頑丈な建物の上階に逃げる事が必要です。 津波は通常の波のようにザバザバ押し寄せるものではなく、水のかたまりが一挙にがれき等とともに押し寄せるもので、深さ1mもあれば逃げることは極めて難しいです。津波は第1波、第2波より第3波以降が大きく、帰宅してしまった人が甚大な被害を受けた事例などもあり、津波警報が解除されるまでは帰宅しないなどの注意が必要になります。 山の斜面やがけの近くでは、土砂災害が発生することがあります。2018年の北海道胆振東部地震の際には、ニュース記事によると約7,000か所で土砂崩れがあり、斜面の高さの4倍まで土砂が届いているケースも多発していたとのことです。がけや斜面の近くに住んでいる方は、地震が発生した際には注意が必要です。特に急傾斜地の土砂災害警戒区域・特別警戒区域はもちろん、地質条件などによっては区域に近い離れた場所でも被害に遭う可能性があります。
陥没・空洞化は地震の後に起きやすい
最近、吉祥寺や北海道三笠市、昨年は調布市などで、道路陥没が発生しています。このような大規模な陥没は稀ですが、道路の陥没の件数は、国交省の資料によると、令和元年度で約9,000件発生しているとされております。この数は、1日の平均に換算すると、約25件/日にもおよぶ数となり、1時間に1件以上は全国のどこかで陥没が発生していると言うことができます。 写真は、2019年の北海道胆振東部地震において発生した、札幌市清田区の住宅街で住宅のすぐ脇における道路の陥没状況です。いっぱんには地盤が良いとされる、高台の火山灰台地の上で発生していました。
- 空洞は地震の直後に新規発生、拡大が多い
- 一年後でも空洞は新規発生、拡大がある
- 高い震度の地域ほど空洞の発生頻度が高い
- 道路では地震発生区間に新規空洞の割合増加
- 震度5以上の地震で路面化に多くの空洞発生
- 広くて薄い空洞が多い
- 砂が多い地盤の地域や埋戻し土に多い
- 切盛境界や市街地では下水管埋設部に多い
- 地震直後と、数年後に発生するものがある
- 複数回の地震が助長する可能性がある
液状化の被害の実態
緩い砂の層からなる地盤で、地下水が浅い(地表近くまである)場所では、大きな地震があった際に「液状化現象」が起こる可能性があります。水分がたくさん含まれているゆるい砂の地盤では、普段は砂粒同士が支えあい、その間を水が満たしている状態で安定しています。 このような緩い砂の層は、埋立地や低地の旧河道、氾濫平野、砂丘の間にある低地などの地形で良く見られますので、地形区分からある程度の液状化リスクを推定することや、地盤調査を行って液状化判定を行うこともできます。 ただし、通常の地盤調査では建物の重さに地盤が耐えられるかの調査のみで、液状化判定を行っていないこともありますが、地盤の陥没に比べると、発生する可能性を事前に予測しやすいと言えることができるといえます。
- 液状化空洞は広がりが大きく薄いという結果を再確認
- 液状化地域の空洞発生率は平時の7倍
- 多くは噴砂等の後に舗装と地盤の間に隙間が残存する形で発生
- 空洞多発箇所は路面変状箇所のほか隙間や排水系地中構造物付近
液状化はハザードマップだけでわからないことも


























