中古マンションインスペクションの現場でホームインスペクターがバルコニー周りで指摘・アドバイスを差し上げた事例をご紹介いたします。
一般的にバルコニーはマンションの共用部分にあたりますので、修繕やメンテンスは管理組合が行います。劣化状況などに応じて、今後行われる大規模修繕や長期修繕の計画表などをチェックさせてもらいましょう。
バルコニー 床
床長尺シート面に水溜り痕があり、床の勾配不良が見られましたが室内への影響はありませんので、今後行われる大規模修繕工事の際に管理組合に報告の上、適切な勾配が取れるよう修繕がなされるとよいでしょう。
サッシ水切り シーリングの状況
6年前の大規模修繕工事では、窓廻りのシーリング打ち替えは更新されていないようでしたが、現状は劣化が進み表面亀裂も見受けられます。次回の大規模修繕時には補修がなされることが望ましいでしょう。
【ポイント!】
原則として窓廻りのシーリングは共用部分の修繕になるため、居住者(区分所有者)の判断で修繕やリフォームができません。劣化の進行が著しく生活に支障がある場合は、管理組合(管理会社)にご相談されてみると良いでしょう。
和室 給気口(屋外側)
フラットタイプの給気口は庇先端から45度のラインの上(ピンクの部分)に入っていれば、雨天時の吹き込みは問題ないとされていますが、その範囲よりも低い位置にありますので、他の場所の給気口と同じフード付きのものに交換されることをお勧めします。
バルコニー シート
床長尺シートの端部はかなり劣化が進行しているようでしたが、シートの大部分が置きタイルで覆われており全体の劣化状況は確認できませんでした。
【ポイント!】
シート貼り替えは、一般的にはマンション大規模修繕で共用部工事として行ないますが、先住者の使用状況によっては居住者に費用負担がかかる場合もあります。先住者に置きタイルの撤去を依頼して、シートの状態を確認しておくことをお勧めします。
まとめ ~ホームインスペクターのひとことアドバイス~
バルコニー床面に見られる、長尺シートの浮きや勾配不良での水たまりといった不具合は室内・共用部ともに緊急を要する事象ではありませんが、今後行われる大規模修繕工事の際に管理組合(管理会社)に報告の上、補修がなされるされることが望ましいでしょう。
また、バルコニーは先住者の使用状況が原因の劣化や不具合に関しては、大規模修繕の時の居住者が修繕費用を一部負担することになる場合もありますので、購入前にしっかりとチェックしておきたいものです。