先日、新築一戸建て内覧会(竣工検査)立会い・同行にお邪魔してきましたので、その様子をレポートします!
今回の担当ホームインスペクターは、丁寧な説明でご依頼者様の信頼も厚い松島伸行さん。
仲介業者様とご依頼者様にご挨拶後、まずは家に入って今日の流れを簡単にご説明します。
御依頼者様に「調査中は、ご自由に採寸して頂いたり、気になった点があったら遠慮なく声を掛けてくださいね。」とお伝えし、いざ、外回りから調査開始!
一戸建ては外回りもチェックすべき箇所がいっぱい
まずは屋根を確認。正面の道路からだと見える範囲が限られていたので、路地を入って隣の家の庭越しにチェック。問題なし。
ついで境界、ブロック塀、門柱、インターホン、アプローチのタイル張りを確認。何度見てもタイル張りのチェックは職人芸!!
軽微なタイルの浮き(浮きが見られると、タイルが下地に密着していない状態なので割れやすくなります。特に面積が広いとより割れやすいので注意。)はあったものの、きれいに施工されていました。
水道メーターで漏水がないことも確認。基礎にはひび割れもなく、外壁のサイディング目地やサッシ・器具回りもシール(外部から水が浸入しないように埋めるゴム状のものです。)がきれいに施工され、雨樋もしっかり留められていました(それを留めるビスの止水もバッチリ)。
雨 樋が地中に入る場所の近くには雨水枡というものがあるのですが、今回は浸透桝(文字通り雨樋から流れ込んだ水を地面に浸透させて処理するタイプ)と雨水を 公共下水に流すタイプとが混在しているように見えたので施工業者さんに確認。この地域では浸透桝は求められていないとのこと。地域によるルールの違いも確 認のポイントですね!
壁の模様と思ったら・・・!
一通り外をチェックし終わったら、お次は家の中へ。
玄関の扉が中途半端な位置で止まってしまうので、ドアクローザーの調整を依頼。洗面、浴室は水漏れもなく、換気扇の吸い込みも問題なし。ユニットバス上部についている換気扇と排気のダクトの接続部から空気の漏れも確認されませんでした。
順調のキッチンに進んだそのとき…
壁に不思議な線を発見!
何だと思いますか?
はじめは、塗装の際はみ出ないようにする養生テープかと思ったのですが、片やキッチンパネル、片やクロスで塗装する部位ではありません。よくよく眺めてみると、クロスが1㎝ほど足りなくて下地が見えていました!
一度内部をご覧になっているご依頼者様も御存知だったのですが、模様だと思っていたとのこと!残念ながら模様ではないので、クロスを足してもらうよう施工業者様にはお伝えしました。
サッシの戸締りの金具(クレセント)が固いところが何箇所かあったのと、サッシを留めるビスが若干飛び出ているところがあったので調整してもらうことに。
24時間換気の給気口内部に汚れがないことも確認。
定期的に必要なメンテナンスについてもご説明
1階の調査を終え、2階に移動。
2階はサッシを閉めた時にがたつくところが1箇所あったのと、クロスの傷、隙間が何箇所か見られた以外はきれいに施工されていました。
このお宅にはバルコニーが2カ所あったのですが、オーバーフロー(排水溝が万一詰まった場合にバルコニーに溜まった水がサッシなどから室内に入らないようにするための水抜き穴)がありませんでした。施工業者様に確認したところ、オーバーフローをつけないのが標準の仕様だということでしたので、排水口に葉っぱなどが詰まらないように定期的に確認していただくよう御依頼者様に伝えました。
次いで、オートレーザーで壁や床に心配するような傾きがないことを確認。
雨漏りの跡もなく、換気も十分に取られており、構造の木材の含水率も10%程度。断熱材は天井の上にきれいに敷き詰められ、ボルトの緩み等もなく、理想的な状態に仕上がっていました。
「30センチあれば潜れます!」最後は大事な床下調査
最後は床下へ
防汚服を着たインスペクターの松島さん。床下の高さは40㎝ほどしかありませんでしたが30㎝あれば潜れるということ!キャスターのついた小さな板を胸の下に敷いて、サポーターを肘につけて進んでいきます。
慣れないうちは次の日にあちこち筋肉痛になったそうです。基礎にはひび割れもなく、配管の勾配もきちんと取れていたのですが(勾配が十分でないと詰まりの原因になります)、一ヵ所だけ指摘事項が。浴室の排水管を留める金具が基礎に固定されておらず、宙に浮いている状態でした。
このままですと、配管がつなぎ目から外れたり、勾配がきちんと確保されなくなる恐れもあります。これも施工業者様に直して頂くことになりました。
屋根裏と床下のオプションがあったこともあり、調査後のご説明を終えて時計を見るとなんと5時間が過ぎていました…!
最後までお付き合い頂いた御依頼者様、ありがとうございました。