完成してからでは確認できない「構造金物」
構造金物とは、家の骨組みである柱や梁、土台といった構造部材を頑丈に緊結するための金具。地震などの大きな力を受けた際に各構造部材がしっかりと固定されていないと、部材同士が外れてバラバラになってしまう危険性があるのです。
2000年以前は特に構造金物についての決まりはなかったのですが、以降法律が制定され、実際に使用する金物を告示や計算によってその部材ごと選定する事になりました。
工事中のチェックで見つかる指摘事例
現場でしばしばあるのが、必要な金物が設置されていなかった事例です。工事中に見過ごされてしまうと壁の中に隠れてしまう部分のため、誰も気が付かない事になってしまいます。
日常生活では特に問題は現れては行きませんが、いざ大地震が起きた際に、本来あるべき耐震性能を発揮できない事になってしまいます。
また、金物が設置されていても適切に施工がされていなければ意味がありません。例えば、家の壁に耐力を持たせるために合板を貼る際、その合板を止める釘に問題があったり。釘が合板にめり込みすぎているため、有効な耐力が発揮されない恐れのあります。
その他、釘の間隔が規定より開き過ぎているため釘の本数が足りないケースもあります。
複数のチェックの目を入れて欠陥住宅のリスクを減らす
出来るだけ工事中は現場に足を運んで自ら施工状況や清掃状況などをチェックしたり、現場の職人さんとのコミュニケーションを図るなど「基礎配筋」「コンクリート打設」など肝となる工事のタイミングで関わっていくと良いでしょう。
完 成してからでは隠れてしまう部分の施工不良のリスクをなくすため、工事がきちんと出来ているかを施工者のみに任せるのではなく、セカンドオピニオンとして 第三者の専門家に工事中のチェックをいれるのも選択肢の一つです。また、第三者の工事チェックが入るという事で抑止効果が働き、丁寧に工事をして頂けると いう副次効果が期待できる事もあります。