さくら事務所のホームインスペクション では、どんな立場の方からのご依頼かによって、診断内容は同じでもアドバイスの仕方を工夫することがあります。
買うか買わないかの判断材料を必要とする買主さんからご依頼いただく場合と、その物件に関する情報開示をして販売したい売主さんや仲介業者さんからご依頼いただく場合では、利用目的や結果を受けてとりたい対処が異なるからなんですね。
たとえば買主さんの場合は、買ったらざっといつどこにどれくらいの修繕費がかかりそうか、その建物コンディションや設備などのスペックは同じ築年数くらいの他物件と比較してどうか、住まい方や点検のアドバイスなど。
売主さんの場合は、その建物コンディションや設備などのスペックは同じ築年数くらいの他物件と比較してどうかは同じですが、あわせて購入検討者の方にお伝えしておくと喜ばれることや、販売前に簡単に手入れをおすすめすることなどに重きをおいています。
和やかな説明タイムが一通り終わると、あるだけ図面・書類関係をいただいて簡単にチェック。
図面の情報と現況に齟齬がないかを確認するのです。
前述したとおり、中古物件の取引時にネックになるのは情報量の少なさ。
物件を所有している方も、これから購入を検討される方も、とにかく意識しておいていただきたいのは、図面や点検・修繕・リフォームの履歴など、物件に関わる情報を少しでも多くきちんと残しておくことです。
国も、住宅履歴を蓄積する『いえかるて 』運用を開始しました。
所有者からの依頼を受けて、新築でも中古でも現時点からの住宅履歴を管理していく仕組みです。
ちなみにNPO法人日本ホームインスペクターズ協会 も、住宅履歴情報の蓄積と活用を支援する業務を行う事業者として、『いえかるて』の協議会会員となっています。
さあ、それではいよいよホームインスペクション開始です。
配管からの水漏れをチェックするため、水を出しっぱなしにしながら、シンク下を開けてみます。
続いて、シンク下にある点検口をあけてみます。
この物件の場合、シンク下の前面部分がビス(ねじ)止めされていますが、開けられるようになっていました。
点検口は20年以上前に建設されていると無い物件も多いのですが、定期的な点検のために必ずあったほうがいいもの。
点検口のない物件は、購入前に給水管などをチェックせずに買うリスクをともないますが、購入後にリフォームなどの機会があれば是非一緒に取り付けたいところです。
リフォーム工事とセットでお願いすれば、数万円程度でできるでしょう。