2024年11月21日(更新日:2026年09月01日)

友田 雄俊

監修者:友田 雄俊

さくら事務所 執行役員CCO/プロホームインスペクター

大手リフォーム会社にて、木造戸建て住宅リフォームの営業・設計・工事監理に従事。外壁塗装などのメンテナンス工事から、フルリノベーションまで幅広く手掛ける。その後、株式会社さくら事務所に参画。テレビ出演にて専門家解説や各種メディア取材協力多数。

施主(竣工)検査を完全ガイド|新築の欠陥を防ぐ準備・チェック項目・不具合事例を紹介

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施主(竣工)検査を完全ガイド|新築の欠陥を防ぐ準備・チェック項目・不具合事例を紹介

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

新築戸建ての引き渡し前に行われる施主検査は、単なる確認作業ではありません。将来的なトラブルや修繕コスト発生のリスクを最小限にできる重要な機会です。

不具合を見逃したまま引き渡しを受けてしまうと、契約内容や指摘時期によっては自己負担での修理となり、数百万円規模の修繕コストが発生することもあります。

本記事では、施主検査に向けた準備や当日のチェックポイントから、不具合が見つかった時の対処法まで詳しく解説します。見落としやすい不具合事例も写真付きで紹介するため、施主検査を控えている方はぜひお役立てください。

新築戸建ての内覧会・竣工検査に

引き渡し前にプロの目
確認しませんか。
  • 「外構未完成/引渡し直前」でも対応
目次
  1. 施主検査とは
  2. 施主検査のための準備
  3. 施主検査の当日の持ち物リスト
  4. 【事例あり】施主検査のチェックポイント
  5. 施主検査で不具合があった際の対処法
  6. 施主検査でのトラブル事例と防止策
  7. 【事例】一般の方が施主検査で見落としやすい不具合
  8. 不具合指摘率は82%!プロの立ち会いで後悔のない施主検査に

施主検査とは

施主検査とは、施主が施工会社や工務店に依頼した建築工事の仕上がりをチェックする作業です。建築工事は手作業の工程も多く、大なり小なり施工の不備が発生することは珍しくありません。

施主検査では、耐久性・耐震性に影響が出るような不具合や図面との相違などの問題を抱えたまま、工事が進まない(または引き渡しを受けない)ように、施主自身の目で検査します。

押さえておきたいポイントは「施主検査は施工会社のミスを探して責める場」ではないことです。図面通りに施工されているか、安心して住み始められる状態であるかを、施主と施工会社の双方で現地確認し、認識をすり合わせる場として有意義なものにしましょう。

施主検査の重要性

施主検査での不具合の見落としで懸念されるのは、修繕コストだけではありません。例えば、断熱材の施工不良に気づかなければ、本来の快適さを得られないまま住み続けることになります。床下に漏水があれば、木材の腐朽につながり、家全体の寿命を縮めることにもなりかねません。

特に近年は、建設業界全体の職人不足や資材高騰に加え、2025年4月施行の建築基準法改正によって、現場作業や確認プロセスが増えたことも重なり、多くの現場で工期の逼迫(ひっぱく)が常態化しています。

タイトなスケジュールにより、本来行われるべき「施主検査前の社内検査(施工会社による自主検査)」が形骸化し、仕上げが雑なまま、施主検査を迎えてしまうケースがホームインスペクションの現場でも増えているのが現状です。引き渡し前における「施主検査」の重要性は、かつてないほど高まっています。

竣工検査との違い

竣工検査は、完成後、引き渡し前に行う施主検査のことで、契約者目線では「内覧会」と呼ばれています。竣工検査は、工事を請け負った施工会社や工務店などが社内検査した後に実施されるのが一般的です。

竣工検査では、仕上がりのチェックに加えて、設備の使用方法やメンテナンスの仕方など、入居後に困らないための説明も行われます。

※本来、竣工検査や工事途中の施主検査も含めて施主検査と呼びますが、本記事では「施主検査」=「完成後の引き渡し前に行う竣工検査(内覧会)」として解説します。

施主検査のための準備

有意義な施主検査にするために、事前に準備しておくことを3つ紹介します。

1.施主検査は引き渡しの2週間以上前に実施する

施主検査の日程は、引き渡しの2週間以上前が理想です。一般的には、施主検査で指摘した不具合を直してもらう日数を考慮して、遅くとも引き渡しの1週間前までの実施が望ましいとされています。

しかし、引き渡しの1週間前に施主検査を行って不具合が発覚した場合、必要な部材が届かないなどの理由で、引き渡しまでに補修が間に合わない可能性があります。

また、当日が悪天候だと外回りの点検に支障をきたす恐れがあるため、施主検査の延期を打診されるケースも少なくありません。

不具合箇所の補修ができないことによる、引き渡しの延期や入居後の補修を避けるためにも、余裕をもって2週間以上前に実施日を設定できないか確認しておきましょう。

2.施主検査の開始時間は午前中に設定する

外周り(外壁や基礎、外構など)や照明器具のない部屋を点検するため、開始時間は午前中の明るい時間帯に設定しましょう。とくに冬場は暗くなるのが早いため、遅くても午後1時頃までには開始することをおすすめします。

施主検査は一般的に1~2時間程度です。しかし、建物の内外をしっかりチェックすると、さらに時間を要することもあります。事前に、点検に充てられる時間を確認し、時間が短い場合は延ばせないか確認しておきましょう。

3.検査しやすい環境を整えておく

当日、検査しやすいように以下の3点を施工会社や工務店に依頼しておきましょう。

  1. 点検口を開けて点検できるようにする
  2. 水道・電気・ガスが使えるようにする
  3. 仮設の照明器具を付けてもらう

詳しく解説します。

(1)点検口を開けて点検できるようにする

床下や屋根裏の点検口を覗くことで、漏水の有無などをチェックできます。床下や屋根裏は不具合が見つかることが多々あるため、引き渡し前にしっかり見ておきたい場所のひとつです。

点検口は、依頼しておかなくても、開閉できる状態になっているケースが大半ですが、操作しにくい、または、工具がないと開けられない箇所もあります。

開閉方法がわからずに傷つけたり、怪我したりすることも考えられるため、点検口を開ける際にサポートしてもらえるように、事前に依頼しておくとスムーズに点検できるでしょう。

(2)水道・電気・ガスが使えるようにする

水道・電気・ガスを使ってみないとわからない不具合が隠れていることがあるため、点検時に、照明器具を点灯したり、キッチンやトイレ、洗面、浴室などの水を流したりする必要があります。

水道と電気は、ほとんどの場合、動作確認できるようになっていますが、工事が完了していないと使えません。そのため、事前に「必ず通水・通電の動作確認がしたい」と伝えておくと、確認できる日程で施主検査の日時を設定してもらえるでしょう。

ガスは、ケースバイケースですが、7割以上の物件で施主検査時には、開栓されていない印象です。引き渡し時にガス専門業者が開栓立ち会いすることがほとんどで、その際にガスが熱源の給湯関係などの動作確認を行い、異常がないか報告を受けられます。

心配な方はガスの開栓状況についても確認しておきましょう。

(3)仮設の照明器具を付けてもらう

廊下やトイレの天井に埋め込まれたダウンライトなどは、電気が使える状態であれば灯りはつきますが、照明器具が付いていない居室は、灯りがない状態です。

照明器具がなくても、懐中電灯を用意すれば、傷や汚れの点検はできます。しかし一度に広範囲を確認しにくかったり部屋の雰囲気がわかりにくかったりするため、仮設の照明器具があったほうがよいでしょう。

また居室の電灯照度に迷っている場合には、基本的な明るさを検討するためにも、仮設の照明器具を設置することが有効です。

全箇所に照明器具を設置してもらうことは、難しいかもしれません。主な居室で確認したい場所があれば、その居室だけでも早めに依頼しておくと、用意してもらえる可能性があります。

下記動画では、最低限、押さえておきたいポイントを厳選して3つ紹介しているため、施主検査を迎える前にぜひご覧ください。

施主検査の当日の持ち物リスト

施主検査当日の持ち物を必要性が高い順に紹介します。

【持ち物リスト】

必要性アイテム
重要スマートフォンとモバイルバッテリー
重要図面と下敷き
重要350~500lmの懐中電灯
推奨マスキングテープ
推奨タオル
推奨5m以上のメジャー
プロのおすすめ0.5mmの芯が入ったシャープペンシル

なかには、施工会社に用意してもらえるものもあるため、確認しておくとよいでしょう。以下でそれぞれのアイテムがどのように施主検査で役立つのか解説します。

【重要】スマートフォンとモバイルバッテリー

スマートフォンは、施主検査を効率的に行うために重要なアイテムです。

カメラ機能で気になる箇所や不具合を写真で撮影しておくと、施工会社と具体的な修正箇所を共有しやすくなります。

修正箇所の共有や補修確認で揉めないためのポイントは、「部屋のどこにあるかが分かる引きの写真」と「傷や隙間の大きさが分かる寄りの写真」を2枚セットで撮影しておくことです。

また、スマートフォンは、覚えておきたいことをメモ機能で記録したり、気になることをウェブ検索したりする時にも使えます。

長時間にわたる施主検査では、スマートフォンの充電が切れることも考えられるため、モバイルバッテリーも忘れずに持参しましょう。

【重要】図面と下敷き

図面(平面図と立面図)は、建物の構造や配置を確認するために必要です。

平面図には、各階の部屋の配置や寸法、ドアの位置などが記載されており、立面図は、外観のデザインや建物全体の高さ、窓の配置などを確認できます。

図面と完成した住宅と照らし合わせることで、設計どおりに施工されているか点検しましょう。

図面はA3サイズまたはB4サイズのものを用意して、クリップボード型の下敷きも合わせて持参するのがおすすめです。詳細な部分まで確認しやすく、気になる点を書き込みやすくなります。

【重要】350~500lmの懐中電灯

照明が付いていても、物陰になっているなどの理由で見えにくい箇所があるため、懐中電灯を持参しましょう。

350~500lm(ルーメン)程度の明るさがある懐中電灯を用意すると、狭い隙間や屋根裏・床下など、スマートフォンのライト(50~100lm程度)では見えにくい箇所まで確認しやすくなります。

また、照射範囲を調節できるタイプであれば、広範囲を照らしたり、特定箇所を重点的に確認したりする際にも便利です。

【推奨】マスキングテープ

マスキングテープは、気になる箇所や修正が必要な部分に貼り付けて、目立たせるために役立ちます。粘着力が強くないため、壁紙をそれほど傷めません。テープに書き込むことも可能です。

マスキングテープに壁の傷や塗装のムラなど、気になることをメモして、該当箇所に貼ることで、施工会社と確認する際に見落としを防げます。

マスキングテープは、貼りやすく剥がしやすいタイプを選びましょう。テープの色は青やピンクなど目立つ色を使用することで、指摘箇所がよりわかりやすくなります。

【推奨】タオル

タオルは、万が一の漏水発生時や点検で流した水を拭き取るときに使います。シンクなどに残った水を拭き取っておくと、水染み跡が残りにくくなります。給排水作動時には思わぬところに水跳ねすることもあるため、あると非常に便利です。

また、床や壁の状態を確認する際に、タオルで軽く拭くと、埃などの汚れなのか傷なのか、判断しやすくなります。

持参するタオルは、吸水性が高く、やわらかい素材のものを選びましょう。細かな埃や汚れをしっかりと拭き取り、傷つけることなく表面を確認できます。

【推奨】5m以上のメジャー

メジャーは、新築住宅の収納スペースや洗濯機スペース、家具を入れるための寸法を測る際に必要です。

メジャーは、ロック機能があるものを選びましょう。ロック機能がないと、測定中にテープが戻ってしまい、壁紙などに傷を付けてしまう可能性があります。

5m以上の長さがあるメジャーなら、部屋のサイズや廊下の長さも測定でき使いやすいでしょう。

【プロのおすすめ】0.5mmの芯が入ったシャープペンシル

0.5mmの芯が入ったシャープペンシルがあれば、容易にひび割れの幅を測れます。新築住宅でも、基礎や外壁のシーリングなどに、ひび割れが生じていることは珍しくありません。

軽微なひび割れは、問題ないケースが大半ですが、0.5mmの芯が容易に入るひび割れは注意が必要です。

幅0.5mmを超える躯体のひび割れ(クラック)の場合、構造的な欠陥が隠れているサインの可能性もあります。放置すると雨水が浸入し、内部の鉄筋をサビさせてしまう危険性も否定できません。

ひび割れの危険性は幅だけで一概に判断できませんが、『シャープペンシルの芯が隙間にすんなり入るかどうか』は、一般の方が補修の緊急性を見極める手軽で有効な指標となります。

ここまで、施主検査の持ち物について解説してきましたが、当日の服装については、下記記事でまとめていますので合わせてご確認ください。

【事例あり】施主検査のチェックポイント

プロのホームインスペクター(住宅診断士)が、施主検査に同行した際に点検している項目をもとに、チェックポイントを紹介します。

当日はさくら事務所が作成したチェックリスト(PDF)もご活用ください。施主検査のチェックポイントや下記動画でも詳しく紹介しています。

1.図面との整合チェック

図面と建物を見比べ、間違って施工されていないか、取り付け忘れているものはないかを確認しましょう。

<ドアの開閉方向>

  • 引き戸と開き戸が間違っていないか
  • 開く方向が内側・外側、右側・左側で間違っていないか

<壁や窓、収納の位置>

  • 図面より窓が小さくなって壁が大きい(またはその逆)場所はないか
  • 収納が図面より小さいなどの変更がないか
  • 窓は引き違い窓なのか、上げ下げ窓なのか、縦すべり窓なのか
  • 足元までの掃き出し窓が腰高窓に変更されていないか(またはその逆)

<照明器具の位置と数>

  • ダウンライトの数に間違いがないか
  • 後付けの照明器具の取り付け位置が図面と大きく異なっていないか

<コンセント・スイッチ等の位置と数>

  • コンセントや照明などのスイッチの数と位置に間違いがないか
  • インターネット回線や電話回線の位置と数に間違いはないか

2.屋外(外周り)のチェック

  • 外壁や基礎表面のひび割れや欠けがないか
  • 外構工事に終わっていないところがないか(あったら完成時期を確認)
  • 土地の境界が明示されているか
  • 隣地所有者と共有物になっているものがあるか
  • コンクリートに異物の混入や足跡がないか

【屋外のチェックで見つかった不具合事例】

ジャンカ現象

基礎にジャンカ現象が見られた事例です。ジャンカ現象とは、砂利などの骨材が偏って集まり、コンクリートの表面がざらついて空洞化する現象を指します。

材料が均一にまわっていない、締固め不足、型枠内のコンクリート充填不足などが原因と考えられます。空洞になっている部分は本来の強度を得られません。

また、表面の空洞部分から空気や雨水が入ると、内部の鉄筋がさびてコンクリートが剥がれ落ちる恐れがあり、さらなる強度低下にもつながる危険性もあります。

とはいえ、ジャンカ現象が見られたからといって重篤な問題が潜んでいるとは限りません。表面に5〜10㎜程度見られる程度であれば問題がないことも多く、判断も難しいため、専門家に見てもらうことをおすすめします。

3.室内のチェック

  • ドア・窓・収納扉の開け閉めはスムーズにできるか
  • 歩くと床や階段から変な音がしないか
  • 壁紙クロスに傷や汚れがないか、剥がれていないか
  • ベランダの排水に異常がないか
  • 照明は全て点灯するか
  • 巾木がついているか
  • キッチンの収納は全てスムーズに動作したか

【室内のチェックで見つかった不具合事例】

する不具合ではないものの、日常生活に大きな支障を与えます。

室内のチェックは、実際の生活をイメージしながら点検を進めて、見落としを防ぎましょう。

4.天井裏(屋根裏/小屋裏)のチェック

天井裏は、本来、人が立ち入ることを目的としていないため、進入すると天井が抜けてしまう恐れがあります。点検口から覗いて、目視できる範囲でのチェックに留めておきましょう。

  • 雨染みのようなものはないか
  • 断熱材が剥がれ落ちている場所はないか
  • 換気扇などにダクト(配管)はつながっているか
  • 見ることのできない屋根裏の写真を確認したか

【天井裏(屋根裏)のチェックで見つかった不具合事例】

断熱材 隙間 施工不良

屋根の断熱材に、隙間が開いていた事例です。隙間が開いている部分は熱が逃げやすいため、本来の断熱効果を得られません。

さらに、周辺との温度差が大きくなることから、温度差による結露、結露によるカビの発生や木材腐食に発展する危険性もあります。

点検口から見える部分は問題なくても、見えない部分で不具合が生じていることもあるため、専門家に進入調査を依頼することで、より安心できるでしょう。

5.床下のチェック

点検口から床下に進入して隅々まで確認するのは、慣れていないと難しく危険が伴います。そのため、天井裏と同様に点検口から見える範囲でチェックしましょう。

  • 床下点検口から見える範囲で漏水していないか
  • 床下内部に多数のごみがないか
  • 断熱材が剥がれ落ちている、または隙間がある場所はないか
  • カビが発生していないか、かび臭くないか

【床下のチェックで見つかった不具合事例】

床下 水たまり

上記は床下に水たまりが生じていた事例です。床下の水たまりは、基礎工事中に入り込んだ雨水を十分に乾かさずにその後の工事を進めたり、配管から水が漏れていたりすることが原因と考えられます。

過去には、高い断熱効果を得るために断熱材を厚くした結果、基礎の通気口を塞いでしまい、結露していた事例もありました。

水たまりや湿気が高い状態を放置すると、カビの発生や木材の腐食につながるため、見逃せない不具合です。屋根裏や床下は、進入しないとわからない重大な不具合(断熱材の脱落や漏水など)が隠れていることも少なくないため、専門家による進入調査をおすすめします。

6.各設備のチェック

設備機器は、日常生活を送るうえで欠かせないものが多数あります。入居後すぐに問題なく使える状態であることを確認しておきましょう。

  • 各設備のメーカー・品番は間違っていないか
  • 水回り設備の水が出るか、排水の詰まりはないか、漏水していないか
  • インターフォンのモニターカメラは人の顔を映せる角度か
  • 換気扇に異音はしないか

【各設備のチェックで見つかった不具合事例】

排水管 施工ミス

上記の写真は、洗面排水管が逆方向に傾いて施工されていた事例です。

本来、排水管は自然に水が流れるように、適切な方向に勾配を確保する必要がありますが、逆勾配になっていたことで排水不良が生じていました。

排水管の逆勾配は、排水の流れが悪くなるだけでなく、詰まりや悪臭の発生につながる可能性もあります。

排水の状態は、少しの水を流すだけでは確認できません。排水口に栓をして水を溜めてから、一気に流しても正常に流れるか点検しましょう。

施主検査でのチェックポイントは多岐にわたるため、限られた時間で、すべてをくまなくチェックするのは容易ではありません。チェックに自信がない方は、専門家に立ち会ってもらうことも検討しましょう。

施主検査で不具合があった際の対処法

 施主検査は、不具合を見つけることだけが目的ではありません。検査で見つかった不具合や施工不良をどのように改善していくかが重要です。ここからは不具合があった際の対処法を解説します。

1.指摘箇所はリスト化する

口頭だけのやり取りだと「言ったはずの指摘箇所が直っていない」ということが、しばしば見られます。

対策は、指摘箇所をリスト化して書面に残しておくことです。施工会社にリスト化した書面の作成を依頼し、共有してもらいましょう。

指摘箇所と内容はなるべく具体的に記載してもらうのがポイントです。

2.いつまでに直る予定なのか明確にする

その場ですぐ直してもらえる不具合もありますが、「後で直しておきますね」と回答されることも少なくありません。直してもらえることに安心して、期日まで確認しない方もいるでしょう。

しかし、この「後で」を明確にしておかないと、対応が遅れてしまう原因になります。

指摘箇所をリスト化する際には、一項目ずつ「いつまでに」直るのか、期限を明確に設定してもらいましょう。

3.指摘箇所の改善後に再検査を設定する

リスト化して期限を明確にした後は、それらが満足できる形で直っているかどうかを、自身の目で確認しましょう。

「直しておきました」という報告だけ受けて、入居後に確認すると仕上がりに納得できなかった、というケースもあります。

その場合、再度直してもらえるとは限りません。後でトラブルになることを防ぐためにも、引き渡し前に再検査の日程を設定して、現地で仕上がりを確認しましょう。

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施主検査でのトラブル事例と防止策

先述の通り、現在は工期逼迫により施工会社の社内チェックが甘くなっている傾向があります。そのため、「プロが作ったのだから大丈夫だろう」という油断は禁物です。少しでも違和感を覚えたら必ずその場で質問しましょう。

施主検査では、以下のようなトラブルが発生することがあります。

【よくあるトラブル事例】

・指摘事項が引き渡しまでに直っていなかった

・対応を後回しにされて数カ月経っても直してもらえていない

・担当者の部署移動などにより修理対応が引き継ぎされていない

・保証で直すと言われていたのに保証外だった

トラブル事例は下記記事で詳しく紹介しているため参考にしてください。

ここからは上記のようなトラブルを防止するための方法を紹介します。

1.気になることは遠慮せずに確認する

施主は、契約内容と異なるものがあれば、直してもらう権利があります。しかし「施工が間違っているのではないか」と感じる箇所があっても、それが一般的に許容範囲なのか判断するための知識・経験がなく、確認せずに終わってしまうケースも想定されます。

引き渡し後に「やっぱり気になる」と施工会社に伝えても、「工事完了を認めた」として、修理を拒否されることがあるため、気になる点は、施主検査時に遠慮なく質問しておきましょう。

2.引き渡し後に直すスケジュールは原則NGとする

指摘箇所の直しが、引き渡し後になるスケジュールは原則NGです。

引き渡しを受けるということは「現状の仕上がりに納得しています」と意思表明していることを意味します。

場合によっては直してもらえなかったり、対応を後回しにされてしまったりといったトラブルにつながりかねません。

3.残工事を避けられない場合は「残工事リスト」を作成する

資材や設備の欠品による納期の事情などにより、やむを得ず、引き渡し後に一部の工事が残ってしまうケースもあります。

残工事がある場合は、検査時に作成した指摘箇所のリストとは分けて、「残工事リスト」を作成し、引き渡し時の書類に添付してもらいましょう。

「何を・いつまでに・どうするか」が明記されていることがポイントです。

4.経過観察は期限を決める

指摘箇所の内容や状態によっては、「しばらく様子を見てみてください」と言われ、経過観察が必要になることもあります。

経過観察の場合は「誰が・いつまで・どのように確認するのか」について事前にすり合わせておきましょう。

引き渡し後のアフターサービスにおける定期点検や保証期間とも関係してくることがあるため、その内容を踏まえて確認しておくことをおすすめします。

5.第三者の専門家に立ち会いしてもらう

不具合の見落としや不具合発見後の対応などによるトラブルを防ぐには、第三者の専門家に立ち会ってもらうことが有効です。

点検作業自体は、専門家の立ち会いがなくてもできる部分はあります。しかし以下のような懸念は避けられません。

  • 見つけた不具合の重大さがわからない
  • 「こういうものです」と言われると納得するしかない
  • 補修提案を受けてもその方法が適切なのか判断できない

第三者の専門家が立ち会うことで、上記のようなトラブルに発展しかねない懸念点を解消できます。また、チェック項目以外にも、気になることがあれば相談でき、アドバイスをもらえるため、より充実した時間となるでしょう。

【事例】一般の方が施主検査で見落としやすい不具合

ここではさくら事務所が施主検査に立ち会った際に発覚した不具合の中から、とくに、一般の方が見落としやすい事例を写真とともに紹介します。

事例1.使用場所に適さない部材の仕様

屋外 CD管

一見すると問題ないように見えますが、屋外には適さないカバー用配管(CD管)が使われていました。CD管は、紫外線の影響で劣化しやすい性質があることから、本来はコンクリートの中に配線を通す時に使用するものです。

屋外に使用する際は、耐候性のある薄いベージュ色のPF管を使います。

施主検査では、本事例のように、知識がないと間違いに気が付かない不具合が発生していることも少なくありません。

事例2.排気ダクトに穴

排気ダクトに損傷が生じていた事例です。上記写真の蛇腹状のフレキシブルダクトは、主にトイレや浴室、洗面所などの換気設備で使用されています。

特に注意すべきなのが、浴室の排気ダクトです。浴室の排気ダクトに穴や破れがあると、本来、屋外へ排出されるはずの湿気を含んだ空気が屋根裏へ漏れ出てしまいます。

その状態が続くと、目に見えない場所でカビの発生や木材の腐朽が進み、住宅の耐久性や居住環境に悪影響を及ぼす恐れがあります。

排気ダクトの不具合を見つけるには、点検口から覗くだけでは不十分です。専門家による屋根裏への進入調査をおすすめします。

事例3.床の傾き

床 傾き

新築の場合、改善の必要な床の傾きが発生している確率はごくわずかですが、施主検査で実際に歩いてみて「傾いているかも?」と心配になる方は少なくありません。

新築の場合、3mm/1,000mm(1m離れた地点で3mm未満)以上の傾斜が床面だと3m程度、壁面だと2m程度の長さが連続しているかどうかで判断されます。上記写真の事例では、2mm/1,000mmだったため、問題ないと判断されました。

正確な傾きの程度は、レーザー墨出し器と呼ばれる機材を使用して測ります。

インターネットなどでは、ビー玉を転がして傾きを調べる方法が紹介されていることもありますが、ビー玉自体が完全な球体でない上、許容範囲である施工誤差により転がってしまうケースもあるため、あまり当てになりません。

問題のある傾きかどうかは、レーザー墨出し器を用いた計測値と住宅全体の傾きの傾向から判断します。

一般の方が判断するのは難しいため、傾きが心配な方は、専門家に調査を依頼しましょう。

不具合指摘率は82%!プロの立ち会いで後悔のない施主検査に

施主検査は、住宅の仕上がりや設備の状態を施主自身の目で確認できる重要な機会です。図面との整合や屋内・室内、床下や屋根裏などを引き渡し前にチェックすることで、入居後のトラブルや修繕コストのリスクを軽減できます。

さくら事務所が2025年1月1日~12月31日に実施した、新築一戸建てホームインスペクション(完成検査・内覧会立会い)のうち、何らかの不具合が指摘された住宅は全体の82%(軽微な汚れなどは除く)にも及びました。

新築一戸建て ホームインスペクション 部位別指摘率 2025
※2025年1月1日~12月31日の期間でさくら事務所が実施した新築一戸建てホームインスペクションの検査結果
※n=1,370

最も指摘率が高かった「開口部(47.7%)」では、開閉時のがたつきや異音などが指摘されています。次いで高い指摘率だったのが「基礎・床下面(35.5%)」で、指摘内容には水たまりやジャンカ現象などがありました。

とくに床下は不具合指摘率が高い上、内容も深刻なものが多く見つかっています。少なくとも床下だけは、専門家による進入調査を強くおすすめします。

さくら事務所では、年間1,000件を超える施主検査の立ち会い実績から、不具合が起きやすい箇所を熟知しています。隅々まで点検するのが難しい屋根裏や床下のチェックも可能です。

単なるチェックではなく、不具合があったときには、円滑に引き渡しを受けられるように施工会社へ伝えます。直し方の確認もお任せください。チェック項目以外の疑問や質問への回答なども、全面的にサポートいたします。

さくら事務所はインスペクション業界No.1!経験年数20年以上のプロ集団が提供

さくら事務所は、国内におけるホームインスペクション普及のパイオニア的存在であり、これまでご依頼実績は業界No.1(累計8万件超)、満足度98%(Google口コミ☆4.9)と非常にありがたい評価をいただいております。


さくら事務所の理念の核でもある「第三者性・中立性」を保持しながら、建築・不動産・防災・マンション管理など、あらゆる難関資格を持つメンバーが連携、サービスご利用後にもあらゆる住まいのご相談に対応するための「永年アフターフォローサービス」もご用意。これから暮らす住まいの安心につながるとともに、心強い建築士と末永くお付き合いいただける内容となっております。

ご依頼から概ね3日~1週間以内での調査実施が可能です。お急ぎの方は、まずはお問合せください。

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