2022年12月19日(更新日:2026年09月21日)

友田 雄俊

監修者:友田 雄俊

さくら事務所 取締役/プロホームインスペクター

大手リフォーム会社にて、木造戸建て住宅リフォームの営業・設計・工事監理に従事。外壁塗装などのメンテナンス工事から、フルリノベーションまで幅広く手掛ける。その後、株式会社さくら事務所に参画。テレビ出演にて専門家解説や各種メディア取材協力多数。

【徹底解説】家の基礎にひび割れを発見…危険な症状の見分け方や対処法を紹介

シェアする

【徹底解説】家の基礎にひび割れを発見…危険な症状の見分け方や対処法を紹介

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

「家の基礎にひび割れを見つけたけれど、大丈夫?」「補修するとしたら、どのくらい費用がかかる?」家を支える部分だからこそ、小さなひびでも気になりますよね。

基礎のひび割れは、新築でもコンクリートの乾燥収縮などによって生じることがあります。ひび割れがあるだけで、すぐに重大な欠陥とは限りません。一方で、幅や発生した場所、周囲の状態によっては、詳しい確認が必要です。

この記事では、注意したい症状や主な原因、補修方法と費用を考えるポイントを紹介します。新築の引き渡し前や中古住宅の購入前に見つけた場合も、次に何を確認するとよいかを整理していきましょう。

危険な基礎のひび割れ症状の見分け方6選

基礎のひび割れを見るときは、幅だけでなく、発生している位置や周囲の状態も手がかりになります。とくに確認しておきたいのは、次の6つです。

  1. ひび割れの幅が大きい、または広がっている
  2. ひび割れが一箇所に集中している
  3. ひび割れが基礎の上から下まで続いている
  4. 横方向・斜め方向に伸びている
  5. ひび割れの周囲に雨染みや茶色いしみがある
  6. 基礎の表面が剥がれ、鉄筋などが見えている

こうした症状があっても、見た目だけで原因や補修方法を決めることはできません。気になる箇所を記録し、施工会社や住宅診断の専門家に相談するときの参考にしてみてください。

基礎のひび割れ幅が0.3mm以上なら状態を確認

幅0.3mm未満の細いひび割れは、一般に「ヘアークラック」と呼ばれます。乾燥収縮などによる軽微なものでは、すぐに補修せず経過を見る場合もあります。ただし、細くても深い部分まで及んでいることが懸念される場合は、確認が必要です。

幅0.3mm以上のひび割れは、点検や補修について相談する目安にしましょう。幅ごとの確認の考え方を整理すると、次のようになります。

ひび割れの幅確認・対応の目安
0.3mm未満軽微なものでは経過観察となる場合も。ただし、深さや進行、周囲の状態も確認する。
0.3mm以上0.5mm未満点検や補修について相談する目安。数値だけで構造への影響を断定しない。
0.5mm以上国の既存住宅状況調査方法基準で、木造住宅の基礎の調査対象となる劣化事象の一つ。早めに状態の確認を相談する。

幅の数値だけで、安全性や補修の必要性が決まるわけではありません。ひびが広がっていないか、ほかの症状がないかも合わせて確認することが大切です。

幅の記録には、印刷された線の太さとひび割れを見比べる「クラックスケール」が使えます。通販サイトやホームセンターなどで取り扱われており、数百円から購入できる製品もあります。価格や取り扱いは製品・店舗によって異なります。

手元にクラックスケールがなければ、太さ0.5mmのシャープペンシルの芯をひび割れのそばに並べ、幅の大まかなイメージをつかむ方法もあります。ただし、正確な測定の代わりにはなりません。芯をひび割れの奥へ差し込まず、幅を記録するときはクラックスケールを使うと比較しやすくなります。

基礎の表面に化粧モルタルなどが施工されている場合は、仕上げだけのひびか、内部のコンクリートまで及んでいるかも確認のポイントです。シャープペンシルの芯で、ひび割れの深さを正確に確認することはできません。深さは見た目で分かりにくいため、調査時に確認してもらいましょう。

深さの20mm・40mmという目安は?

当社のコンクリートのひび割れに関する解説では、深さ20mm以上・40mm以上も確認の目安として紹介しています。ただし、同記事でも深さは目視で測りにくく、明確な基準ではないと説明しています。数値だけで内部の鉄筋への到達や補修方法を決めず、仕上げ部分と内部のコンクリートを分けて状態を確認することが大切です。

なお、国の既存住宅状況調査方法基準にある「深さ20mm以上」は、コンクリートが欠けた「欠損」についての基準です。ひび割れの深さと同じ意味ではありません。

参考:国土交通省「既存住宅状況調査方法基準の解説」

基礎のひび割れが一箇所に集中している

細いひび割れでも、同じ場所にいくつも集中している場合は、その部分だけでなく周囲の状態も確認したいところです。ひび割れの数や位置が分かるように写真を残しておくと、相談時に状況を伝えやすくなります。

建物への力のかかり方などが関係する場合もあるため、ひびの本数だけで原因を決めつけず、建物全体の状態も含めて見てもらうとよいでしょう。

ひび割れが基礎を縦断するように走っている

基礎の上から下まで続いているひび割れや、途中で幅が大きく変わっているひび割れも、確認しておきたい症状です。「縦方向だから問題ない」とは限りません。

ひび割れの近くを撮った写真に加え、基礎全体のどの位置にあるかが分かる写真も残しておきましょう。位置や長さ、ほかの面にもひび割れがあるかといった情報が、状態を確認する手がかりになります。

横方向・斜め方向に伸びている基礎のひび割れ

横方向や斜め方向に伸びるひび割れを見つけた場合も、方向だけで施工不良や地盤沈下と判断することはできません。ひび割れの幅や位置、周囲の変化と合わせて確認する必要があります。

さくら事務所の動画では、向かい合う基礎の近い位置にひび割れがある場合など、建物全体の傾きも含めて確認する視点を紹介しています。気になる場合は、ひび割れを埋める前に、原因の確認を相談してみましょう。

基礎のひび割れの周囲に雨染みや茶色いしみがある

ひび割れの周囲に濡れた跡や茶色いしみが見られる場合は、その状態も写真に残しておきましょう。茶色いしみは、内部の鉄筋のさびが関係している場合があります。

しみの見た目だけで内部の状態を断定することはできませんが、雨が降った後に変化するか、以前より広がっていないかなども、相談するときに伝えたい情報です。

基礎表面が剥がれ落ちている

コンクリートの表面が剥がれ、内部の鉄筋が見えている場合は、早めに専門家へ相談したい状態です。鉄筋のさびによる膨張で、周囲のコンクリートが押し出されることがあります。

表面を覆うだけでよいのか、内部も含めた補修が必要なのかは、状態によって異なります。自分で削ったり埋めたりする前に、調査や補修について相談しましょう。

ひび割れの位置や周囲のしみなど、プロが基礎を見るときのポイントは、こちらの動画でも解説しています。気になるひび割れの状態を整理するときに、参考にしてみてください。

「自分では状態が分からない」「補修の説明を聞いたけれど不安が残る」という場合は、第三者の視点で確認する方法もあります。新築の引き渡し前・中古住宅の購入前・お住まいの家など、現在の状況を添えてご相談ください。

中古戸建ての引き渡し前に

住宅の状態と費用の目安
プロが診断します。
  • お急ぎの調査にも対応

基礎のひび割れが発生するメカニズムと5つのおもな原因

基礎のひび割れには、コンクリート自体の収縮や温度変化、建物にかかる力など、さまざまな要因が関係します。ここでは主な原因を5つに分けて紹介します。

  1. 乾燥収縮
  2. 温度変化
  3. 鉄筋のかぶり厚さ不足
  4. 不同沈下や地震によるゆがみ
  5. 経年劣化によるコンクリートの中性化

乾燥収縮

コンクリートに含まれる水分が蒸発し、体積が縮むことでひび割れが生じることがあります。これを乾燥収縮といいます。新築でも見られる現象ですが、ひび割れの原因が乾燥収縮かどうかは、幅だけで決められるものではありません。

温度変化

コンクリートは温度の変化によって膨張・収縮します。固まる過程で生じる熱や外気温などの影響を受け、その変形が周囲から拘束されることで、ひび割れにつながる場合があります。

工事中の温度や水分の管理も大切ですが、ひび割れがあるという理由だけで、施工に問題があったとは言い切れません。

鉄筋のかぶり厚さ不足

鉄筋の表面からコンクリートの表面までの厚さを「かぶり厚さ」といいます。この厚さが不足すると、内部の鉄筋を保護するうえで問題になる場合があります。

鉄筋に沿うようなひび割れなどが確認の手がかりになることはありますが、表面の見た目だけでかぶり厚さを判断することはできません。必要な調査方法も含めて専門家に確認しましょう。

不同沈下や地震によるゆがみ

建物が部分的に沈む不同沈下や地震によって、基礎に力が加わり、ひび割れが生じることがあります。この場合は、ひび割れそのものに加えて、床や壁の傾きなど、建物全体の状態も確認することが大切です。

原因が残ったままでは、ひび割れを埋めるだけでは十分でない場合があります。補修を検討するときは、原因の確認と必要な対応を合わせて相談するとよいでしょう。

経年劣化によるコンクリートの中性化

コンクリートのアルカリ性は内部の鉄筋をさびから守っています。長い時間をかけて中性化が進むと、鉄筋がさびやすくなることがあります。

鉄筋のさびが進行して膨張すると、周囲のコンクリートのひび割れや剥がれにつながる場合があります。茶色いしみや鉄筋の露出なども、確認しておきたい症状です。

基礎のひび割れで行われる4つのおもな補修方法と費用の考え方

基礎の補修方法は、ひび割れの幅や深さだけでなく、原因や進行の有無、補修の目的などによって異なります。代表的な方法は次の4つです。

補修・補強方法主な内容
シール工法ひび割れの表面を補修材で覆う
Uカット(Vカット)シール材充填工法ひび割れに沿って溝を設け、補修材を充填する
ビックス工法(低圧注入工法)器具を使ってひび割れ内部に樹脂などを注入する
アラミド繊維シートとエポキシ樹脂を用いる工法繊維シートなどを使い、基礎の補強を図る

シール工法

ひび割れの表面に補修材を塗布するなどして覆う方法です。軽微なひび割れに用いられる場合がありますが、表面を覆うことと、内部まで補修することは異なります。見た目が整っても、原因や内部の状態が確認できたわけではありません。

Uカット(Vカット)シール材充填工法

ひび割れに沿ってU字やV字の溝を設け、補修材を充填する方法です。使用する材料や仕上げ方は、状態や補修の目的に合わせて選びます。どの範囲を処理するのか、補修後は何を確認するのかを説明してもらうと、工事内容を理解しやすくなります。

ビックス工法(低圧注入工法)

専用の器具を使い、エポキシ樹脂などを低い圧力でひび割れの内部へ注入する方法です。適用できるかどうかは、ひび割れの状態や使用する材料などによって異なります。工法名だけで選ばず、その家の状態に合った方法かを確認することが大切です。

アラミド繊維シートとエポキシ樹脂を用いる工法

基礎にアラミド繊維シートを樹脂で接着するなどして、補強を図る方法です。ひび割れ部分を埋める工事とは目的が異なるため、補強の必要性や施工範囲を確認したうえで検討します。

補修費用は、単価だけでなく工事全体で確認

費用が気になるときは、まず現地の状態を確認したうえで見積もりを依頼するのが確実です。ひび割れの長さだけでなく、施工場所や下地の状態、補修・補強する範囲などによって工事内容が変わります。

見積もりでは、補修方法・施工範囲・諸経費・仕上げまで含めた総額を確認しておくと比較しやすくなります。金額とともに「何を改善する工事なのか」の説明も確認しておきましょう。

細いひび割れならDIYで補修してもよい?

乾燥収縮などによる軽微なひび割れでは、経過観察や表面の補修が選ばれる場合もあります。ただし、幅が小さいという理由だけでDIYに向いているとは判断できません。

購入前や引き渡し前、施工会社に相談する予定がある場合は、まず補修前の状態を写真に残して共有するとよいでしょう。原因や深さが分からないまま埋めることは避け、対応を相談してから進めると安心です。

新築なのに基礎にひび割れが?

基礎のひび割れは、古い住宅だけに生じるものではありません。新築でも、コンクリートの乾燥収縮などによって発生することがあります。新築だから問題がないとも、ひび割れがあるから重大な欠陥だとも、一律には判断できません。

引き渡し前に気づいた場合は、明るい時間に写真を撮り、施工会社へ共有しましょう。現在の状態と対応の必要性、補修する場合の方法や時期について説明を受けておくと、その後の確認もしやすくなります。

中古住宅の購入前に基礎のひび割れを見つけたら

購入を検討している中古住宅にひび割れがあると、契約を進めてよいか迷いますよね。購入の判断材料をそろえるために、仲介会社を通じて、次のような情報が残っているか確認してみるとよいでしょう。

  • 過去に基礎を調査した記録や報告書
  • ひび割れを補修した時期・理由・工事内容
  • 今回見つかったひび割れについての説明や対応予定

補修跡がある場合も、「直してあるから安心」「跡があるから購入できない」とすぐに決めるのではなく、どのような状態に対して何をしたのかを確認することが大切です。

購入前に、建物の状態と必要な対応を整理しておくことが、納得して判断するための助けになります。説明を聞いても不安が残るときは、中古住宅のホームインスペクションを利用し、第三者に状態を確認してもらう方法もあります。

危険度の高い基礎のひび割れを見つけた際の対処法

ひび割れが気になったら、原因を自分で決めつけず、まず状態を記録して相談しましょう。とくに、以前より広がったり、茶色いしみや表面の剥がれが見られたりする場合は、早めに確認を依頼したいところです。

まずは位置と状態を写真に残す

相談するときには、ひび割れの近くを撮った写真と、基礎のどの位置にあるかが分かる全体写真があると伝わりやすくなります。撮影日も残し、分かる範囲で長さや幅を記録しておきましょう。

平面図があれば、ひび割れを見つけた位置を書き込む方法もあります。無理に床下などへ入らず、安全に確認できる範囲で記録すれば大丈夫です。

地震の後に気づいた場合は、加入先の保険会社にも確認

地震後にひび割れを見つけた場合は、建物の状態の確認に加え、加入している保険会社や代理店へ相談しましょう。地震による損害の補償は、契約内容や損害の認定によって判断されます。ひび割れがあれば必ず保険金が支払われるわけではありません。

補修前の写真など、必要な記録や手続きについても確認しておくとよいでしょう。原因が地震かどうかを、自分だけで判断する必要はありません。

施工会社や売主側へ共有し、対応を確認する

新築の引き渡し前や施工後に気づいた場合は施工会社へ、中古住宅の購入前であれば仲介会社を通じて売主側へ共有し、状況と対応について説明を受けましょう。

保証や保険の適用については、契約内容や対象となる不具合などの条件によって異なります。まずは手元の書類を確認し、契約先へ問い合わせるとよいでしょう。

「提案された補修方法でよいのか分からない」といった不安が残る場合は、第三者の専門家に意見を聞く方法もあります。調査記録や補修の説明資料があれば、一緒に共有すると相談が進めやすくなります。

基礎のひび割れが気になるときは、ホームインスペクションで状態を確認

基礎のひび割れは、幅だけでなく、位置や周囲のしみ、剥がれなどを合わせて確認することが大切です。新築でも発生することがあり、見た目だけで原因や補修の必要性を判断するのは難しい場合があります。

まずは写真や記録を残し、施工会社や仲介会社へ共有してみましょう。説明を受けても気になる場合や、購入・引き渡し前に第三者の意見を聞いておきたい場合は、さくら事務所へご相談ください。ご状況に合う調査や相談方法をご案内します。

購入・引き渡し前後の方へ中古戸建てホームインスペクション

気に入った物件こそ、
プロの目で確かめて
ください。
  • 契約前・契約後どちらでも対応
  • 不具合の原因・補修方法・費用感がわかる
  • リフォーム前の調査にも最適

24時間受付中

ご相談・お見積りは完全無料

ご相談・お見積りは
完全無料です!

これから家探しや家づくりを進める方は、LINEで住まい選びの情報を受け取ることもできます。

もっと詳しく知りたい方へ

プロだけが知っている住宅のリアルをLINEでお届け!
  • 今すぐ受け取れる4つの無料特典アリ!

シェアする

友田 雄俊

監修者友田 雄俊

さくら事務所 取締役/プロホームインスペクター

大手リフォーム会社にて、木造戸建て住宅リフォームの営業・設計・工事監理に従事。外壁塗装などのメンテナンス工事から、フルリノベーションまで幅広く手掛ける。その後、株式会社さくら事務所に参画。テレビ出演にて専門家解説や各種メディア取材協力多数。

この人が監修したその他の記事

お役立ちコラム 関連記事

お役立ちカテゴリ