「基礎工事中に雨が降ってきたけれど、このまま進めて大丈夫?」家を支える基礎だからこそ、コンクリートが濡れていると心配になりますよね。
雨の影響を考えるときは、コンクリートを流し込んでいる最中か、打ち終えた後かを分けて確認することが大切です。固まる過程では水分が必要ですが、打設中の雨水の混入や、まだ柔らかい表面に当たる強い雨には注意が必要です。
この記事では、その違いと雨への備え、現場監督に聞いておきたいことを紹介します。「うちの現場はどうなのか」を確認するときの参考にしてみてください。
基礎工事中のコンクリートに雨が降っても問題ない理由
コンクリートが固まる過程では、水分を保つことが大切です。打設後に雨が降ったというだけで、すぐに品質に問題があると決まるわけではありません。ただし、打設中や打設直後の強い雨については、後半で紹介する注意点も確認しておきましょう。詳しく解説していきます。
乾燥で固まるものではないから
多くの方は「固まる=乾燥する」といったイメージを持たれているかもしれません。しかしコンクリートが固まるメカニズムは、実は乾燥によるものではありません。
コンクリートが固まるメカニズムは水とセメントの化学反応によるものです。この反応は水和反応という名前です。
水和反応は水とセメントが混ざった直後から始まり、数日間で急激に進み、固まります。しかし固まった後も反応が進み、緩やかにコンクリートの強度が上がっていきます。

このように、コンクリートは乾燥によって固まるものではありません。固まるための水分を保つことと、打設中のコンクリートに雨水が混ざることは別の話です。雨が降ったタイミングと、どのような保護がされていたかを確認しましょう。
散水するから
基礎工事の流れは大まかに以下の流れで進みます。
1. 地縄はり・遣り方工事 建物の位置を確認
2. 掘削 基礎の形に合わせて地面を掘る
3. 砕石敷き・捨てコンクリート 地面を締め固め、基礎下を平らにする
4. 配筋 基礎の骨組みの鉄筋を組み上げる
5. 型枠 コンクリートを流し込む枠を作る
6. コンクリート打設 コンクリートを型枠に流し込む
7. 養生 コンクリートが固まるまで待つ
8. 脱型枠 型枠を外す
9. 仕上げ 段差や継ぎ目などを綺麗に研磨する
なお、より詳しく基礎工事の流れを知りたい方はこちらのコラムもご覧ください。
手順6のコンクリート打設を行なった後に、乾燥を防止するためにコンクリート表面に水をかける場合があります。
実はコンクリートが固まる過程は乾燥が大敵です。理由は固まるまでにコンクリートが乾燥してしまうことで水和反応に使う水分が不足し、十分な強度が出ないためです。
下図のように、むしろ常に表面が濡れた状態の方がコンクリートが乾燥せず、緻密な状態で固まるため強度が高くなります。

出典)東京土木施工管理技士会 「基礎講座 コンクリート施工のポイント3」p.9
【例外】雨でコンクリートに影響するケース
水分を保つことが大切なコンクリートでも、雨の降り方や施工のタイミングによっては注意が必要です。
具体的に説明すると以下のようなケースです。
- 基礎コンクリート打設中の雨
- 土砂降り、ゲリラ豪雨
それぞれ、なぜ例外になるのかを詳しく解説していきます。
基礎コンクリート打設中の雨
基礎の型枠にコンクリートを流し込む「打設」の最中に、多量の雨水が混ざると、品質に影響するおそれがあります。雨の日に作業していたという事実だけで判断せず、雨水の混入をどう防いでいたか、施工会社に確認してみてください。
先ほどのグラフをもう一度見てみましょう。
グラフには3つの曲線が並んでいます。水セメント比(W/C)と呼ばれる数値別に3つのコンクリート強度が、時間と共にどう変化するかを比較しています。

水セメント比とは「セメントに対する水の量」のことで、値が大きいほど水分量が多い状態を表しています。
水セメント比が多いほど、コンクリートは強度が低くなっていきます。打設中に多量の雨水が混ざると設計された強度が得られなくなるため、注意が必要です。
土砂降り・ゲリラ豪雨
土砂降り・ゲリラ豪雨など、多量の雨が降っている中でコンクリートを打設すると、雨水が混ざって品質に影響するおそれがあります。強い雨が予想されるときは、打設日程の変更などを検討する必要があります。
また、打設後も注意が必要です。まだ柔らかいコンクリートに強い雨が当たり続けると、表面のセメント分などが流され、仕上がりがガタガタになることがあります。
梅雨の時期など、強い雨が降りやすいときは、次のような対策が大切です。
- 強い雨が予想される時間帯を避けて、打設の日程を調整する
- 急な雨に備えて、養生シートなどでコンクリートを保護する
雨の後に表面の荒れなどが気になる場合は、施工会社に状態を確認してもらうと安心です。
施工会社の説明を聞いても不安が残るときは、第三者に確認を依頼する方法もあります。現在の工程や気になっていることを添えて、新築工事中の検査についてご相談いただけます。
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雨の日の基礎工事で気に留めたいポイント
雨の日の基礎工事では、雨の強さだけでなく、工事のタイミングや養生の状況も大切です。次の点を知っておくと、現場の様子や工事の予定を理解しやすくなります。
- 雨が降ったのは、コンクリートを流し込んでいる最中か、打ち終えた後か
- シートなどで雨から保護されているか
- 打設後の養生期間が、工程に組み込まれているか
養生に必要な期間は、使うセメントの種類や気温などによって異なります。工程表を見ても分からないときや、不安なときは担当者へ聞いてみるとよいでしょう。
基礎工事中の雨や、工程表で養生期間を確認するポイントは、こちらの動画でも解説しています。
基礎工事の雨で不安が残るならホームインスペクションを活用しよう
基礎工事中の雨が心配なときは、雨が降ったタイミング、雨よけの状況、打設後の状態や養生期間を施工会社に確認してみてください。雨に濡れたという情報だけでは、ご自宅の基礎の状態までは判断できません。
説明を聞いても不安が残る場合や、工事中の状態を第三者にも確認してほしい場合は、さくら事務所の新築工事中ホームインスペクションで、現在の工程に応じた検査をご相談いただけます。お問い合わせの際は、打設の日付や雨が降ったときの状況、次の工事予定をお伝えいただくと、相談内容を整理しやすくなります。
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