中古マンション契約前に調べておこう!~扉の奥編

  • Update: 2014-02-28
中古マンション契約前に調べておこう!~扉の奥編

中古マンションを購入する前にご依頼いただいた、ホームインスペクション(住宅診断・住宅検査)での事例です。

マンションの壁には、部屋を出入りするための扉だけでなく「設備」と呼ばれる、配管や機械が納められているスペース用の扉もあります。

設備スペース用の扉の奥で見つけた「共用部分に関係するので個人ではすぐには直せない・・・でも買う前に知っておいたほうがいい」事象をご紹介します。


エアコンが効かない可能性あり?

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築27年の中古マンション。 キッチンに面した電気温水器スペースの扉を開けてみると、電気温水器は旧式ですが一見まだ使えそうでした。しかし、扉を閉める前に電気を消して気付きました。

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温水器の右側から外の光がうっすら漏れています。

どうやら、電気温水器から出る熱を放出するために、屋外との間にガラリ(横格子)をはめこんでいるようです。バルコニーや共用廊下に置かれた電気温水器なら、このままで問題ないのですが、なんといってもこのスペースとキッチンは扉一枚で仕切られているだけ。

つ まり、屋外の熱気・寒気はここから室内に入り込んでしまい、いくらエアコンで室内を暖め・冷やしてもそれらは出て行ってしまいます。板状のもので隙間を塞 げば多少は空気の出入りは減りますが、そうすると温水器の放熱対策を別に考えなくてはいけないので簡単にはいきません。

また、外壁に面した仕切りのため共用部分にあたり、物理的には改善ができても、手続き的には管理組合の承認などが必要です。「内装リフォームのちょっとついでに」修繕するわけにはいかないことを、ホームインスペクションのご依頼者様にお伝えしました。


ご近所さんの声が?

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築32年の分譲マンションにホームインスペクションで伺ったときのこと。 壁に排水管などを通している「パイプシャフト」の点検口があり内部をチェック。水漏れの跡はなく、一見特に問題なさそうでした。

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そして床をのぞき込んでみたら、なんと下の階の配管が見えていました。 建設時に何らかの理由で開けられた穴が塞がれないまま数十年放置されていたようです。壁で囲まれた配管スペースなので、上下階で声が聞こえるなどのトラブルもなく発見されなかったのでしょう。

し かし、建築基準法では、防災の観点から上下がつながっているところ(竪穴区画)は塞ぐか、有効な防火設備を取り付けることが決められているため違反となり ます。 実際、この真下の部屋で火災が発生したら、この穴から炎が吹き出し、室内にあっという間に火が燃え広がる可能性があるので心配です。

さらによく見ると、さらに下の階の配管も見える状態。穴を塞ぐ工事は難しくありませんので管理組合が拒否することはなさそうですが、共用部分ですからやはり申請・承認の手続きは不可欠であることをお伝えしました。

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配管スペースの扉は売主様ですら開けたことがない可能性もあり、見学時にいきなり「開けさせて」と言いづらいこともあるでしょう。 ですが、隠蔽(いんぺい)部だからこそ、これらの例のように売主様が気付いていない「重要なこと」が潜んでいる可能性はあります。


【設備スペースのポイント!

  • 上下階を塞ぎ忘れていないか
  • 配管から水漏れなどがないか
  • 屋外とつながっているところがないか

・・・などの事象がないか、内部にライトを当てて床・壁・天井をチェックしてみましょう!