風や雨よって、築年数が経つにつれ、家はどんどん傷んでいきます。しかし、こういった自然による劣化だけではありません。
家の木材を食べてしまう「シロアリ」による被害によって住まいが脆くなってしまっているケースも多く見られます。
シロアリによる被害の多くは、普段、目の届かない所で進行していくため、気付かぬうちに建物の構造を支える骨組みである木材がボロボロにされてしまっていた、というケースも少なくありません。
そこで、今回は、ホームインスペクターが中古一戸建て住宅のシロアリによる被害をチェックし、指摘・アドバイスをした事例をご紹介します!
玄関上り框部分にて、基礎にシロアリの蟻道と思われる付着物が確認されました。目視出来た範囲では周囲の木部に食害及びシロアリの生存は確認されませんでした。
玄関扉の下部(両側、室内側にも)にもシロアリによるとみられる欠損跡が見受けられました。
バルコニーの壁面に押すと凹む箇所がありました。シロアリ等により内部が空洞になっている可能性があります。
ウッドデッキの柱の表面を触ると内部が空洞になっている箇所がありました。シロアリの可能性があります。
1階和室の畳を上げたところ、堀炬燵の周囲及び畳の裏に砂粒状の様なものが見受けられました。カンザイシロアリの可能性も考えられます。カンザイシロアリについては被害が進むと完全駆除が難しい場合があります。
キッチンの出窓のタイルはが一部外れている状態で、内部を確認すると水で浸食され、一部木部が腐食している状態が確認されました。窓周辺から漏水を起している可能性があります。また、直接確認はされませんでしたが腐食の状態からシロアリの可能性も考えられます。
地面に近い位置部分で含水率の計測を行ったところ約40%と非常に高い状態です。20%を大きく超える状態は腐朽菌の発生やシロアリ被害の懸念が高まると言われていますので床下の換気や防湿対策をご検討される事をお勧めします。