不動産コンサルタント 佐藤 健斗

監修者:佐藤 健斗

不動産コンサルタント/宅地建物取引士

不動産投資でよくある失敗と対策を紹介!収益性が大幅に低下した事例も

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不動産投資でよくある失敗と対策を紹介!収益性が大幅に低下した事例も

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

インフレ局面の今、株や債権よりも価格の変動が緩やかな不動産投資が活発化しています。しかし不動産投資はリスクも多く、想定していたよりも利回りが大幅に低下するなどして、失敗するケースも少なくありません。

不動産投資で成功するには、不動産投資で失敗しやすいポイントを理解し対策しておくことが大切です。

そこで本記事では不動産投資でよくある失敗と対策を解説します。実際に利回りが大幅に低下した事例も紹介するため、これから不動産投資を始めようと考えている方はぜひ参考にしてください。

不動産投資でよくある4つの失敗と対策

不動産投資でよくある失敗は以下の4つです。

(1)空室が続き家賃収入を得られない

(2)家賃の値下げを余儀なくされた

(3)節税効果を得られなかった

(4)修繕費がかさみ赤字になった

以下で対策と合わせて詳しく見ていきましょう。

なお不動産投資のリスク対策については下記記事でもより詳しくまとめているので参考にしてください。

不動産投資のリスクと対策を解説!投資物件に潜む不具合事例も紹介

(1)空室が続き家賃収入を得られない

不動産投資での失敗として多いのが、空室が続き家賃収入を得られなくなることです。空室期間が長くなったり退去者が続出して空室が増えたりすると、その分家賃収入を得られません。

家賃収入がないなか、ローン返済や税金の支払いは続くためキャッシュフローは悪化します。空室による失敗を避けるためは、以下の方法が有効です。

・集客力がある管理会社と契約する

・長期的に需要のあるエリアの物件選ぶ

・リスクも理解したうえでサブリースも検討する

・分散投資をする

名の知れている管理会社や、ホームページなどに入居率を掲載している管理会社だと集客に強い傾向があります。

不動産投資に向いているのは、都心部など人口の多いエリアです。交通や生活の利便性が高く、再開発の予定があり将来的にも需要が見込めるエリアを選びましょう。

サブリース契約は、サブリース会社が賃貸人となり入居者に転貸します。オーナーは入居者の有無にかかわらず満室時家賃の80~90%を毎月受け取れるため、基本的には家賃収入がゼロになることはありません。ただし、サブリース会社の倒産等のリスクがあるため慎重に検討する必要があります。

資金に余裕がある場合は、エリアの異なる複数の物件に投資することで、空室リスクを分散することが可能です。

(2)家賃の値下げを余儀なくされた

空室を改善するために家賃の値下げを余儀なくされるケースもあります。とくに新築物件の場合は、はじめは高い家賃でも入居が決まりますが、築年数が経過し入退去を繰り返すうちに新築当初での家賃では入居が決まらなくなるでしょう。

新築でなくても、築年数の経過に伴い家賃は下がる傾向です。しかし新築はとくに家賃が高いため下落幅が大きくなり、次第に当初の利回りからかけ離れていくことが予想されます。

家賃の値下げに対策するためには、新築物件への投資を避けること、新築物件にする場合は募集時の利回りだけでなく、家賃の値下げした場合の利回りを算出しどこまで許容できるのか検討しましょう。

(3)節税効果を得られなかった

節税目的で不動産投資をしたのに節税効果を得られず失敗する方もいます。

不動産投資で節税できるのは、建物の減価償却費で赤字を増やして、給与所得と損益通算できるためです。減価償却期間が長いRC造や築年数の新しい物件は、1年間で減価償却できる額が少ないため節税効果が得られにくくなります。

また海外勤務での給与所得は、不動産所得の赤字と損益通算できないため、海外転勤になると節税できません。

節税目的で不動産投資する場合は、法定耐用年数が短く減価償却費が大きい木造や、法定耐用年数×20%で減価償却できる法定耐用年数を過ぎた築古の物件を選びましょう。

節税を重視するあまり、キャッシュフローが赤字になると本末転倒になってしまうため、注意してください。

(4)修繕費がかさみ赤字になった

不動産投資のなかでも取り返しのつかない失敗になりやすいのが、修繕費がかさんで赤字になることです。とくに利回りが高い物件は相対的に見て築年数が古い物件が多く修理代がかさむ傾向があります。

売主も気がついていない重大な雨漏りや傾き、シロアリ被害、設備の老朽化などによって、数百万から1000万円単位の莫大な修理費用がかかる可能性があるのです。

契約不適合責任により売主に修理費用の請求などができるケースもありますが、築年数が古い物件ほど免責になっていることがあります。

入居中だったり修繕履歴がなかったりする場合は、キッチンやトイレなどの設備の状態もわかりません。一度も交換していなければ、将来的にリフォーム費用が高くつき、収益性を落とす可能性があります。

修繕費で失敗しないためには、修繕履歴を確認したり、ホームインスペクション(住宅診断)を利用したりして、物件のコンディションを把握しておくことが重要です。

不動産投資での失敗回避にホームインスペクションがおすすめの理由

ホームインスペクションの活用は、不動産投資での失敗回避に有効です。

ホームインスペクションは、住宅のプロが建物の状況を検査します。売買契約前にホームインスペクションを利用すると、重大な雨漏りや水漏れなどがあることがわかった場合、売主への価格交渉や買わない選択が可能です。

また、ホームインスペクションでは将来的に必要になるメンテナンスの内容や費用目安をアドバイスしてもらえるため、より実態に即した実質利回りを算出できます。

購入後に「こんなに修繕費用がかかると思わなかった」といった失敗は、大部分がホームインスペクションで回避できるのです。

雨漏りなどの重大な不具合は、中古物件に限った話ではありません。投資物件は新築・中古問わず、以下の理由で深刻な不具合を抱えているケースが多く見受けられます。

詳しく見ていきましょう。

【中古】物件の状態に無関心なオーナーが多く不具合が多い

中古の投資物件の場合、自己居住していないことから、物件の状態に無関心な売主が多いです。不具合や欠陥があっても気がついていなかったり深刻にとらえていなかったりすることで、メンテナンスされていない物件も少なくありません。

また一般的な分譲マンションでは、長期修繕計画を立てて定期的に大規模修繕を実施していますが、同じRC造でも投資物件は修繕計画がなく、適切なタイミングで外壁塗装や屋上防水といった大規模修繕が実施されていない物件も多々あります。

管理組合がある区分マンションの場合でも、管理への無関心から管理組合が機能しておらず、必要な修繕が見送られていたり修繕積立金が足りておらず大幅に値上げされたりする可能性もあるため注意しましょう。

【新築】コスト重視の施工で品質に問題がある

新築の場合も、収益性を高めるためにコスト重視で施工されており、品質に問題があるケースも見られます。安価な会社に施工を依頼していることで、施工時のミスや不具合が発生しているのです。

新築の場合、早く利益を上げるために建築中から入居者募集を行っているケースも少なくありません。時間的に余裕がなく、竣工検査が不十分になっていて傾きや漏水といった深刻な不具合が見逃されている可能性もあります。

こうした不具合が見逃されているまま入居すると、入居後の修理が必要になるなど入居者の生活にも悪影響を与えてしまうでしょう。結果的に入居者の不満に繋がり、早期退去の要因にもなりかねません。

一棟マンションの不動産投資は大規模修繕で失敗しやすい

区分マンションのワンルームやアパートの場合も維持管理は欠かせませんが、一棟マンションはとくに維持管理のリスクが高く失敗するケースが多いです。

一般的な分譲マンションの場合は、管理会社から提案を受けて管理組合で話し合って、長期修繕計画を立て大規模修繕を行っています。

しかし一棟マンション投資の場合は、管理会社からアドバイスは受けられますが、基本的には大規模修繕の実施や施工会社の選定などすべてオーナーが自身で決定していかなければいけません。

さくら事務所に寄せられた一棟マンションの大規模修繕に関するご相談の一部を以下で紹介します。

施工会社の選定を失敗してトラブルになった

屋上防水や外壁塗装など足場を組んで実施するような大規模修繕を、内装や電気工事をおもに手がけている会社に依頼したところトラブルに発展しました。

マンションの大規模修繕は、元受けの会社が下請けに払う金額によって、一般建設業と特定建設業どちらの許可が必要か決まっています。

違反すると、施工会社側は建設業法違反、オーナー側は刑事罰を受けることはありませんが、工事が途中で止まったり施工不良時の責任追及ができなかったりといった実務上のトラブルに発展してしまうのです。

一般建設業でよい場合であっても、マンションの大規模修繕に慣れていない会社は、安定した施工体制や現場管理が難しく、思わぬトラブルが生じる可能性があります。

予定されていたモノとは違うタイルで施工されていた、入居対応に不慣れなことでプライバシーやセキュリティ面で入居者からクレームが入ったなどのトラブルを招くケースも少なくありません。

修繕の先延ばしにして後悔した

修繕コストを節約するために、修繕を先延ばしにしていたところ、工事単価が高騰したうえ劣化も進行し、余計に修理代がかさんでしまいました。

修繕の周期を延長できればトータル回数を減らせるため、確かに修繕コストの節約に繋がります。

劣化状況からまだ修繕が必要ないと判断されれば先延ばしにしても問題ありませんが、そうでない場合はかえって修理代がかかってしまう可能性があるため注意しましょう。

またすぐに修繕しなくても危険性がない場合でも、共用廊下のシートの汚れなど美観に大きく影響する部分のメンテナンスを先送りにすると、内見時の印象が悪くなり入居率にも響きます。

適切な修繕のタイミングを逃すことは、将来的にキャッシュフローの悪化を招く恐れもあるのです。

さくら事務所では収益物件向けの大規模修繕コンサルティングも行っています。物件の劣化状態を調査し、修繕周期や修繕項目、修繕費用の算出根拠などが適正なものなのかアドバイスできるため、ぜひご活用ください。

【失敗事例】投資用マンションの外壁タイル工事で約4,000万円の支出に

外壁タイルの不具合が原因で、膨大な工事費が発生した事例を紹介します。

東京都内にある総戸数40戸、築10年を超えているマンションで、外壁タイルの浮きなどの不具合が発覚しました。

工事の内容は、タイルの一部張替えと補修(浮いているタイルを固定してエポキシ樹脂などを注入)で、仮設足場の費用込みでマンション全体で約4,000万円(税別)ほどかかりました。

マンションの外壁タイルの浮きは、放置すると剥落による大きな事故にも繋がりかねません。多額の修繕費用により収益性が低下するとしても、補修する必要があります。

物件の管理状態は、収益性を大きく左右する要素のひとつです。不動産投資を始める際には、ホームインスペクションや大規模修繕コンサルティングなどを活用して、物件管理についても意識を向けていきましょう。

下記動画でも、投資物件の外壁タイルの剥落について解説しているので参考にしてください。

【FIREするはずだったのに】外壁タイル剥落は不動産投資の大敵

不動産投資で失敗しないためには「物件コンディションの見極め」が大事

インフレ局面で注目されている不動産投資ですが、空室の長期化・家賃の下落・節税効果の誤算・膨大な修繕費といった失敗により、後悔している方も多く見受けられます。

なかでも修繕費は想定よりも利回りが大幅に低下するケースも多いため注意が必要です。

新築だからといって安心はできませんが、利回りがよい築古物件の場合は、初期の不具合に加えて、劣化が進んでおり深刻な状況に陥っている可能性が高まります。

実際、外壁タイル補修で約4,000万円の工事費が発生し、収益性が低下した事例もありました。

不動産投資で取り返しのつかない失敗をしないためにも、第三者機関によるホームインスペクションや大規模修繕コンサルティングを活用しましょう。

さくら事務所では投資家向けのホームインスペクションや大規模修繕コンサルティングを実施しています。物件のコンディションを把握でき、将来の修繕・資金計画にも役立つアドバイスも可能ですので、ぜひこの機会にご活用ください。

投資家向けインスペクション

収益物件向け大規模修繕コンサルティング

下記動画では投資物件の構造別に考えられるリスクについて解説しています。不動産投資を検討している方は合わせてチェックしてください。

【一棟収益物件】ホームインスペクターが警告する、木造アパートとRCマンションの隠れたリスク3選【さくら事務所】

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不動産コンサルタント 佐藤 健斗

監修者佐藤 健斗

不動産コンサルタント/宅地建物取引士

新卒で電鉄系の資産管理会社にて、鉄道会社の保有資産(駅舎・高架下など)の活用や店舗開発を経験。
その後、不動産のコンサルティング会社にて、主に地主様・家主様向けに売買・賃貸管理・有効活用など多角的なコンサルティングを行う。

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