その迷信、要アップデート!意外とやっているNGメンテ10選!

  • Update: 2023-03-02
その迷信、要アップデート!意外とやっているNGメンテ10選!

日々生活をしていると、誰しもが「一人暮らしの時の名残り」や「実家ではこうだった」「おばあちゃんがそう言ってた」などなど、なんとなくの刷り込みから自分なりの習慣というものが根付いてしまうものです。

もちろんそれは賢い生活の知恵であることがほとんどですが、人が成長するように、住宅業界や住宅そのものも絶えず成長しています。それに合わせて暮らしのうえでの「習慣やメンテナンス」もアップデートしていかなければなりません。今回は一般の方がやりがちな、「実はNGな習慣やメンテナンス」について住宅の最先端を知る専門家が解説します!

※下記は、築20年以内程度の住宅を想定した場合のものです。

NG①:キッチンに熱湯をそのまま流す

「そんなのみんなやってるでしょ!?」と思う方も多いかもしれません。熱湯を流すことで汚れが一緒に落ちるだろう、といった考えで麺類のゆで汁などの熱湯を一気に排水管に流す方は多いでしょう。しかし、これをしてしまうと排水管が熱で膨張して割れてしまう可能性があり、排水管が割れてしまえば、当然そこから水漏れが発生してしまいます。熱湯はそのまま流さず、ある程度まで冷ましたり、水と一緒に流すように気をつけましょう。

NG②:鍵穴にシリコンスプレー

「なんだか最近カギの開け閉めがスムーズにいかない…」なんていう時に、シリコンスプレーを使用して改善しようとされることがありますが、実はこれは間違いです。シリコンスプレーを使用した直後は改善したように感じられますが、油分がほこりなどを付着させてしまって、この汚れが固形化してくることでむしろ悪化してしまうことに…。鍵穴には鍵穴専用のスプレーがありますので、基本的には専用のものを選んで使用するようにしましょう。

NG③:床のワックスがけ

最近のフローリングは、実はワックス不要な製品がほとんどです。ワックスは定期的な塗り直しが必要になりますが、元のワックスを剥離させる際に使用する剥離剤でフローリングを傷めてしまうことになります。とは言え、塗り直しをしなければ汚れが蓄積していってしまうということになるので、無理にワックスを使用してしまうと後戻りができなくなってしまうことには要注意です。

NG④:テレビの主電源をこまめに落とす

省エネ・節電という意味で、こまめに主電源を落とすことが良しと言われることがありますが、それは主に待機電力が掛かっていた昔のテレビの話です。現在のテレビの多くは待機電力がほとんど掛からず、実際には電気代にして年間数十円程度の節約にしかなりません。

NG⑤:エアコンをこまめに消す

テレビ同様、エアコンもつけっぱなしにせずこまめに消しましょう、と言われることがままありますが、エアコンは付けたり消したりすることで、フルパワーで動かなくてはいけない時間がかえって多くなり、空調の効率が落ちてしまいます。連続運転と間欠運転とでは電気代にもそこまで大きな差が出ないといったシミュレーション結果もありますので、こまめに消すことが必ずしも正解とは言えません。ちょっとした部屋間の移動や、30分程度の外出なら連続運転の方がむしろお得になる可能性もありえます。

NG⑥:レンジフードのオイルフィルターに使い捨て外付けフィルターを重ねる

これもあるあるですが、レンジフード(キッチンの換気扇)のオイルフィルターに、使い捨ての外付けフィルターを貼り付けて、油汚れを防止しようという意図から設置する方がいます。しかし、外付けフィルターを付けることで、吸込みがわるくなってしまうことがあり、油分を含んだ空気が部屋に広がってしまいやすくなります。また、油で汚れたオイルフィルターを金たわし等で強くこすって洗ってしまうと、表面に傷がついて余計に汚れやすくなってしまうことにも注意が必要です。

NG⑦:遮熱効果のあるガラスフィルムを貼る

遮熱効果のあるフィルムをガラスの表面に貼ることがありますが、このフィルム自体が熱を吸収してガラスの温度が部分的に高くなり、直射日光のあたらない部分のガラスとの温度差が生まれることでガラスが割れてしまうことがあります。黒っぽいカラーフィルムなどは特に熱を吸収しやすいなど、フィルムによっても熱割れリスクは異なります。場合により、熱割れ計算を行うことで事前に熱割れリスクを把握することも出来ますので、心配な場合にはこうした事前対策を行うと安心でしょう。

NG⑧:石油ストーブにやかん

おばあちゃんの家に行った際にはよく見られる光景かもしれませんが、実はこれにも少し注意が必要です。石油ストーブによって周辺の温度があがり、温められたやかんからの蒸気によって湿度があがります。こうした空気が窓など外気温の影響を受けやすい箇所の表面で冷やされることで結露が発生しやすくなってしまうため、おすすめはできません。

NG⑨:お風呂を出る時には窓を開けて換気扇をまわす

お風呂を出たら窓を開けて換気扇を回しなさい、なんて一度は言われたことがあるのではないでしょうか。位置関係にもよりますが、窓と換気扇の位置が近い場合には、この窓と換気扇の間にある空気が中心に動くため、効率的な換気ができない状態になってしまいます。最近のユニットバスであれば、大抵がドアの部分に給気口を備え付けてあるので、窓は開けずに換気扇をまわす方が効率的な換気がしやすくなります。

NG⑩:長期外出の際にブレーカーを落とす

電気代節約のために、数日家を空ける際にはブレーカーを落とすという方もいるでしょう。これをしてしまうと、室内の空気を強制的に入れ替えるための24時間換気まで停止してしまいます。動かない空気が淀んで湿気もたまりやすくなり、カビも繁殖しやすい状態に…。家を不在にする時にこそ、24時間換気で機械的に換気しておくことが大事なのです。

まとめ

誰かから受け継いだ「暮らしの知恵」は基本的には生活を助けてくれるものではあるものの、その時、その家に合わせてアップデートしていかなければ、逆にマイナスの効果を生んでしまう可能性もあります。適切な知恵を身に付けることが住宅の寿命を延ばすことにも繋がるため、常に新しい情報を取り入れ、実行するようにしましょう。

住み心地の良さはもちろん住宅自体のアップデートでも向上します。今現在住んでいる自分の家がどのようなコンデションなのかを把握するには「自宅インスペクション」がおすすめです。さくら事務所のインスペクター(住宅診断士)は、インスペクションだけでなく、ご相談していただければ最新の知識から、プロとして住まいのアドバイスもさせていただきます。どうぞお気軽にお問い合わせください。