切っても切れない、道路と間取りの関係

  • Update: 2016-10-14
切っても切れない、道路と間取りの関係
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さくら事務所 編集部

注文住宅は間取りを一から決められることがひとつの魅力ですよね。
せっかくなら土地選びのときから、この間取りを意識して、候補地を見てみてはいかがでしょうか。

では実際、どのような点が間取りを決めるうえでポイントになってくるのでしょうか。
“道路との関係で間取りの大枠は決まる”ということをご存じでしたか?

敷地と道路の関係 セットバックとは?

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建築基準法では、敷地が幅4m以上の道路に2m以上接していなければならないことが定められています。この条件を満たしていないと、原則、建築確認の申請に許可がおりません。

ただし、建築基準法ができる前から建っている建物は、全国にたくさんあります。

前面道路の幅が4m未満であっても役所が指定した道路(2項道路)なら、建物を建てる位置を道路の中心から2m下げることを条件に建築が認められます。これを「セットバック」(後退)と呼ぴ、不動産広告では「要セットパック」「セットバック済」などと記載されます。

セットバック部分の敷地はそれぞれの所有者のものですが、実際には道路として利用されます。建物の建ぺい率・容積率を計算する際、セットバックした部分は敷地面積には算入されないのです。

東西南北、それぞれの接道方向による間取りの傾向

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間取りのプランニングでは通常、リビングやダイニングは明るい南側に配置し、トイレ、洗面、浴室、キッチンなどの水回りは北側に配置します。また、玄関は道路側に近いところに設けます。

こうした基本的な考え方と、道路の方角(道路付け)の組合せで、間取りの大枠が決まってきます。

・南側道路
まず「南側道路」。日本では昔から南側道路が良いとされ、実際に価格も高くなる傾向があります。南側の隣家とは道路をはさむため日照が確保しやすく、道路に面した南側にリビングやダイニングが来るので建物の外観が見栄えするなどが理由があります。
ただ、敷地に十分な広さがないと、建物が南側の道路ぎりぎりの位置になることも珍しくないです。すると、リビングやダイニングのすぐ近くを歩行者が通ることになり、視線が気になるかもしれません。
フェンスなどを設けることになれば、せっかくの南側道路のメリットが失われてしまいます。
また、南側道路では玄関も南側になるため、リビング・ダイニングがその分狭くなります。さらに、駐車場を道路に面して設けると、リビング・ダイニングの窓を開けると自動車のお尻がくる形になることも想定されます。

・北側道路
「北側道路」の敷地では、道路に面した側にはトイレ、浴室など水周りの窓が多くなり、外観は見栄えがしません。また、日当たりにも一定の制約があります。こうした理由から北側道路の敷地は人気がなく価格も割安な傾向があります。
しかし、プランニングの点では意外なメリットがあります。
道路からの視線を気にせず庭を設けることができるし、場合によっては日照もそこそこ確保できることもあります。

・東側・西側道路
「東側道路」「西側道路」の敷地は、道路から玄関へのアプローチや駐車場をとりやすいのがメリットです。
反面、南側に隣の建物が接近するため日照がさえぎられやすいといえるでしょう。間取りも、玄関は東ないし西の道路側に設け、水周りは北側に寄せるため、廊下が長く、リビングなどの居室部がそれだけ狭くなります。


ただ、やはりこのように文章で読んで理解しても、なかなかイメージしづらいと思います。
道路付けとプランニングの関係については、実際の事例を見るほか、住宅メーカーなどのパンフレットで東西南北それぞれの間取り例を参考に、研究してみることをお勧めします。

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