8月は、年間で最も気温が上がる月。10日には今年初の猛暑日となり、熱中症への厳重警戒も出されました。
毎年夏になるとニュースを賑わせる「熱中症」ですが、少数ながらご年配の方がお亡くなりになってしまうなど、身近な危険の代表例であることは、周知の事実かと思います。
意外に知られていないですが、熱中症は年齢が若くてもかかる危険性があり、特にコロナ自粛が長引く昨今、自宅にいる時間も長くなり、対策をせず気を抜いていると、熱中症にかかる危険が高くなるので注意が必要です。
今回は、自宅時間が長いこの夏を乗り切るために、多くの住宅建設に携わってきたプロのホームインスペクターが、暑さがこもりやすい家の特徴から、室内での熱中症対策まで詳しくご紹介します!この夏を一緒に乗り切りましょう!
熱中症の基本を理解しよう!
そもそも熱中症とは?

人間の体内では、基礎代謝、筋肉の収縮、ホルモンの作用などによって熱が発生する「産熱」と、逆に発汗などで熱を放出する「放熱」でバランスがとれており、このバランスが崩れてしまうことを「熱中症」と言います。
似たような言葉もあり、少しややこしいですが、強い直射日光での場合は「日射病」、閉め切った部屋や車の中など、高温でおこれば「熱射病」といい、総称して「熱中症」といいます。
熱中症の種類とメカニズム
●熱失神
産熱と放熱のバランスが普段とれることで体温が一定に保たれていますが、例えば運動などカラダを動かすと筋肉で熱が作られ体温が上がります。また、7,8月など気温が暑い時期は室内にいえても体温があがることはあります。
その際、血液が身体全体に行きわたるため、一時的に血液が足りなくなり、血圧が下がることがあり、これを「熱失神」といいます。
●熱疲労
脱水状態が続くと、倦怠感、嘔吐、頭痛などの症状があらわれ、これを熱疲労といいます。
●熱痙攣(けいれん)
放散では、汗が蒸発することで効率よく熱を外に苦し体温を下げることができます。汗には電解質(イオンが)含まれており、発汗により水分だけでなく電解質も失われます。
電解質には塩分が含まれており、発汗後に水だけを飲み塩分を補充しないと体の中の塩分が不足すると、手足がつるなど筋肉のけいれんを引き起こすこともあり、これを「熱痙攣」といいます。
●熱射病(日射病)
上記の症状により、さらに体温が上がり、体温調節機能が追いつかなくなると脳に影響が及び、倒れたり、意識の障害をきたすことがあります。
暑さがこもりやすい家・部屋の特徴とは?

本記事の後半では、具体的な暑さ対策について書いていますが、その前に、そもそも自分の家は暑さがこもりやすい家なのか?という判断は非常に大事です。
戸建て、マンション別々にその特徴と簡易的な対策方法をご紹介しますので、まずはご自身の家が該当するのか?また、該当する場合は、対策内容をイメージしてみてください。
戸建て
●2階以上やロフトがある家

最上階やロフトは、夏場に熱い空気がこもりやすい代表的な場所です。最上階が寝室だったり、ロフトで子どもが遊んだりしていると熱中症のリスクが高くなるので注意が必要です。
【対策】天井や屋根の断熱性能を上げる、冷房を使ったりサーキュレーターで空気を拡散させる
●夏場の直射日光が入る家
直射日光が家の中に入っていると、極端に冷房が効きづらくなり、自然と室内の温度が上がりやすく、熱中症のリスクが高まるので注意が必要です。
【対策】
- カーテン、レース、ブラインド、すだれなどで日差しをさえぎる
- 熱が入りづらい「LOW-Eガラス」に交換したり、二重窓をつける
●西日が強烈にあたる家
夕方に西日が長時間当たる建物は、壁などに熱が蓄えられ、夜間も温度が下がりづらい
人工的に熱帯夜の状況を作りやすくなってしまう
【対策】直射日光と同じ
●断熱スカスカで冷房がききづらい部屋
窓や天井の断熱性能が低いと、外の熱が室内に伝わりやすくなり、室内の冷房が効きづらくなる
断熱というと冬の暖房が効きやすいかどうかを気にされる方も多いが、実は夏の冷房が効きやすいかどうかもにもすごく影響する
【対策】窓や天井の断熱性能を上げる
マンション
マンション最上階は屋上の熱が室内に伝わりやすく、室内が高温になりやすいので注意が必要です。
特に、築30~40年以上のマンションは断熱材を使っていないこともあり、高温になりやすいのです。
【対策】天井の断熱性能を上げる
●西の角部屋
戸建てと同様の理由になります。特にマンションは、コンクリートが熱を蓄えやすいので、戸建てよりもさらに過酷な環境になりやすい
【対策】戸建てと同じになります。
●タワマンなどで多い、ベランダがなく直射日光がそのまま入る部屋
こちらお戸建てと同様の理由になります。特にタワマンでガラス張りの建物などは直射日光が入りやすく、室内が高温になりやすいので注意が必要です。
【対策】戸建てと同じになります。
【ご案内】ホームインスペクション業界実績No,1のさくら事務所では、住宅全般のご相談を承っております。お気軽にお問合せください。
夏を快適に過ごす!熱中症の具体的な室内対策

ここまで熱中症について詳しく解説してきましたが、ここからは具体的な対策のための住環境の解説をしていきます。
①窓の遮熱
窓から入ってくる熱は、実に家の中へ侵入してくる熱の約73%になり壁や屋根などと比較しても、圧倒的に高い割合です。そのため、この窓からの熱遮熱をいかに効率的に行えるかは夏の暑さ対策に関係してくるところになるわけです。
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遮熱効果のあるカーテンに替える
遮熱カーテンには、厚地タイプのものとレースタイプのものがあります。厚地タイプのものは強烈な太陽光でもブロックしますが、部屋が暗くなるというマイナス面もあります。
一方、レースタイプのものは明るさも取り入れるため、厚地タイプのものと比べると部屋が暗くなる心配はありませんが、遮熱効果は厚地のものと比較して劣ります。
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簾(すだれ)、葦簀(よしず)
似たようなもので混同されがちですが、材質や使い方が異なっています。共に日本古来より伝わる暑さ対策の手法です。まさに先人の知恵ですね。簾(すだれ)は主に竹でできており、窓の上から吊るすことでカーテンやブラインド替わりとして使用するものです。
デメリットとしては、外に吊るすと汚れが気になる点や、雨風に曝されるので耐久性が心配です。葦簀(よしず)は、葦で主にできており、室外に立てかけて使用することで遮熱対策を行うことができます。幅が約180㎝と大きいサイズで統一されているため、窓のサイズによっては扱いにくくなります。
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遮熱フィルム・遮熱シート
主に室内側のガラスの表面にフィルムやシートを貼り付けることで遮熱効果を図るもので、安価なものから存在しており、DIY的に自分で貼り付けることも可能です。但し、フィルムやシート自体が傷付きやすく耐久性がきになる点や、不透明な型模様が入ったガラスや網が入っているガラス等、ガラスの種類によっては取り付けが出来ないことがあります。
また、フィルムを貼ることでガラスが割れるケースもあり注意が必要です。
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遮熱塗料
ガラス表面に塗料を塗ることでフィルムやシート同様の遮熱対策を狙ったものです。耐久性が心配だったり、有機溶剤を使用するため、施工時にしっかりとした換気が必要となります。
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遮熱効果のある窓ガラスに変える
窓の遮熱対策を実施するという観点では、窓ガラス自体に遮熱効果をもたせるという選択肢もひとつ考えることができます。
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②日よけの工夫
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日よけ装置は屋外側の設置を検討する
一般的な日よけといえば、屋内でいえばカーテンやブラインド、夏はすだれなどが一般的でしょう。環境省の調査によると、ブラインド実験で室内に設置するのでなく、屋外に設置することでなんと33%も日射熱をカットすることがわかっています。
最近では、外に設置するサンシェードなどの販売もされており、検討できる方は外に日よけ設置をすることをおすすめいたします。
※環境省:平成30年度熱中症対策シンポジウムより -
地面の植栽など
地面からの照り返し(反射日射+再放射)に対して、窓外の地面を芝生にすることは有効です。
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③通風の工夫
換気のポイントについて

まず最低限やっていただきたい換気のポイントが3点あります。
- 24時間換気システムを利用
- 対角線のふたつの窓を開けて空気の通り道を作る
- 30分に一度5分の換気をする
24時間システムや対角線の利用は良く言われることですが、換気の間隔は意外と短い?と感じられるかもしれません。よく1時間に1度のような話を聞くこともありますが、出来るだけ短期間で空気の交換をするに越したことはありません。最低限でも30分に一度の換気を心掛けるとよいでしょう。
さらに、細かくポイントをあげるとすると以下があります。
- 風の入口は小さく、出口は大きく
- 開けるふたつの窓が近すぎると非効率
- 窓がひとつの場合、扇風機などを室外に向けて
- 風の通りが悪い時は、レンジフードの活用も
部屋換気のコツは、いかに部屋の空気を外に効率よく出すかを意識すると良いです。例えば、サーキュレーターや扇風機は部屋の中に向けてしまいがちですが、外に向けて使うのが正解です。
24時間換気は正しく使う!正解は「常時オン」
結論から言うと、24時間換気は「常時オン」が正解です。季節の変わり目には、外からの空気が暑(寒)かったりで、スイッチをオフにしていたりすると、せっかくの換気システムが役割を果たされません。
空気の流れが悪くなるだけでなく、知らず知らずのうちに室内の空気に汚れもたまりやすくなるため、24時間換気システムは常時オンにしておきましょう。
思い切って「玄関引戸」にリフォーム

玄関は、多くの方が考えるよりも大きく通風に影響し熱の出入りがあります。一般的に引き戸は、ドアの上下に隙間ができやすく、開き戸に比べて気密性が低いといわれており、また、開け閉めのたびに空気の流れが発生するため、夏の暑さ対策のために思い切って引戸に変えるのもありかと思います。
ただし、気密性が低いということは冬は寒さが増強されるため、そのデメリットも考慮して検討すると良いでしょう。
④断熱材を工夫する

住宅建築に欠かせない断熱材ですが、当然この断熱材の素材や有り無しによって暑さや寒さへの対策が変わってくるだけでなく、エアコン代にも影響が出ます。
断熱材と一口にいってもさまざまな種類があり、それぞれに特徴が一般の方がその判断をするのは難しいことも多いため、設計をしてくれた建築士に聞く機会があれば問い合わせてみましょう。
また、さくら事務所では業界実績No.1のホームインスペクション(住宅診断)以外にも、住宅に関わる相談全般を受け付けていますので、ぜひご相談ください。
こちらの記事で断熱性について解説をしていますのでぜひ、こちらも参考にしてみてください。
ご自宅に合わせた詳細な対策相談なら「さくら事務所」まで
熱中症対策といっても、室内に限ったものでもかなり沢山あることがご頂けたかと思います。
繰り返しになりますが、まずはご自身の部屋が暑さがこもりやすい部屋・家の特徴を持っているのか?ここから確認をすると良いでしょう。具体的な対策内容については、ぜひ何度も記事を参考にしていただけると幸いです。
断熱材のリフォーム検討など、専門的な知識が必要になり、分かりづらい箇所のご相談については、ぜひさくら事務所の専門家サービスまで、お気軽にお問合せください。
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