断熱性能等級4と5ってどのくらい違う?「断熱性」を比較する基準を解説!

  • Update: 2021-12-28
断熱性能等級4と5ってどのくらい違う?「断熱性」を比較する基準を解説!

住宅の性能の中でも「断熱性」は重要な要素となってきました。

夏の暑さ、冬の寒さをしのぐには断熱性の高い家が必要です。

断熱性はエアコンの使用を前提とする現在の住宅には不可欠なものとなっています。

この断熱性の性能を表すのが断熱(等)性能等級です。現在4段階の断熱性能等級は、2022年4月には「断熱性能等級5」が新設されます。

今回は断熱性と断熱性能について勉強しましょう。

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断熱性能等級とは

断熱性能等級は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」通称品確法に規定された省エネに関する基準です。

断熱以外の性能も記載されているため、断熱等性能等級ともいわれています。

断熱性能等級は、何度か更新されており、2022年4月より、次の5ランクとなります。

等級5
(予定)
令和4年制定予定。断熱等性能等級より上位の「ZEH(ぜっち)基準」相当が断熱等級5になると考えられる。断熱材や窓ガラスなどは、断熱等級4以上に高いレベルの断熱が必要となる。
等級4 平成11年制定。「次世代省エネ基準」といわれる。壁や添乗だけでなく、開口部(窓や玄関ドア)なども断熱が必要となる。
等級3 平成4年制定。通称「新省エネ基準」。一定レベルの省エネ性能を確保。
等級2 昭和55年制定。40年前の基準なので省エネのレベルは低い。
等級1 上記以外

最高レベルの基準といわれるだけあって、住宅のコマーシャルや広告には「次世代省エネ基準をクリア」といった宣伝文句も並びます。

確かに等級3が制定されたあたりから徐々に断熱性能は向上しました。昭和の頃に建てられた住宅の底冷えするような寒さは等級3以上の住宅では減少していると言えます。

2022年4月からはさらに断熱性能等級5が新設されます。新設される断熱性能5と現在最高等級である4では、どれほど性能が違うのでしょうか。

今回改めてわかりやすくそれぞれの等級をクリアするためには、どれほどの断熱材が必要かを表にしました。

【住宅の「省エネルギー基準」における6地域の木造戸建住宅の断熱の厚さ】

断熱材 等級4 等級5
天井断熱材
高性能グラスウール16K相当
90mm 105mm
壁断熱材
高性能グラスウール16K相当
90mm 105mm
床断熱材
住宅用グラスウール32K相当
80mm 80mm

等級4から等級5にしようとすると、断熱材の厚さが1.2倍程度が必要です。

断熱材の厚さはそのまま断熱性能に直結します。等級4と等級5ではかなりの差があるのです。

2022年4月までは等級で最上限である等級4でも十分な断熱性能を発揮するのでしょうか。

断熱性能等級4でも十分ではない

断熱性能等級4は、今の技術レベルではそれほど高い断熱性能ではありません。先ほどの表でも壁の断熱材は普及品を90mm使えば足りてしまいます。現在はもっと断熱性の高い断熱材や工法がたくさんあるのです。

窓もガラスは複層ガラスでも、サッシ部分はアルミ樹脂サッシで足ります。

しかし実態は断熱性能等級4でも、断熱性はまだ不十分な状態なのです。これには宣伝やコマーシャルにも問題があります。「この住宅は断熱性能等級4なので性能が高い住宅です」といったセールストークも原因のひとつです。

断熱性能等級4は長期優良住宅の基準にもなっているため、断熱性能等級4あれば安心という誤解もあります。

また2022年4月から新設される断熱性能等級5も等級では最高ではあるものの、まだまだ上を見ればキリがないのも現状としてあるのも事実です。何よりも義務化された2025年4月以降は断熱性能等級4はあくまで最低ラインになってきます。

断熱性能等級4が最低限?

2022年4月に断熱性能等級5が新設されると、現在最高等級である断熱性能等級4は最低限必要な等級になってきます。(つまり今の最高ラインが最低限必要なラインになる)さらに2025年4月からは義務化される予定なので、2025年4月までに断熱性能等級に関しては最低でも断熱性能等級4を満たす必要が出てきます。

つまり義務化されると、断熱性能等級4は法律が要求する最低限の水準となります。

これまで最高性能であったとされてきた等級4が最低限となり、工務店やメーカーにとってはこれまでの戦略の見直しが必要となるわけです。

さらに断熱性能等級4の下にあたる断熱性能等級3は注意が必要です。2025年4月に義務化されると、断熱性能等級3までしか対応していない建物は既存不適格建築物になる可能性が極めて高くなるため、今後住宅を購入される際には注意が必要です。

建築士の説明義務を導入

通称「建築物省エネ法」の改正で建築士には、委託を受けた住宅の省エネ性能を説明する義務が生じました。

自分の設計した住宅が「この住宅は断熱性能等級4相当です」、「この住宅は省エネ基準に達していません」といった説明です。

省エネ基準に達するようにするには、どれくらいの費用が必要かも説明します。

断熱の義務化は見送られたものの、少しずつ断熱化に向けての取り組みは進められているのです。

HEAT20のG2を目指そう

断熱の普及を目指した団体がいくつかあり、HEAT20もそのひとつです。ここでも断熱基準を作成しており、G1、G2といったレベルがあり、数字の大きいほうがより高い断熱性能となっています。高断熱高気密を目指すメーカーはG2程度の断熱性です。

断熱性能を示す数値の一つであるUa値(熱の逃げにくさを表す数値。小さいほうが良い)でいうと、「断熱等級4」は東京や大阪は0.87なのに対し、HEAT20のG2は0.47になります。およそ倍の差です。

これから家を建てるのであれば、HEAT20の基準も参考にしたいものです。

断熱性能をチェックするには

断熱性能は建築の知識がない人がチェックすることは難しいものです。建築士の説明義務があるので、設計をしてくれた建築士に聞く機会があれば問い合わせてみましょう。

インスペクションを行なう業者でも図面調査や現地調査を行うことで断熱性能の調査をすることができます。さくら事務所でも建物図面の仕様書を見ることで断熱性能を調べることが可能です。専門家相談にて無料で断熱性能に関して相談いただくことが可能です。

またご自身でチェックいただけることも存在します。すでに会社によっては断熱性能に関して断熱性能等級5相当の基準で施工をおこなっている会社があります。各社ホームページでZEH基準でやっていると記載があれば、断熱性能等級5相当で施工されているので判断基準として確認ください。

そして実際の建物の断熱性能の検査は、施工中でしか検査することが難しい検査となります。建物が完成したあと検査をすることは非常に難しいため、2022年4月から基準が変わることも決まっているため、ぜひ早めの対策をおすすめいたします。

まとめ

暑さと寒さをしのぐには断熱が不可欠です。エアコンの使用を前提とすると、断熱性能の低い家は省エネの観点からもマイナスとなります。

世界的に見るとまだまだ不十分な面もある日本の住宅の断熱性能。

遅まきながらも少しずつ改善の傾向がみられます。省エネかつ快適な生活を営むためにも、断熱性能の向上が待たれます。2022年4月から断熱性能等級5の新設で大きく変わってきます。

さくら事務所のサービスである「新築工事チェック」では、「壁天井断熱材チェック」という、断熱材がしっかり施工されているかどうかをチェックする検査があります。

断熱材の種類で大きく分けると、充填タイプと吹き付けタイプがあります。

一般的に使用されることが多いグラスウール断熱材は充填タイプです。

実際に施工中のところへ断熱材の検査に伺うと、隙間があいていたり、断熱材がしっかり留まっていなくて下がってきていたりすることがあります。

吹き付けタイプの断熱材は隙間が生じにくいと言われますが、検査に伺うと意外と隙間が出来ていたり、吹き付けの厚みが足りなかったりすることがあります。

どんなに性能の良い断熱材を使用しても、施工がしっかりしていなければ断熱性能は低下しますし、壁の内部結露などを起こしてしまう可能性もあります。

まず不安に思われた場合は、無料の専門家相談をご利用いただき、実際の図面仕様書をもとに断熱性能について専門家が調べますのでお気軽にお問い合わせください。特に現在設計もしくは建築中の住宅が断熱性能等級3にあたる場合は、今後「既存不適格建築物」となる可能性もありますので、まずはお早めにお問い合わせください。