築浅の中古住宅の注意点!購入時に見落としがちなデメリット・メリットを整理して紹介

  • Update: 2022-11-10
築浅の中古住宅の注意点!購入時に見落としがちなデメリット・メリットを整理して紹介

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

中古住宅を購入するときに、「できるだけ築年数の浅い家を購入したい」と考える人は多いでしょう。築浅の中古住宅は見た目がきれいで、新築物件のような住まいを安く手に入れられます。

しかし、築浅の中古住宅には購入前に確認すべき注意点があるため、事前にチェックしておくことが大切です。

そこで本記事では、築浅の中古住宅を購入する際に確認しておきたい注意点を紹介します。中古住宅を購入するメリットやデメリットも解説しているので、併せて参考にしてみてください。

築浅の解釈は不動産会社によって異なりますが、築年数が3年以内または5年以内の物件を指すケースが一般的です。

中古一戸建てホームインスペクション(住宅診断)

築浅の中古住宅購入時の注意点!

築浅の中古住宅を購入する際の注意点は、主に以下の4つです。

  • 新築施工時に既に欠陥があるケース
  • 築浅の割に内装がひどく欠陥しているケース
  • 諸経費を含めると実は新築住宅を購入できるケース
  • 住宅の売却理由がネックになるケース

それぞれの注意点について詳しく解説します。

新築施工時に既に欠陥があるケース

築浅の中古物件の中には、新築施工時に欠陥が見つかっている場合があります。例えば、雨漏りがしていたり、基礎部分に問題が生じていたりするケースもあるかもしれません。

すると、築浅の中古住宅を購入しても、そのまま住むことができず大掛かりなリフォームが必要となる場合もあるでしょう。そのため、築浅の中古住宅を購入する場合は「建物が新しいから不具合はないだろう」と過信せずに、細かくチェックしておくことが大切です。

築浅の割に内装がひどく欠陥しているケース

築浅の中古住宅の割に、内装がひどく傷んでいる場合もあります。例えば前の住人が食べ物や飲み物をこぼしていたり、床や壁がボコボコになっていたりと、築年数が経過した住宅のように劣化が進んでいるケースもあるのです。

単純に見た目が悪いだけではなく、設備が壊れていて使い物にならないといった事態もあるかもしれません。そのため築年数で物件を判断するのではなく、隅々までチェックしたうえで購入を決断しましょう。

諸経費を含めると実は新築住宅を購入できるケース

築浅の中古住宅の中には、諸経費を含めると新築住宅の購入時と変わらない価格になってしまうケースも稀にあります。住宅を購入する際は物件価格だけではなく、外壁や屋根のメンテナンス、内装リフォーム、仲介手数料といった諸経費も発生します。

そのため、総額で比較すると新築物件と同等の価格、もしくは新築物件のほうがリーズナブルな価格で購入できるケースもあるのです。築浅の中古物件だから安く購入できると決めつけずに、必要な諸経費も全て計算したうえで納得のいく物件を購入しましょう。

住宅の売却理由がネックになるケース

築浅の中古住宅は数年とはいえ、別の人が住んでいた家です。そのため、住宅を売却した理由が気になる人もいるでしょう。考えられる売却理由は、以下のとおりです。

  • 転勤や介護によって転居を余儀なくされた
  • 住宅ローンを払えなくなった
  • 所有者の離婚や死亡によって転居した

売却理由が離婚や死亡といったハード面であれば、購入をためらう人も多いかもしれません。しかし、転勤や介護による転居が理由であっても気になるのであれば、中古物件の購入は控えたほうが良いといえるでしょう。

築浅の中古住宅を購入するメリット

築浅の中古住宅を購入するメリットは、主に以下のとおりです。

  • 耐久性がある
  • 内装リフォーム費用が少額で済む
  • 耐震基準が高く作られている
  • 新築より安く買える

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

耐久性がある

築浅の中古住宅を購入するメリット1つ目は、耐久性があることです。住宅が建設されてから日が浅いため、外壁の劣化や基礎のひび割れなどが生じている可能性は低いでしょう。そのため経年劣化で生じる現象は、比較的少なくて済みます。

内装リフォーム費用が少額で済む

築浅の中古住宅を購入するメリット2つ目は、内装リフォーム費用が少額で済むことです。築浅の物件は見た目がきれいな状態であることが多く、すぐにリフォームしなければいけないケースは少ないでしょう。

前の住人が内装を汚していたり、壊していたりしなければリフォームしなくても使用し続けられる住宅もあります。

耐震基準が高く作られている

築浅の中古住宅を購入するメリット3つ目は、耐震基準が高く作られていることです。住宅は建築した当時の建築基準法の内容が適用されるので、築浅であればあるほど安心感があります。

現行の基準で建築された住宅は、築年数が経過した住宅よりも耐震性が高いため、大きな地震が来ても耐えられる可能性が高いでしょう。

新築より安く買える

築浅の中古住宅を購入するメリット4つ目は、新築物件よりも安く買えることです。築浅とは言え中古住宅である以上、新築住宅よりも安く買えるのが一般的です。また、築20年以内であれば住宅ローン控除を受けられるため、コストを抑えながら住宅を購入できます。

他にも、中古住宅は水道負担金が発生しないのもメリットのひとつです。水道負担金とは、新たに水道利用を始める際に発生する費用のことで、中古住宅の場合は前の住人が支払っているため支払いが免除されます。

水道負担金は住まいの自治体によって金額が異なるものの、高いところでは数十万円発生するケースも。そのため入居時に発生する費用を抑えたい人には、中古住宅がおすすめです。

築浅の中古住宅を購入するデメリット

築浅の中古住宅を購入するデメリットは、以下のとおりです。

  • 住宅の価格は下がる
  • そもそも物件数が限られる

ここでは、2つのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

住宅の価格は下がる

築浅の中古住宅は、購入後に資産価値が下がる点も考慮しなければいけません。土地の価格は市場によって決まるものの、建物は築年数の経過によって下落します。

築年数が浅いほど値下がり幅が大きいため、今後ますます住宅の価格は下がり続けるでしょう。そのため、築浅の中古住宅を購入する際は、資産が目減りする点に注意が必要です。

そもそも物件数が限られる

築浅の中古住宅は、物件数が少ない点もデメリットのひとつです。通常、戸建住宅は長く住むことを前提に購入するため、新築物件を購入後、数年で売却する人はそれほど多くありません。

そのため、築浅の中古住宅を購入したいと思っても、希望に沿った物件を見つけるのは難しいでしょう。

中古住宅購入前はホームインスペクションを利用するべき

中古住宅を購入する場合は、ホームインスペクションを利用しましょう。住宅は、新築時の段階でおよそ30~40%ほど補修を検討すべき箇所が存在します。築年数が経過するほどリスクは上昇し、築10年以上の物件では約60%の住宅に補修が必要とされています。

また、築年数が経過するほど住宅が傾く恐れがあるため、事前に住宅の危険性を把握しておかなければいけません。

中古住宅を購入する際は事前にホームインスペクションを入れておき、「欠陥部分はないか」「今後どのような補修が必要となるか」を見てもらうことが大切です。補修箇所がわかれば将来かかるリフォーム費用も算出できるため、住宅ローンの返済計画も立てやすくなるでしょう。

さくら事務所では、精鋭のホームインスペクターがプロの目線で住宅診断を行っています。客観的なアドバイスも実施しているので、中古住宅を購入する際の参考にしていただけるはずです。ホームインスペクションを活用すれば、より快適な暮らしを実現できるでしょう。

ホームインスペクター 柴尾 竜也
監修者

さくら事務所 プロホームインスペクター

柴尾 竜也

住宅の販売、仲介、現場施工管理、工事監理と一戸建て住宅に関連する業務に従事。その後、さくら事務所に参画。神奈川県を拠点として東日本に対応。