住宅の断熱性能は住み心地に大きく影響します。しかしさくら事務所の統計結果によると、新築の断熱工事の施工不良が約6割の現場で見つかっているのが現状です。
断熱材が正しく施工されていないと冷暖房の利きが悪かったり、極端に暑い(寒い)部屋があったりします。最悪の場合、壁の中で結露を起こして住宅の寿命を早めてしまうことも。
本記事では、断熱材の施工不良を確かめる方法とチェックポイントについて事例を交えて解説します。断熱材の施工不良が心配な方は、ぜひ参考にしてください。
【独自調査】断熱工事の不具合指摘率は約6割

さくら事務所が2023年に依頼を受けた新築工事中ホームインスペクションをもとに算出した、不具合の指摘率(会社規模別)をまとめたものが上記の表です。
断熱工事の不具合指摘率は全体で57%にものぼっています。他の工程の指摘率の高さも気になるところですが、これほど多くの現場で、断熱工事の施工不良が発生しているのが現実です。
またこの検査結果で最も指摘率が高かったのが、意外にも大手でした。
準大手は大手との差別化を図る目的などにより、断熱・省エネ性能に力を入れている会社も多く、断熱工事の施工品質の高さに表れているのではないかと考えられます。
断熱材の施工不良に関しては「大手ハウスメーカーだから安心」とは言えない状況です。
断熱工事以外も含めた工程別の施工不良については、下記動画を参考にしてください。
【有料級】新築工事中の施主検査重要チェックポイント!〈工程別に徹底解説〉
断熱材の施工不良が多い理由
断熱材の施工不良が多い理由はおもに以下の2つです。
・人為的ミスは起こる
・業界の深刻な人材不足に陥っている
断熱工事に限りませんが、人の手で作り上げていく部分は大なり小なり人為的ミスは避けられません。
さらに建築業界は深刻な人材不足です。
職人は「今日は〇〇会社の厳しい基準を守り、明日は△△会社の独自工法で施工する」など混同しやすい状況になっています。
ミスがあっても途中で気が付いて修正できればよいですが、多忙により余裕のない現場監督が増えており、十分なチェック体制がとれていない現場も多いです。
施工ミスは許されるものではありません。しかしミスは起きるものと考え、第三者による点検を入れるなど、発注者側の対策も必要といえるでしょう。
新築工事中ホームインスペクション(第三者検査)
新築一戸建てホームインスペクション(完成検査・内覧会立会い)
そもそも断熱材はどのように施工される?
断熱材の施工不良の確認方法の前に、施工法について理解しておきましょう。
断熱材は、外気に面するところ、具体的には床下・屋根裏・壁をまるっと覆うように施工します。
袋に入った綿状のグラスウールやロックウール、泡状のものを吹き付ける吹き付け断熱が主流です。
断熱材を部分的に入れ忘れる、隙間がある、厚さが足りないなど、適切に施工されていなければ、本来の断熱性を発揮できません。
断熱材の施工不良がないか自分で確かめる方法
断熱材の施工不良がないか自分で確かめる方法は、タイミングによって留意点が異なるため「断熱材が見えているとき」と「完成後」に分けて紹介します。
断熱材が見えているとき
断熱材の施工不良を確かめる理想のタイミングは断熱工事が終わったあと、断熱材が見えているときです。
万が一、施工不良が見つかった場合も大がかりな工事なしで補修できます。
断熱材の施工不良がないか確かめる方法は、目視が基本です。外気に面する部分に断熱材がすき間なく敷き詰められているか点検します。
断熱の仕様は矩計図(かなばかりず)や仕様書に記載されているため、照らし合わせて確認しましょう。手元にない場合は、現場監督に依頼するともらえます。
<矩計図>
工事中に現場に行く際は、必ず現場監督の許可を取ってください。可能であれば、現場監督に一緒に点検してもらうとよいでしょう。
完成後
すでに完成している住宅の場合は、断熱材が見える範囲での点検になります。
天井裏と床下は、それぞれ点検口から覗き、ライトで照らしながら断熱材が敷き詰められているかチェックしてください。
床下に入ったり天井裏に上ったりするのは危険です。無理なく見える範囲で確認しましょう。
完成後は壁の断熱材は見えませんが、プロに依頼するとサーモグラフィーカメラによる温度変化で状況確認できます。
工事中、完成後問わず、自分で点検するのが不安な方はプロに依頼するのが確実です。
新築工事中ホームインスペクション(第三者検査)
新築一戸建てホームインスペクション(完成検査・内覧会立会い)
【ここをチェック!】よくある断熱材の施工不良を事例とともに紹介
ここからは断熱材の施工不良を確認するときのチェックポイントを事例とともに紹介します。
よくある断熱材の施工不良は以下のとおりです。
・断熱材を入れ忘れている
・断熱材に隙間がある
・床下の断熱材が落ちている
順に見ていきましょう。
断熱材を入れ忘れている

意外にも多いのが、上記の写真のような断熱材の入れ忘れです。とくに以下のような設計が複雑な家は気を付けて点検してください。
本来1階の天井は2階の床になっており断熱材は不要です。しかし赤枠部分は、外気に面するため断熱材が必要になります。室内側から見ると連続する天井であることから、入れ忘れやすい場所です。
また面積の小さい部分もしっかり点検してください。袋入りの断熱材は加工せずそのままはめ込めるサイズで納品されますが、面積が小さい場所は、現場でカットしなければいけないため忘れられがちです。
断熱材に隙間がある

上記の写真のように、断熱材に隙間がないかも点検しましょう。少しでも断熱材に隙間があれば断熱効果が弱まります。
窓サッシや配管の通気口周りなど、開口部はとくに隙間が生じやすいです。
上記の右写真は、吹き付け断熱の厚みが足りずに隙間があいています。隙間がなくても、既定の厚みに達していなければ施工不良です。既定の厚みを図面などで確認し、現場でチェックしましょう。
また断熱材の隙間の指摘の中には、防湿層となる防湿シートの不具合(破れや隙間)もとても多い印象です。断熱材自体に隙間がなくても、防湿層がしっかり施工されていないと、冬場に内部結露等が生じるリスクや気密性能が下がりやすい等の問題が考えられます。
床下の断熱材が落ちている

上記の写真のように床下の断熱材が落ちているケースもあります。断熱材の固定が不十分だったり、断熱材のサイズがあっていなかったりすることが原因です。
そのほか断熱材に隙間があったことで、断熱材内部に湿気がたまり、水分の重みで落下することもあります。
施工直後は落ちていなかった可能性が高いです。床下の点検口からも自分で確認しやすいポイントのため、意識して見てみてください。
断熱材の施工不良はプロの点検がおすすめ
断熱材の施工不良はすぐに気が付く部分もありますが、断熱材の種類によって施工時の注意点が異なり、点検するポイントも変わってきます。
住み心地に大きく関わってきたり、後から補修が大変だったりするため、不安がある方はプロに点検を依頼するのがおすすめです。
点検を依頼するタイミングは、断熱材の施工が終わって壁がない状態が理想ですが、完成後でも遅くはありません。
約6割の新築で断熱工事の施工不良が見つかっていることから、長く快適に暮らせる住居を手に入れるためには、プロによる断熱検査が不可欠と言えるでしょう。
さくら事務所では、断熱材の施工不良の発見および防止に効果的な、新築工事中・完成後のホームインスペクションを実施しています。
断熱工事以外の施工不良対策としても有効なため、ぜひこの機会にご活用ください。
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