中古住宅はいちど人が住んでいるだけに、建物にさまざまなトラブルを抱えていることが少なくありません。中古住宅を購入した後によくあるトラブルをあらかじめ知っておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。この記事では、中古住宅を購入後によくあるトラブルと、万が一トラブルが発生したときの対策を紹介します。
中古住宅購入後のよくあるトラブル
「新築には手が届かないけれど、中古なら買える」「立地で選んだら中古住宅のほうがよかった」などさまざまな理由で、中古住宅の購入を検討する人は少なくないでしょう。
中古住宅を購入した後によく発生するトラブルを、ご存じでしょうか?
今回はホームインスペクション実績68,000組を越えるさくら事務所が、中古住宅購入後によくあるトラブルについて、まとめました。
この記事を読んでおくと、中古住宅購入後のトラブルを未然に防いだり、対策をしやすくなったりします。ぜひ最後までご覧ください。
シロアリ・雨漏り
中古住宅の購入後によくあるトラブルのひとつが、シロアリや雨漏りによる建物の傷みです。
シロアリ・雨漏りは中古住宅のよくあるトラブルにもかかわらず、内見時にはわかりにくい現象でもあります。
内見時の雨漏りをチェックする方法は、壁や天井に雨漏りのシミがないか目視でくまなく確認することです。
一方でシロアリ被害のチェックは、空き家ならともかく、現住している建物を内見する場合「シロアリがいないか」を確認するために床下までチェックすることはほぼ不可能ですよね。
その場合は、売主に建物の修理履歴を見せてもらい「防蟻工事(消毒)」をしているか、またいつ頃工事が行われたかを確認しましょう。
もし防蟻工事を5年以上やっていない場合は、工事に関する費用がかさむことを計算に入れる必要があります。
電気・水道まわりの設備故障
電気設備や水回りの設備の耐用年数は、15年とされているため、15年以上が経過した建物は、毎日使う電気や水回りの設備の故障が経年劣化により起こりやすくなっています。
内見時に短時間で確認した程度では、見つからないことがあります。
中古住宅の購入後のトラブルを避けるためには「購入後の保証期間はどのくらいか」「どの程度まで保証されるのか」を契約前に確認しなくてはいけません。
内見の時点で、電気・水道周りの設備に少しでも不安があった場合は、必ず売主に保証について確認しましょう。
リフォームが依頼通りに行われていない
中古住宅を購入するにあたってリフォームを行った場合、依頼通りに工事が行われていないことがあります。
依頼通りにリフォームが行われていない場合は、工事を依頼した会社に「契約不履行」による責任を問える可能性があります。
住宅購入時は、リフォーム会社との契約書もよく読み、トラブルが起こった場合の対応方法について確認しておきましょう。
リフォームに関するトラブルを避けるには依頼先の会社が「リフォーム瑕疵保険」に加入しているかどうかを確認しておくことです。
柱など木部の腐食
木造の中古住宅の場合は、柱などの木部が腐食していることがあります。内見のときにわかれば修理や保証について売主に交渉することもできますが、見えない部分や気づかなかった場合は、購入後のトラブルの元になります。
よくある木部の腐食ポイントが「ベランダ」です。
ベランダは雨ざらしになるうえ、日当たりによっては紫外線によって傷みが進みやすくなる部分です。
ベランダのような屋外の木部の腐食は、修理に5万円以上の費用がかかってしまうことが多いです。
もし建物の主要な構造部分の木部が腐食していた場合は、修理費用がさらに高額になり、数百万円かかることもあるでしょう。
隣人とのトラブル
住宅の境界線についてのトラブルも、中古住宅を購入した後によく起こるトラブルです。
「明確に境界線が決まっている」と思いがちですが、そうではないケースが実は少なくありません。
特に古くからその土地に住んでいる人が多い場合、書面を作らず口約束のみで土地の境界線を決めていた可能性があるため、所有者が変わるタイミングでトラブルの元になっていることがあります。
中古住宅を購入する場合は、境界線のトラブルを避けるために測量を行い、境界線を明確にしておきましょう。
中古住宅購入後のトラブルを未然に防ぐ方法
ホームインスペクションを入れる
中古住宅購入後のトラブルを未然に防ぐには、さくら事務所でもサービスを提供している「ホームインスペクション」を利用する方法があります。
さくら事務所のホームインスペクションは、国内のパイオニア的な存在であり、業界No.1の実績(累計68,000件超)、満足度は98%(Google口コミ☆4.8)と高い評価をいただいているものです。(2022年9月現在)
中古住宅は、築年数が経てば経つほど住宅の傷みが進みます。
築年数が経過するにしたがって、瑕疵発生率が高くなる、といったデータもあるため、中古住宅購入の段階でホームインスペクションを入れて、
- 現状の欠陥部分がないか
- 将来住宅の修理にかかるであろう費用の算出
をしておくといいでしょう。
ホームインスペクションを行うと、プロの視点からトラブルの原因になりそうな箇所を可能な限りチェックしてくれます。
例えば一般的に行われている建物状況調査の場合、建物の傾き調査では、ひと部屋のみの情報を元に診断することがほとんどですが、ホームインスペクションの場合は、基本的にすべての部屋の調査を綿密に行います。
中古住宅の購入をするなら「不安のない状態で入居する」ために、さくら事務所のホームインスペクションを入れることをおすすめします。
内見時に徹底的にチェックをする
中古住宅を購入する場合は、内見時に建物をすみずみまで徹底的にチェックしましょう。引き渡しの前に「住宅が空っぽの状態である」ことを確認してから引き渡しを終えることがトラブルを避けるポイントです。
「空っぽの状態を見ずに引き渡し完了」という状況は、残念ながら普通に起こり得るため、必ず現地で確認をしてください。当たり前と思われるかもしれませんが、現状日本の不動産会社でこの点を徹底している仲介会社は少ないのです。
また、住宅の引き渡し前にやるべきことについて、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
契約内容をしっかり確認する
中古住宅購入後のトラブルを避けるためには、契約内容をもれなく確認することが肝心です。
ひとりだけで確認するのではなく複数人で確認すると、見落としが減るでしょう。
契約内容に関して少しでも疑問があれば、必ず売主に確認し、契約締結前に懸念を解消しておくことをおすすめします。
「契約書は漏れなく読んだけれど、問題があるかどうかわからない」場合は、ホームインスペクションを契約前に利用して、建物のプロによるチェックを受けましょう。
既存住宅瑕疵担保保険に加入する
中古住宅購入におけるトラブルをフォローする方法のひとつが「既存住宅瑕疵担保保険」に加入する方法です。
既存住宅瑕疵担保保険は、中古住宅の検査と保証がセットになった保険制度で、住宅専門の保険会社が引き受ける仕組みになっています。
この既存住宅瑕疵担保保険に加入することで、住宅に何らかのトラブルがあった場合のリスクを避けることが可能です。
可能な範囲で、既存住宅瑕疵担保保険に加入しましょう。
既存住宅瑕疵担保保険について、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
中古住宅購入後のトラブルが起きた場合の対策
契約不適合責任を追及する
中古住宅を購入後に万が一、トラブルが発生した場合は売主に対して「契約不適合責任」を追及することができます。
通常の注意を払っても気が付くことができなかった瑕疵は「隠れた瑕疵」といい、売主の責任において対応することとなっているのです。
これを「契約不適合責任」と言います。
「契約不適合責任」において売主に対応してもらうには、契約書に建物の瑕疵について明記されていないことが条件です。
契約書に建物の瑕疵について書かれていた場合は、売主ではなく買主の責任となるため、注意しましょう。
相談窓口へ相談する
中古住宅を購入後にトラブルが起こった場合は、国や民間の相談窓口を利用して解決法を探しましょう。 相談窓口の例として、下記が挙げられます。
- 国民生活センター
- 公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター|住まいるダイヤル
- その他行政組織(国土交通省・都市整備局・建築指導課など)
弁護士に依頼すると費用がかかるため、まずは国、あるいは国の指定を受けた組織・団体が運営しているサービスに相談することをおすすめします。
中古住宅購入後のトラブルはホームインスペクションで未然に防ぐ
中古住宅を購入し、新たな気持ちで不安なく新生活をスタートさせるには、住宅トラブルを未然に防がなければいけません。
新生活に向けて気がはやるあまり、中古住宅購入の契約をおろそかにしてはいけないのです。
住宅購入において起こりうるさまざまなトラブルを避けるために最も有効な方法が、契約や引き渡しの前にホームインスペクションを受けることです。
さくら事務所のホームインスペクションは、建物に精通した専門家・ホームインスペクター(住宅診断士)が、中立な第三者の立場から建物をくまなく調査し、不具合の報告やメンテナンス等についてアドバイスをするサービスです。
中古住宅に起こりがちな電気、水回りの不具合や雨漏り、シロアリ被害、木部の腐食の有無のチェックに活用できます。
中古住宅を購入する際には、さくら事務所のホームインスペクションをぜひご利用ください。