絶対にやらなきゃダメ! 中古住宅の「引き渡し前確認」

  • Update: 2022-06-22
絶対にやらなきゃダメ! 中古住宅の「引き渡し前確認」

いきなりですが、お願いがあります。

仮に、今この記事をご覧になっているあなたが中古住宅を購入したとします。

その際、物件の引渡しを受ける前のタイミングで、仲介業者に「物件の中を確認したい」と必ず伝えてください。そして、実際に現地に行って確認をしてください。「絶対に!」です。

世の中、「絶対に」と言い切れることはそれほどありませんが、この件については「絶対に!」です。

少々強いもの言いになりましたが…本記事では、なぜ引渡し前の確認が必要なのか?ホームインスペクション(住宅診断)業界No.1さくら事務所が誇る住宅のプロ(ホームインスペクター)が、徹底解説いたします。人生における大きな買い物で後悔することがないよう、ぜひ参考にしてみてください!

※YouTubeでの動画解説はこちら

 

 

 

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引渡し後、あらためて中を見ると…壁や押し入れに雨染みが!?

絶対にやらなきゃダメ!中古住宅の「引き渡し前確認」押し入れ雨漏り

中古住宅を購入する場合、売主が住んでいる時に物件の内見をすることがあります。「素敵な家だ。買いたい!」となって契約をし、実際に引渡しを受けて物件を見に行くと…なんと壁や押し入れに雨染みが。

梅雨時期に多い、「あるある」の出来事ですが、なぜこんなことが起きるのかというと、家具や荷物に隠れて売主自身も気がついていなかったのですね。当然、内見した買主も気がついておらず、それが引渡し後に発覚したというわけです。

こうした不具合は、引渡しの「前」に見つかっていれば、売主や仲介業者を相手に交渉ができます。ただし、引渡しの「後」になってしまうと、そう簡単にはいかないのです。

「空っぽの状態を見ずに引渡し完了」が普通に起こり得る

中古住宅の取引の流れを確認しましょう。一般的には、以下のように7つの工程で取引が進みます。

  • STEP 1:物件を内覧
  • STEP 2:購入申し込み
  • STEP 3:ローン事前審査
  • STEP 4:売買契約
  • STEP 5:ローンの本申し込み
  • STEP 6:ローン契約
  • STEP 7:決済・引渡し

多少前後することはありますが、ざっと、このような感じです。

ここで問題なのが、「引渡し前の確認」が含まれていないこと。一般的な取引の慣習の中では、必ずしも必要とされていない工程なのです。そのため、物件を内覧して以降は一度も物件を見ることなく引渡しを迎え、「鍵をもらってから初めて家具や荷物のない空っぽの状態を見ました」という信じられないことが起こり得るのです。

こういうお話をすると、「契約条件の中に契約不適合責任があるからいいじゃないか」という反論を受けることがあります。

契約不適合責任があれば、引渡し後の数カ月の間は、物件に何か不具合があったら売主が修繕しなくてはなりません。それは確かにそうです。そうなのですが……、実態を見ていくと、易々とはいかないものなのです。

それは「契約不適合責任」は万能ではない!という実態です。

「契約不適合責任」は万能ではない

「契約不適合責任」は万能ではない

そう、万能ではないのです。

まず、契約不適合責任に「免責」がついていることがあります。不具合が引渡し前に見つかれば交渉可能ですが、引渡し後に見つかった不具合に関しては一切交渉に応じません、というものですね。こうした免責がある場合、引渡し後に不具合が見つかっても、泣き寝入りするしかありません。

では、契約不適合責任がある場合はどうなるか。

引渡し後に雨漏りが見つかったとしましょう。売主に責任があるので、現地調査、見積もりを経て修繕を進めることになります。ただ、雨漏りの修繕には幅があり、最低限の補修であれば5万円程度で済むものの、根本的に直すとなると300万円以上かかってしまう、なんてことも。

売主としては、既に引渡しが済んでいるわけですから、最低限で済ませたい。一方、買主はこれから長く住むわけですから、どんなに費用がかかってもしっかり修理してもらいたい。売主と買主、この両者の希望の落とし所を探るのが大変なのです。

売主と買主の間に立つ仲介業者の動きも、あからさまに悪くなります。物件の引渡しが済んでいて、既に仲介手数料をもらっているので、仲介業者にとっては「終わった案件」なわけです。モチベーションも上がらず、中には担当者が姿を消してしまうことも……。

というわけで、契約不適合責任があったとしても、問題が引渡し後に発覚した場合は売主との交渉に時間がかかりますし、仲介業者の動きは悪いですし、いつの間にか半年、1年と時間が経ち、いつまで経っても引っ越しができなくなってしまう。実際にある話です。「契約不適合責任」は万能ではなく、頼りにならないこともあるんだと考えておいてください。

逆に、引渡し前に不具合が見つかった場合、売主としては、修繕だけでなく、売買代金から減額するという選択肢を取ることもでき、落とし所を見つけやすくなります。仲介業者としても、引渡しが終わっていない、すなわち仲介手数料をもらう前の「継続中の案件」ですので、必死に間を取り持ってくれることでしょう。

契約不適合責任の有無にかかわらず、必ず引渡し前に物件を確認すること!

中古住宅の欠陥発見にはホームインスペクションを

契約不適合責任の有無にかかわらず、引渡し前に物件を確認することの重要性が理解できましたでしょうか。物件が空っぽになった状態を必ずチェックしてください。ご不安があれば私たちのような第三者機関のインスペクションを活用いただくとベターです。

冗談のようなお話ですが、雨漏りなどの不具合だけでなく、引渡し後に鍵を開けて中に入ったら家具や荷物が置きっぱなしだったということがままあります(残置物[ざんちぶつ]と言います)。引渡しが済んでしまっているため、買主自らが処分費用を負担せざるを得なくなった……ということがあるのです。これもやはり、引渡し前に物件を確認しさえすれば防げる問題ですよね。

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、新築物件の売買の場合、引渡し前の内覧会、物件の確認は当たり前のことです。それなのに、中古物件の売買においては、それがない。大変な問題を孕んでいるにもかかわらず、です。

最後に改めて。中古住宅を購入するときには、引渡し前のタイミングで必ず物件の確認を行ってください。「絶対に」ですよ!