【中古住宅】契約後の注意点とは?これをやらなきゃ自己責任!

  • Update: 2022-09-27
【中古住宅】契約後の注意点とは?これをやらなきゃ自己責任!

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

中古住宅を購入された方や今後購入する予定がある方は、「引渡し前確認をしたい」と仲介担当者に伝えましょう。引渡し前に物件の現状を確認することは重要であるにも関わらず、現在の取引の流れでは行われていません。そのため、さまざまなトラブルに発展することも珍しくないのです。

そこで今回は、中古住宅を購入した際に引渡し前確認をすべき理由を解説します。契約不適合責任についても解説しているので、併せてチェックしていきましょう。

中古一戸建てホームインスペクション(住宅診断)

【基礎知識】一般的な中古住宅の取引の流れ

中古住宅を購入した場合、引渡し前確認がされていないのが現状です。多少順番が前後することがあるものの、一般的な取引は上記のような流れとされています。

取引の流れを見ればわかるように物件を内覧した後、買主が建物の内部を見るのは引渡しの後です。つまり、売主が引っ越しした後の建物全体を見ることなく、住宅を購入することになります。2〜3回内覧したからといって、安心はできません。これは大きなリスクを伴う行動であるため、弊社ではステップ7の引渡しの前に、物件を確認してもらうよう勧めています。

なぜ重要?引渡し前確認をすべき理由

中古住宅を購入した際に、引渡し前確認が重要な理由は、引き渡しを受けた後では手遅れとなってしまう、以下のようなケースを避けるためです。

家具があった場所の不具合

家具の背面にあった染み

 

例えば、内見で気に入った物件を契約し、引渡し後に家を見に行ったら雨染みができていたという事例があります。内見時は売主の家具や荷物が置かれていたため、誰も雨染みに気付けなかったのです。

それと同様に家具をどかしたら大きなヒビが入っていた、家具があった場所の床鳴りがするといった事例も少なくありません。

もし、引渡し前に気付いていれば売主や仲介担当者と修繕についての交渉ができるものの、引渡し後に発覚した場合はいろいろと手続きが大変です。こういったトラブルを起こさないためにも、弊社では引渡し前確認を推奨しています。

前に住んでいた人の大量の残置物

まだ住んでいるかのような大量の家具や生活雑貨

 

残置物に関する問題も中古住宅の売買時に発生しやすいトラブルで、引渡し後に住宅の中に入ってみると売主が使っていた家具や日用品などが、そのまま残っていることがあります。仲介業者に残置物の処理を依頼したところ、「使いませんか?」と返答されたというケースも…。

引渡し前に物件を見に行っておけば売主に相談できるものの、引渡し後であれば自分で処分したり、仲介担当者に連絡したりしなければならず、さまざまな負担が生じるでしょう。

当然自分で処分するとなれば余計に費用もかかります。このようなトラブルを未然に防ぐためには、引渡し前確認をして現地の状況を把握しておけば早い段階で残置物問題に気付くことができます。

腐敗臭がする

見えなかった押し入れの中に雨染み

 

住宅における不具合は目に見えるものだけではありません。人が住んでいるときには、芳香剤や生活臭でまぎれてわからなかった「におい」が、空っぽになったお部屋だとはっきりとわかるようになり、「腐敗臭」のような不快なにおいに気づくケースもあります。

部屋全体がうっすら臭うようであれば、どこかが雨漏り、もしくは水漏れして、部材が腐っていたり、壁紙の裏にカビが生えているといったことが考えられます。また、臭う場所が水回りであれば、排水管が劣化して破損している可能性もあります。

「におい」も住宅の見えない不具合に気づく大きな手がかりです。引き渡しを受ける前に一度、空っぽになったお部屋を確認しておくだけで、このようなリスクも避けることができます。

【注意】契約不適合責任は頼りにならない場合も!?

引渡し前確認をしなくても、契約不適合責任があるから問題ないと考える人もいるでしょう。そもそも契約不適合責任とは、物件に何らかの問題があった場合に売主の責任とする契約のことです。契約不適合責任があれば一定期間のトラブルには対応してもらえますが、引渡し前確認をしなくてもいい理由にはならないのです。

ここでは、その理由について詳しく解説します。

契約不適合責任が免責の場合

契約不適合責任が免責の場合は、問題がいつ発覚するかによって交渉の有無が変化します。

  • 引渡し後に問題が発覚:交渉不可能
  • 引渡し前に問題が発覚:交渉可能

引渡しの後に問題が発覚すると、そもそも交渉することができません。なぜなら、「免責」であるため、売主が守られるからです。しかし、引渡し前に問題が発覚すれば当然交渉できます。契約不適合責任が免責になっている場合は、必ず引渡し前に現地へ行き、建物が空っぽの状態を確認すべきです。

契約不適合責任がある場合

契約不適合責任がある場合も、問題が発覚したタイミングによってその後の対応が異なります。

 

【引渡し後に問題が発覚した場合】

  • 売主が修繕するしか選択肢がない(減額する、といった他の対処法がない)
  • 仲介業者の動きが悪くなる(最悪、飛ぶリスクもある)
  • 引渡し後なのに引っ越しできない

 

引渡し後に問題が発覚すると、売主はトラブル元を直すしか選択肢がありません。しかし、売主にとってはすでに所有権が失効しているため、最小限の修繕で済ませたいと考えるでしょう。売主と買主の間で、どのあたりで折り合いをつけるかといった話し合いを行うことになります。

引渡し後だと仲介担当者もスムーズに手続きを進めてくれません。物件を引き渡した後なので他のお客さまを優先してしまうからです。その結果、引渡し後で自分の家になったにも関わらず、「引っ越しできない」「荷物を運べずに普通の生活ができない」といったトラブルも生じるでしょう。

つまり、契約不適合責任があっても引渡し後にトラブルが生じれば、さまざまな問題が発生します。

 

【引渡し前に問題が発覚した場合】

  • 修繕する・減額するなどの選択が可能
  • 仲介業者も一生懸命動く
  • 引渡しの時期も柔軟に対応できる

 

引渡す前であれば修繕箇所を直すだけではなく、売買価格から減額できる方法も考慮できます。売主や仲介担当者と納得のいく形で、売買契約を進められるでしょう。

また、仲介業者も引渡し前は仲介手数料をもらう前なので、一生懸命トラブルシューティングしてくれます。引渡し前にトラブルが発覚すれば、引渡しの時期を遅らせるといった柔軟な対応も取りやすくなります。

以上のことから、契約不適合責任の有無に関わらず、引渡し前に現地へ行き、物件をチェックしておくことが大切です。

引渡し前確認をするだけで、さまざまなトラブルを回避できます。より詳しく調査したい方は、インスペクション(住宅診断)を利用するのがおすすめです。

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ホームインスペクター 豊泉 元
監修者

さくら事務所 プロホームインスペクター
さくら事務所 住宅診断プランナー

豊泉 元

大学工学部卒業後、建設会社に入社。ものづくりを現場で経験するため、住宅の基礎やマンション躯体の施工業務に職人(多能工)として従事。その後、大手リフォーム会社の現場管理者として、既存住宅及びマンションの改修工事に携わる