ゴールデンウィーク・事前&もしもの備えは?外出先・交通機関別の注意したいポイントを解説

  • Update: 2023-04-28
ゴールデンウィーク・事前&もしもの備えは?外出先・交通機関別の注意したいポイントを解説

二度目の行動制限なきGW!

 今週末より、いよいよゴールデンウィークに突入します。昨年に引き続き新型コロナウイルスによる行動制限もなく、5月1日、2日を有給休暇とすれば最大9連休となる2023年のゴールデンウィーク。行楽先に行かれる方、ゆっくり帰省される方、近場のアウトドアや公園などでごゆっくりされる方もいらっしゃるでしょう。行楽地等に行かれる方は、普段住んでいる街とはまったく違う土地に行かれることも多くなると思います。海や山、川も普段とは全く違う環境で、海外などではなおさらのことでしょう。

 しかし、慣れない旅行先特有の環境で事故や、災害に遭うという可能性はゼロではありません。どんな事故や災害に遭う可能性が有るか、事前に心がまえと注意点を知って、備えがあればいざという時にも安心です。行楽先で少しでも役立つポイントについて、行先別、交通機関別に「2023年ゴールデンウィークに気を付けたい!行き先別・もしもの備えは?」としてまとめました。

行先別・もしもの備えのポイント

 山、川、海、あるいは海外、普段と違う環境に行かれることも多いと思いますが、それぞれのケース別にポイントについてまとめました。なお、「街」や宿泊先で注意すべきポイントは、「北海道胆振東部地震の教訓10選~現地で体験した大規模停電と通信障害」をご覧ください。

山へレジャー

 花が咲き、新緑の美しいこの時期、山に行くと気持ちいい季節になりました。山の天気は変わりやすく、平地より影響を受けやすいことが多いといえます。天候や気象情報には注意して、行く前は行楽先の山の情報(入山・立ち入り規制や交通規制、危険動物の出現なども)について入手することと、山にいる間はこまめに最新の情報や、雨雲レーダーの確認などを行って、急な天候の変化による影響がないようにすることをお勧めします。平地よりも気温が低い地域も多く、近くの気温などを確認して服装も備えておきましょう。

 山はその成り立ちから、「火山か、火山でないか」で分けられます。火山は、雄大な景観や山並みだけでなく、豊かな温泉などの魅力や恵みももたらしてくれますが、とくに活動を続けている火山(活火山)である場合、火山災害を引き起こすことがあります。ときに、2014年に死者58名、行方不明者5名を出した御岳山の噴火災害のような被害を引き起こすことがあります。

 まず、行こうとする山が活火山かどうかを確認しておきましょう。気象庁が発表している(火山登山者向けの情報提供ページ)では、一週間以内に火山に関する情報を発表したに活火山について掲載されています。噴火警戒レベルを確認し、特に入山や火口付近を含む登山の際は噴火警戒レベル2以上に警戒です。ただし、警戒レベルは順を追って高くなるわけではなく、急な火山活動がある可能性もあるケースもあります。行先が活火山である場合は、火山ハザードマップを見ておくことも万一の備えになります。とくに登山で火口近くに向かう場合などは、どのようなリスクがある場所に向かうかは知っておきましょう。

噴火警戒レベルとは?(気象庁HPより)

 活火山と、活火山以外の山に共通する事項としては、まず登山をする方で登山届制度が導入されている山であれば、入山の際に届出を行いましょう。登山をされない方は、山地では豪雨や地震があった際に土砂災害が発生しやすいことがあります。土砂災害の直接的な被害がなくとも、途中の道路が寸断されて戻れなくなるようなケースもあります。「山登りでないから関係ないよ」と思われがちですが、登山をしなくとも山のほうに向かう際には山地の災害は無視できないと考えられます。

 秘湯のような沢沿いの場所では、周囲にがけや斜面がなくとも、意外と土石流の警戒区域等に指定されている場所であることもあります。「重ねるハザードマップ」から、宿泊先付近の土砂災害ハザードマップを見ておくことをお勧めします。念のため、複数ルートでの移動ができるかどうかや、宿泊先とその周辺における避難場所なども確認しておくと安心できます。

川へレジャー

 山や高原に行かれる方は、川遊びをされるという方も多いことでしょう。川は波もなく深い場所もないように思われますが、水難事故の多い場所でもあります。また、川に直接入らなくとも、釣りや川沿いのバーベキューなどでは急な増水により影響を受けることがあります。事前に十分に気象情報を確認しておくことと、現地では周辺だけではなく、川の上流部で大雨が降っていないかなど、こまめに雨雲レーダーの情報などを確認しておくことをお勧めします。

 昨年8月には「川が増水 沢登りのツアー客ら53人 無事救助」というニュースがありました。川では「急な増水」に注意が必要です。遊んでいる場所で雨が全く降っていなくても、上流側で豪雨があった場合には、急な増水が発生することがあることを知っておきましょう。わずかな時間で、水位はみるみる上昇し、先ほどまで通れた流れが通れなくなることもあります。下の写真は、山間を流れる富士川水系の河川の増水です。上流側で雨が降って増水があった際、平常時から数十分後に通った際の川の様子で、増水後は川を渡って戻ってくることが難しい状態になっていることがわかります。上流にダムがある河川では、ダムの放流に関する情報確認も重要です。

 増水は気にしていないと気づきにくいこともありますが、水が濁ってきたり、水位が増してくると川岸の落ち葉が流れてくることがあります。写真でも、増水後には落ち葉がよどみに集まっている様子や、水の色が濁ってきていることが分かります。川の様子にも気を配り、水の色や流れ方に変化がないか確認することが望ましいでしょう。中州や、背後が急な崖などで登れない場合などは戻れなくなることもあるので、上流部での降水があるような際には、前倒しでの撤収などが適切です。

川の急な増水の例(富士川水系・横山芳春撮影)

 川遊びの際は、酒に酔った状態で水に入らない・近づかない、子供さんを連れてきている場合は、子供だけで遊ばせない、子供からは目を離さないことが重要です。川に入らない場合でも、落水に備えてライフジャケットを着用することが推奨されます。川は急に深くなる場所や流れで足を取られることもあるので、お子さんだけでの入水はせず、十分に浅く流れの弱い場所で遊び事が良いでしょう。川の水温は低いことも念頭においてください。

 川の中や河原だけでなく、川の近くでは急な豪雨などがあると道路なども冠水、浸水することがあります。山の中の川であれば、豪雨の際には土石流の流れる川であることもあるでしょう。小さな河川や沢はハザードマップが整備されていないこともありますが、もともと川は洪水のときに水があふれることが当然の場所という理解も必要です。

 

海でレジャー

 海では、水も温んできて潮干狩りや釣り、磯遊びなどが楽しい季節となってきました。海で遊ぶ際には、強風や高波などの気象情報に注意が必要です。特に、基本的に強風や高波が予想される際は海のレジャーを控えたり、現地に着いた後でも内陸のレジャーや場所を変えて楽しむことなどをお勧めします。特にお子さんを連れているときには警戒が必要です。

 快適に遊べないばかりか荷物が飛ばされたり、人が波にさらわれることや、瞬間的な突風や高波で落水するなどの危険もあるでしょう。せっかく海まで来たからといって無理をして事故に遭ってしまっては台無しです。海のレジャーは、海の様子をよく見て楽しみましょう地形が入り組んだ地域の海であれば、「風裏」となる風や波の影響を受けにくい湾内や地形的に陰となる場所であれば影響が少ないこともあります。

 また、潮干狩りや磯遊び、釣りの際には、「潮の干満」の情報についてあらかじめ確認しておきましょう。海の潮位はおおむね1日二回、上昇(満潮)と低下(干潮)を繰り返しますが、月の満ち欠けにより潮位の高低に違いが出ます。干満の時間を考えないと、満潮時や干潮時でも潮が引かない時期には潮干狩りはほとんどできません。新月、満月前後は潮位差が大きくなり、釣りでは潮通しが良く釣果が期待できる「大潮」などと呼ばれます。潮位の確認には、気象庁が潮位表を公開しています。場所や日付を指定して閲覧できますので、事前に確認しておきましょう。干潮、満潮の時刻と、潮位の差がどれくらいあるかを見ておくのがポイントです。

潮位表の例(気象庁 HPより)

 今年のGW後半では5月6日(土)が満月で潮位差が大きく、昼前が干潮となります。潮干狩りには絶好の潮回りですが、午後になると次第に潮位が上がっていくでしょう。春の大潮の干潮は潮干狩りには絶好の時間帯ですが、干潮の時間以降は驚くほど速いペースで潮位が上がっていき、海が深くなっていきます。

 潮干狩りや釣りに夢中になっていて、気が付いたら周りが海だったということがあります。ゴールデンウィークの東京でも、干潮時と満潮時の潮位差は最大190㎝もありますので、気が付いたら海が深くなって戻れなくなってしまうケースや、置いていた荷物が流されてしまうというケースがあります。干潮の時間、満潮の時間を調べて、時計や周囲の海の様子を十分に警戒をしてください。

 さすがにまだこの時期に泳ぐという方は少ないと思いますが、浜遊び、磯遊びでもいくつか注意点があります。酒に酔った状態で水に入らない・近づかない、子供さんを連れてきている場合は、子供だけで遊ばせない、子供からは目を離さない、危険な生物を知っておき有毒な生物には触らない(打ちあがった死骸も有毒なことがあります)、などが挙げられます。有毒な生物を踏んだり、岩などによる裂傷を防ぐため、裸足では海に入らないようにしましょう。サンダルなども危険なことがあるので、マリンブーツなどが望ましいです。日焼けやけがの予防には、長袖シャツやラッシュガードも有効です。

 磯や護岸では、緑色(乾いていると黄緑色)に見える海藻の上を濡れた靴で歩いてしまうと非常に滑りやすいです。転倒すると護岸や岩の角で頭を打つなどのおそれもあり危険なので、特に海から上がるときに濡れた靴では不用意に歩かないようにしましょう。

 磯や護岸で遊ぶ際・緑色に見える部分は滑りやすいので要注意(横山芳春撮影)

  浜辺や磯、防波堤などでは、とくに波が高い時でなくとも一定の割合で通常よりも大きな波が来たり、船の通行で引き波が来ることもあるので、特にお子様連れの場合は、波の状況にも気を付けましょう。朝のうちは平気でも、次第に風や波が強くなっていくことや。風向きが変わることも良くあります。

 海沿いでは、津波の発生にはとくに要注意です。大きな地震の揺れを感じなくとも、沖合いや遠方で発生した地震などで津波が押し寄せることがあります。強い揺れを感じた際だけでなく、津波警報の発令や津波フラッグを見かけた場合には、近くの避難場所に避難できるよう、あらかじめ高台や津波避難ビルの方向を確認しておきましょう。津波ハザードマップを確認しておくことが理想ですが、海辺には津波の避難に関する看板、標識が出ていることが多いですので、海に向かう前に方向だけでも見ておくと、いざという時にも役立ちます。

キャンプを楽しまれる方は?

 コロナ禍で加速したとも言われるキャンプブーム一人キャンプやアウトドア調味料の流行、レンタル用具やキャンプ施設の普及・拡大もあって、キャンプを楽しむという人も多いでしょう。しかし、頑丈な建物での寝泊りとは違い、自然の中で布一枚のテントでは夜中の豪雨や強風があると寝るどころではなくなってしまうでしょう。事前に天候を確認し、荒天が見込まれる場合には予定変更なども踏まえた準備が必要です。風雨の中でのキャンプには、耐水圧のあるテント、タープの利用、抜けにくいペグの利用、設営や撤収にもしっかりした雨具が必要です。用具については、いきなり本番の前にあらかじめ使い方を確認しておきましょう。

 風雨の予報がなくとも、急な天候の変化や上流側での雨等に備え、特に宿泊する際にテントを張る場所は重要です。最近では簡単に張れるテントも増えていますが、場所選びは慎重に行いましょう。基本として、増水により水かさが増した場合や、豪雨や地震により落石等があった際に影響を受けやすい場所は避けるべきです。

 テントを張るのに適さない場所として、まず川の中州は言うまでもなくNGです。「川が増水 沢登りのツアー客ら53人 無事救助」のニュースでは、「キャンプをしていた親子3人が増水した川の中州に取り残され、およそ2時間後に、消防にボートで救助」という3名も含まれています。川の中州のほか、川の流れや水辺から高さの差がない場所、周りよりも低くなっている場所、崖の上・崖の下や傾斜地、岩が転がっている場所は避けましょう。水が集まってこない、平らで水はけが良く、安定している地面の場所が好ましいです。家選びの災害リスクの注意点にもよく似ていますね。

 先月の3月16日には、「キャンプ場で倒木、テントが下敷きに…29歳女性死亡」という痛ましい事故がありました。一般に木の下は日差しも避けられ、テントを張るのに適した場所だとされ、そもそも山の中では周りに木がない場所を探すことも難しいでしょう。今回のような事故は、稀なケースであるとは思います。ただし、明らかに枯れ始めていて勢いのない木の周辺は、倒木までなくとも、枝が落ちたりすることもあるので避けたほうがいいでしょう。新緑の季節なのに葉があまりついていない、枯れているような木の周りは避けたいです。

 建物ではなくテントでの宿泊は天候の影響を大きく受けます。気象情報や水位の情報はあらかじめこまめに収集し、荒天(とくに落雷や強風)、増水が見込まれる場合には予定を変更する勇気も必要でしょう。特に、悪天候の際は経験や装備が不足している状態では、安心して楽しいキャンプも難しくなるでしょう。情報、道具、技術共に十分な備えをすることが望ましいです。

海外に行かれる方は

 海外は、国内以上に慣れない環境であるといえるでしょう。「外務省 海外安全ホームページ 」などで治安などの情報と共に、念のため災害や地震などが発生していないか、チェックしておくと良いでしょう。災害で最も懸念され、突発的に発生する危険があるのは地震でしょう。地震大国日本と同様に、地震が多い国や地域もあります。

 出先で被災する可能性はゼロではありませんので、まず地震がある可能性が有る国や地域かどうかを知っておくだけでも心がまえになります。環太平洋の南米・北米西岸から日本、フィリピン、インドネシア、ニューギニア、ニュージーランドから、中国内陸部、ヒマラヤ周辺から、インド、イラン、トルコ、ギリシャ、イタリアなどが、地震が多い国であるといえます。

世界で地震が多く発生している場所は(気象庁 HP

 地震と共に、沿岸部や川の河口付近などでは津波にも警戒が必要でしょう。2004年のインド洋大津波では、プーケットやモルディブなどのリゾート地でバカンスを楽しんでいた海外からの観光客が多数犠牲になっています。日本人も35名が犠牲内閣府)になっています。その後20年近く経ち、各国で津波に対する警報等のシステムも発展していますが、有効に機能しない場合もあります。地震大国日本でも大きな被害を及ぼす津波への対策は、運用や避難場所が十分でない場合もあるでしょう。

 2018年9月にインドネシアのスラウェシ島北部で発生したスラウェシ島地震では、海底地すべりにより地震後すぐに津波が襲来しています。津波警報やラジオなどは停電で機能せず、住民に伝わらなかったなどで早期警戒システムが機能せず(出典)、被害が拡大しています。ハザードマップなども整備されていないこともありますので、海沿いの旅行先では津波の可能性は頭に入れておくと良いでしょう。

インドネシア・スラウェシ島地震の津波被災地(横山芳春撮影)

 地震や津波以外では、山岳地や傾斜地では土砂災害、低地や川の近くでは水害の影響を受けることがあります。活火山の観光地も多いですので、国内の山に行く時と同様、行先が火山かどうかは知っておくといいでしょう。大規模な火山災害があると、直接被害がなくとも噴煙により航空機の運航に影響が出て欠航等が発生することもあります。

 その他、治安の影響などで思いもよらない被害や、足止めなどの可能性もあるので、備えとしては飲食料等が手に入りずらいときのことを考え、食べなれたいつもの食べ物を旅行かばんに備えておくと、精神的にも支えになるでしょう。近年ではアジア圏などでもコンビニエンスストアが増加しており、飲食料も買いやすくなっていますので、お出かけ前にホテル周辺などで少し多めに揃えておくことをお勧めします。

 災害だけでなく、窃盗や落とし物をしてしまったときに備えて、パスポート番号、クレジットカード番号のほか、旅行代理店、航空会社、クレジットカード会社の連絡先、また大使館・領事館などの場所や連絡先も控えておくと良いでしょう。

交通機関別・もしもの備えのポイント

自動車での移動

 GW中の自動車の移動では、何よりも「渋滞」が心配です。2023年の連休では、下りのピークが5月3~4日、上りのピークは5月5~6日と想定されます。JAFや警察も出動件数が多く対応に時間がかかることも想定され、日常的に運転をしない人が運転するケースも増えてきます。とくに渋滞時には事故が増加しますので、無理のない運転を心がけましょう。

 渋滞が想定される際は、燃料のガス欠とトイレの確保に注意が必要でしょう。立ち往生がないように、事前の車両の点検(特にエンジンオイル、タイヤ等)、ガソリンは半分以下になったら給油、遠出をする際には事前に満タン、トイレは可能な際に行き、万一に備えた非常用トイレの備えをお勧めします。非常時の充電のためにはモバイルバッテリーや、余裕があればソーラーパネルも積んでおくと、エンジンをかけずに充電することが可能となるでしょう。

 このような車での備えは、通常の渋滞時のみならず、出先で被災してすぐに帰れない場合や、立ち往生してしまった際などに役立つものが多くあります。ガソリンやトイレの備えに加えて、予備となる飲食料を入れておく、布団や前掛け、上着、着替えなどを常備しておくと良いでしょう。飲食料は傷みにくいお茶や栄養補助食品などを常備し、賞味期限が近くなったら使って新しいものを補充するようにしておくことをお勧めします。

自動車用の緊急対応グッズの例(横山芳春撮影)

 防災を含めた万一への備えとしては、冠水した際などに緊急脱出するためのハンマーのほか、発煙筒、三角表示板、牽引用ロープを準備しましょう。これらは備えるだけではなく有効期間の確認や、どのように使用するかなども確認しておくといいでしょう。緊急脱出用ハンマーはお試しできませんが、フロントガラスははじかれて割れないことが一般なので、ドア(サイド)ガラスを割ります。ハンマー式のほか、押し当てて割る「ポンチ」タイプなどもあるので、使い方は平時のうちにチェックしておきましょう。

 このほか、折り畳みスコップ、ガムテープ・ビニールテープ(様々な補修に使えます)、パンク修理材、非常用照明、軍手、ビニール袋などを準備しておくと、事故や故障以外にも対応できることが多くなります。

 渋滞対策では、事前に交通情報を良く確認し、可能な限り長い渋滞に遭いにくい時間帯や経路をとることが望ましいでしょう。なお、今年のGWは4月28~29日、5月3~5日はETCの休日割引の除外となる(NEXCO東日本 HP)ことには注意をしましょう。深夜割引(0:00~4:00)は適用されるので、とくに都市に向かう手前にあるサービスエリア、パーキングエリアなどでは時間帯によって混雑も想定されます。

2023年ゴールデンウィークの高速道路「ETC休日割引」除外日(NEXCO東日本 HP

公共交通機関での移動

 鉄道、バス、飛行機等の公共交通機関でも、GW期間中は混雑が想定されます。通常より乗り換えや切符の購入などに時間がかかることがありますので、余裕のある行程とすることが良いでしょう。旅行や帰省の途中駅などで大地震などがあった際には、通勤・通学中の人だけではなく、旅行や帰省中の人も「帰宅困難者」になります。もし乗換駅などで地震が発生した際には、まずは身の安全の確保が重要です。大地震時などはむやみに混雑している場所で移動を開始すると「群集なだれ」の発生など危険なことがあります。もし移動中に帰宅困難者となってしまった場合には、近くの「災害時帰宅支援ステーション」を頼りましょう。コンビニエンスストア、ファミリーレストランなどの店舗が協力しています。災害時帰宅支援ステーションでは、水道水・トイレ・テレビ及びラジオからの災害情報の収集が支援や情報収集ができます。見慣れないかもしれませんが、以下のようなステッカーが目印です(地域や業種により異なることがあります)。

災害時帰宅支援ステーションのステッカー例( 内閣府 HP

東京、大阪、名古屋では以下の情報も参考として下さい。

帰宅困難者に対する支援|東京都防災ホームページ 

大阪市:災害時における旅行者を含む帰宅困難者の一時滞在受入れについて 

名古屋市:帰宅困難者支援サイト

 

 飛行機での移動は、空港までの移動や空港から先では鉄道・バスやレンタカーを使用することがありますが、急な欠航や遅延、行先変更などの場合もあるので、各航空会社からのメール配信などのほか、行先の天候や運航状況を確認しておくとよいでしょう。空港に着いてから自分の乗る便が欠航していた、ということもあります。備えと言う点では危険物とみなされるものの制限が多い状況です。災害や欠航の際は、空港や各航空会社からの支援や対応が得られることもあるので、連絡先などを確認しておきましょう。

共通の項目

 移動手段、行先を問わず共通で気をつけたいこととしては、いずれも天候・気象や交通情報を良く確認しておくことです。通常より行楽先に行く方の数が多く、移動に時間がかかることや、休憩や飲食、見学などにも混雑が想定されます。とくに自然豊かな場所の行楽では、気象状況などによっては普段通りのレジャーが安全に楽しめない場合もあります。無理をせずに、悪天候であれば取りやめる勇気も必要でしょう。人が多い場所では「群集事故」が起こることもあるので、できる限り密集状態にならないようにしたいものです。

 持ち物としては、万一に備え保険証、連絡先のわかるもの(できればスマホ、携帯電話と別で)、また常備薬、着替えのほか飲食料、予備のモバイルバッテリーなどがあると足止めなどがあった際にも安心です。金融機関や医療機関では休業となっているところも多くなり、警察やJAFなども多忙となると考えられます。休憩を多くとりながら、無理のない行程でゴールデンウィークを楽しんでいただければ幸いです。

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■記事執筆者(災害リスクカルテ監修)

横山 芳春 博士(理学)
だいち災害リスク研究所所長・地盤災害ドクター

地形と地質、地盤災害の専門家。災害が起きた際には速やかに現地入りして被害を調査。広島土砂災害、熊本地震、北海道胆振東部地震、山形県沖地震、逗子市土砂災害等では発生当日又は翌朝に現地入り。
現地またはスタジオから報道解説も対応(NHKスペシャル、ワールドビジネスサテライト等に出演)する地盤災害のプロフェッショナル。